植物名 | エケベリア |
学名 | Echeveria |
英名 | Echeveria |
科目/属性 | ベンケイソウ科エケベリア属 |
原産地 | メキシコ |
日当たり | 日当たりの良い置き場所 |
温度 | 最低10℃以上をキープ |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | 強い |
水やり | 春秋:手で土を触って水分を感じなくなったら(鉢の中央部分までしっかり乾いてから) 夏冬:手で土を触って水分を感じなくなって(鉢の中央部分までしっかり乾いてから) 1週間後 |
肥料 | 緩効性肥料、液体肥料 |
剪定時期 | 5月~9月 |
エケベリアの特徴
エケベリアは、ベンケイソウ科エケベリア属のバラの花のようなロゼット状の姿をした多肉植物です。葉の色は、緑やピンク、紫、白など豊富で、品種によってさまざまな表情を見せてくれます。
「多肉植物=エケベリア」と考えている方も多いほど、種類が豊富で人気です。美しい姿だけでなく、春や秋に咲く可愛いお花も人気の秘密と言えます。
乾燥に強く、他の多肉植物と比べても育てやすいため、初心者の方にもおすすめです。エケベリアは日光を好む植物であるため、日当たりの良い場所で育ててください。
また、エケベリアには「ブルーム」と呼ばれる白い粉が葉の表面に付いている品種があります。ブルームは触れると取れてしまい、観賞価値が下がるので、注意してください。
エケベリアの種類
エケベリアの原種は約200種類とされ、そのほとんどはメキシコに自生しています。交配しやすい特徴や世界的にも人気である点から、掛け合わせて生まれた品種まで合わせると、数えきれないほど種類があります。
ここでは、人気のあるエケベリアを紹介します。
ラウリンゼは白い粉を纏う「ラウィ」とピンク色の細葉が特徴の「リンゼアナ」の交配種です。優しい色合いと葉先のピンクは、非常に可愛らしい雰囲気を持っています。
桃太郎は淡い緑色の葉先が濃いピンク色になる品種です。気温が低くなるほど、葉先の赤みが増すため、緑色とのコントラストが楽しめます。
コロラータは、ブルーグレーの葉先が赤く色付き、ピンと尖っている点が特徴です。オリオンは青みがかった葉にブルームが付いており、冬に紅葉します。
クリスマスは、冬に真っ赤に紅葉するエケベリア。紅葉前後で大きく印象が変わる面白い品種です。
筆者もさまざまなエケベリアを育てています。葉の形や色、厚み、花などが異なる品種が非常に多いので、ぜひお気に入りを見つけて育ててみてください。
エケベリアの花言葉
エケベリアの花言葉は「優美」「風雅」です。どちらもエケベリア属に共通する花言葉になります。
どちらの花言葉も由来ははっきりしていませんが、エケベリアの美しい姿から名付けられたのでしょう。美しさや雅さを感じられるエケベリアの姿にぴったりの花言葉です。
「優美」「風雅」の花言葉は、ポジティブな印象を与えるため、お祝いシーンに活躍します。おしゃれさを感じさせてくれるので、開店祝いや誕生日祝いなどにさりげなくプレゼントすると喜ばれるかもしれません。
洋風の鉢にも和風の鉢にも合うので、プレゼントする方の好みに合わせて鉢物としてプレゼントするのもおすすめです。ぜひ素敵な花言葉を添えて贈ってみてください。
エケベリアの風水
エケベリアの風水効果は、「邪気払い」とされています。風水では葉先が尖っている植物は、悪い気を払う力があるとされているためです。
葉先が丸い場合は、「人間関係を円滑にする」効果があるとされます。運気の入り口である玄関や窓の近くに置くと、葉が尖ったタイプであれば悪い気を払ってくれるでしょう。
葉先が悪いタイプであれば、良縁に恵まれたり人間関係を改善出来たりするかもしれません。悪いことが続いている方や人間関係に悩んでいる方にプレゼントしてみてはいかがでしょうか。
多肉植物は種類ごとに風水効果が異なると言われています。「多肉植物の風水」の記事では、特徴別の風水効果や置き場所について紹介しているので、ぜひチェックしてみてください。
エケベリアの育て方
エケベリアは、初めて植物をお部屋に迎える方にも育てやすい多肉植物です。しかし、上手に育てるためには、押さえておきたいポイントがあります。
