植物名 | コキア |
学名 | Bassia scoparia |
英名 | Summer cypress |
科目/属性 | ヒユ科バッシア属 |
原産地 | アジア |
コキアの特徴
コキアは、ふんわり丸い姿が可愛らしい植物です。夏は爽やかな緑色ですが、気温の下がる秋には燃えるような真っ赤な赤色に紅葉します。
コキアは秋の紅葉が美しいため、人気のある植物です。しかし、昼夜の温度差がないと美しく色付かないので、室内ではなく屋外で管理することが重要なポイント。
花壇一面に植えて育てると、真っ赤な絨毯を敷いているかのような美しい景色が広がります。一年草のため冬を越すことはできませんが、夏から秋遅くまで楽しめる植物として育てましょう。
コキアの花言葉
コキアの花言葉は「恵まれた生活」「夫婦円満」「あなたに全てを打ち明けます」です。
コキアの種は食材になり、枝はほうきになります。このように様々な活用方法があるため「恵まれた生活」という花言葉が名付けられています。
「夫婦円満」「あなたに全てを打ち明けます」の由来は、その可愛らしい赤くなる姿が、頬を赤らめる女性を連想させるためです。これらの花言葉は、結婚祝いや新築祝いのプレゼントにぴったり。
隠し事のない夫婦円満な恵まれた生活を営むためにも、ご自宅用だけでなくプレゼントにもいかがでしょうか。
コキアの風水
コキアには家族運を上げる風水効果があります。夫婦仲を深めてくれたりトラブルがあっても円満解決できたりと、家族にかかわる運気を良くしてくれるでしょう。
また、コキアはふわふわと丸い姿をしていますが、葉一つ一つを見ると尖っています。そのため、悪い気を払ってくれる「邪気払い」の風水効果も。
花壇や玄関で育てることで、外からの悪い気の侵入を防ぎ家族を守ってくれることも期待できます。
関連記事:コキアの風水|置き場所と方角について
コキアの育て方
日当たり | 日当たりのよい置き場所(屋外) |
温度 | 最低15℃以上をキープする |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | 強い |
水やり | 春夏:土の表面が乾いてから 秋冬:土の表面が乾いてから |
肥料 | 緩効性肥料、液肥 |
剪定時期 | 5~10月 |
置き場所と日当たり
コキアは屋外の日当たりと風通しのよい環境を好みます。室内の場合は日当たり不足で、丸く大きく育たないので注意が必要です。
コキアの美しい紅葉は昼夜の温度差による影響が大きいので、秋以降に室内で管理すると綺麗に紅葉することなく枯れてしまいます。さらに、一年草のため室内で管理しても冬を越すことはできません。
そのため、屋外の日当たりのよい場所で鉢植えで育てたり花壇に植えて育てたりしてください。
温度
コキアは気温15~20℃になると紅葉し始め、昼夜の温度差があるほど美しくなります。一年草なので、紅葉の後には枯れてしまいます。
暑さには非常に強いので、屋外の日当たりのよい環境で育ててください。真夏の直射日光が強すぎる場合は、葉焼けしないように日陰を作ったり移動させたりする工夫をするとよいでしょう。
水やりの頻度
- 春夏:土の表面が乾いてから
- 秋冬:土の表面が乾いてから
一年を通して、土の表面が乾いたら鉢底から水が流れるくらいに、しっかり水やりしてください。ただし、水のやりすぎや受け皿の溜め水は根腐れの原因になります。
コキアに水やり後は、受け皿に溜まった水は小まめに捨てることが重要です。葉が密生しているので、葉にかかるように水やりすると蒸れて枯れることもあります。水やりは葉にかからないようにしてください。
屋外で育てるため、鉢植えの場合は春から夏にかけて土の乾燥が早くなります。
とくに夏場は水切れを起こしやすいので、1日2回くらい確認してあげることをおすすめします。
もし、鉢植えの水やり頻度に困ったときは、水やりチェッカーの利用もおすすめします。
肥料
コキアには、植え替えの時に長期間ゆっくり効く緩効性肥料を、土に混ぜ込んでおくだけで十分です。土に肥料を混ぜ込んでいない場合は、置き肥や液肥を与えます。
生育期の5~10月に2か月に1度置き肥を置くか、水に薄めた液肥を2週間に1度のペースで水やり代わりに与えてください。紅葉後は肥料は必要ありません。
葉の栄養であるチッソ分の多い肥料を与えると、株が乱れて綺麗な丸い姿になりにくいので、肥料のやりすぎには気を付けましょう。
剪定方法
コキアは自然と丸くなる性質があります。そのため、特別な剪定は必要ありません。
枝葉が伸びたり雨風の影響を受けたりして、形が崩れた時だけ整えるように剪定すると良いでしょう。もし肥料のやりすぎで形が崩れた場合は、8月までに綺麗に丸く形を整えると自然と丸くなっていきます。
