観葉植物を育てるのに必要な要素の一つが日当たりです。日に当たることで光合成がおこなえるため、栄養素も体の隅々まで運ばれていきます。
しかし、いざ実際に植物を育てようと思ったとき「置きたい場所に日光が入ってこない」となる方も多いはず。日陰で育てなければいけないケースもありますよね。
そこで今回は、日陰でも育つ観葉植物を紹介しつつ、おすすめや育てるコツも解説していきます。
「他の人が日陰で育てている雰囲気・インテリア例を参考にしたい」「枯らさないための方法を教えてほしい」と考えている方にもピッタリの内容です。
もし候補があり過ぎて迷ってしまったら、個人的にはエバーフレッシュをおすすめします。繊細そうな見た目をしているわりに、どんな環境でも適応してくれるため、想像以上にタフだからです。
観葉植物は日陰でも育てられる
観葉植物は日陰でも生長させることが可能です。
そもそも日陰とは「日光が当たらない場所」のことで、直射日光が当たらずに明るい場所でも日陰と呼びます。室内ですと、北側の窓辺、蛍光灯照明の事務所、南向きの窓から数メートル離れた場所なども日陰です。
ちなみに半日陰は「午前中もしくは午後など、短時間だけ日の当たる場所」のこと。1日を通して日光が確保できなくても、1〜2時間だけでも日光を当てれば健やかになります。
観葉植物を置きたい場所に日光が入らなくても、日陰・半日陰へ移動させて管理をすれば無事に育つはずです。
耐陰性をもつ観葉植物がおすすめ
日陰で観葉植物を育てる場合は、耐陰性のある観葉植物がおすすめです。
観葉植物は耐陰性と呼ばれる性質を持っています。耐陰性とは、直射日光がしっかり当たらず日陰でも生長する性質のこと。 耐陰性がある植物であれば、日光があまり入らない玄関・トイレ・キッチンなどでも管理ができるため、置き場所の自由度が増します。
「自宅や職場などで植物を置きたいと考えているけど日当たりが悪くて悩んでいる」といった場合は、耐陰性をもつ観葉植物を選べば大丈夫です。
日陰で観葉植物を育てている方の例
ここでは、場所ごとの日陰で観葉植物を育てている方の例を紹介していきます。
引用:https://www.instagram.com/p/Cbm0uyQvWH0/
玄関はスペースが限られているため、少し距離を離した場所に植物を置くことで「暮らしのインテリア」と「生活における動線」のバランスをうまく保てます。スツールなどを活用して高低差を設けると、こなれた印象がありますよね。
引用:https://www.instagram.com/p/CVaEBJdNLUF/
お仕事や調べものをする際に観葉植物が一つあるだけで、書斎がホッと一息できる空間に生まれ変わります。書斎は日光が入りづらいこともあるかと思いますので、そういったときにこそ耐陰性がある植物がピッタリです。
引用:https://www.instagram.com/p/Cbcjzn_JZGS/
洗面所は基本的に日が入らない場所なので、観葉植物を置く際は耐陰性をもつものがマストです。手乗りサイズであれば置き場所を選ばないため、洗面所でもうまくディスプレイできるでしょう。
引用:https://www.instagram.com/p/CXw8IkbP_tD/
テレビ周りはなにかとスペースが余りがちなため、観葉植物がちょうどよく空間を占めてくれます。大きすぎると圧迫感を感じるので、まずは3〜5号サイズ(直径:9〜15cm)のものを検討してみるといいかもしれません。
引用:https://www.instagram.com/p/CU1oXzBFCIs/
玄関周りは、スペースに余裕があれば数を増やして置くのもいいです。シンボルツリーとなる植物が一つあるだけでも十分に映えるため、育てるのに慣れていない方はまず一つから置いてみましょう。
室内の日陰でも育つ観葉植物3選
室内の日陰に置くなら次の3つがおすすめです。
- ピレア・ペペロミオイデス
- フィカスベンガレンシス
- エバーフレッシュ
手乗りサイズから大型まで集めてみました。自宅のスペースに適したものを選んでみてください。
日陰におすすめの観葉植物は以下からでも確認できます。
[https://andplants.jp/collections/plants-shade]
①ピレア・ペペロミオイデス|乾燥に強い

日当たり | レース越しのカーテンの光 |
温度 | 最低5℃以上をキープする |
耐寒性 | やや弱い |
耐暑性 | 強い |
水やり | 春夏:土の表面が乾いてから 秋冬:土の表面が乾いてから2〜3日後 |
