観葉植物を育てていると、コバエやハダニが発生して困ることがありますよね。コバエなどの不快害虫は観葉植物に大きな影響を与えませんが、耳元で飛んだり食卓に止まったりするため、ストレスを感じることも。
ハダニやカイガラムシは植物の養分を吸汁して弱らすため、駆除するべき対象の虫です。放っておくと害虫の排泄物などによって病気を引き起こすこともあります。
室内に発生する害虫を減らすためには、発生する原因とその予防策を知ることが大切です。効果的な方法で虫除けをすれば、植物の生長にとっても良くなります。
今回は観葉植物に害虫が発生する原因、虫除けの予防・駆除方法、さらにおすすめの手作り虫除けスプレーの種類・作り方を詳しく紹介します。
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室内の観葉植物に虫が発生する6つの原因
室内で育てているのに、観葉植物の周辺にコバエが飛んでいたり、ハダニが葉に付いていたりすることがよくあります。
観葉植物を屋外に出していなくても何らかの原因によって室内で発生し、放置すれば増え続けることも。ハダニやアブラムシなど害虫によっては観葉植物を弱らし、枯らしてしまうこともあるので注意が必要です。
室内に害虫が発生する原因には以下の6つが考えられます。まずは今日までの管理方法を見直し、次に害虫が発生しない環境づくりを目指しましょう。
- 購入時にすでに虫が付いていた
- 虫が外から侵入する
- 日当たりと風通しが悪い部屋で管理している
- 室内の湿度が極端になる部屋で管理している
- 肥料の与え過ぎ
- 土の状態が悪い
6つの原因以外にも該当するようなことがあるかもしれません。これらを知っていても害虫が発生する場合もあります。大量に発生しないために、できるだけ定期的に観葉植物を観察し、前日と違いはないかなど状態を確認するようにしましょう。
購入時にすでに虫が付いていた
はじめに考えられる原因の1つに、観葉植物を購入したときにすでに葉・茎・幹・根・土に付いていたことがあげられます。
お店から自宅に運び暖かい室内で観葉植物を育てていると、害虫にとっても繁殖しやすい環境で、大量に発生する場合もあります。
特に屋外販売店やグリーンハウスで購入した植物には、小さな虫やその虫の卵などが潜んでいる可能性も高いです。
虫が外から侵入する
目で確認しにくい小さな害虫は、家の外から侵入することが考えられます。
コバエやアブラムシなどは羽を持っているものが多くいるため、風に流されてドア・窓の隙間から侵入しやすいです。
ハダニなど極小の害虫は外で衣類やカバンなどに付着し、室内に連れてきて観葉植物に住み着くことが多いようです。
また、ナメクジやゴキブリなどは排水溝やダクトを伝って侵入することもあります。
日当たりと風通しが悪い部屋で管理している
日当たりや風通しが悪い部屋では、観葉植物に害虫が付きやすいです。多くの害虫が直射日光や風を苦手としているため、環境の悪い部屋で繁殖しやすく、気づいたら大量に増えていることも。
また、室内に潜んでいるため天敵となる益虫などがいないことから、害虫が卵を産みやすいです。駆除しても新たに発生するような悪い環境になることもあります。
室内の湿度が極端になる部屋で管理している
観葉植物に発生するコバエは湿った土を好み、卵を産み付け繁殖するようです。湿気がたまりやすい部屋だと土が乾きにくく、いつまでも湿った状態が続くため、コバエが常に飛びやすいです。
反対にカラッとした乾燥した状態が長く続くと、アブラムシやハダニが繁殖しやすく、観葉植物の生育に影響がでる場合もあります。
肥料の与え過ぎ
腐葉土や油かす、魚粉などを使った有機肥料は動植物の残骸を発酵させてできたものです。天然オーガニックで栄養満点ですが、害虫たちも大好きです。
肥料を与え過ぎるとそれに集まるように害虫が発生します。
また、化学肥料の中でも窒素(N)が多く含まれたものは害虫が集まりやすいです。窒素の中に含まれている成分が、害虫の好む味や匂いといわれています。
