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建物の歴史と佇まいまで愛しむ。感性溢れる1LDKヴィンテージマンション DATE : 2022.12.28
LIFESTYLE

建物の歴史と佇まいまで愛しむ。感性溢れる1LDKヴィンテージマンション

築50年を超え、名建築でもあるヴィンテージマンションをリノベーションし、夫婦二人で暮らしているruhatomoyaさん。こだわりの家具、雑貨と植物が集まった空間ができるまでから、お部屋作りで意識しているポイントなどを伺いました。

氏名:ruhatomoyaさん

職業:ハウススタジオ運営

Instagram:https://www.instagram.com/ruhatomoya/

月日を重ねても気になった歴史ある建物

− 建物の外観から、惹きつけられるマンションですが、どういう出会いだったのでしょうか。

ruhatomoyaさん:17、8年前くらいだったと思うんですけれど、本にこのマンションが載っていて。すごくいいなと思っていたんです。その数年後に、リノベーションの雑誌でこのマンションの情報が分かり実際内覧に行ったのがはじまりです。

当時、ちょうどアパートの更新のタイミングだったんですが、購入はまだ早いかなと思って。一度パスしたんです。

その後も気になって、数年後に再度内覧し、決めました。広さもちょうどよくマンションの成り立ちも決め手です。

− ヴィンテージマンションを購入するとなった時、築年数は気になりませんでしたか?

ruhatomoyaさん:築年数はもちろん気にはなりましたけれど、それ以上に住んでみたいというのがあって。古い物が持っている佇まいに、大きな家具も運べる余裕のある広い階段もいいなと。

このマンション、建具のひとつひとつをオリジナルで作っているんです。その残っている部分も気に入ったところなので。

ビス一本も選ぶ。理想の家ができるまでの想像を超えるハードな日々

ruhatomoyaさん:入居まで3ヶ月しかなく、とにかくハードでしたね。仕事をしつつ、工務店さんを探す。資材を施主支給で行うため資材も探し、施工の指示もして、家具も探す。床材に足場板を選んだのですが、どのくらい分量を買っていいのかわからなくて。そういう素人ではわからないことは工務店さんにお願いしました。

本当に寝る間もないってこういうことなんだなとなりました。

− 聞いているだけでも、ハードなのが伝わります……!

ruhatomoyaさん:足場板を集めて、床に並べる向きを決めるだけではなく、貼る方向の指示に、ビスの色まで考えないといけないなんて。まさかビスの色までとは考えていなかったです。

− ビスまで選ぶとは、確かに考えつかなかったです。建具は既存のものを活かしているんですね。

ruhatomoyaさん:棚や押し入れの扉は作り替えたところもありますが、窓とかはそのまま。

扉のサイズは変えられないので、それに合わせた古い扉を探して取り付けました。

− リノベーションの時、最初からこういう家にしたいというのは決まっていたのですか?

ruhatomoyaさん:「こういう家がいいな」というのは、まずありまして。

参考にしたのは海外のインテリアの本です。すごい参考にしました。今使っているダイニングセットはその中の一冊の表紙に載っていた物と同じものなんです。とても探しました。執念です笑

− 写真1枚から探しだすとはすごい!

ジュウ・ドゥ・ポゥムの本は参考にした一冊。

家作りのバイブルともなった本との出会い

ruhatomoyaさん:家を買い、リノベーションをするにも、知識など全く何もないところからのスタート。今みたいにSNSなどにいろんな情報があったわけでもなくて。

以前から好きだったインテリアスタイリスト 石井佳苗さんのリノベーションの本を参考にしました。

ruhatomoyaさん:石井佳苗さんのこの本はリノベーションのことからDIYのことまで書いてあるので、めちゃくちゃ読みました。リノベ中は毎日見て、移動の時も欠かさず持って歩いてました。DIYもやってみました。やばいですよね、カバーすらなくなっています笑

