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ヒポエステスの育て方

ヒポエステスの育て方

植物名 ヒポエステス
学名 Hypoestes
英名 Polk Dot Plant
科目/属性 キツネノマゴ科ヒポエステス属
原産地 マダガスカル
この記事を監修した人佐藤桃子
ハウスメーカーで造園・観葉植物などに携わったのち、観葉植物専門店の店長としてトータルでプロデュースを手掛ける。2022年よりAND PLANTSに所属。著書に 『選び方・育て方のコツがわかる!観葉植物の教科書』 『INTERIOR GREEN 観葉植物と日常』(ブティック社)。他、監修本多数。

AND PLANTSの人気観葉植物を下記ページにまとめました。

デスクや小窓に置けるものから、インテリアの核となる大型サイズまで揃えていますので、ぜひご覧になってみてください。

[https://andplants.jp/collections/plants]

ヒポエステスの特徴

ヒポエステスは、葉に鮮やかな斑が入るおしゃれな植物です。日当たりがよいほど美しい斑入り葉になる特徴があります。

観葉植物以外にも花壇を彩るカラーリーフとしてもおすすめです。多年草ですが寒さには強くないので、屋外で育てる場合は1年草扱いになります。

翌年もヒポエステスを楽しみたい場合は、冬は室内の暖かい環境で育ててください。種類によって葉に入る斑は白や赤、ピンクなどさまざま。

インテリアなどに合わせて、カラフルに飾り付けるとおしゃれに楽しめます。

ヒポエステスの花言葉

ヒポエステスの花言葉は、「美の秘密」「すべての人々への優しさ」です。葉に美しく入る斑や可愛らしい小花が、美の秘密という花言葉の由来となっています。

また、その美しい葉と可愛らしい花を見て多くの人がほほ笑むことから、優しさに繋がる花言葉になりました。おしゃれ好きな方や日頃からお世話になっている方へのプレゼントにぴったりです。

感謝の気持ちを込めてプレゼントすると喜ばれるでしょう。

ヒポエステスの風水

ヒポエステスには、「調和」を促す風水効果があります。丸みを帯びた葉がやや下を向く植物には、張り詰めた気を落ち着かせリラックスさせる効果があるためです。

寝室など落ち着きたい場所に置くと、よい風水効果を得られるでしょう。湿潤な環境にも強い植物なので、浴室に置くと運気が上がります。

風水効果は植物を置くだけでは十分に得られません。置く場所を整理して、手入れをしながら綺麗に育てることが重要です。

関連記事:観葉植物の風水|場所と効果別のおすすめ

ヒポエステスの育て方

ヒポエステスの育て方

日当たり 日当たりのよい場所
温度 最低5℃以上をキープする
耐寒性 弱い
耐暑性 強い
水やり 春夏:土の表面が乾いてから
秋冬:手で土を触って水分を感じなくなったら(鉢の中央部分までしっかり乾いてから)
肥料 緩効性肥料、液体肥料
剪定時期 5~9月

関連記事:観葉植物の基本的な育て方|コツや管理法について

置き場所と日当たり

ヒポエステスは日当たりのよい環境を好みます。ただし夏の直射日光に当たると葉焼けしやすいため、注意が必要です。

耐陰性はありますが、ほとんど日光の光が入らないような暗すぎる場所ではうまく生育できません。徒長した姿になり特徴的な斑も入らなくなるので、明るい窓際に置いてください。

夏の直射日光が差し込む場合は、レースカーテン越しの柔らかい光にしてあげましょう。

温度

ヒポエステスは寒さに弱い植物です。最低5℃以上をキープして育ててください。

寒さに当たり続けると、葉を次々に落とし枯れてしまいます。なるべく暖かい場所で管理することが重要なポイントです。

冬の窓際は屋外と変わらないくらいに冷え込むので、窓から離した明るい場所に置きます。ただし、暖房の風が当たると急激な乾燥によって葉が傷んでしまいます。

暖房の風が当たらないように気を付けましょう。

水やりの頻度

  1. 春夏:土の表面が乾いてから
  2. 秋冬:手で土を触って水分を感じなくなったら(鉢の中央部分までしっかり乾いてから)

