観葉植物の葉が茶色く変色すると、その葉は二度と元には戻りません。しかし、病気や根腐れなどでなければ枯れることはあまりなく、場合によってはただの生理現象かもしれません。
まずは、どのように葉が茶色く変色しているのか、または症状が進行しているのかをチェックしましょう。それから、正しい対処法を行うことがポイントです。
この記事では、観葉植物の葉が茶色くなる原因とその対処法について詳しく紹介します。
植え替えや植物のケアをするなら、適切なアイテムが必要なのをご存知でしょうか。自己流や安価なものでお手入れをしてしまうと、かえって植物を傷つけ、枯らすリスクもあります。せっかく飾るなら長期的に育てたいですよね。
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[https://andplants.jp/collections/caregoods]観葉植物の葉が茶色くなったら枯れるのか
観葉植物の葉の一部が茶色くなって、枯れてしまわないか心配になる方もいると思います。
ここでは、葉が茶色くなるとどうなるのかについて解説します。
- 葉が茶色くなっても枯れるとは限らない
- 一度茶色くなった葉は元には戻らない
- 茶色くなった葉を放置すると危険な場合もある
葉が茶色くなっても枯れるとは限らない
観葉植物の葉が茶色く変色しても、株自体が枯れてしまうことはほぼないといえます。部分的な葉焼け程度なら、問題がないといっていいかもしれません。
しかし、茶色くなる現象がどんどん進行する場合は、何か観葉植物に異変が起きています。この場合は、気温・日当たり・病害虫・根の傷みなどが主な原因です。
観葉植物が枯れるかどうか心配な方は「観葉植物が枯れる原因」を参考にしてください。
一度茶色くなった葉は元には戻らない
残念ながら一度茶色くなった葉は、再び緑の葉に戻すことはできません。すでに葉の細胞が死んでいるためです。
そもそも植物の葉の中には、緑(葉緑素:クロロフィル)・赤(アントシアニン)・黄(カロテノイド)の3つの色素が含まれてます。通常は光合成が活発な葉緑素が多くあるため、葉は緑色に見えるようです。
しかし、気温・日当たり・栄養バランスなどから、葉緑素が減ったり分解されたりします。植物は光合成が効率良くできて、長く生存できるように、赤や黄色の色素を出します。
さらに、環境が改善されずにストレスが当たり続けると、赤や黄の色素が酸化し、新たに茶(フロバフェン)の色素が生まれるようです。葉は茶色く見え次第に細胞が死んでいき、中の水分が抜けるため枯れ葉となります。
この一連の過程は自然界でも起こることなので、特に大きな心配をする必要はありません。しかし、育てる環境や症状の進行具合を確認しないと、観葉植物の株は最終的には枯れてしまうかもしれません。
茶色くなった葉を放置すると危険な場合もある
観葉植物の葉が茶色くなる原因となる、気温・日当たり・栄養(ミネラル)は、ある一定の限度ラインを超えることで、植物の枯れを促進させます。
例えば、気温が氷点下を下回る環境に観葉植物を長く置いておくと、細胞が耐えられずに、そのまま死んでしまうため枯れます。
それぞれの要因が不足したり過剰になったりすると、植物が生きられる限界を超えた環境となり生存が難しいです。
さらに、環境が悪いと菌やウイルスが発生し、病気によって葉が茶色くなることもあり、放置すると株自体が枯れます。病気によって枯れたものをそのままにしておくと、周りの植物にも感染してしまい、二次災害となる場合も。
悪い環境に長期間置かないように、まずは植物にとって良い環境づくりを心がけることが大切です。
観葉植物の葉が茶色くなる原因と対処法
ここでは、観葉植物の葉が茶色くなる原因について細かく解説します。
以下に原因とその対処法をまとめたので、参考程度に確認してみてください。
原因 | 対処法 |
生理現象 | 部分的にカットする |
日光 | 遮光する |
水やり | 午前中に行う |
気温と湿度 | 移動させる |
病気 | 摘除をする |
①生理現象:部分的にカットする
観葉植物の葉の先端が茶色く枯れる場合は、単純に葉の老化や防衛反応かもしれません。
基本的に植物の茎・幹・根の先端には分裂組織があり、そこで細胞分裂が行われ、からだを形成します。先端に行くほど若い細胞できれいな見た目をしていますが、葉の場合は違います。
葉の分裂組織は付け根にあり、茎や枝に近いほど若い細胞です。そのため先端によるほど年老いた細胞となり、病気や水切れの場合を除くと、葉先が茶色くなるのは自然的です。
