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シマトネリコの剪定

シマトネリコの剪定|理由や切る時期について

シマトネリコは、一年を通して艶やかな葉をつける植物です。小型のサイズからお庭で楽しむシンボルツリーサイズまであります。

シマトネリコは成長が早い植物です。ぐんぐんと大きくなり、枝も増えるため、剪定に悩む方も多いと思います。剪定をせずに育て続けると、枝葉が多すぎて見栄えが悪くなったり病気になったりするかもしれません。

そこで、今回はシマトネリコの剪定について詳しく解説します。艶やかな葉をつけるシマトネリコを一年中楽しむためにも、ぜひ剪定をして美しく育てましょう。

シマトネリコを剪定する際は、植物専用の切れ味のよい剪定バサミを使用してください。安価なハサミですと、大切な植物を傷つけてしまうことも。プロも使用する剪定バサミは下記ページよりお求めください。

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シマトネリコの剪定方法

シマトネリコの剪定に必要な道具や剪定手順について紹介します。正しい剪定を行うことで、シマトネリコを元気に育てることができるでしょう。

  1. シマトネリコの剪定に必要な道具
  2. シマトネリコの剪定方法

シマトネリコの剪定に必要な道具

シマトネリコの剪定に必要な道具は以下の5つです。

  1. 剪定ハサミ
  2. 手袋
  3. 園芸用シート
  4. 癒合剤
  5. ノコギリ

鉢植えサイズのシマトネリコをベランダや室内で剪定する場合は、枝葉が落ちると床が散らかってしまうので、あらかじめ植え替え時に使う園芸シートを敷いておくと安心です。

園芸シートがない場合は、新聞紙やビニールシートを広げたり屋外で剪定したりしてください。

また、癒合剤とは、シマトネリコの枝を切った後に切り口に塗る薬です。切り口から病原菌の侵入を防ぐ役割があります。癒合剤は殺菌効果も含んでいるものを使うと、さらに効果的です。

シマトネリコをシンボルツリーとして地植えしている場合は、枝や幹が太くなります。剪定ばさみで切れない太さの枝や幹は、ノコギリで切ってください。

シマトネリコの剪定手順

シマトネリコの剪定に必要な道具を準備したら、剪定に挑戦してみましょう。以下の3つの手順で行います。

  1. シマトネリコの剪定位置の節を確認
  2. 節が残るように剪定
  3. 切り口に癒合剤を付ける

全体のバランスを見ながら、シマトネリコの枝の節を確認して短めに剪定してください。枝葉が密集している部分を風通しがよくなるように剪定します。

枝を長く残してしまうと、頂点部分の節から新しい枝が伸びて、形が不格好になりやすいです。剪定後に枝が伸びることも考えて短めに剪定すると、その後の形がよくなります。

節のやや上で切って、切り口に癒合剤を塗ることで、剪定後の枯れ込みも少なくなるでしょう。ただし、枝が若く細いミニサイズで楽しむシマトネリコの場合は、癒合剤を塗る必要はありません。

シマトネリコの剪定時期と切る場所

シマトネリコの剪定時期と切る場所

シマトネリコの剪定方法がわかったら、剪定する時期と枝の切る場所について気になりませんか。フランスゴムの木の剪定時期と切る場所を解説します。

剪定時期と切る場所については以下の通りです。

  1. 5月~9月に剪定
  2. 強剪定時期は3~4月
  3. 成長点を残して剪定
  4. 忌み枝を剪定

5~9月に剪定

シマトネリコの剪定時期は5月~9月です。気温の上がる時期であれば生育が活発なので、すぐに新芽も出てきて剪定の傷みも少なくて済みます。

増えすぎたり伸びすぎたりした枝を、バランスよく剪定しましょう。ただし、シマトネリコの花を楽しみたい方は、開花後の8月以降に剪定してください。

シマトネリコは5~7月に花を咲かせるためです。花を観賞しないのであれば、形を整えるように剪定しても問題ありません。

気温が下がり始める10月下旬以降の剪定には注意します。気温が低いと生育が緩慢になり、剪定してもすぐに新芽が出ずに切り口から枯れる恐れがあるためです。

冬の剪定は枯れる心配があり、剪定しても新芽が出ないことが多いので、剪定時期は守ってください。

強剪定時期は3~4月

シマトネリコの強剪定は3~4月に行ってください。強剪定とは、太い枝や幹を根元から切り落とす剪定です。

5~9月に行う形を整えるための剪定とは違い、大きくなりすぎたシマトネリコを短くバッサリと切り戻したい時に行います。シマトネリコは剪定に強い植物ですが、太い枝や幹を切る場合は、剪定時期を守ることが重要です。