春夏の生育期には、土の表面が乾いたら鉢底から水が流れるくらいに、しっかり水やりしてください。ただし、水のやりすぎや受け皿の溜め水は根腐れの原因になります。

水やり後は、受け皿に溜まった水は小まめに捨てることが重要です。気温の下がる秋からは土の渇き具合を見ながら、徐々に水やりを控えましょう。

冬は手で土を触って水分を感じなくなったら(鉢の中央部分までしっかり乾いてから)水やりをします。この時期は空気が乾燥するので、水やりと一緒に葉水も与えるとイキイキとした元気な葉を維持しやすいです。

冬は水やりの頻度を少なめにして、暖かい時間帯に葉水をしてください。もし、水やりの頻度に困ったときは、水やりチェッカーの利用もおすすめします。

肥料

ヒポエステスには、生育期の5~10月(猛暑期を除く)に2か月に1度置き肥を置くか、水に薄めた液肥を2週間に1度のペースで水やり代わりに与えてください。冬は生育が緩慢な時期なので、肥料は与えません。

ヒポエステスは生育期に葉を茂らせるため、肥料を非常に好みます。美しく育てるには元肥以外に追肥を行い肥料切れを起こさないことがポイントです。

ただし、肥料の与えすぎは根を傷めるため、与えるペースや時期はしっかり守ってください。

剪定方法

ヒポエステスの剪定時期は5~9月です。傷んだり伸びすぎたりした枝葉を剪定します。

葉が出ている茎であれば、どこから切っても問題ありません。節から新芽を出すので、理想の株姿をイメージして風通しよく剪定すると良いでしょう。

特に気温の上がる5~7月であれば、数枚の葉を残して根元から切っても枝数を増やして綺麗に元に戻ります。しかし、気温の下がる秋からは生育が緩慢になるので、思い切った剪定は控えてください。

ヒポエステスのよくあるトラブルと対処法

ヒポエステスのよくあるトラブルと対処法

個性的でおしゃれなヒポエステスですが、トラブルも存在します。

ここではトラブルが起きたときの対処法を解説していきます。あらかじめ対処法を知っておけば、いざ何かあっても安心です。

関連記事:観葉植物のトラブル|主な症状と対処法まとめ

根腐れ

根腐れでは、以下の症状が見られます。

  1. 水をあげても元気にならない
  2. 土がなかなか乾かない
  3. 葉が落ちやすい
  4. 葉が茶色・黄色に変色している
  5. 幹や幹の根元が柔らかい
  6. 土から腐敗臭がする
  7. 土の表面にカビが生えている
  8. 根黒く変色している

根腐れは、土の中の酸素濃度が低下して土中の細菌叢が変化し、有機物の腐敗が進むことで有害なアンモニアが発生し、土壌環境が悪くなることで発症します。

また、常に土が湿っている状況では根が呼吸することができず、細胞が死んでしまいます。これが原因で、根から水を吸い上げることができなくなり、植物体に水を供給することができなくなることで死んでしまう現象です。

根腐れの対処法は以下。

  1. 鉢から植物を抜き、悪い土を落として水はけのよい土に交換する
  2. 根の傷んでいる部分、腐っている部分をカットする
  3. 少量の水を与え、風通しがよく明るい日陰で管理する
    ※1週間を目安に水が乾くコンディションで管理する
  4. 発根剤を与えてみる
  5. 傷んだ葉を取り除く
  6. 枯れた枝を切り取る

根腐れが起こった場合は、鉢を入れ替えて土の環境を変えることが大切です。傷んでしまった根は取り除き、健康な状態が取り戻せるような環境を与えてあげましょう。赤玉土・ゼオライトなどを用土に混ぜ込むことで、水はけと根腐れを防止することができます。

枝先がダメになっている場合は、生きている部分までカットし、新しい葉を出すことで回復させます。根元から腐っている場合は、無事な部分で切り取り、挿し木にして発根させて回復させましょう。

