かわいい見た目と多彩なカラーバリエーションで、親しみやすく人気のあるガーベラ。花束やアレンジメントに使われる、代表的な切り花のひとつでもあります。
今回はそんなガーベラを、家にあるもので簡単に押し花にする方法をご紹介します。保存の方法や、おすすめの飾り方なども解説します。
記念やお祝いにもらったガーベラ、お花屋さんで心惹かれたかわいいガーベラなど、お気に入りのガーベラを押し花にして楽しんでみてくださいね。
ガーベラの押し花を作る際に必要なもの
今回は、家にあるもので作れる方法をご紹介します。ガーベラの押し花作りに必要なものは次の6つです。
- ガーベラ
- ティッシュペーパー
- 新聞紙
- 清潔なハサミ
- 厚みのある本
- ピンセット
ガーベラは、咲き方だけでも一重咲き、半八重咲き、八重咲き、スパイダー咲きなど種類が豊富です。どれもかわいいですが、初心者がガーベラの押し花を作る際は、半八重咲きや八重咲きなど花びらが多い種類を選ぶと失敗しにくいです。
乾燥すると花びらが縮んでしまうので、一重咲きは花びらがスカスカになってしまうことがあります。
清潔なハサミはできればクラフト用ではなく、切れ味の良い花ハサミがおすすめです。刃が新しいカッターでも代用できます。切り口から雑菌が入らないよう、ハイターなどにつけるか、使用する前に火で炙って消毒しましょう。
また押し花は繊細なので、ピンセットで扱います。
ガーベラの押し花の簡単な作り方
押し花の作る工程は以下の7つです。作業は直射日光の当たらない場所で行いましょう。
- ガーベラの茎を処理して花だけを残す
- 新聞紙・ティッシュ・ガーベラの順に重ねる
- ②の上にティッシュ・新聞紙の順に重ねる
- ②と③を繰り返して一番上が新聞紙がくるようにする
- 本(重し)を④の上に載せる
- 翌日に新聞紙を新しいものに交換する
- 3~5日後に再度確認|乾燥していたら完成
色のきれいな押し花を作るポイントは、早く乾燥させること。ガーベラは花の中心である花芯に厚みがあるため、ここを早く乾かせるのが重要です。そのため、工程①のガーベラの下処理がとても大切です。
では、詳しくみていきましょう。
①ガーベラの茎を処理して花だけを残す
まずはガーベラを裏向きにして、茎を付け根から切ります。
ガーベラは花の中心部分とガクが分厚いので、そのままでは乾きにくくなります。そのため、できるだけ薄くなるように少し削ぐのですが、あまり深く削ぐと花びらがバラバラになってしまうので注意が必要です。
茎の部分から2〜3mm程度のところを、様子を見ながらカットしましょう。さらに切り口を格子状に切り込みを入れておくと、乾きやすくなります。
茎も押し花に使いたい場合は、カットした茎を縦半分に割っておきます。
②新聞紙・ティッシュ・ガーベラの順に重ねる
まず2回折った新聞紙の上に、2回折ったティッシュを1枚重ね、ガーベラをひとつ置きます。
いくつかのガーベラを同時に押し花にする場合は、もう1枚ティッシュを用意して同様に2回折り、ガーベラをひとつ置きます。
2回折った新聞紙の上に、ガーベラ+ティッシュのセットを3つくらいの目安で配置しましょう。ティッシュ同士が重ならない間隔で、量を調整してください。
③②の上にティッシュ・新聞紙の順に重ねる
次に、もう1枚2回折ったティッシュを用意し、ガーベラの上に重ねます。ガーベラがティッシュからはみ出ないようにしましょう。
ガーベラは花びらが薄く縮まりやすいので、ティッシュを重ねる時に伸ばしておくのがコツです。上からティッシュで優しく抑えるようにして、できるだけしっかり伸ばしておきましょう。
すべてのガーベラをティッシュでサンドしたら、上に新聞紙を重ねます。
④②と③を繰り返して一番上が新聞紙がくるようにする
ほかにも押し花にしたいガーベラがある場合は、同様に、新聞紙/ティッシュ/ガーベラ/ティッシュ/新聞紙の順で重ねていきます。
最後に一番上が新聞紙になるようにしたら、おしまいです。
⑤本(重し)を④の上に載せる
平らな場所に④を置いて、本を載せます。
押し花の重しには、重みがあってかつ均一に重さがかかるものが理想です。そのため、今回は厚みのある本をご紹介しました。辞書や電話帳などの少し柔らかい本がおすすめです。雑誌数冊をまとめたものでもいいでしょう。
⑥翌日に新聞紙を新しいものに交換する
24時間を目安に、新聞紙を一度交換します。
このとき、ティッシュは開かないようにします。乾き切っていないと花びらが破れたりすることがあるからです。特に1〜2日目はガーベラには触らないよう、そっと慎重に扱いましょう。
⑦3~5日後に再度確認|乾燥していたら完成
夏場なら3〜4日、冬は4〜5日で一度ティッシュを開いて確認します。
厚みのある花の中心部の乾きが遅いので、花の中心部が湿っていないかしっかり確認しましょう。乾いていたら完成です。
ガーベラの押し花をきれいに作るコツ
きれいな押し花を作るには、次の3つのコツがあります。
- 本は重みのあるものを使う
- 新聞紙は2日に1回は交換する
- 湿気の少ない場所で保管をする
本の重しは、押し花を押しつぶすために載せるのではなく、お花が乾燥するにつれて縮んでいくのを抑えるための重しです。そのため、軽すぎると花びらが縮んでしまいます。逆に重すぎると潰れてしまうので注意。辞書や電話帳、雑誌のような柔らかい本を使いましょう。
