きれいなフラワーアレンジメントをもらったら、お家に飾ってなるべく長く楽しみたいですよね。
しかし、管理の仕方が分からずそのまま置いておいたら、すぐ枯らしてしまったという方も多いのではないでしょうか。
フラワーアレンジメントを美しい状態で保つには、水やりなどの適切なお手入れが必要です。
「お花の扱い方を知らないから難しいのでは?」と思われた方も心配いりません。
今回は、花屋で働いていたときに「フラワーアレンジメントってどう手入れすればいいの?」と聞かれたことを踏まえて解説します。
管理の仕方やちょっとしたコツを知っておくことで、誰でも簡単にお手入れできて、長く楽しめるようになりますよ。
フラワーアレンジメントをもらったらまずやること
フラワーアレンジメントをもらったら、まずやることは次の2つです。
- ラッピングを外す
- 水やりをする
家に持ち帰ったらすぐにこの2つを行うことで、お花の持ちがかなり変わりますよ。
ラッピング(ビニール)を外す
一番最初に行うのは、ラッピングを外すことです。
ラッピングの役割は、アレンジメントを運ぶときに花を傷めないようにカバーすること。持ち帰った後も、つけたままにしておく必要はありません。
せっかくきれいにラッピングしてあるのにもったいないと思う方もいるでしょう。しかし、そのままでは通気性が悪く花が傷みやすかったり、水やりがしにくかったりするので、お花のためにも大切なことです。
ラッピングを外すときは、お花にあてないよう注意しながら行ってください。お花は繊細なので、衝撃を与えると折れたり花びらが散ったりしてしまいます。
スポンジ(オアシス)にお水やりをする
ラッピングを外したら、お花が挿してあるスポンジにお水やりをしましょう。
フラワーアレンジメントは、お花の茎の切り口がスポンジに接することで、お水を吸い上げています。スポンジが乾いてしまうとお花も水切れしてしまうので、常にスポンジがお水を含んだ状態になっていることが大切です。
お花屋さんでフラワーアレンジメントを作成する際も、スポンジを十分に吸水させていますが、お水の量は持ち運びでこぼれないように最低限しか入れていません。
実際、わたしも花屋時代はそうしていましたし、お渡しするときに「飾るときにはラッピングを外して、お水を入れてあげてくださいね」とお伝えしていました。
お花屋さんで受け取ってから持ち帰るまでに時間がかかると、お水がかなり減っていることも考えられます。スポンジと花器のすきまにお水を入れてあげましょう。
勢いよく注ぐとスポンジがお水を吸う前にあふれてしまうので、ゆっくり染み込ませるように注ぐとこぼれません。
[https://andplants.jp/products/wateringcankeinnmiddle]フラワーアレンジメントを長く育てるコツ
最初にやることを終えたら、次はフラワーアレンジメントをきれいに保つ方法を紹介します。長く育てるコツは、次の3つです。
- お水やりの仕方と頻度
- 日当たりや置き場所
- 枯れ葉や傷んだ花は切り取る
ちょっとした気配りでお花を長く楽しめるので、ぜひやってみてください。
①お水やりの仕方・頻度
フラワーアレンジメントのお水やりのポイントは、スポンジが常に水を蓄えた状態にしておくこと。完全に乾いてしまうと再び吸水させることができないので、水切れには注意しましょう。
夏は毎日、春と秋は1日おき、冬は3日に一度くらいを目安にしてください。
お水は、花器の高さの7分目くらいまで入れてあげましょう。ジョウロがなければ、計量カップやコップなどで代用しても構いません。
できれば、花器に残っているお水を捨ててから、きれいなお水を入れてあげるといいでしょう。お水はお花から出るエチレンガスや雑菌で汚れているので、きれいなお水に変えることで長持ちしやすくなります。
注意:お花に直接水をかけないようにする
お水やりのときには、お花に直接水をかけないように注意しましょう。
花びらには表面から水を吸い込む力はなく、水がかかった部分からシミになったり溶けたりして傷んでしまいます。
フラワーアレンジメントは、お花同士や葉が重なっていてぎっしり詰まっているため、上からお水を注いでも上手くお水やりができません。
スポンジが見えないときは、お花が挿してある根元のあたりの葉を軽く手で起こすと、お水やりしやすいですよ。
②日当たり・置き場所
フラワーアレンジメントを長持ちさせるには、どこに飾るかも大切です。置き場所には、直射日光があたらない風通しのいいところを選びましょう。
直射日光があたる場所を避けるのは、花びらや葉が日焼けを起こし、変色したり枯れたりするのを防ぐためです。暑さでお水の蒸散が早まり、水切れを起こしやすくもなります。
また、フラワーアレンジメントはお花や葉が重なり合って作られているので、空気がこもりやすいです。風通しが悪いと、蒸れてカビが発生したり腐ったりしやすいので注意しましょう。