根腐れが起こると、新芽を残すように古い葉を落とす現象が見られます。重度の根腐れの場合は、新芽や枝の先から枯れることがあるので注意が必要です。

根詰まり

根詰まりとは、鉢の中で根がいっぱいになることで起きる症状です。根詰まりの症状は以下の通り。

  1. 水が浸透しづらくなる
  2. 底から根が出てくる
  3. 葉が黄色くなる
  4. 鉢にヒビが入る

特に春夏の成長期で一気に伸びてしまうと上記のような症状が起きてしまいます。すぐに枯れる要因にはなりませんが、放置してしまうとヒポエステスに悪影響です。

対処法はヒポエステスの植え替えをすること。

ヒポエステスを現在の鉢より1つ上の大きい鉢に植え替えることで、上記の症状はほとんど解消されるでしょう。植え替えを行う時期も春夏の成長期が最も適しています。

葉焼け

葉焼けでは、以下の症状が起きます。

  • 葉の色素が抜けて白くなっている
  • 葉の一部が茶色く枯れている

強い日差しを浴びすぎると葉が傷んで「葉焼け」というトラブルが発生します

葉焼けの症状に気がついたら、早めに置き場所を検討し直すことが必要です。

対処法は以下。

  1. 直射日光が当たっている場合はカーテンなどで遮光する
  2. 葉焼けした部分はカットする

葉焼けが起こるということは、日光が当たりすぎている可能性が高いため、直射日光に当てないような措置を取りましょう。

また、一度焼けてしまった葉は二度と元に戻りません。傷んだ葉はカットし、新しい健康な葉が生えてくるのを待ちましょう。

ハダニ

ハダニの症状は以下。

  1. 葉にクモの巣のような糸がついている
  2. 葉の裏に小さな虫がついている
  3. 葉に斑点や傷がある
  4. 葉の色が薄くなり枯れている

ハダニは繁殖力の強さと、薬剤耐性を持つとても厄介な害虫です

放っておくと糸を張って大量発生する危険性もあるので、早めに対処を行いましょう。

対処法は以下。

  1. 傷んだ葉はカットする
  2. 葉の表裏、付け根や茎も水で洗浄する
  3. ハダニに効果のある液体を噴霧する(殺虫剤のほか、2倍に薄めた牛乳、重曹と水を混ぜたもの、濃いコーヒー、10倍に薄めた酢でも一定の効果あり)

ハダニが湧いてしまったら、市販の殺虫剤(ベニカファインスプレー・オルトラン)を使用するのが効果的です。2倍に薄めた牛乳などの液体を噴霧する対処法もありますが、匂いが気になる方には水で洗い流す方法もおすすめです。

そもそもハダニは、こまめな霧吹き・葉をふき取りきれいにすることを怠らなければ発生しません。

常にきれいな状態を保つために、霧吹きの購入は必須といえます。月に一度はシャワーで洗い流すなどの管理も必要です。

ヒポエステスのよくある質問

ヒポエステスのよくある質問

最後にヒポエステスのよくある質問とその答えを以下にまとめました。

  1. ヒポエステスは寄せ植えができる?
  2. ヒポエステスが枯れる原因は?
  3. ヒポエステスがひょろひょろに徒長する理由は?
  4. ヒポエステスは花が咲く?開花時期は?
  5. ヒポエステスの適切な増やし方は?
  6. ヒポエステスは水栽培(ハイドロカルチャー)できる?
  7. ヒポエステスの葉が丸まるのはどうして?
  8. ヒポエステスの冬越し方法は?

それでは具体的に見ていきましょう。 

ヒポエステスは寄せ植えができる?

ヒポエステスは寄せ植えができます。草花の寄せ植えや観葉植物の寄せ植えにも活躍する植物です。

花壇や鉢植えに草花と一緒に植える場合は、冬には枯れる一年草として扱います。5~10月の生育期に大きくなるので、一緒に植える植物とはスペースを空けて植えるとよいでしょう。

観葉植物同士の寄せ植えであれば、明るい室内でも楽しめます。しかし、寒さに弱いので、寄せ植えしたまま冬越しさせるには同じ性質でなければ難しいです。

性質が違う場合は、気温の下がる秋前にそれぞれ植え替えて管理してください。

ヒポエステスが枯れる原因は?

枯れる原因は、「日当たり不足」「水のやりすぎ(やらなすぎ)」「寒さ」です。

耐陰性はありますが、日差しが入らないほど暗い環境では葉が落ちて枯れる恐れがあります。明るい窓際に移動させて管理してください。

水のやりすぎは根腐れの原因に。生育旺盛なヒポエステスは生育期に水切れを経験すると葉が落ちてしまいます。

何度も水切れを経験すると枯れるので、適切な水やりを心がけてください。5℃までは耐えることができますが、0℃以下になると枯れる可能性が高くなります。

特に、鉢植えで根が凍結した場合は、春に暖かくなっても新芽が出てこないでしょう。冬は窓際から離した明るい室内で管理すると安心です。

ヒポエステスがひょろひょろに徒長する理由は?