ポイントは、以下の5つです。
- 置き場所と日当たり
- 温度
- 水やりの頻度
- 肥料
- 剪定方法
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置き場所と日当たり
エケベリアは日当たりと風通しのよい環境を好みます。ただし、真夏の直射日光に当たると葉焼けする可能性がある点には注意してください。
ほとんど日光が入らないような暗すぎる場所では生育できません。葉色が悪くなったり葉が薄くなったり、徒長してひょろひょろになったりします。
夏を除けば、基本的に日当たりの良い屋外で育てた方が、色鮮やかな株姿になります。ただし、葉が小さかったり薄かったりする品種は、比較的葉焼けしやすいので、特徴を見て日当たり管理すると安心です。
雪や霜を避けることができ、さらに防寒によって5℃を下回らない環境を屋外で維持できるのであれば、冬も屋外での管理がおすすめです。冬に雪や霜が当たったり、温度をキープできなかったりする場合は、室内に移動させましょう。
室内で冬の紅葉を楽しみたい方は、秋にしっかりと日光浴をさせておくことがポイント。秋から冬にかけて、日当たりの悪い場所では綺麗な紅葉を楽しむことができないので、注意してください。
温度
エケベリアは寒さに弱い植物です。最低10℃以上をキープして育ててください。
水やりを控えることで5℃程度まで耐えられますが、0℃以下の寒さに当たり続けると凍結によって枯れる恐れがあります。凍結した後は、株全体がぶよぶよになり、葉から水分が滲み出るように溶けて枯れます。
そのため、気温が下がり始める晩秋には室内に移動させてください。ただし、紅葉するエケベリアは、低温に当てた方が鮮やかになります。
紅葉したエケベリアを楽しみたい方は、室内でも最低生育温度13℃をキープすると良いでしょう。20℃以上の室温を保つと綺麗に紅葉しないので、注意してください。
冬に室内で管理する場合は、エアコンの風が直接当たらない明るい場所に置きます。エアコンの乾燥した風が直接当たると、葉がポロポロと落ちやすいので、注意しましょう。
水やりの頻度
エケベリアの水やりを季節別に大まかに紹介します。
- 春秋:手で土を触って水分を感じなくなったら(鉢の中央部分までしっかり乾いてから)
- 夏冬:手で土を触って水分を感じなくなって1週間後
春と秋は、手で土を触って水分を感じなくなったら(鉢の中央部分までしっかり乾いてから)、鉢底から水が流れるくらいにしっかり行ってください。
エケベリアは、高温多湿環境で水やりしすぎると、蒸れて腐る恐れがあります。
特に梅雨の時期から9月の夏までは手で土を触って水分を感じなくなって1週間後に水やりする程度です。あえて月に1回程度の水やり、または断水をして強制的に休眠させる方法もあります。
葉はやや痩せますが、高温多湿による蒸れで枯れる心配は少ないです。夏にエケベリアを枯らしてしまう方は、水やりの頻度をより少なくしてみてください。
エケベリアは10℃以下の気温になると、生育が緩慢になります。手で土を触って、水分を感じなくなって1週間後に水やりする程度です。
冬の水やりは、気温の高い時間帯に常温または35℃程度の温いお湯で与えると、根に負担がかかりません。
もし、生育期の水やりタイミングが掴めない場合は、水やりチェッカーを使うとパッと一目でわかります。水やりで失敗する方は、ぜひ使ってみてください。
[https://andplants.jp/products/watering_checker_sustee_large_single]肥料
生育期に2か月に1度置き肥を置くか、水に薄めた液肥を2週間に1度のペースで水やり代わりに与えてください。真夏や冬の生育が緩慢な時期には、肥料は与えません。
エケベリアは、肥料が少なくても十分に育ちますが、葉をぷっくり大きくたい場合は土に混ぜ込んだ元肥以外にも追肥をすると効果的です。ただし、肥料の与えすぎは根を傷めるため、与えるペースや時期はしっかり守ってください。
[https://andplants.jp/products/evo_solid_fertilizer_for_green]剪定方法
