切れ込みが入った葉が特徴的なモンステラ。インテリア性が高く育てやすいため、最初の1鉢として選ぶ方も多いでしょう。
しかし、育て始めたら「なぜか元気がない」と悩んでいませんか。育てやすい植物と言えども、環境や育て方、病害虫によって生育が悪くなります。
そこで、今回はモンステラの元気がない原因について紹介します。原因だけでなく、復活方法や育て方についても解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
育てているモンステラに元気がない場合は、まず原因を探りましょう。原因が分かれば、復活させる方法もはっきりします。
おしゃれなモンステラを、元気に育てて楽しんでください。
症状別|元気がないモンステラの原因
元気がないモンステラによくある症状と原因は、以下の6つです。
- 葉が黄色になる|日当たり不足
- 葉が茶色になる|葉焼け
- 葉がしおれる|水不足
- 新芽が開かない|根傷み
- 茎の根元が黒くなる|根腐れ
- 葉がベタベタする|カイガラムシ
それぞれ詳しく見ていきましょう。
葉が黄色になる|日当たり不足
元気がないモンステラの症状として「葉が黄色になる」があります。葉が黄色くなる原因は日当たり不足が考えられます。
葉がしおれることなく、徐々に薄くなって黄色くなるような症状です。また、葉の切れ目や張りがなくなることもあります。
葉が黄色くなる症状は、水やりや温度、肥料などさまざまな要因でも発生する点には注意してください。「モンステラの葉が黄色」の記事で詳しく紹介しています。
葉が茶色になる|葉焼け
元気がないモンステラの葉が茶色になる原因は、「葉焼け」かもしれしません。真夏の直射日光に当たり続けると、葉が茶色になりやすいです。
モンステラは日当たりの良い環境を好みますが、レースカーテン越しの柔らかい光が理想です。真夏の直射日光や西日に当たり続けると、葉は茶色になり光合成が出来なくなります。
見た目だけではなく、生育にも悪影響を与えて元気がなくなるでしょう。真夏は室内であっても、窓越しの直射日光で葉焼けすることがあります。
室内に置いていても、レースカーテンをして日光を和らげると安心です。
葉がしおれる|水不足
葉がしおれて元気がないモンステラは「水不足」の可能性があります。葉が垂れる症状も、同様に水不足が原因です。
モンステラをはじめ観葉植物の多くは、葉先まで水分が行き渡ることでシャキッとした葉になります。そのため、水不足になると葉がしおれやすいです。
葉がしおれる症状は、土の乾燥だけでなく、根腐れや根傷みでも発生します。土が湿っていても、根が吸水できないため、結果的に水不足と同じ症状が現れます。
葉がしおれて元気がない時は、水不足を疑い、土が湿っていれば根腐れや根傷みの可能性を考えましょう。
新芽が開かない|根傷み
元気がないモンステラは「新芽が開かない」ことがよくあります。モンステラの新芽はドリル状になって出てきますが、なかなか開かずそのまま枯れることも。
新芽が開かない原因は「根傷み」「根腐れ」が考えられます。新芽が出てきたのに、いつまでも開かずに枯れ始めたら、根傷みや根腐れを考えましょう。
春~夏の間に、鉢から根鉢を取り出して根の状態を確認してください。
茎の根元が黒くなる|根腐れ
根腐れによって元気がないモンステラは、株元や茎の根元が黒くなりやすいです。根腐れは、「水のやりすぎ」「受け皿に水を溜めている」などが原因で発生します。
土の中の根が腐る症状を根腐れと言いますが、根腐れの症状が進行すると地上部の株元や茎まで黒くなります。根腐れしたモンステラは、葉がしおれたり倒れたりするので、元気がないことにすぐ気が付くでしょう。
株元が黒くなっており、腐敗臭がする場合は根腐れの可能性が高いです。なるべく早く植え替えをしてください。
「モンステラの根腐れ」の記事で症状別の見分け方や復活方法を詳しく紹介しています。
葉がベタベタする|カイガラムシ
モンステラの葉がベタベタして元気がない場合は、「カイガラムシ」が発生している可能性があります。カイガラムシは植物の養分を吸汁して、ベタベタした甘露を排出します。
養分を吸収されるため、モンステラは徐々に元気がなくなるので注意してください。さらに、ベタベタした甘露にカビが生えると、すす病を引き起こします。