③枯れ葉や傷んだ花は切り取る
枯れた葉や傷んだ花は、はさみで切り取ったり茎ごと抜いたりと、メンテナンスも行いましょう。
枯れたり傷んだりした状態を放置していると、元気なお花にも悪い影響を与えてしまうからです。
植物は、吸い上げた水を全身に行き渡らせようとします。不要な部分があると、そこにもお水を取られてしまい、元気な花や葉に十分なお水が届きません。
また、傷んだ箇所が元気なお花や葉に接していると、きれいな部分までダメになってしまいます。
茎に花が一輪だけついているものは茎ごと抜き、茎が枝分かれしているものは傷んだ花や葉の部分のみを切り取れば大丈夫です。
フラワーアレンジメントを育てる際の注意点
フラワーアレンジメントを育てる際は、次の2つにも注意しましょう。
- 多湿・高温の部屋に置かない
- エアコンの風を直接当てない
飾る環境次第で、お花の持ちがかなり変わりますよ。
多湿・高温の部屋に置かない
暑くて湿度が高い場所にいると、ぐったりしますよね。お花も同じで、多湿や高温の場所ではすぐにしおれてしまいます。
春や秋は過ごしやすいリビングや寝室、夏や冬は温度差が激しくない玄関がおすすめです。
特に、日中に不在がちな場合は、在宅時との温度差に注意しましょう。暑い時期のリビングや寝室などは、人がいない日中は室温が高く、蒸れやすいので避けたほうが無難です。
逆に冬は、不在時はよくても在宅時に暖房や加湿器をつけることで、お花にとって多湿で高温な場所になってしまいます。
エアコンの風を直接当てない
フラワーアレンジメントを飾るときは、部屋だけでなく場所選びも大切です。置き場所には、エアコンの風が直接当たらないところを選びましょう。
エアコンの風をお花に当てつづけると、急速に花びらや葉の表面から水分を奪ってしまうからです。せっかく吸い上げたお水がなくなってしまうと、お花は乾燥して枯れてしまいます。
エアコンだけではありません。夏の扇風機や冬のファンヒーター、加湿器など、冷風や温風が当たる場所は避けましょう。
フラワーアレンジメントに関するよくある質問
最後に、フラワーアレンジメントに関するよくある質問を3つ、取り上げました。
- フラワーアレンジメントの寿命はどのくらいなの?
- お花に霧吹きをするのは大丈夫?
- 枯れた後の処分方法はどうすればいい?
知っておくとさらにお花を楽しめるので、チェックしていきましょう。
フラワーアレンジメントの寿命はどのくらいなの?
フラワーアレンジメントの寿命は、平均すると1週間くらいです。季節や置き場所、お花の種類によっても異なります。
夏だと3日くらいでダメになることもありますし、長持ちするお花なら2週間くらい持たせることも可能です。
お花屋さんによっては切り花の延命剤をつけてくれるところもあるので、お水に混ぜてあげると花持ちがよくなります。
代用品としては、ごく少量の漂白剤を混ぜるのもおすすめです。雑菌が繁殖するのを抑えてくれるので、お水が傷みにくくなります。
傷んだ花を抜いていってすき間が目立つようになったら、全部抜いてしまって花瓶に活け替えてもいいですよ。
茎を切り戻したり深水につけたりと、切り花の簡単な手入れでさらにお花を長持ちさせることができます。
お花に霧吹きをするのは大丈夫?
お花に霧吹きをすることで、乾燥を防いだり葉から水を吸水させたりできます。
ただし、霧吹きをするときは、花びらではなく葉に行いましょう。花びらは繊細なので、しみになったり溶けたりしやすいからです。
葉に霧吹きをするときも、やりすぎると湿度が上がって、かえってお花に悪い環境を作ってしまいます。
軽く2~3回吹きかける程度にしておきましょう。タイミングも、お水が蒸散しにくく温まりにくい午前や、夕方の涼しい時間がベストです。
枯れた後の処分方法はどうすればいい?
フラワーアレンジメントが枯れた後は、お花、スポンジ、花器に分けて処分しましょう。
お花は燃えるゴミ、スポンジは埋めるゴミになります。スポンジはそのまま放置して乾燥させてから捨てるか、つぶして水をしぼってから捨てましょう。
自治体によって捨て方が異なることもあるので、住んでいる地域の処分方法をチェックしてみてください。
花器は、天然素材のかごや陶器、プラスチック製などがあり、素材によって処分方法が異なります。おしゃれな器なら、処分せずに小物入れなどにして使うのもいいでしょう。
まとめ
生花でできたフラワーアレンジメントは、そのままずっと飾っておくことはできません。しかし、管理方法やちょっとしたコツを知っていれば、すぐに枯らしてしまわずに楽しむことができるでしょう。
もらったらすぐにラッピングを外し、水やりをするだけでも花持ちが変わります。 さらに、適度な水やりや置き場所に気を付けるだけでも、お花の寿命を伸ばすことが可能です。
今回紹介したやり方やコツは、どれも簡単にできることばかりなので、ぜひ活用して少しでも長くきれいなフラワーアレンジメントを楽しんでくださいね。