カランコエ・福兎耳の育て方

植物名	カランコエ・福兎耳
学名	Kalanchoe eriophylla
英名	Kalanchoe eriophylla
科目/属性	ベンケイソウ科カランコエ属
原産地	アフリカ、マダガスカル
日当たり	日当たりの良い置き場所
温度	最低10℃以上をキープ
耐寒性	弱い
耐暑性	強い
水やり	春秋：手で土を触って水分を感じなくなったら(鉢の中央部分までしっかり乾いてから) 夏冬：手で土を触って水分を感じなくなって(鉢の中央部分までしっかり乾いてから)一週間後
肥料	緩効性肥料、液体肥料
剪定時期	5月～9月

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カランコエ・福兎耳の特徴

カランコエ・福兎耳(ふくとじ)は、フェルトのような白くふわふわな毛で覆われている多肉植物です。新芽ほど真っ白で美しく、葉が成長するにつれて緑がかってきます。

葉の先端がブラウンになっている点も特徴です。カランコエ・福兎耳の葉の形や柔らかい質感は、うさぎの耳を思わせて、つい触りたくなる魅力があります。

生育型は夏型の多肉植物ですが、湿気に弱い性質があるため、湿度の高い日本の夏は苦手です。暑い夏は、水のやりすぎに注意して、風通しの良い場所で育ててください。

水のやりすぎに注意すれば、強健で育てやすいです。ピンク色の可愛らしい小花が咲くので、ふわふわした葉だけでなく花も楽しめます。

カランコエ・福兎耳の花言葉

カランコエ・福兎耳の花言葉は「あなたを守る」です。カランコエに共通する花言葉になります。

花言葉「あなたを守る」は、厳しい環境でも強く育つ性質や開花期が長い特徴が由来です。「守る」といった言葉から、新築祝いや開店祝い、結婚祝い、出産祝いなどに贈るプレゼントに人気があります。

また「あなたを守る」は、恋人やパートナーへのプレゼントにぴったり。告白や誕生日祝い、記念日祝いとしてカランコエ・福兎耳をプレゼントしてみてはいかがでしょうか。

関連記事：カランコエの花言葉｜色別の花言葉や誕生花、名前の由来

カランコエ・福兎耳の風水

カランコエ・福兎耳の風水効果は、「金運」「幸運」を高めるとされています。風水では葉が丸い植物は「金」の気を循環させるとされ、金運に効果的と考えられているためです。

また、名前に「福」とあるため、気の入り口である玄関や窓際に置くと、幸運を呼び込むともされています。仕事や生活に悩みがある方は、カランコエ・福兎耳を飾ってみると良いかもしれません。

金運を高めたい方は、西側に置くと商売繁盛をもたらすとされています。開店祝いや開業祝い、移転祝いなどでプレゼントする場合は、西側に置いてもらうように伝えると喜ばれます。

ただし、風水効果を十分に得るためには、置く場所を整理整頓して、カランコエ・福兎耳をこまめに手入れして元気に育てることが重要です。

関連記事：観葉植物の風水｜場所と効果別のおすすめ

カランコエ・福兎耳の育て方

カランコエ・福兎耳は、初めて植物をお部屋に迎える方にも育てやすいですが、育て方にはポイントがあります。

育て方のポイントを押さえて、適切に育てることができれば、美しい姿で元気に育ち続けるでしょう。

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置き場所と日当たり

カランコエ・福兎耳は日当たりと風通しのよい環境を好みます。ただし、真夏の直射日光に当たると葉焼けする可能性があるため、注意が必要です。

ほとんど日光の光が入らないような暗すぎる場所では生育できません。葉色が悪くなったり葉が薄くなったり、徒長してひょろひょろになったりするため、真夏を除いて日当たりの良い場所で管理してください。

カランコエ・福兎耳は屋内よりも屋外でよく育ちます。しかし冬は寒すぎるため、屋内管理がおすすめです。屋内で管理する場合は、日当たりの良い窓際で管理してください。

温度

カランコエ・福兎耳は、寒さに弱い植物です。最低10℃以上をキープして育ててください。

水やりを控えることで5℃程度まで耐えられますが、0℃以下の寒さに当たり続けると凍結によって枯れる恐れがあります。気温が下がり始める晩秋には室内に移動させてください。