エケベリアの剪定時期は5月~9月です。枯れた葉を取り除いたり伸びた茎や花茎を切り戻したりします。
地際の枯葉が取り除きにくい場合は、ピンセットで丁寧に取り除くとよいでしょう。日当たり不足によって株が徒長した場合は、葉の隙間から茎を切ります。
切り取ったエケベリアは、葉挿しや挿し木で増やすことも可能です。エケベリアの多くは、花が咲いても株姿は崩れにくいので、安心して花を咲かせることができます。
花茎は剪定せずに回すようにして取り除くこともできます。しかし、上手に取り除けない場合もあるので、花茎は剪定して取り除いた方が安心です。
残った花茎は、自然と枯れてポロっと落ちます。エケベリアに、花を咲かせすぎたり種をつけさせすぎたりすると、栄養が偏ります。
花が咲きすぎる場合は、花茎を間引くように剪定するとよいでしょう。
[https://andplants.jp/products/sakagen-flower-shears]エケベリアの増やし方
エケベリアの増やし方には、以下の3つの方法があります。
- 挿し木
- 葉挿し
- 種
エケベリアは、剪定した茎を土に挿して増やす「挿し木」で増やすことが可能です。剪定した茎の断面を乾かした後に、土に挿すと数日後に発根します。
また、茎ではなく葉を土に挿す「葉挿し」でも増やせます。葉挿しで増やす場合は、葉の付け根が傷ついていると発根しにくいので、葉を茎からとる時には注意してください。
エケベリアは交配によって、種を作りやすい多肉植物です。花が咲いたタイミングが一緒であれば、花粉を付け合うことで受粉させることができます。
収穫した種から育てた株を「実生株(みしょうかぶ)」と言います。エケベリアの実生株は、両親の性質をそれぞれ引き継いで新しい性質が現れることがある点が特徴です。
エケベリアの増やし方については、「多肉植物の増やし方」の記事で、詳しく紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
エケベリアのよくあるトラブルと対処法
乾燥に強く、育てやすいエケベリアですが、トラブルも存在します。
ここではトラブルが起きたときの対処法を解説していきます。あらかじめ対処法を知っておけば、いざ何かあっても安心です。
主なトラブルは以下の3つです。
- 根腐れ
- 根詰まり
- 葉焼け
それぞれ詳しく見ていきましょう。
根腐れ
根腐れでは、以下の症状が見られます。
- 水をあげても元気にならない
- 土がなかなか乾かない
- 葉が落ちやすい
- 葉が茶色・黄色に変色している
- 幹や幹の根元が柔らかい
- 土から腐敗臭がする
- 土の表面にカビが生えている
- 根が黒く変色している
根腐れは、土の中の酸素濃度が低下して土中の細菌叢が変化し、有機物の腐敗が進むことで有害なアンモニアが発生し、土壌環境が悪くなることで発症します。
また、常に土が湿っている状況では根が呼吸することができず、細胞が死んでしまいます。
これが原因で、根から水を吸い上げることができなくなり、植物体に水を供給することができなくなることで死んでしまう現象です。
根腐れの対処法は以下の通りです。
- 鉢から植物を抜き、悪い土を落として水はけのよい土に交換する
- 根の傷んでいる部分、腐っている部分をカットする
- 少量の水を与え、風通しがよく明るい日陰で管理する
※1週間を目安に水が乾くコンディションで管理する - 発根剤を与えてみる
- 傷んだ葉を取り除く
- 枯れた枝を切り取る
根腐れが起こった場合は、鉢を入れ替えて土の環境を変えることが大切です。傷んでしまった根は取り除き、健康な状態が取り戻せるような環境を与えてあげましょう。
赤玉土・ゼオライトなどを用土に混ぜ込むことで、水はけと根腐れを防止することができます。
根腐れで根元が腐っている場合は、無事な部分で切り取ってください。剪定した部分を乾かして、そのまま土の上に置きましょう。
20℃前後で数日間、土の上に置いておくと発根します。土に根付いたらそのまま育ててください。もちろん、葉挿しで発根させて回復させても問題ありません。
根腐れが起こると葉にしわが寄ったりハリがなくなったりして、しおれたような姿になることもあります。重度の根腐れの場合は、根元が溶けたような状態になることも。