そして、早く乾燥させることが色のきれいな押し花を作るコツ。そのため水分を吸ってくれる新聞紙をこまめに替えると乾きが良くなります。2日に1回は交換しましょう。
また、湿気の少ない乾燥した場所で保管します。新聞紙ごと密封できる保存袋に入れて、乾燥剤を入れておくのもおすすめです。
ガーベラの押し花のおしゃれな飾り方
しっかり乾燥して押し花が完成したら、今度はインテリアに合うように押し花を飾ってみましょう。
- フレームに入れて飾る
- ポストカードに貼る
- 透明な瓶に入れる
ここでは、100円ショップのアイテムでもできる飾り方を3つご紹介します。
どれも手軽にできて、大人も子どもも挑戦しやすいです。お部屋に飾ったり、プレゼントに添えたりして楽しんでくださいね。
フレームに入れて飾る
初めてでも挑戦しやすいのが、フレームに入れて飾る方法です。
ピンセットで押し花を配置し、つまようじなど細いものでボンドを取って、台紙に固定します。
ガーベラの花だけを標本のように並べてもおしゃれです。また、茎も同じように押し花にして自然な1輪の姿を再現してもかわいらしくておすすめ。
フレームの素材もガラスやアクリルなど透明なもの、木製など温かみのあるもの、スチール製などソリッドな印象なものなど、好みに合わせて自由に楽しめます。
ポストカードに貼る
ポストカードに貼って飾ったり、贈り物に添えたりするのもいいですね。
フォトフレームの時と同様につまようじなど細いものでボンドを塗布し、丁寧に貼り付けます。
人に贈るときはポロポロと破れないよう、フィルムなどでカバーしましょう。花びらの先まで丁寧にボンドで貼ってハガキサイズの透明フィルムに入れたり、押し花を貼る専用の透明フィルムシートや和紙フィルムシートも簡単でおすすめです。ネットでも購入できます。
透明な瓶に入れる
透明な瓶に入れて標本風に飾っておいたり、瓶の外側にフィルムやニスで貼り付けてキャンドルホルダーやランタン、ディフューザー入れたりなども素敵です。
また、押し花を入れた瓶にハーバリウム液を流し込めば手作りハーバリウムにも。ハーバリウム液はネットなどで購入できます。
瓶のかたちで雰囲気も変わるので、お部屋のインテリアに合わせて楽しめそうですね。
ガーベラの押し花をきれいに保存する方法
余った押し花をきれいに保存するには、湿気・日光から避けるのがポイントです。
ティッシュや半紙などに包み、できるだけ空気を抜いた密封できる保存袋に入れます。一緒に乾燥剤を入れるとより効果的です。乾燥剤は食品に入っているものを再利用したり、スーパーや100円ショップでも購入できます。
保存場所は、高温多湿と直射日光を避けた冷暗所がいいでしょう。
花色によっては、保存期間が長くなるにつれて褪色することもあります。
ガーベラの押し花を作りたい方からのよくある質問
ここからは、ガーベラの押し花の作りたい方からのよくある質問をここにまとめてみました。
- ガーベラの押し花をアイロンで作る場合はどうすればいい?
- ガーベラの押し花をレンジで作る場合はどうすればいい?
アイロンやレンジを使用すると、その日のうちに押し花を完成させることができます。ただガーベラは厚みがあって水分が抜けにくいので、ちょっと上級編。花色は鮮やかなピンクなどが比較的成功しやすいです。
では具体的にみてみましょう。
ガーベラの押し花をアイロンで作る場合はどうすればいい?
まず、ガーベラの下処理をします。前述のように茎をぎりぎりでカットし、ガクの部分をできるだけ削いで、カッターなどで十字に切れ目を入れます。
次にアイロン、アイロン台、クッキングシートを用意します。クッキングシートは作業中に工程が見えやすいのでおすすめですが、なければティッシュでもOK。
アイロンは低温に設定し、クッキングシートでガーベラを挟みます。
数秒ずつ真上からゆっくりと押すようにアイロンをかけ、水分がなくなってきたら完成です。花びらの先が縮みやすいので、花の中心から外側へ伸ばすようなイメージでアイロンをかけましょう。
ガーベラの押し花をレンジで作る場合はどうすればいい?
まずは同様にガーベラの下処理をします。
次にレンジに入るサイズにカットしたダンボール2枚、キッチンペーパー2枚、輪ゴムを用意します。
ダンボールの上にキッチンペーパーを敷き、ガーベラを載せたらもう1枚のキッチンペーパーを上に重ね、ダンボールで挟みます。ずれないように輪ゴムで全体を固定し、600wで50秒加熱します。
一度取り出し、乾燥具合を確認します。加熱が足りないようならキッチンペーパーを交換し、10〜20秒ずつ追加して加熱し、様子を見ながら繰り返します。花芯がしっかり乾いていたら完成です。
まとめ
ガーベラは花芯の厚みと花びらの薄さに差があるため、押し花にする花材としては少し難しめ。花芯部分の水分をしっかりと抜くことが成功の秘訣です。そして新鮮なガーベラを使うことできれいに色が残りやすくなります。
レンジやアイロンを使う方法はすぐにできますが、加熱のしすぎで茶色くなってしまうことも。初めての方は、本で重しをする方法がおすすめですよ。
ガーベラはお花屋さんはもちろんスーパーなどでも比較的手に入りやすいお花なので、挑戦しやすいのがポイント。もしもらった花束に入っていたら、ちょっと試してみてくださいね。