土の状態が悪い
観葉植物の土が古い・安価過ぎると、コバエが発生することもあります。消毒が十分でないことから、どちらもコバエの卵が入っている可能性が高いです。使い始めてしまうと室内でふ化し、繁殖するかもしれません。
安価過ぎる土や古くなった土を使ったり、使い続けたりするとコバエの住処になりやすいのです。どうしても使いたい場合は室内に持ち込むのは避け、屋外の鉢植えに使うようにしましょう。
【予防】観葉植物の虫除け対策
さまざまな原因によって発生する害虫は、あらかじめ対策をしておくことで数を減らせます。
日頃のケアやちょっとした工夫でできることばかりなので、虫が発生しやすい7月ごろまでに予防対策しておくといいです。
以下の5つの方法で害虫の発生率を下げ、ストレスない清潔な部屋をつくってみましょう。
- 購入後は室内に入れる前に観葉植物を掃除
- 土の表面に木酢液散布
- ココナッツファイバーや石で土をカバー
- 日当たりと風通しが良い部屋で管理
- 葉水・掃除
観葉植物の購入後から日頃の管理の流れで、詳しく解説します。
①購入後は室内に入れる前に観葉植物を掃除
観葉植物をお店で購入したあとは、できるだけ葉についたホコリやゴミをきれいに取り除いてから、室内に運び入れましょう。
ハンドモップやタオル、ティッシュなどを使って丁寧に掃除をすれば、大抵のホコリやゴミが取り除けます。また外から帰ってきたときは観葉植物だけでなく、自分の身に付けている衣類やカバンに付着したホコリなどを払っておき、害虫が室内に侵入しないように気を付けるといいです。
シャワーを使って全体を洗い流してあげると、葉水も兼ねてほこりやハダニを落とすことができます。樹液や蜜などでベタベタした部分も、水で洗い流してきれいに掃除すると効果的です。
②土の表面に木酢液散布
観葉植物を室内に置く前に、土の表面に木酢液(もくさくえき)を散布しておくと、匂いによって防虫効果が得られるといわれています。
このとき葉の表面にも散布すると、葉の光沢となるコーティング層が強固になり、ハダニやアブラムシなどの害虫に強くなります。
また木酢液を土にしっかりとなじませることで、病原菌を追い出す有効菌や有効微生物が活発になり、病気にも強い観葉植物を育てることができます。
ただし、木酢液はくんせいのような強い匂いが特徴なので、散布したあとは室内に漂うこともあります。散布後は室内に匂いがこもらないように、屋外に数時間ほど置いておくといいです。
③ココナッツファイバーや石で土をカバー
湿った土に付くコバエなどの虫は、ココナッツファイバーや石で土の表面をカバーするといいです。コバエは土特有の匂いによって鉢に集まりやすく、表面に卵を産みつけ繁殖します。
3〜5cmほどの厚みになるようにカバーをすればコバエが鉢の中に侵入しにくく、大量に発生することも少なくなります。
無機質素材の石は匂いがないので、コバエが集まることがなくなるかもしれません。石だけでなく赤玉土でも効果が期待できるので、観葉植物と一緒に購入するといいですよ。
ただし、土からの水の蒸発が抑えられてしまうので、株元が蒸れて根腐れするリスクもあります。土を覆う場合は、なるべく風通しが良い場所で育ててください。
1週間に一度でも良いので、定期的に覆ったマルチング材を取り外してあげると、蒸れを抑制できます。
④日当たりと風通しが良い部屋で管理
暗くてじめじめした場所が大好きな害虫は、風が吹かない静かな観葉植物の葉の上で繁殖しやすいです。葉の上や鉢の中の土が害虫の住処にならないように、できるだけ観葉植物を日当たりと風通しが良い部屋で管理しましょう。
直射日光が葉に当たると葉焼けを起こす場合もあるので、カーテンやブラインドで遮光した窓辺やドアの入口近くなどに置きます。部屋の窓やドアを締め切ったままでいると風が流れないので、自宅にいるときなどは開けっ放しにしておくといいです。
⑤葉水・掃除
観葉植物の葉や土の表面は、ホコリ・ゴミ・害虫が集まりやすいので、普段からきれいにしておくことが予防につながります。