エケベリアは土の多湿状態が長く続くと、根腐れしやすい特徴があります。小さな株ほど根腐れが生じると、あっという間に枯れやすいです。
日頃から風通しと水やりに注意して育ててください。
根詰まり
根詰まりとは、鉢の中で根がいっぱいになることで起きる症状。根詰まりの症状は以下の通りです。
- 水が浸透しづらくなる
- 底から根が出てくる
- 葉が黄色くなる
- 下葉が枯れやすくなる
長年植え替えていない場合に、上記のような症状が現れます。エケベリアは根詰まりで枯れることは滅多にありませんが、放置してしまうと生育によくありません。
対処法はエケベリアの植え替えをすること。
エケベリアを現在の鉢より1つ上の大きい鉢に植え替えることで、上記の症状はほとんど解消されるでしょう。植え替えを行う時期は、春または秋の成長期が適しています。
生育が緩慢な夏や冬に、植え替えはしないようにしてください。
葉焼け
葉焼けでは、以下の症状が起きます。
- 葉の色素が抜けて白くなっている
- 葉の一部が茶色~黒色に枯れている
真夏の強い日差しを浴びすぎると葉が傷んで「葉焼け」というトラブルが発生します。
葉焼けの症状に気がついたら、早めに置き場所を移動させてください。
対処法は以下の通りです。
- 直射日光が当たっている場合はカーテンや寒冷紗などで遮光する
- 葉焼けした部分はカットする
葉焼けが起こる場合は、日光が当たりすぎている可能性が高いため、直射日光に当てないような措置を取りましょう。
また、一度焼けてしまった葉は二度と元に戻りません。傷んだ葉はカットし、新しい健康な葉が生えてくるのを待ちましょう。
葉焼けは、暗い場所から急に直射日光が当たる場所へ移動させた際にも起こるトラブルです。「暗いお部屋で徒長したから、屋外の直射日光に当てたら葉焼けした」といった例はよくあります。
日頃から直射日光や明るさには注意しておくと安心です。筆者は真夏の西日によって何度もエケベリアの葉を黒く葉焼けさせたことがあります。
夏は明るい日陰に置いたり、寒冷紗でしっかりと遮光したりして管理しましょう。
エケベリアの害虫トラブルと対処法
ぷっくりとした肉厚な葉を持つエケベリアですが、害虫トラブルは存在します。
エケベリアに発生しやすい害虫トラブルは、以下の4つです。
- ハダニ
- アブラムシ
- カイガラムシ
- コバエ
害虫によるトラブルが発生したときの対処法を解説していきます。あらかじめ対処法を知っておけば、いざ何かあっても安心です。
ハダニ
ハダニの症状は以下の通りです。
- 葉にクモの巣のような糸がついている
- 葉の裏に小さな虫がついている
- 葉に斑点や傷がある
- 葉の色がかすれたように薄くなり枯れている
ハダニは繁殖力の強さと、薬剤耐性を持つ非常に厄介な害虫です。
放っておくと糸を張って大量発生する危険性もあるので、早めに対処を行いましょう。
対処法は以下の通りです。
- 傷んだ葉はカットする
- 葉の表裏、付け根や茎も水で洗浄する
- ハダニに効果のある液体を噴霧する(殺虫剤のほか、2倍に薄めた牛乳、重曹と水を混ぜたもの、濃いコーヒー、10倍に薄めた酢でも一定の効果あり)
ハダニが湧いてしまったら、市販の殺虫剤(ベニカXファインスプレー・オルトラン)の使用が効果的です。ただし、薬剤散布は使用回数を守らないと、美しい葉に黒点が付いたり株が弱ったりするため、注意してください。
2倍に薄めた牛乳などの液体を噴霧する対処法もありますが、匂いが気になる方には水で洗い流す方法もおすすめです。
ハダニは、こまめな霧吹き・葉をふき取りきれいにすることをしっかり行えば、発生しにくいです。
常にきれいな状態を保つために、霧吹きの購入は必須といえます。ハダニが発生した場合は、シャワーで洗い流すなどの管理も必要です。
冬の水やり頻度が少ないエケベリアは、ハダニが発生しやすいです。冬は暖かい時間帯に霧吹きをしたり、湿った布やテッシュで葉を拭いたりする予防もしておきましょう。
アブラムシ
アブラムシの症状は以下の通りです。
- 新芽が萎縮している
- 葉が縮れている
- 新芽に虫が付いている
- 葉や幹がベタベタしている
アブラムシは繁殖力が強いため短期間で増え、ウイルスを媒介する厄介な害虫です。