太い枝や幹を強剪定する場合は、全体のバランスを確認して切りましょう。太い枝を切りすぎると、不格好になるので注意してください。

成長点を残して剪定

シマトネリコの枝を剪定する場合は、成長点を残して切ることがポイントです。シマトネリコの枝には、成長点と呼ばれる部分があります。

成長点とは、枝の節部分にある膨らみのことです。その部分から新芽が出てくるので、節部分を残してください。成長点を剪定してしまうと、新芽が出ない可能性が高いので注意します。

節部分にふくらみがない場合もありますが、剪定後に節部分が膨らんで新芽が出てくるので、安心してください。

ただし、木の幹のように木質化(もくしつか)している枝は新芽が出にくいので、若く太い枝の節を残すとよいでしょう。

忌み枝を剪定

忌み枝(いみえだ)とは、樹木の見栄えや生育を悪くする不要な枝のことです。不要な枝をシマトネリコから取り除くことは、樹形を美しくするだけでなく、病害虫の予防にもなります。

忌み枝と呼ばれる枝の種類は以下の通りです。

  • ひこばえ|幹の地際から出てくる枝
  • 胴吹き枝|太い幹から直接伸びる細い枝
  • 下り枝|下向きに伸びる枝
  • 逆さ枝|木の中心に向かって伸びる枝
  • 立ち枝|真上に向かって伸びる枝
  • 車枝|1か所から3本以上の枝が車輪のように出ている枝
  • 並行枝|近い位置でまったく同じ向きに平行に伸びている枝
  • 交差枝|他の枝と交差するように伸びている枝

小さなシマトネリコでは、忌み枝が出てくることは少ないです。しかし、長年育てて大きくなると次第に出てきます。

特に、シマトネリコはひこばえが発生しやすいです。ひこばえが多すぎると、栄養が分散して生育が悪くなるので注意してください。

忌み枝は、剪定の時期にしっかり見極めて切りましょう。忌み枝かどうかわからない場合は、無理に切らず、見栄えが悪い枝を切ることを意識して切るだけでも、多くの忌み枝を剪定することができます。

シマトネリコを剪定する時の注意点

シマトネリコを剪定する時の注意点

シマトネリコを剪定するときの注意点は、以下の2つです。

  1. 雨の日に剪定しない
  2. 冬に剪定しない

それぞれ見ていきましょう。

雨の日に剪定しない

雨の日にシマトネリコを剪定することはおすすめできません。雨が降って湿度の高い時期は、切り口も乾かず病原菌が付着しやすいので、剪定後に枯れ込む恐れがあります。

晴れた日であれば、空気中の湿度も低く病原菌が切り口に付着することも少ないです。安心して育てられるように、晴れた日に剪定を行いましょう。

剪定していた時が晴れていても、1~2日後には長雨になってしまう場合も注意してください。天気予報を確認して、晴れた日が続くタイミングで剪定を行うと安心です。

冬に剪定しない

シマトネリコは冬に剪定しないように注意しましょう。剪定に強い植物ですが、冬は生育が緩慢なため、剪定後に新芽が出にくいです。

新芽が出ずに、切り口から枯れ込む恐れもあるため気を付けてください。気温の下がる10月下旬以降は剪定を避けます。

特にミニサイズのシマトネリコは冬に剪定すると、そのまま枯れやすいので注意してください。

シマトネリコを剪定する理由

シマトネリコを剪定する理由

生育期の5月~10月にシマトネリコは、幹や枝をぐんぐん伸ばします。幹や枝が伸びると高さも出て、葉のボリュームも増えますが、伸びすぎると今度は見た目や生育が悪くなる可能性があります。

シマトネリコを剪定する理由は以下の3つです。

  1. 美観を整える
  2. 病害虫を予防する
  3. 生育不良をリセットする

それぞれ解説します。

①美観を整える

シマトネリコの剪定には、美観を整える目的があります。生育期の5月以降は、枝や幹が伸びやすくシマトネリコの形が崩れやすいためです。

シマトネリコの枝や幹が伸びることによって、いびつな形になることがあります。幹や枝が増えるほど、葉が増えるため重苦しい印象に。

涼しげで美しい印象を保つためにも、伸びすぎた幹や枝を全体のバランスを見て剪定してください。

飾る場所にあった高さやボリュームに剪定してあげることで、常に美しいシマトネリコを楽しむことができるでしょう。

②病害虫を予防する

シマトネリコの剪定には病害虫を予防する効果があります。枝葉が密集して風通しが悪くなると、病気や害虫の発生につながるためです。

枝葉が茂り過ぎたら、密集している枝や重なり合った葉を優先的に剪定します。全体のバランスを見ながら、美観を損ねないような剪定がポイントです。

茂った枝葉の中まで風や光が通るようになると、病気の原因になる菌が滞留せず、害虫も発見しやすくなるでしょう。病害虫は発見が遅くなるほど、症状が深刻になるので、剪定を行うことは重要です。