霧吹きを使って定期的に葉の表面や裏側に葉水をし、月に1〜2回ほどはハンドモップで掃除をしましょう。ハダニやカイガラムシは葉脈や葉の付け根などの小さな隙間に潜んでいることが多いので、注意深く観察しながら掃除するといいです。
【駆除】観葉植物の虫除け対処法
しっかりと予防をしていても観葉植物に害虫が発生することもあります。特に梅雨の時期や夏は害虫が増える時期でもあるため、何らかの方法で外から侵入しやすいです。
では実際に発生したとき、どのように害虫を駆除するべきなのか。
ここでは、以下の5つの虫除け対処法について詳しく紹介します。
- タオル・ピンセット・歯ブラシなどで駆除する
- 水できれいに洗い流す
- 鉢ごと水没させる
- 発生した葉の一部や土の表面を取り除く
- 自然由来の虫除けスプレーで殺虫する
タオル・ピンセット・歯ブラシなどで駆除する
葉や茎などにアブラムシ・ハダニ・カイガラムシが発生した場合は、タオルやピンセット、歯ブラシなどの道具を使って丁寧に駆除します。
アブラムシやハダニはタオルでさっと拭き取ったり、少量であればピンセットで摘んだりして駆除するといいです。
カイガラムシは葉に固くへばりついていることが多いので、ピンセットや歯ブラシ、タオルを使って少し強めの力を加えて取り除きましょう。ティッシュやタオルを使う場合は、水で湿らせてこするように力を入れると良いです。
水できれいに洗い流す
タオルやピンセットなどで駆除するのが不安な方は、浴室や庭のシャワーで観葉植物全体に水をかけるといいです。
カイガラムシなどは水をただ掛けているだけでは、全てを取り除くことが難しいです。葉を一枚一枚タオルで擦りながら拭き取りましょう。
鉢の中に水を入れたくない方は、鉢の上にキッチンラップなどを張ってカバーします。
鉢ごと水没させる
コバエの繁殖が室内で目立つ場合は、土の中に卵を産みつけて増えている可能性があります。水を張った容器や桶に鉢ごと漬け込み、中の卵や害虫を窒息させて駆除しましょう。
鉢は2〜3時間ほど漬け込んでおき、中の水を十分に抜き切ってから部屋に置きます。鉢が軽いと浮力によって倒れてしまうので、重石などを鉢の上に置いてから水没させるといいです。
発生した葉の一部や土の表面を取り除く
害虫が無数に集まるように発生してしまった場合は、観葉植物の葉や茎の一部を切り取って駆除します。
特にカイガラムシの仲間であるコナカイガラムシは、葉の付け根などに入り込みコロニー(生物集団)を形成します。いくらきれいに取り除いていても、奥深くに入り込んだカイガラムシは駆除しにくいです。
葉の付け根に袋状の隙間ができるようなコルジリネやドラセナなどは、葉を摘み取って中に潜む成虫や卵を取り除きましょう。
また、土の表面に潜むコバエの幼虫や卵は、2〜3cmほどの厚さで土を取り除き、新しい土に入れ替えるといいです。新しい土を加える必要がない場合は、取り除いたままでも構いません。
土を取り除いた後に、土の上から無機物である赤玉土や軽石などをマルチングするのも効果的です。
自然由来の虫除けスプレーで殺虫する
市販で売っている虫除けスプレーには、殺虫効果が含まれているものもあります。
化学製品を使って駆除するのもいいですが、場合によっては植物や土に付いている良い菌や微生物までも死滅させ、環境が悪くなることも。
そのため、ユーカリやミント、ゼラニウムなど自然素材でできた殺虫剤を選びましょう。植物が病害虫の被害に繰り返しあわないような環境づくりを目指すことが大切です。
AND PLANTSでは、自然由来で作られた防虫スプレーを扱っています。嫌な匂いもせず、お子さんやペットのいるご家庭にも安心して使っていただけますよ。
[https://andplants.jp/products/evo_anti_insect_spray]おすすめの手作り虫除けスプレー
自然素材でできた虫除けスプレーは、野菜やスパイスの香りが忌避剤・殺虫剤となり、害虫を予防駆除できます。