風通しが悪かったり暗い場所で管理していたりしてひょろひょろになっているエケベリアに発生しやすいので、注意してください。放っておくとエケベリアの生育がさらに弱まり枯れる恐れもあるので、早めに対処を行いましょう。
対処法は以下の通りです。
- 縮れた葉はカットする
- アブラムシを取り除く
- 伸びすぎている茎は剪定して短くする
- アブラムシに効果のある液体を噴霧する(殺虫剤のほか、2倍に薄めた牛乳、重曹と水を混ぜたもの、濃いコーヒー、10倍に薄めた酢でも一定の効果あり)
アブラムシが湧いてしまったら、市販の殺虫剤(ベニカXファインスプレー・オルトラン)を使用すると効果があります。ただし、薬剤散布は使用回数を守らないと、美しい葉に黒点が付いたり株が弱ったりするため、注意してください。
2倍に薄めた牛乳などの液体を噴霧する対処法もありますが、匂いが気になる方には水で洗い流す方法もおすすめです。
カイガラムシ
カイガラムシの症状は以下の通りです。
- 貝殻のような殻を被ったり、粉状の物質で覆われたりしている虫が葉の付け根や幹についている
- 黒いカビ(すす病)が発生している
- 葉や幹がベタベタしている
カイガラムシは繁殖力の強さと薬剤耐性のある厄介な害虫です。
放っておくとエケベリアの生育が弱まり枯れる恐れもあるので、早めに対処を行いましょう。
対処法は以下の通りです。
- 柔らかい布やブラシで擦り取り除く
- 茂り過ぎている枝葉は剪定して風通しをよくする
- カイガラムシに効果のある液体を噴霧する(殺虫剤のほか、2倍に薄めた牛乳、重曹と水を混ぜたもの、濃いコーヒー、10倍に薄めた酢でも一定の効果あり)
カイガラムシが発生したら、市販の殺虫剤(ベニカXファインスプレー・オルトラン・スミチオンなど)を使用するのが効果的。ただし、薬剤散布は使用回数を守らないと、美しい葉に黒点が付いたり株が弱ったりするため、注意してください。
カイガラムシの成虫には殺虫剤が効きにくいので、幼虫の時期である5~7月に使用するとよいでしょう。
既に貝殻をかぶっている成虫は、柔らかいブラシや布で擦り取ってください。
葉が細かなエケベリアにカイガラムシが増えると、対処が非常に難しいです。日頃のお手入れの際に、カイガラムシが付いていないかどうか確認して、見つけ次第すぐに駆除するようにしてください。
適した環境で育てているエケベリアには、カイガラムシの発生は少ないです。暗い場所で徒長していたり弱っていたりするエケベリアにカイガラムシは付きやすいので、育てる環境には注意してください。
コバエ
コバエの症状は以下の通りです。
- 土に虫が湧く
- コバエが植物の周囲を飛んでいる
コバエ自体は植物に無害ですが、観葉植物を育てるうえでは不快害虫です。
放っておくとコバエは増えていくので、早めに対処を行いましょう。
対処法は以下の通りです。
- 発酵不十分な堆肥や有機質肥料を与えることをやめる
- 土上2~3㎝を取り除き、新しい土に植え替える
- 土の表面に無機質な素材(赤玉土・鹿沼土・砂利など)を敷く
- トラップを仕掛ける
- コバエに効果のある殺虫剤を噴霧する
コバエが発生したら、市販の殺虫剤(ベニカXファインスプレー・オルトラン・スミチオンなど)を使用するのが効果的です。ただし、薬剤散布は使用回数を守らないと、美しい葉に黒点が付いたり株が弱ったりするため、注意してください。
コバエのトラップは食器用洗剤やお酢、めんつゆなどで作ることができます。植物の近くに置いておくと、簡単にコバエを捕殺できるでしょう。
コバエは、発酵不十分な腐葉土やバーク堆肥、有機質肥料の匂いに引き寄せられます。
そのため、有機質肥料を取り除いたり土の表面に赤玉土や鹿沼土など3~5㎝程度敷き詰めたりするとコバエ発生を防ぐことが可能です。
そもそもコバエは、完熟たい肥を使用した質のよい土であれば発生率を低く抑えられます。また、土が常に湿っている状況を避ければ、さらに発生する可能性は低いです。
コバエを発生させないためには、適切な土と水やり管理で育ててください。
エケベリアの育て方に関してよくある質問
最後にエケベリアの育て方に関してよくある質問とその答えを以下にまとめました。
- エケベリアは室内・屋外どちらを好む?