③生育不良をリセットする

剪定には生育不良をリセットする役割もあります。シマトネリコを育てていると、枝先が枯れてきたり葉がボロボロと落ちてきたりすることもあるでしょう。

生育不良になったら、状態の悪い枝や幹を剪定してください。状態が悪い部分を剪定して取り除くだけで、他の枝葉に影響を与える可能性を下げられます。

また、剪定を行うことで幹や枝の切り口の下から新しい枝が伸びて、よりボリュームよく育つことがあります。状態が悪い枝葉は、早めに剪定してリセットすると、植物にとって好影響です。

シマトネリコの葉は、一つ一つが小さく枝にたくさん付きます。葉を一枚ずつ剪定することは大変なので、状態が悪い部分は枝ごと切り取るとよいでしょう。

シマトネリコの剪定後の育て方

シマトネリコの剪定後の育て方

シマトネリコを美しく育てるには、剪定後の育て方も重要です。シマトネリコの剪定後の育て方について以下の4つのポイントに絞って解説します。

  1. 置き場所と日当たり
  2. 温度
  3. 水やりの頻度
  4. 肥料
[https://andplants.jp/blogs/magazine/shimatonerico]

置き場所と日当たり

シマトネリコは屋外の日当たりのよい環境を好みます。ミニサイズのシマトネリコであっても、基本的には屋外で育ててください。

日差しには強いですが、暗い日陰で育っているシマトネリコを急に直射日光に当てると葉焼けする可能性があります。移動させるときは、明るい日陰や窓際のレースカーテン越しの柔らかい光に当てて慣らしておくとよいでしょう。

3~5日ほど、柔らかい日差しに慣らしておくと、強い日差しでも葉焼けしにくくなります。筆者は、室内に置いていたシマトネリコを、直射日光の当たるベランダに出して新芽が葉焼けしたことがあるので、注意してください。

温度

シマトネリコは、比較的寒さに強い観葉植物です。‐3℃くらいまでの耐寒性を持っています。

そのため、温暖地であれば冬も屋外で育てることが可能です。ただし、寒風や霜雪に当たると葉がボロボロと落ちるので注意してください。

葉がすべて落ちても幹や根が生きていれば、暖かい春に新芽がたくさん出てきます。根元に敷き藁や腐葉土を敷いて、根の凍結防止をしておくと安心です。

ミニサイズの鉢植えであれば、冬は明るい室内に移動させるとよいでしょう。株が小さいときは、寒さに注意します。

冬に室内に入れた場合、暖房に直接当たると急激な乾燥によって、枝葉が枯れる恐れがあります。そのため、暖房の風がシマトネリコに当たらない明るい場所に置くことが重要です。

水やり

  1. 春夏:土の表面が乾いてから
  2. 秋冬:土の表面が乾いてから2~3日後

生育期の春夏は土の乾燥が早いので水切れに気をつけましょう。春夏は土の表面が乾いてから、鉢底から水が流れるくらいにたっぷりと水やりをしてください

シマトネリコは水切れすると、葉がボロボロと落ちやすいので、水やりは重要なポイントです。しかし、水のやりすぎや受け皿の溜め水は根腐れの原因になります。

気温の下がる秋以降は、土の乾き具合を確認しながら水やりを行ってください。冬に室内に移動させている場合は、温度がしっかり上がったタイミングで、水やりをします。

気温の低い時間帯に水やりや葉水を行うと、逆効果になるので気を付けましょう。地植えの場合は、一年を通して水やりは必要ありません。

ただし、雨が降らない真夏は、地植えでも水やりした方が元気に育ちます。

肥料

シマトネリコの新芽を多く出したい場合は、土に混ぜている緩効性肥料とは別に即効性のある液体肥料を水に薄めて水やり代わりに与えてください。また、即効性のある置き肥も効果的です。