カランコエ・福兎耳は夏型の多肉植物ですが、春秋型に近い性質も持ち合わせています。そのため春～秋に生育して、冬は休眠する性質です。

日本の夏は湿度が高いため、なるべく涼しく風通しがよい場所で管理してください。屋内で管理する場合は、冷暖房の当たらない明るい場所で管理します。

冷暖房の風が直接当たると、急な乾燥によって株が傷むので気を付けましょう。

水やりの頻度

春と秋の生育期は、手で土を触って水分を感じなくなったら(鉢の中央部分までしっかり乾いてから)、鉢底から水が流れるくらいにしっかり行ってください。

カランコエ・福兎耳は夏も生育期ですが、梅雨に入るタイミングで徐々に水やりを控えましょう。高温多湿環境で水やりしすぎると、腐る恐れがあります。

手で土を触って水分を感じなくなって1週間後に水やりする程度です。気温の低い冬は暖房が効いている部屋に置いていない限りは、休眠しています。

夏同様に乾燥気味に水やりして、気温が高い時間帯に霧吹きする程度または月に1回の水やりで十分です。

肥料

生育期に2か月に1度置き肥を置くか、水に薄めた液肥を2週間に1度のペースで水やり代わりに与えてください。それぞれ生育が緩慢な時期や休眠期には、肥料は与えません。

カランコエ・福兎耳は、肥料が少なくても十分に育ちますが、葉を大きくしたり群生させたりしたい場合は土に混ぜ込んだ元肥以外にも追肥もしましょう。ただし、肥料の与えすぎは根を傷めるため、与えるペースや時期はしっかり守ってください。

剪定方法

カランコエ・福兎耳の剪定時期は5月～9月です。枯れた葉を取り除いたり伸びた茎や花茎を切り戻します。

葉が茂っていて、枯葉が取り除きにくい場合は、ピンセットで丁寧に取り除くとよいでしょう。日当たり不足によって株が徒長した場合は、葉の隙間から茎を切ります。

切り取ったカランコエ・福兎耳は葉挿しや挿し木で増やすことも可能です。花茎はまっすぐ伸びます。花が咲き終わったら、花茎の根元付近で剪定してください。

カランコエ・福兎耳のよくあるトラブルと対処法

乾燥に強く育てやすいカランコエ・福兎耳ですが、トラブルも存在します。

ここではトラブルが起きたときの対処法を解説していきます。あらかじめ対処法を知っておけば、いざ何かあっても安心です。

関連記事：観葉植物のトラブル｜主な症状と対処法まとめ

根腐れ

根腐れでは、以下の症状が見られます。

根腐れは、土の中の酸素濃度が低下して土中の細菌叢が変化し、有機物の腐敗が進むことで有害なアンモニアが発生し、土壌環境が悪くなることで発症します。

また、常に土が湿っている状況では根が呼吸することができず、細胞が死んでしまいます。

これが原因で、根から水を吸い上げることができなくなり、植物体に水を供給することができなくなることで死んでしまう現象です。

根腐れの対処法は以下の通りです。

根腐れが起こった場合は、鉢を入れ替えて土の環境を変えることが大切です。傷んでしまった根は取り除き、健康な状態が取り戻せるような環境を与えてあげましょう。

赤玉土・ゼオライトなどを用土に混ぜ込むことで、水はけと根腐れを防止することができます。

葉先がダメになっている場合は、生きている部分までカットし、新しい葉を出すことで回復させます。根元から腐っている場合は、無事な部分で切り取り、挿し木にして発根させて回復させましょう。

根腐れが起こると枝が垂れ、新芽を残すために古い葉を落とす現象が見られます。重度の根腐れの場合は、新芽や枝の先から枯れることがあるので注意が必要です。

関連記事：観葉植物の根腐れ｜対処法や見分け方の紹介

根詰まり

根詰まりとは、鉢の中で根がいっぱいになることで起きる症状。根詰まりの症状は以下の通りです。

特に春夏の成長期で一気に伸びてしまうと上記のような症状が起きてしまいます。すぐに枯れる要因にはなりませんが、放置してしまうとカランコエ・福兎耳に悪影響です。

対処法はカランコエ・福兎耳の植え替えをすること。

カランコエ・福兎耳を現在の鉢より1つ上の大きい鉢に植え替えることで、上記の症状はほとんど解消されるでしょう。植え替えを行う時期も春夏の成長期が最も適しています。

関連記事：観葉植物の根詰まり｜症状や対処法について

葉焼け

葉焼けでは、以下の症状が起きます。

強い日差しを浴びすぎると葉が傷んで「葉焼け」というトラブルが発生します。

葉焼けの症状に気がついたら、早めに置き場所を検討し直すことが必要です。

対処法は以下の通りです。

葉焼けが起こるということは、日光が当たりすぎている可能性が高いため、直射日光に当てないような措置を取りましょう。

また、一度焼けてしまった葉は二度と元に戻りません。傷んだ葉はカットし、新しい健康な葉が生えてくるのを待ちましょう。

関連記事：観葉植物の葉焼け｜原因や対処法の紹介

カランコエ・福兎耳の害虫トラブルと対処法

ふわふわなフェルトを想像させるカランコエ・福兎耳にも害虫トラブルは存在します。

害虫によるトラブルが発生したときの対処法を解説していきます。あらかじめ対処法を知っておけば、いざ何かあっても安心です。

ハダニ

ハダニの症状は以下の通りです。

ハダニは繁殖力の強さと、薬剤耐性を持つとても厄介な害虫です。

放っておくと糸を張って大量発生する危険性もあるので、早めに対処を行いましょう。

対処法は以下の通りです。

ハダニが湧いてしまったら、市販の殺虫剤（ベニカXファインスプレー・オルトラン）を使用するのが効果的です。ただし、薬剤散布は使用回数を守らないと、美しい葉に黒点が付いたり株が弱ったりするため、注意してください。