カイガラムシに気づき次第すぐに殺虫剤をしたり柔らかい布で取り除いたりしましょう。ベタベタした甘露は、湿らせた布やティッシュで簡単に取り除けるので、安心してください。
「観葉植物の白い綿はコナカイガラムシ」の記事でカイガラムシについて詳しく紹介しています。対処法や予防法について気になる方はこちらも参考にしてみてください。
元気がないモンステラの復活方法
元気がないモンステラの復活方法は、以下の6つです。
- 直射日光を避けた明るい場所に移動する
- たっぷり水やりする
- 発根剤を与える
- 植え替える
- 殺虫殺菌剤を噴霧する
- 風通しを改善する
それぞれの復活方法について詳しく解説します。
直射日光を避けた明るい場所に移動する
日当たりによってモンステラの元気がない場合は、直射日光を避けた明るい場所に移動させましょう。直射日光が当たりすぎる場所や日差しが全く差し込まない暗い環境では、モンステラは元気に育ちません。
窓際であれば、レースカーテンをして差し込む直射日光を和らげてください。成長期の春~夏に屋外で育てる場合は、明るい日陰に置くと良いでしょう。
適切な明るさの環境に置くと、元気な新芽が出てきます。元気がない葉は、徐々に葉色や艶のある元気な葉と入れ替わっていくので安心してください。
たっぷり水やりする
土の乾燥や水やり不足が原因で、モンステラに元気がない場合は、たっぷりと水やりしてください。基本は、鉢底から水が流れるように与えます。
しかし、土が乾燥しすぎている場合は、土と鉢の縁の隙間を通って水が流れている可能性があります。その場合は、土に水が染み込んでいないため、元気がないモンステラは復活しにくいです。
土がカチカチに硬くなるほど乾燥している場合は、バケツに水を溜めて鉢底から吸水させるようにしてください。じっくり吸水させることで、土全体に水が行き渡ります。
発根剤を与える
モンステラの元気がない場合は、発根剤を与えるのもおすすめです。発根を促して、新しい根や葉を出させると復活が早いためです。
元気のないモンステラの多くは、根が弱っています。根が弱っている時に肥料を与えると根傷みにつながるため、注意してください。
元気にさせるために肥料を与えたくなるかもしれませんが、発根剤を与えてください。新しい根が伸びて観葉植物が復活した後に、肥料を与えます。
AND PLANTSでは、植物が元気がない時に与えると発芽・発根を促す「evo 植物が元気に育つ水」を取り扱っています。モンステラの元気がない場合は、ぜひ使ってみてください。
[https://andplants.jp/products/evo_grawwell_plantwater]植え替える
もし根腐れや根傷みなどによって、モンステラの元気がないのであれば、新しい土で植え替えましょう。
根が傷んでいる場合は、黒く溶けたような根やスカスカの根を取り除いてください。モンステラの葉の枚数に対して、根が少ない場合は茎や葉を剪定して、全体のバランスを整えます。
元気な根が少ない場合は、植え替える鉢をサイズダウンさせると、土の乾湿がスムーズになり、新しい根が出やすくなります。根が少ない状態で大きな鉢に植え替えると、水やり後に土が乾きません。
土が乾かないと、根腐れや根傷みを悪化させやすいので、根の状態を確認してモンステラに合う鉢に植え替えましょう。
根詰まりの場合は、根をほぐして1~2回り大きな鉢に植え替えます。モンステラの植え替え方については、「観葉植物の植え替え」の記事を参考にしてみてください。記事内では動画でもわかりやすく解説しています。
また、植え替える際の土は、乾きやすさを備えているだけではなく、植え替え時の傷みが生じにくいものがおすすめです。
詳しくは下記のページよりご覧になってみてください。
[https://andplants.jp/products/andplantssoil-25l](↑植物のサイズによって異なりますが、1回〜2回分の植え替えに適しています。)
殺虫殺菌剤を噴霧する
病害虫が原因でモンステラの元気がない場合は、状態の悪い葉を取り除いた後は、殺虫殺菌剤を散布してください。
カイガラムシやアブラムシ、ハダニなどの害虫であれば、殺虫剤(ベニカXファインスプレーやオルトランなど)。
軟腐病や立ち枯れ病であれば、殺菌剤(ベンレート粒剤やオーソサイド粒剤など)を使います。