置き肥は2か月に1度。液肥は2週間に一度のペースで与えてください。肥料は与えすぎると根痛みの原因になるので、適切な量を与えます。

冬はシマトネリコの生育が緩慢になるので、肥料は与えません。置き肥も取り除いてください。

余談|剪定した枝は挿し木できる

余談|剪定した枝は挿し木できる

シマトネリコは挿し木で増やすことができます。そのため、剪定で切り落とした枝を使って挿し木してみてはいかがでしょうか。

挿し木も剪定と同様に5~9月に行うことが可能です。剪定した枝を10~15㎝にカットして、葉を2~3枚にして半分に切ってください。

葉を半分に切っておくと、葉から出ていく水分を抑えることができ、挿し木の成功率が上がるためです。

その後、水を溜めた容器に切り口を浸して1時間ほど吸水させます。吸水後に挿し木用の土に挿して、土が乾燥しないように管理すると1ヶ月ほどで発芽と発根して増やすことが可能です。

シマトネリコは水挿しでも増やせるので、剪定した枝を水に溜めた容器に入れておくだけで発根することもあります。そのまま、水栽培を楽しんでもよいでしょう。

シマトネリコの剪定に関してよくある質問

シマトネリコの剪定に関してよくある質問

最後にシマトネリコの剪定に関してよくある質問とその答えを以下にまとめました。

  1. シマトネリコの太い幹は剪定してもいい?
  2. シマトネリコは10~11月に剪定しても大丈夫?
  3. 株立ちのシマトネリコの剪定方法は?

それでは具体的に見ていきましょう。

シマトネリコの太い幹は剪定してもいい?

シマトネリコの太い幹は、3~4月に強剪定しましょう。

大きくなりすぎたシマトネリコをバッサリと短く切るほどの剪定では、太い幹を切る必要があります。太い幹を切る作業は、シマトネリコに大きな負担を与えるので、適期に行うことが大切です。

長年育てたシマトネリコの幹は、剪定ハサミでは切れないほど太くなります。太すぎる枝や幹を切る場合は、ノコギリを使って剪定してください。

剪定後は、切り口から病原菌が侵入しないように、癒合剤を塗っておくと安心です。

シマトネリコは10~11月に剪定しても大丈夫?

シマトネリコの剪定時期は、5~9月です。気温が下がり始める10月以降は剪定を控えてください

シマトネリコは剪定に強い植物なので、10~11月に剪定しても枯れることは少ないでしょう。しかし、新芽が出てこない可能性が高く、剪定後の姿がよくなりません。

そのため、10~11月には剪定せずに、翌春まで待ちましょう。剪定するタイミングを逃し、シマトネリコが伸びすぎている場合は、翌年の3~4月に強剪定をして高さを調節するとよいです。

株立ちのシマトネリコの剪定方法は?

根元から複数の幹が立ち上がった樹形を「株立ち」と言います。シマトネリコは、根元から複数の幹やひこばえを出すため、株立ちになりやすい植物です。

最も太い幹を芯としてください。芯の周囲にある重なり合った幹やひこばえを根元から剪定しましょう。

シマトネリコの背景が透けて見えるくらいサッパリとさせてください。剪定をせずにそのままにしておくと、幹が増えすぎて風通しが悪くなったり病害虫が発生しやすくなったりして、生育に悪影響を与えます。

シマトネリコは艶やかな葉と爽やかな姿が特徴です。株立ちのシマトネリコは、幹が増えすぎると、重苦しい印象になるので、定期的に幹やひこばえを切る剪定をしてください。

まとめ

シマトネリコは、成長の早い植物です。生育期には、ぐんぐんと新芽や幹を出して大きくなります。

そのため剪定を定期的に行わないと、見栄えが悪くなったり生育に悪影響を及ぼしたりするので、注意が必要です。大きく育てたい場合でも、重なり合った幹や枝などは剪定する必要があります。

剪定を行う際は、必ず観葉植物専用の切れ味のよい剪定バサミを使用しましょう。下記剪定バサミは、持ちやすく、人間工学的にも優しい商品としてGood Design賞を受賞しています。

他、植物にも活用できるので、まだ専用のハサミをお持ちでないならこの機会にぜひお求めください。

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田中 秀和
小さな時から花や観葉植物が好きで、田舎の野山を駆け回っては植物を採集して育てていました。 今でも自宅では多肉植物やサボテン、コーデックスを中心に様々な観葉植物を育てています。 総合園芸店で働いていたこともあり、植え替えやお水やりなどの管理、販売、お客様からのご相談ご依頼を経験。観葉植物の素敵な魅力や育て方を、目の前にいるような感覚でお届けできればと思います。 一緒にかけがえのない一鉢を見つけましょう。

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