ぺぺロミオイデスは大きな丸い葉っぱから、別名「パンケーキプランツ」とも呼ばれている観葉植物です。多肉質で乾燥に強くお手入れもしやすいため、植物をこれからはじめたい方にも適しています。耐陰性にも優れているので、日光にしっかり当てなくても大丈夫です。
ペペロミオイデスはコンパクトなサイズであるため、トイレ・洗面所・キッチンなどスペースが限られている場所で管理ができます。 乾燥に強いので、秋冬であれば1週間に1回程度のお水やりで問題ありません。お水のあげすぎに注意をすれば、基本的に失敗することは少ないです。
風水では人間関係を整えたりリラックス効果を与えたりするとされています。目が行き届くような場所に一つ置いてあるだけで、心がホッと落ち着くでしょう。
[https://andplants.jp/collections/peperomioides]
ピレア・ペペロミオイデスの育て方はこちら②フィカス・ベンガレンシス|インテリア性が高い

日当たり | 日当たりのよい置き場所(直射日光は避ける) |
温度 | 最低10℃以上をキープする |
耐寒性 | やや弱い |
耐暑性 | やや強い |
水やり | 春夏:土の表面が乾いてから 秋冬:土の表面が乾いてから2〜3日後 |
フィカス・ベンガレンシスはゴムの木の仲間で、光沢感のある濃いグリーンが特徴的な観葉植物です。ベンガレンシスは日当たりを好むものの、屋内の日陰でも生長してくれます。
葉姿も大変立派でインテリア性も高いため、シンボルツリーとして取り入れるのもよさそうです。
諸説ありますが、ベンガレンシスはインドにある「ベンガルボダイジュ」という樹木に似ていることから「聖樹」と呼ばれています。「長寿」といった縁起のよい花言葉があるので、贈り物にもよいかもしれません。
[https://andplants.jp/collections/bengalensis]
フィカス・ベンガレンシスの育て方はこちら③エバーフレッシュ|適応力が高い

日当たり | 日当たりのよい置き場所 |
温度 | 最低10℃以上をキープする |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | 強い |
水やり | 春夏:土の表面が乾いたら 秋冬:土の表面が乾いてから2〜3日後 |
エバーフレッシュは、涼しげな葉姿が特徴的な観葉植物です。環境に順応する能力が非常に高いので、日当たりを好みますがある程度の日陰でも生育ができます。
日陰で管理をする際は、はじめの2〜3週間は葉が落ちるかもしれませんが、次第に落ち着くでしょう。最終的には、お水やりだけで生長していきます。
また、エバーフレッシュには「睡眠運動」と呼ばれるユニークな性質があるのをご存じでしょうか。日中は葉が開いて夜は閉じるといった動きをおこない、これは余分な水分の蒸発を防ぐためにあるそうです。
1日を通してエバーフレッシュの動きの変化を見られるので、あらためて観葉植物が「生き物」であるのを実感できます。
[https://andplants.jp/collections/pithecellobiumconfertum]
エバーフレッシュの育て方はこちら屋外の日陰でも育つ観葉植物3選
続いては、屋外の日陰におすすめしたい観葉植物です。
- ガジュマル
- コルジリネ・レッドスター
- オリーブ
屋内とは違って自然の光や風があるため、より健康に生長してくれます。
日陰におすすめの観葉植物は以下からでも確認できます。
[https://andplants.jp/collections/plants-shade]
①ガジュマル|耐性をつければ冬越しもできる

日当たり | 日当たりのよい置き場所 |
温度 | 最低5℃以上をキープする |
耐寒性 | やや弱い |
耐暑性 | 強い |
水やり | 春夏:土の表面が乾いたら 秋冬:土の表面が乾いてから2〜3日後 |
ガジュマルは、たくましい幹をしているユニークな観葉植物。お世話もしやすいので植物初心者の方にもおすすめです。 ガジュマルは屋内のほうが好ましいと考えられていますが、実は耐性をつければ屋外でも管理ができます。
筆者のガジュマルは屋外で管理をして数年経ちますが、冬も無事に健康です。関東甲信越なら、夏の終わり頃から屋外での管理に慣れさせれば、冬も枯れずに年を越すでしょう。
一方、冬になってから屋外で育てようとすると、耐性がついておらず寒さに耐えられませんので注意が必要です。
[https://andplants.jp/collections/chinesebanyan]