コキアによくあるトラブルと対処法
美しく紅葉するコキアですが、トラブルも存在します。
ここではトラブルが起きたときの対処法を解説していきます。あらかじめ対処法を知っておけば、いざ何かあっても安心です。
根腐れ
根腐れでは、以下の症状が見られます。
- 水をあげても元気にならない
- 土がなかなか乾かない
- 葉が落ちやすい
- 葉が茶色・黄色に変色している
- 幹や幹の根本が柔らかい
- 土から腐敗臭がする
- 土の表面にカビが生えている
- 根黒く変色している
根腐れは、土の中の酸素濃度が低下して土中の細菌叢が変化し、有機物の腐敗が進むことで有害なアンモニアが発生し、土壌環境が悪くなることで発症します。
また、常に土が湿っている状況では根が呼吸することができず、細胞が死んでしまいます。これが原因で、根から水を吸い上げることができなくなり、植物体に水を供給することができなくなることで死んでしまう現象です。
根腐れの対処法は以下。
- 鉢から植物を抜き、悪い土を落として水はけのよい土に交換する
- 根の傷んでいる部分、腐っている部分をカットする
- 少量の水を与え、風通しがよく明るい日陰で管理する
※1週間を目安に水が乾くコンディションで管理する - 発根剤を与えてみる
- 傷んだ葉を取り除く
- 枯れた枝を切り取る
根腐れが起こった場合は、鉢を入れ替えて土の環境を変えることが大切です。傷んでしまった根は取り除き、健康な状態が取り戻せるような環境を与えてあげましょう。赤玉土・ゼオライトなどを用土に混ぜ込むことで、水はけと根腐れを防止することができます。
枝先がダメになっている場合は、生きている部分までカットし、新しい葉を出すことで回復させます。根元から腐っている場合は、無事な部分で切り取り、挿し木にして発根させて回復させましょう。
根腐れが起こると、新芽を残すように古い葉を落とす現象が見られます。重度の根腐れの場合は、新芽や枝の先から枯れることがあるので注意が必要です。
根詰まり
根詰まりとは、鉢の中で根がいっぱいになることで起きる症状です。根詰まりの症状は以下の通り。
- 水が浸透しづらくなる
- 底から根が出てくる
- 葉が黄色くなる
- 鉢にヒビが入る
特に春夏の成長期で一気に伸びてしまうと上記のような症状が起きてしまいます。すぐに枯れる要因にはなりませんが、放置してしまうとコキアに悪影響です。
対処法はコキアの植え替えをすること。
コキアを現在の鉢より1つ上の大きい鉢に植え替えることで、上記の症状はほとんど解消されるでしょう。植え替えを行う時期も春夏の成長期が最も適しています。
葉焼け
葉焼けでは、以下の症状が起きます。
- 葉の色素が抜けて白くなっている
- 葉の一部が茶色く枯れている
強い日差しを浴びすぎると葉が傷んで「葉焼け」というトラブルが発生します。
葉焼けの症状に気がついたら、早めに置き場所を検討し直すことが必要です。
対処法は以下。
- 直射日光が当たっている場合はカーテンなどで遮光する
- 葉焼けした部分はカットする
葉焼けが起こるということは、日光が当たりすぎている可能性が高いため、直射日光に当てないような措置を取りましょう。
また、一度焼けてしまった葉は二度と元に戻りません。傷んだ葉はカットし、新しい健康な葉が生えてくるのを待ちましょう。
ハダニ
ハダニの症状は以下。
- 葉にクモの巣のような糸がついている
- 葉の裏に小さな虫がついている
- 葉に斑点や傷がある
- 葉の色が薄くなり枯れている
ハダニは繁殖力の強さと、薬剤耐性を持つとても厄介な害虫です。
放っておくと糸を張って大量発生する危険性もあるので、早めに対処を行いましょう。
対処法は以下。
- 傷んだ葉はカットする
- 葉の表裏、付け根や茎も水で洗浄する
- ハダニに効果のある液体を噴霧する(2倍に薄めた牛乳、重曹と水を混ぜたもの、濃いコーヒー、10倍に薄めた酢、殺虫剤)
ハダニが湧いてしまったら、市販の殺虫剤(ベニカファインスプレー・オルトラン)を使用するのが効果的です。2倍に薄めた牛乳などの液体を噴霧する対処法もありますが、匂いが気になる方には水で洗い流す方法もおすすめです。
そもそもハダニは、こまめな霧吹き・葉をふき取りきれいにすることを怠らなければ発生しません。
常にきれいな状態を保つために、霧吹きの購入は必須といえます。月に一度はシャワーで洗い流すなどの管理も必要です。
コキアのよくある質問
最後に、コキアのよくある質問とその答えを以下にまとめました。
- コキアは多年草?寿命はどのくらい?