今でも読み返しています。

石井佳苗さんの本をきっかけに作った木のフレーム。

ベースはシンプル。白い箱を彩る雑貨たち

ruhatomoyaさん:色物が多いと思われますよね。一部はアクセントカラーの壁もありますが、物を全部抜いてしまったら、すごくシンプルな白い空間なんです。

ピンクとかイエロー、パープルとか強い色を入れてもそれぞれが映えるように壁は白にしています。質感も凹凸がなくフラットに仕上げているので、より物が映えていると思います。

ruhatomoyaさん:あとはアクセントに黒を入れること。アウトラインがくっきり出て少しシャープな感じになるようにしています。

テイストとしては、全部が海外のものというのも嫌で。いわゆるジャパニーズモダンと言われるのも気になっていたんです。

ジャパニーズモダンとヨーロッパのヴィンテージ、アンティークをミックスしたら可愛いんじゃないかなと。洋服とかもそうですが、それぞれの時代が近い物同士で集めると合いやすい。そこは意識しているところです。

左:ELEY KISHIMOTOのグローブトロッター

右:YKKの引き出しは、50年くらい前の物で備品として作られたもの。

− ひとつひとつの雑貨がどれも魅力的です。どういったお店で探したり、見つけたりしているのでしょうか。

イギリスのヴィンテージのカップは奥様のコレクション。

ruhatomoyaさん:実際にお店に行って見つけることが多いかな。馴染みのインテリアショップなど行きつけのお店を作って、その人たちに教えてもらうこともあります。

ruhatomoyaさん:あとはこういうのが欲しいなって思ったらネットで調べたり、ヤフオクを見たり。ヤフオク、メルカリとかも気にしています。店舗では見たことないものが見つかることもあるので。

コロナ禍をきっかけに植物を取り入れ、気づいたこと

− お休みの時などプライベートではどんなことをして過ごしていますか?

ruhatomoyaさん:基本的にはインドア派です。映画を見たとか本を読んだりとか。この家に引っ越してから料理をよく作るようになりました。

− 家のなかで楽しむことが増えたんですね。

ruhatomoyaさん:増えたと思います。それもあって意図してこういう風に増やしていったわけではないんですけど、植物も徐々に増えてきましたね。コロナ禍になって、緊急事態宣言で家で過ごす時間が増えた時から少しずつ植物が増えていったかな。

ruhatomoyaさん:生きているものがあると空間がいきいきする。それをすごく感じました。季節感も感じられますし置いてみて良かったです。

[https://andplants.jp/products/umbellata-l]

思っているだけでは変わらない、だからやってみる。

− 現在はハウススタジオの運営をされているんですね。

ruhatomoyaさん:はい。まだ駆け出しなんですがハウススタジオを始めました。今までずっとファッションの仕事をしていたんですが、コロナ禍で緊急事態宣言で今まで通っていた職場にも行けなくなり、家のことについて考えることが多くなって。「これからどう生きていこう」と考えるようになったことがきっかけで。

大切に飾っているレザーのバッファローは

Sacha Knight(サシャ ナイト)の作品

− 緊急事態宣言時、私もいろいろ考え直すことありました。今まで普通にしていたことが制限されることがあるとは思ってもいなかったですよね。

ruhatomoyaさん:家のことを仕事にしたいなっていう思いが強くなって。思い切って動くことにしたんです。インテリアも、ハウススタジオも畑違いの仕事になるので、覚えることもやらないといけないことも多くて大変です。それでも「こうしていきたいな」というのが結構クリアに出てきてはいます。今はそれに向かって邁進中という感じですかね。

思ったことをやってみるということが、大事なんじゃないかなって思うので。

− 思っているだけでは変わらない。行動ですね。すごく身に染みます。

ruhatomoyaさん:そうですね。やっぱ実行に移すということが大事。

家だったり、インテリアだったりを通して何かしら社会に還元できたらと思っています。

− 最後に、今後お部屋でやってみたいことをお聞かせください。

ruhatomoyaさん:壁を違う色にするのはいいかな。あとは、ミニマリストの家もですね笑

− 今と真逆ですね!それはそれで見てみたい気もします。ありがとうございました!

AFTER INTERVIEW編集後記
部屋に入った瞬間、映画のワンシーンに紛れ込んだのかな?と思うような空間に心奪われたことは今でも覚えています。
ruhatomoyaさんのセンスがぎゅっと詰まった特別な空間は濃厚だけれども、心地良い。好きなもの、大切なものを語る時はワクワクしているようで、思いや将来のことを語る時は、ゆったりと穏やかな口調の奥からとても熱いものを感じました。それは今までの経験や、見てきたものなどがあってこそのゆるぎないものなのではないでしょうか。建物、家と共に心地よく、これからも新しい歴史が育まれていくのだと思います。
パーソナル植物診断

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