2倍に薄めた牛乳などの液体を噴霧する対処法もありますが、匂いが気になる方には水で洗い流す方法もおすすめです。

そもそもハダニは、こまめな霧吹き・葉をふき取りきれいにすることを怠らなければ発生しません。

常にきれいな状態を保つために、霧吹きの購入は必須といえます。月に一度はシャワーで洗い流すなどの管理も必要です。

関連記事：観葉植物に発生するハダニ｜対処と予防法の紹介

アブラムシ

アブラムシの症状は以下の通りです。

アブラムシは繁殖力が強いため短期間で増え、ウイルスを媒介する厄介な害虫です。

放っておくとカランコエ・福兎耳の生育が弱まり枯れる恐れもあるので、早めに対処を行いましょう。

対処法は以下の通りです。

アブラムシが湧いてしまったら、市販の殺虫剤（ベニカXファインスプレー・オルトラン）を使用すると効果があります。ただし、薬剤散布は使用回数を守らないと、美しい葉に黒点が付いたり株が弱ったりするため、注意してください。

2倍に薄めた牛乳などの液体を噴霧する対処法もありますが、匂いが気になる方には水で洗い流す方法もおすすめです。

関連記事：観葉植物に発生するアブラムシ｜原因や対処・予防法

カイガラムシ

カイガラムシの症状は以下の通りです。

カイガラムシは繁殖力の強さと薬剤耐性のある厄介な害虫です。

放っておくとカランコエ・福兎耳の生育が弱まり枯れる恐れもあるので、早めに対処を行いましょう。

対処法は以下の通りです。

カイガラムシが発生したら、市販の殺虫剤（ベニカXファインスプレー・オルトラン・スミチオンなど）を使用するのが効果的。ただし、薬剤散布は使用回数を守らないと、美しい葉に黒点が付いたり株が弱ったりするため、注意してください。

カイガラムシの成虫には殺虫剤が効きにくいので、幼虫の時期である5～7月に使用するとよいでしょう。

既に貝殻をかぶっている成虫は、柔らかいブラシや布で擦り取ってください。

2倍に薄めた牛乳などの液体を噴霧する対処法もありますが、匂いが気になる方には水で洗い流す方法もおすすめです。

関連記事：観葉植物の白い綿はコナカイガラムシ｜対処法と予防法を紹介

コバエ

コバエの症状は以下の通りです。

コバエ自体は植物に無害ですが、観葉植物を育てるうえでの不快害虫です。

放っておくとコバエは増えていくので、早めに対処を行いましょう。

対処法は以下の通りです。

コバエが発生したら、市販の殺虫剤（ベニカXファインスプレー・オルトラン・スミチオンなど）を使用するのが効果的です。ただし、薬剤散布は使用回数を守らないと、美しい葉に黒点が付いたり株が弱ったりするため、注意してください。

コバエのトラップは食器用洗剤やお酢、めんつゆなどで作ることができます。植物の近くに置いておくと、簡単にコバエを捕殺できるでしょう。

コバエは、発酵不十分な腐葉土やバーク堆肥、有機質肥料の匂いに引き寄せられます。

そのため、有機質肥料を取り除いたり土の表面に赤玉土や鹿沼土など3～5㎝程度敷き詰めたりするとコバエ発生を防ぐことが可能です。

そもそもコバエは、完熟たい肥を使用した質のよい土であれば発生しません。また、土が常に湿っている状況を避ければ、発生する可能性は低いです。

コバエを発生させないためには、適切な土と水やり管理で育ててください。

関連記事：観葉植物に発生するコバエ｜対策と原因について

カランコエ・福兎耳のよくある質問

最後にカランコエ・福兎耳のよくある質問とその答えを以下にまとめました。

それでは具体的に見ていきましょう。

カランコエ・福兎耳と白兎耳の違いは？

カランコエ・福兎耳と白兎耳は、名前が似ていますが、属名が異なる植物です。白兎耳は、カランコエ属ではなくエケベリア属の多肉植物。

そのため、福兎耳と白兎耳は全く異なる多肉植物と考えてください。福兎耳は株が成長すると茎が倒れながら横に広がりますが、白兎耳はエケベリア属なので株元からバラの花のように葉を付けるロゼットを形成します。