- コキアが好む土は?
- コキアは室内と屋外どちらを好むの?
- コキアは鉢植えやプランターで育つの?
- コキアは植えっぱなしで大丈夫?
- コキアの種まき時期/種まき方法は?
それでは、具体的に見ていきましょう。
コキアは多年草?寿命はどのくらい?
コキアは多年草ではなく、一年草です。そのため、寿命も一年になります。
4~6月に種まきから始める、または苗を7~9月に手に入れて植えつけても、10~11月の紅葉後に枯れてしまいます。コキアを毎年楽しむためには、紅葉後に種を収穫して、春4~6月に種まきをするとよいでしょう。
コキアはこぼれ種でも増えるので、地植えの場合は自然と発芽して育つこともあります。
コキアが好む土は?
コキアは水はけと水持ちのよいバランスの取れた土を好みます。
鉢植えの場合は、市販の草花の土で十分に育つので安心してください。地植えの場合は、水はけの悪い粘土質の土ではうまく育ちません。
そのため、小粒の軽石や腐葉土をすきこむなど、土壌改良が重要です。しかし、肥沃な土はコキアが徒長する原因になるので、たい肥の入れすぎには注意してください。
コキアは室内と屋外どちらを好むの?
コキアは、屋外の日当たりと風通しの良い環境を好みます。室内では日当たり不足で徒長し軟弱に育つため、注意が必要です。
また、コキアの美しい紅葉は昼夜の温度差による影響なので、室内に置くと温度差が小さく綺麗に紅葉しません。さらに、葉が密生しているので蒸れやすい特徴があります。
コキアは、日当たりと風通しの良い屋外で育ててください。
コキアは鉢植えやプランターで育つの?
コキアは、鉢植えやプランターでも十分に育てることができます。ただし、鉢やプランターは大きく深いものを用意してください。
コキアは直根と呼ばれる根が真っすぐ伸びる性質があります。そのため、浅い鉢では根が張らずに、あまり大きく育つことができません。
直根という性質上、植え替えは根痛みの原因になります。鉢植えやプランターで育てる場合は、最初から8号以上の鉢や深型プランターを準備しておきましょう。
コキアは植えっぱなしで大丈夫?
コキアは一年草のため、枯れた後に植えっぱなしにしても新芽は出てきません。そのため、紅葉が終わり枯れた後は株を取り除きましょう。
枯れた植物をそのままにしても、見た目も悪く風水としてもよくありません。コキアは枯枝でほうきを作ることもできるので、ほうき作りに挑戦してもよいですね。
来年も楽しみたい場合は、紅葉後に種を収穫して、春に種まきをすることで簡単に育てることができます。また、コキアはこぼれ種でも簡単に増えやすいので、来春以降に自然と地面から生えてくることも多いです。
コキアの種まき時期/種まき方法は?
コキアの種まき時期は春4~6月。7月以降でも種まきは可能ですが、大きく育つことができないので、なるべく早く種まきしてください。
セルトレイに種まきの土を敷いて種まきをしたり、地面に直接種まきしたりします。コキアは直根のため、植え替え頻度は少ないほど育てやすいです。
コキアの種は発芽に光を必要とするので、種まき後の土は薄く被せることがポイント。土を被せすぎると発芽しないことがあるので気を付けましょう。
コキアのまとめ
コキアは、屋外の日当たりのよい環境であれば簡単に育てられる植物です。夏は爽やかな緑葉を、秋には真っ赤な紅葉を楽しむことができます。
「恵まれた生活」「夫婦円満」などの花言葉は、結婚祝いや新築祝い、出産祝いにぴったり。さらに、邪気を払い家族運を上げる風水効果は、ご自宅用だけでなく友人・知人・家族へのプレゼントにも最適です。
ぜひ、屋外で楽しむ植物としていかがでしょうか。