葉の裏を含め、株全体にスプレーで噴霧して、風通しの良い場所に置いて様子をみてください。
葉の養分を吸収してモンステラを弱らせるカイガラムシやアブラムシ、ハダニなどは非常に小さく、見つけにくいです。茎の隙間や葉の裏に隠れているので、注意して噴霧してください。
害虫の数が少なければ、ピンセットや柔らかい布で取り除くこともおすすめです。AND PLANTSでは、天然の除虫菊を配合した「evo 虫を寄せ付けない水」を取り扱っています。
殺菌効果はありませんが、害虫に悩んでいる方はぜひ使ってみてください。
[https://andplants.jp/products/evo_anti_insect_spray]風通しを改善する
風通しは、植物が元気に育つための重要なポイントです。風通しがない環境で育てると、土の乾燥が遅くなったり病害虫が発生しやすかったりします。
空気の流れがないと、植物はうまく呼吸ができません。そのため、風通しを改善するだけで、土が乾燥しない問題や病害虫の発生が解決することも。
モンステラの元気がない原因が解決すれば、次第に元気になっていきます。日頃から、風通しの良い場所で育てるようにしましょう。
元気がないモンステラに適した育て方
元気がないモンステラに悩んでいる方は、育て方を見直してみましょう。モンステラの育て方について、以下の5つのポイントに絞って解説します。
- 置き場所と日当たり
- 温度
- 水やりの頻度
- 肥料
- 剪定
モンステラの育て方や害虫トラブルなどについては、「モンステラの育て方」の記事で、より詳しく解説しています。
置き場所と日当たり
モンステラは、風通しと日当たりのよい環境を好みます。ただし、夏の直射日光や西日の強い光に当たると葉焼けしやすいので、注意が必要です。
直射日光の当たらない明るい室内や、窓際であればレースカーテン越しの柔らかい光に当てて育ててください。
日光が差し込まないほど暗い場所では、葉が垂れ下がったり切れ込みが爆なったりするので、明るさには注意しましょう。
また、窓際に置いておくと、一方向からの日差しによって、葉の向きが偏ります。バランスよく育てたい場合は、1~2週間ごとに鉢を回して、株全体に光が当たるようにすると、美しく育ちます。
温度
モンステラは寒さに弱い観葉植物です。最低10℃以上をキープして育てましょう。
もし、屋外の明るい日陰で育てている場合は、気温の下がる秋には暖かい室内に移動させます。室内であっても窓際は、屋外と変わらないくらいに冷え込むので、冬は窓から離しておくことが重要です。
また、冷暖房がモンステラに直接当たると急激な乾燥によって、葉先や葉の縁が枯れることがあります。冷暖房の風が当たらない明るい場所に置いて管理してください。
水やりの頻度
モンステラの水やりは控えめを意識してください。水のやりすぎは、根腐れを発生させやすくするためです。
- 春夏:手で土を触って水分を感じなくなったら(鉢の中央部分までしっかり乾いてから)
- 秋冬:手で土を触って水分を感じなくなって(鉢の中央部分までしっかり乾いてから)2~3日後
春夏は手で土を触って水分を感じなくなったら(鉢の中央部分までしっかり乾いてから)、鉢底から水が流れるくらいにたっぷりと水やりをしてください。
ただし、水のやりすぎや受け皿の溜め水は根腐れの原因になるので注意が必要です。秋から土の渇き具合を確認しながら、冬には土が乾いてから2~3日後に水やりしてください。
冬は室内の温度がしっかり上がったタイミングで、常温のお水で水やりをします。冬に冷たい水道水で水やりすると、根傷みする可能性があるためです。
また、気温の低い時間帯に水やりや葉水を行うと逆効果になるので気を付けましょう。水やりのタイミングが掴めない方は、水やりチェッカーの利用もおすすめです。
[https://andplants.jp/products/watering_checker_sustee_large_single]肥料
モンステラには、生育期の5~10月に2ヶ月おきに1度置き肥を与えたり、水に薄めた液肥を2週間に1度のペースで水やりしたりしてください。冬は生育が緩慢な時期なので、肥料は与えません。
気温が下がり始める秋には、置いている置き肥を取り除いておくと安心です。