ガジュマルの育て方はこちら②コルジリネ・レッドスター|住まいの品格を格上げする

日当たり | 日当たりのよい置き場所 |
温度 | -5℃くらいまで耐えられる |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | やや弱い |
水やり | 春夏:土の表面が乾いたら(屋外であればほぼ毎日) 秋冬:土の中が乾いてから2〜3日後 |
コルジリネ・レッドスターは、モダンな雰囲気があるインテリア性の高い観葉植物です。
耐寒性に優れているので、関東甲信越であれば地植えで育てるのもおすすめです。品の良いカラーリーフが住まいを格上げしてくれるでしょう。
屋外で育てられる植物であるため直射日光はもちろん平気ですが、日陰でも問題なく生長します。鉢植えで育てるなら、屋外のお好きなところに置いてみてください。
風水では、悪い気を断ち良い気を私たちにもたらすとされています。運気を一新したい際に、一つあると心強い味方となってくれるはず。
[https://andplants.jp/collections/cordylineaustralis]
コルジリネ・レッドスターの育て方はこちら③オリーブの木|乾燥に強い

日当たり | 日当たりのよい置き場所 |
温度 | マイナス3〜5℃まで耐えられる |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 強い |
水やり | 春夏:土の表面が乾いてからたっぷりと 秋冬:土の表面が乾いてから2~3日後にたっぷりと |
オリーブは「平和のシンボル」と呼ばれる幸せを運んでくれる観葉植物です。風水では邪気を払う効果があるため、庭木にすると悪い気を引き寄せません。
お世話もしやすく乾燥にも強いので、屋外で管理する場合は特別な注意は不要。日陰で育てても、直射日光に当たっても問題ないです。
ただし、湿気が続く状態が苦手なのでお水のあげすぎに気をつけてください。土の表面が完全に乾くまではお水をあげないようにします。
加えて、蒸れを避けるためには適宜剪定をおこなうのもおすすめです。枝同士の風通しを確保していきましょう。
[https://andplants.jp/collections/olive]
オリーブの木の育て方はこちら日陰で観葉植物を育てるコツ
日陰で観葉植物を育てることはできますが、植物にとってベストな環境ではありません。そのため、私たちが日頃から丁寧なケアをしていく必要があります。
- 1週間に1日は日光を当ててあげる
- 水やりは控えめにする
- 水はけのいい土に植え替えをする
少しの工夫をおこなうだけで、健康を維持できるようになるので、少しずつ意識していけるとよいです。
1週間に1日は日光を当ててあげる
観葉植物をお世話している環境にもよりますが、やはり日光は植物にとって大切なエネルギーです。もし、1日を通して日陰で管理しているのなら、1〜2日は窓際やベランダに出して日光浴をさせるといいでしょう。
「直射日光にいきなり当てるのはよくない」と聞いたことがあるかもしれませんが、真夏などの気温が高くなる時期だけ気をつけていれば大丈夫です。その時期に出してしまうと数時間で葉っぱが焼けてしまうため、注意してください。
水やりは控えめにする
観葉植物は、直射日光なのか日陰なのかで水の乾く速度が変わってきます。
たとえば、直射日光が当たる植物と同じ水やりの頻度で、日陰の植物に水を与えてしまうと腐ることがあります。
日陰の植物のほうが日光に当たる時間が短い分、水分の蒸発スピードがゆっくりになるからです。そのうえでさらにお水を与えると、余計に水が乾きづらくなり、根腐れを起こします。
大切なのは、置き場所にかかわらず土をきちんと触り、湿っているかどうかを確認することです。日陰の場合は、土の表面ではなく、土の中が完全に乾いたことを確認してから水やりをしましょう。
水はけのいい土に植え替えをする
水はけのいい土に植え替えをするのも得策です。水はけがよければ乾くスピードも早くなりますし、根腐れのリスクも下がります。「うっかり、水をあげてしまった」といった場合でも、水はけがよければ安心です。
ただし、屋外で管理をする場合はより乾くのが早くなるので、水やりの頻度が増えるかもしれません。屋内なのか屋外なのかで水やりの頻度が変わってくるので、水はけのいい土に植え替えたとしても、土を触ってからお水やりをしてください。
日陰で育つ観葉植物を探す方からよくある質問
最後に日陰で観葉植物を育てる方からのよくある質問を下記にまとめました。
- 耐陰性が最強の観葉植物といえば?