ただし、どちらも丸みのある葉が白い毛に覆われている共通点があります。兎の耳のような姿が可愛い福兎耳と白兎耳は混同されやすいので、間違えないように気を付けましょう。

カランコエ・福兎耳にはセピアと呼ばれる種類がある？

カランコエ・福兎耳にはセピアと呼ばれる変種があります。学名は「Kalanchoe eriophylla 'Sepia'」で、葉先のブラウンが通常の福兎耳よりも広く色づきます。

セピアの名前の通り、ブラウンの印象が強くなるため、よりシックな雰囲気を持つカランコエ・福兎耳です。育て方は通常の福兎耳と同じなので、一緒に育てて色合いの違いを楽しむとよいでしょう。

カランコエ・福兎耳は大きくなる？

育て方や環境によって異なりますが、直径10～15㎝程度の大きさになります。多肉植物の中では小～中型サイズと言えるでしょう。

茎は真っすぐ上に伸びるタイプではなく、横に広がるように成長します。そのため、高さ自体は最大でも20～30㎝ほどです。

高さを出さずにまとまった姿で育てたい場合は、真夏を除いて直射日光に当てて育ててください。暗い場所で育てると日当たり不足によって、茎がヒョロヒョロと伸びてしまいます。

高さは出てきますが、茎が柔らかく倒れやすいため見栄えもよくありません。日当たりの良い環境であれば、カランコエ・福兎耳は大きくなりすぎることはないので、省スペースでも育てやすい多肉植物です。

カランコエ・福兎耳の茎や葉がふにゃふにゃになる原因は？

茎や葉がふにゃふにゃになる原因は、「日当たり不足」「水のやりすぎ」が考えられます。

カランコエ・福兎耳は日当たりを好む多肉植物です。暗い環境で育てると光合成が十分にできず、葉や茎がふにゃふにゃと柔らかくなりやすいので、注意してください。

また多湿を嫌うため、水のやりすぎは根腐れの原因になります。根腐れすると、水分や養分を根から吸収することができずに、次第に柔らかくなり溶けるように枯れる可能性があります。

可愛いカランコエ・福兎耳を楽しむためにも、適切な育て方を心がけましょう。

カランコエ・福兎耳が徒長した時の仕立て直し方は？

カランコエ・福兎耳が徒長した時の仕立て直し方は「剪定して形を整える」「支柱で支える」です。

徒長して見た目が悪くなった場合は、小さく剪定して形を整えてください。剪定した茎や取り除いた葉は、挿し木や挿し芽で増やすことができます。

挿し木や挿し芽で増やして、小さな株から仕立て直すのもよいでしょう。もし徒長した姿のまま楽しみたい場合は、茎が折れないように支柱をして日当たりの良い場所に移動して管理してください。

カランコエ・福兎耳は花が咲く？開花時期は？

カランコエ・福兎耳は、12月～5月に薄いピンク色の花を咲かせます。

花茎やつぼみにも白い毛があり、ふわふわとした触り心地です。1～2㎝程度の小花が一つの花茎に2～3つほど付きます。

花姿は珍しいですが、花が咲くと株が弱り枯れる恐れがあります。大事に育て続ける場合は、花茎が伸び始めたら剪定した方がよいでしょう。

花を楽しみたい場合は、咲き始めたら剪定して小瓶に生けると良いかもしれません。

カランコエ・福兎耳の増やし方は？

カランコエ・福兎耳は、生育期の春～秋に「葉挿し」「挿し木」「株分け」で増せます。

福兎耳の葉を根元から綺麗に取り、土に挿しておくと発芽発根して簡単に増やすことが可能です。挿し木も茎を切って乾かして、土に置いておくと発根します。

また長年育て続けると、株元から子株が出てきたり、葉の付け根から根が出てきたりすることがあります。子株が大きくなれば、切り分けて増やせます。

葉の付け根から発根した場合は、根が付いた状態で剪定して植えると、すぐに根付いて増やすことが可能です。

関連記事：多肉植物の増やし方｜手順や注意点について

カランコエ・福兎耳のまとめ

カランコエ・福兎耳は日当たりと風通しのよい環境であれば、一年を通して簡単に育てることができます。フェルトのように白い毛で覆われた株姿は、可愛い多肉植物として楽しめるでしょう。

花言葉「あなたを守る」は、恋人やパートナーへのプレゼントに最適です。金運や幸運を高めるとされている風水効果は、多くの方に喜んでもらえます。

葉が兎の耳に見えることで人気の可愛いカランコエ・福兎耳をぜひ育ててみてください。

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