- エケベリアが徒長する原因は?
- エケベリアの植え替え時期/植え替え方法は?
- エケベリアは素焼き鉢・スリット鉢どちらがよく育つ?
- エケベリアの下葉が枯れる原因は?
それでは具体的に見ていきましょう。
エケベリアは室内・屋外どちらを好む?
エケベリアは、屋外を好む多肉植物です。日当たりと風通しの良い環境ほど、よく育ちます。
ただし、真夏の直射日光は葉焼けの原因になるので、夏の時期は室内でレースカーテン越しの光に当てたり明るい日陰で管理したりしてください。また、温度は10℃以上をキープして育てる必要があるため、冬は室内に移動させましょう。
ただし、エケベリアの美しい紅葉を楽しみたい方は、雪や霜が当たらず10℃前後をキープできる環境であれば、冬も屋外管理がおすすめです。気温が下がる夜は、タオルケットを被せたり、簡易温室に入れたりするなどの工夫をすると屋外でも管理がしやすいかもしれません。
雪や霜が当たる場合は、無理せず室内に移動させてください。
エケベリアが徒長する原因は?
エケベリアが徒長する原因は、「日当たり不足」「水のやりすぎ」が考えられます。
日当たりを好む多肉植物なので、暗い場所では徒長して形が崩れやすいです。また、水をやりすぎている場合も徒長しやすいです。
剪定しても、伸びすぎた時と同じような育て方をしていると、再び徒長します。剪定後は、夏を除いて日当たりの良い場所に置いてください。
水やりも季節に合った与え方を心がけましょう。
エケベリアの植え替え時期/植え替え方法は?
エケベリアや多肉植物などの植え替え時期は、3〜5月、10〜12月です。7月以降に植え替える場合は猛暑日を避けて植え替えしてください。
およそ1~2年おきに植え替えます。鉢底から根が出てきたり、水やり後に土の吸水が悪かったりする場合も植え替えが必要です。
鉢から根鉢を取り外します。根が固まっていたりスカスカになっていたりしたら土と一緒にほぐして取り除き、一回り大きな鉢に植え替えてください。
鉢底から水が流れるくらいに水やりをして、風通しのよい明るい日陰で様子を見ます。その後、元の置き場所に戻して管理しましょう。
エケベリアは素焼き鉢・スリット鉢どちらがよく育つ?
エケベリアは素焼き鉢の方がよく育ちます。素焼き鉢は、プラスチックのスリット鉢よりも通気性や排水性が良いためです。
特に蒸れに弱いエケベリアでは、水やり後の通気性は重要なポイントです。プラスチックのスリット鉢は、土の中で根が蒸れやすいため、夏に比較すると枯れやすい傾向にあります。
必ずスリット鉢にすると枯れるわけではありませんので、安心してください。環境や管理方法によってはスリット鉢のメリットが大きい場合もあります。
大事に育てたい品種は素焼き鉢で育てて、増やした株はスリット鉢で育てるなどの使い分けをしてみてはいかがでしょうか。
エケベリアの下葉が枯れる原因は?
エケベリアの下葉が枯れる原因は、「日当たり」「水やり」「風通し」が考えられます。また、下葉が1~2枚枯れ落ちる程度であれば、新陳代謝で自然に枯れている場合もあります。
エケベリアは日当たりを好みます。暗い場所では健康的に育たないので、葉がポロポロと落ちやすいです。
水やりや風通しも同様です。水のやりすぎや水不足、風がない環境では、下葉が枯れ落ちやすいので、注意してください。
1年を通して、適切な環境で育てましょう。
エケベリアのまとめ
エケベリアは日当たりと風通しのよい環境であれば、春秋は屋外で簡単に育てることができます。夏は明るい日陰やレースカーテン越しの窓際、冬は明るい室内で育てると安心です。
「優美」「風雅」は、おしゃれでポジティブな花言葉として、どのお祝いシーンにもおすすめです。邪気を払うとされている風水効果は、悪い運気に悩んでいる方に特に喜んでもらえるでしょう。
筆者は、さまざまなエケベリアを育ててきましたが、非常に奥が深い多肉植物だと感じています。品種によって、葉色の違いや交配の楽しさを感じることができるので、ぜひ気になったエケベリアを育ててみてください。
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