ヒポエステスがひょろひょろに徒長する理由は「日当たり不足」のためです。

日当たりを好む植物なので、日差しの入らない暗い場所では徒長してしまいます。節間が伸びると葉が付いていない部分が目立ち、ひょろひょろの印象に。

日当たり不足で葉も大きくならないため、見た目も悪くなってしまいます。ひょろひょろになったヒポエステスは、葉が数枚付いている程度に短く剪定してください。

その後に日当たりの良い窓際に置くと、葉がたくさん茂ってきます。

ヒポエステスは花が咲く?開花時期は?

ヒポエステスは5~6月に薄紫色の小花を咲かせます。しかし、花は葉に隠れるように咲くため目立ちません。

また、室内で観葉植物として育てていると花が咲きにくい傾向があります。花を咲かせたい場合は、お花用の肥料を与えながら日当たりのよい環境で育ててください。

開花後は、小さな果実ができ種を収穫することができます。

ヒポエステスの適切な増やし方は?

ヒポエステスは「挿し木」「種まき」で増やすことができます。挿し木は生育期の5~10月に行いますが、気温が上がる5~7月に行うと最も成功率が高いです。

伸びた枝を10~15㎝に切り、葉を2~3枚だけ残して土に優しく植えます。直射日光に当たらない明るい日陰で、土が乾かないように2~3週間管理すると新芽が出てくるでしょう。

水挿し(土に植えずに容器に溜めた水に挿しておく方法)でも簡単に増やすことができます。水挿しで発根させた場合は、そのまま育てることも可能です。

また、4~5月に前年に収穫した種を撒くと増やすことができます。しかし、種は非常に小さく細かいので、風に飛ばされないように気を付けてポットに種まきしてください。

勢いよく水やりすると、種が流れたり土の中に潜り込んでしまうので底面吸水で土を湿らせると管理がしやすいです。

ヒポエステスは水栽培(ハイドロカルチャー)できるの?

ヒポエステスは水栽培(ハイドロカルチャー)で育てることができます

水栽培では水中に根から出る老廃物を分解する微生物がいません。そのため、根が腐りやすい点に気を付けて下さい。

毎日水を入れ替えて、イキイキとしたヒポエステスに育てましょう。ただし、直射日光を好む植物であるため、日当たりのよい窓際に置く必要があります。

この時に、ガラスやコップの水が日光で温められると生育に悪影響です。固形の焼土であるハイドロボールなどを使用した水栽培であれば、根傷みを軽減し上手に育てられます。

ヒポエステスの葉が丸まるのはどうして?

ヒポエステスの葉が丸まるのは「水不足」「日当たり不足」が原因です。

根から吸収される水分が少ないと、葉からの蒸散を防ぐために葉が丸まります。そのため水をしっかりと与えてあげることがポイントです。

土が乾燥して葉が丸まっている場合は、水やりをすると改善されるので安心してください。また、空気が乾燥している場合も葉が丸まるので注意が必要です。

日頃から、葉水をしておくと良いでしょう。ただし、冬は気温が高い時間帯に葉水してください。

日当たりがよい環境を好む植物です。日光が不足すると葉が丸まるので、夏を除いて日当たりのよい環境で育ててください。

ヒポエステスの冬越し方法は?

ヒポエステスの冬越し方法は、最低5℃以上をキープして管理することです。

冬は生育が衰えるので、水のやりすぎに気を付けます。受け皿に溜まった水もこまめに捨ててください。

葉水は暖かい時間帯や、暖房でしっかり温度が上がったときに行いましょう。窓際は屋外と変わらないくらいに冷え込むので、窓から離した場所で管理することが重要です。

暖房の風に当たると乾燥して枯れる恐れがあるので、直接当たらない場所に置いてください。

ヒポエステスのまとめ

ヒポエステスは明るい室内であれば、一年を通して簡単に育てることができます。個性的な美しい斑入り葉は、おしゃれなインテリアグリーンとして活躍するでしょう。

「すべての人々への優しさ」という花言葉は、お世話になった方への感謝やお礼のプレゼントにも最適です。さらに、リラックスさせる風水効果は、忙しい毎日を過ごしている多くの方に喜んでもらえます。

ぜひ、美しい斑入りのインテリアグリーンとして育ててみてはいかがですか。