肥料の与えすぎは、元気がないモンステラになる原因の1つである根腐れに繋がります。与える量やペースは守ってください。
AND PLANTSでは、葉の色をグッとよくしてくれる「evo みどりがより鮮やかになる肥料」を取り扱っています。追肥として、土の表面に撒いて軽く土を被せて利用してください。
[https://andplants.jp/products/evo_solid_fertilizer_for_green]剪定
モンステラの剪定は、生育期の5月~9月に毎年行います。モンステラは生育旺盛であるため、剪定は欠かせません。
剪定せずに育て続けると、樹形が崩れるだけでなく、葉が増えすぎて日当たりや風通しの悪化につながります。根から吸い上げた水分や栄養もすべての葉に行き渡らない可能性もあります。
元気なモンステラを維持するためにも、葉の付け根から見栄えや風通しがよくなるように剪定してください。
モンステラの葉や茎を剪定する場合は、切れ味の良いハサミを使ってください。スパッと切れない剪定ハサミでは、切り口が綺麗でないため、見栄えだけでなく生育にも悪影響を及ぼします。
[https://andplants.jp/products/sakagen-flower-shears]元気がないモンステラによくある質問
最後に元気のないモンステラによくある質問とその答えを以下にまとめました。
- モンステラに元気がない時は肥料を与えたらいい?
- 冬にモンステラの元気がないのはどうして?
- モンステラの下葉1枚だけが元気がない原因は?
- 水耕栽培から土栽培に植え替えたら元気がなくなった理由は?
それでは具体的に見ていきましょう。
モンステラに元気がない時は肥料を与えたらいい?
モンステラに元気がない時は、肥料は与えないでください。発根剤を与えて、新しい根が出るように促してあげましょう。
元気がないモンステラは、根が傷んでいる可能性があります。根が弱っている状態では、肥料成分を吸収することはできないだけでなく、根をさらに傷める原因に。
肥料よりも成分が少なく、モンステラの根にストレスを与えない発根剤を与えてください。
冬にモンステラの元気がないのはどうして?
冬にモンステラの元気がないのは、「寒さ」「水やり」の影響が考えられます。モンステラは寒さに弱い植物であるため、最低10℃以上をキープして育ててください。
また、生育が緩慢になる季節でもあるので、水やりは控えめにします。土の中心部まで乾いてから2~3日後に与えます。与える水は、冷たい水道水ではなく、常温の水を与えると、根傷みを防ぐことができるでしょう。
モンステラの冬越しトラブルは、他にもあります。気になる方は「モンステラの冬越し方法」も確認してみてください。
モンステラの下葉1枚だけが元気がない原因は?
モンステラの下葉1枚だけが元気がない原因は、「新陳代謝」かもしれません。新しい葉が出てくる際に、一番古い下葉が枯れることはよくあります。
徐々に1枚の下葉が黄色くなり、枯れた後に新芽が出てくる現象です。多くの観葉植物で起きるため、心配はありません。
ただし、下葉1枚だけでなく、どんどん枯れてくる場合は、水の与えすぎや根傷み、根腐れなどを疑いましょう。
水耕栽培から土栽培に植え替えたら元気がなくなった理由は?
水耕栽培から土栽培に植え替えた場合は、一時的に元気がなくなります。なぜなら、水耕栽培の根は、水環境に適した根であり、土環境には適していないためです。
水耕栽培の根を土に植えても、土の中では根は徐々に枯れていきます。新しい土栽培に適した根が伸び始めると、徐々に元気になるので安心してください。
土栽培に適した根が、早く出るように発根剤を薄めて水やりすると、復活が早いです。
まとめ
モンステラは育てやすく、インテリアとしてもおしゃれであるため、育てている方も多いと思います。おしゃれなモンステラの元気がないと、お部屋全体の印象も悪くなってしまうかもしれません。
モンステラの元気がない原因は、「日当たり」「水やり」「風通し」などの基本的な育て方による影響によるものが多いです。そのため、原因を探ると同時に育て方についても見直してください。
植え替えをしたり発根剤を与えたりする復活方法を試して、モンステラの元気を取り戻しましょう。
[https://andplants.jp/collections/monstera]