- 日陰の玄関で育てる観葉植物のおすすめは?
- 日陰に強い大きい観葉植物といえば?
- 日陰に強い小さい観葉植物といえば?
- 日陰に加えて寒さにも強い観葉植物はある?
- 観葉植物を日陰で育てることによる懸念は?
それぞれ順に見ていきます。
耐陰性が最強の観葉植物といえば?
筆者の経験則ですが、エバーフレッシュは耐陰性にとても優れています。
日差しがほとんど入らない薄暗い場所でも、エバーフレッシュであれば環境に適応することが可能。知人が、購入から5年以上経つエバーフレッシュが日陰でも大きくなっていると言っていました。
はじめは順応するまでには時間がかかりますが、逆にいうと時間をかければどこでも生長できるようになるのです。
日陰の玄関で育てる観葉植物のおすすめは?
自宅にもよりますが、リビングと比べて日光がそこまで入らないことを前提とするなら「スイカペペロミア」をおすすめします。
葉が多肉質で乾燥にも強いので、お水やりの頻度も少なくて大丈夫です。
また、スペースが確保できない場合でもそれぞれ3〜5号などの小さいサイズで出回っているので、出窓などにも置くことが可能です。風水でも気を浄化してくれる作用があるため、玄関にはいいかもしれません。
関連記事:玄関に飾る観葉植物|選び方や管理時の注意点について
[https://andplants.jp/collections/peperomiaargyreia]
日陰に強い大きい観葉植物といえば?
ゴムの木の仲間でもある「フランスゴムの木」はいかがでしょうか。
日陰に強いだけではなくかっこいい樹形をしているため、住まいによく映えます。おしゃれな雑貨や家具を好む方にもおすすめです。
フランスゴムの木はゴムの木の中でも丈夫な品種であるので、初心者の方で「どれにしよう?」と迷っているなら選んでみるとよいかもしれません。
[https://andplants.jp/collections/ficusrubiginosa]
日陰に強い小さい観葉植物といえば?
日陰に対応できる小さい観葉植物なら「ヒメモンステラ」がおすすめです。
属名は異なるものの、モンステラの小型タイプと言われていて性質も似ています。 葉姿もモンステラと同様に切れ込みがあり大変おしゃれです。
「日陰で育てられるものを置きたいけど、おしゃれさも譲れない」と考えている方に適しています。
[https://andplants.jp/collections/rhaphidophoratetrasperma]
日陰に加えて寒さにも強い観葉植物はある?
寒さにも強い観葉植物であればザミオクルカスがよいです。
最低5℃以上をキープしなければいけないと言われていますが、実際はもう少し気温の低い環境でも問題ありません。
また、乾燥にも強いため初心者の方でも管理が容易です。秋冬なら土の中が乾いてから3〜4日後にお水を与えるペースでいいでしょう。
[https://andplants.jp/collections/zamioculcas]
観葉植物を日陰で育てることによる懸念は?
観葉植物を日陰で育てていると、次第に徒長します。徒長は、一見成長しているように見えますが、実際は茎や枝が間延びしているだけです。健康に育っている植物とは状態が異なるため注意しなければいけません。
植物が徒長していくと、暑さや寒さに対する耐性が低くなりますし、害虫に対する抵抗性も下がります。
しかし、置き場所を変えて日当たりを確保してあげると徐々に復活することも。徒長させないためにも、最低1週間に1回以上は日光浴をさせるのが大切です。
まとめ
鉢植えで流通している観葉植物のほとんどが耐陰性を備えているため、基本的にどこでも管理ができますが、そのまま放置をするのはよくないです。
いつまでも健やかに育ってもらえるように「定期的に日光浴をさせる」「お水やりを控える」などの工夫をしっかりしていきましょう。
また、どうしても植物を選び切れないのであれば、筆者としてはエバーフレッシュがおすすめです。
環境への適応能力に優れているのはもちろんですが、葉姿が美しく、いつまでも眺めていられます。日陰で育てられるかつ「癒し」と「安らぎ」をもたらしてくれる植物ですよ。