使う材料は自宅近くのスーパーマーケットで購入できるため、自分で手軽に作ることができますよ。
ここでは、室内の観葉植物におすすめの手作り虫除けスプレーの種類と作り方について紹介します。
- 野菜やスパイスで作る虫除けスプレー
- トマトリーフスプレー
- カスティール石けんスプレー
野菜やスパイスで作る虫除けスプレー
刺激的な香りと辛味成分が強いニンニク・タマネギ・トウガラシは、多くの害虫たちが嫌う野菜です。それらの野菜に抗菌・殺菌作用のある米酢を混ぜることで、効き目のある虫除けスプレーを作れます。
特にトウガラシなどは人間にとっても非常に強力な風味なので、扱う際は顔を近づけ過ぎないようにします。
材料
- 米酢:500ml
- ニンニク:2〜3片
- タマネギ:1個
- トウガラシ:8〜10本
作り方
- ニンニク・タマネギ・トウガラシをミキサーにかける
- 実が細かく液状になったらミキサーを止め、フタ付きの容器に入れる
- 液が入った容器に米酢を入れる
- 30〜40日間ほど冷蔵庫で漬け込んだら完成
使い方
容器に入った液をスポイトやティースプーンですくい、水が入ったスプレーボトルに混ぜ入れて散布します。
350mlの水に対し、液は10ml程度と30倍で希釈するといいです。あまり濃いめのものかけてしまうと、植物に刺激となる場合もあるので注意してくださいね。
トマトリーフスプレー
青いトマトの実は毒があって食べられないといわれるように、トマトの葉・茎・ヘタには「トマチン」というアルカロイド系の毒が含まれています。この毒はアブラムシが嫌うため、茹で汁が忌避剤となるといわれています。
家庭菜園や畑などガーデニングでトマトを育てている方は、収穫後は葉や茎を残しておき、虫除けスプレー作りに挑戦してみましょう。
材料
- トマトの葉・茎:適量
- 水:約500〜1,000ml
作り方
- 手鍋にトマトの葉・茎と水を入れて、沸とうさせる
- 沸とうしたところで火を止め、葉・茎を混ぜながらお湯を冷ます
- 鍋のお湯が緑褐色になったら完成
使い方
完成した液をしっかりと冷まし、スプレーボトルに直接入れて吹きかけるだけです。花芽が付くようなところは避けて散布するようにしましょう。
カスティール石けんスプレー
ハンドソープやボディーソープとして使われるカスティール石けんは、オリーブやココナッツ、パームなど天然オイルから作られたものです。刺激がなく、濃厚な香りがすることから観葉植物の忌避剤として使いやすい素材になります。
材料
- カスティール石けん:100g
- 水:1,000ml
作り方
- カスティール石けんを包丁で細かく切る
- 沸騰したお湯に石けんを入れて、さらさらになるまでかき混ぜる
- 石けんが溶けてお湯になじんだら、冷ましてスプレーボトルに注ぐ
使い方
農薬のように害虫が発生しそうな葉や茎に散布して使います。ただし、気温が高くなる日中の間だと効き目が薄くなるので、朝や夕方に使うようにしましょう。
1,000mlの水に対し、石けんは10g程度と10倍で希釈するといいです。
まとめ
観葉植物は「室内で育てているから虫が付かない」と思われがちですが、実は屋外よりも付きやすいです。暗くてじめじめとした場所や極端に乾燥し過ぎるような悪い環境で、害虫は繁殖します。
害虫を発見し駆除したあとはそれでお終いとは思わず、一度育てている部屋と鉢の中の環境を見直してみましょう。今回紹介した原因以外にも、何かわかることがあるかもしれません。
また観葉植物に害虫を発生させないことだけでなく、植物が再度被害にあわず、強い株になるように対処することが大切です。
個人的には、防虫スプレーを常備しておくといいと思います。虫はいつ・どのタイミングで発生するかわからないので、発生した際にすぐ対応できる工夫が必要だからです。
下記のスプレーであれば、自然由来の成分でできているだけではなく、ゴミ箱周りのコバエ対策にも有効ですよ。
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