また、葉先は物理的にものや人が触れやすく、擦り切れることがあります。葉が裂けると、切り口から水分が蒸発し、葉全体が枯れてしまいます。そのため、植物は防衛反応として細胞をわざと死滅させ、かさぶたのようにして蒸発を防ぐようです。
気になる場合は、はさみで枯れた箇所を部分的にカットしましょう。ただし、切り詰め過ぎてしまうと、またさらに枯れが進行する場合も。枯れた箇所をギリギリのラインでカットするといいです。
②直射日光:遮光する
高温に弱い細胞をもつ植物は、強い直射日光に当たり続けると「葉焼け」を起こします。特に弱い光で育てていた観葉植物を、突然強い光に当てると葉焼けは必ずといっていいほど起こります。
これは光エネルギーが強過ぎて、光合成で処理しきれないことが原因です。葉の中に「活性酸素」といわれる有害物質が突発的に生まれ、細胞を酸化させるため葉焼けを起こします。
夏場の猛暑日は気温が高いこともあり、細胞が弱くなりやすく、直射日光が当たることで頻繁に葉焼けを起こす場合も。直射日光が当たる場所で管理するときは、カーテンやブラインドでしっかりと遮光することがポイントです。
③水やり:午前中に行う
観葉植物は、水やりのタイミングの悪さによって、葉焼けを起こして茶色く変色する場合もあります。
夏の猛暑による高温・直射日光に加え、日中に水やりをすることで、葉焼けを急激に促進します。
そもそも「真夏の日光のもとで植物の葉に水をかける」ことは、一般的に園芸ではやってはいけないことの1つです。
高温で熱くなった葉に冷水をかけることで、細胞の活動が急激に低下し、植物の光合成を阻害させます。活性酸素が生まれ、葉は茶色に変色し葉焼けを起こします。
日当たりの良い場所で観葉植物を育てている場合は、気温が高くなる前の午前中に水やりをしましょう。植物は体内にしっかりと水をためられるため、日中に水切れを起こすこともあまりありません。
④気温と湿度:移動させる
気温や湿度の調整が悪いと、観葉植物は低温障害にあったり、乾燥状態に陥ったりすることがあります。さらに、病害虫や根腐れといった、さまざまなトラブルも起こりやすいため、葉が茶色くなるだけでなく、株自体が枯れてしまう場合も。
気温や湿度によって観葉植物に異変がみられた場合は、速やかに鉢を移動させるか、冷暖房器と加湿・除湿機を使って調節しましょう。
熱帯・サバンナ地域に自生する観葉植物は、室内の気温を20〜25℃に、湿度を40〜60%に設定して管理します。
人間にとっては、夏場は蒸し暑く感じることもあると思うので、小さな鉢植えは温室ハウスの中で育てるのもおすすめです。
⑤病気:摘除をする
観葉植物に発生する病気の中には、葉が茶色くなるものや、茶色い斑点模様が出るもの、さらには穴が空いて枯れてしまうものもあります。
観葉植物の病気は、葉に付着したカビ(糸状菌)やウイルスによって発症することが多いです。また、病気によっては発症した植物だけでなく周辺の植物にも感染し、病気を拡散させる場合も。
葉が茶色く変色している場合は、病気かどうかを確認し、発症した葉を全て取り除きましょう。その後は、薬や木酢液を散布して殺菌と予防をすることが大切です。
病名 | 症状 |
褐斑病 | 葉に茶色の斑点が浮かび上がる。悪化すると落葉する。 |
サビ病 | 葉に赤茶色の粉を吹いたようなまだら模様が浮かび上がる。光合成の阻害となる。 |
灰色カビ病 | 葉や花に、茶色のシミのような模様が浮かび、その部分から腐敗が進む。 |
赤斑病 | 葉に赤いサビのようなものが現れる。悪化すると全体に拡散する。 |
疫病 | 葉・茎・果実・根に、しみのような灰緑色の模様が浮かび上がる。次第に茶色に変色。 |
予防法|観葉植物にストレスを与えない
観葉植物の葉が茶色くなるのは、外部からのストレスによって発症することが多いと考えられます。
このストレスとなる原因は多くあり、植物を育てる中で全てを防ぐことは難しいかもしれません。葉焼けに関しては、実際に自然界でもよくあることで、常に外の直射日光にさらされた植物には頻繁に起こります。
しかし、植物にとって快適な環境をつくり、適切な管理方法で育てることで、美しい葉の観葉植物を長く観賞できます。
具体的には、下記の管理方法で行うと良いです。
- 1週間に1回は活力剤を与える
- 2週間〜1ヶ月に1回液体肥料、3ヶ月に1回は固形肥料を与える
- 2年に1回は植え替えをおこなう
- 冬場は寒い置き場所(玄関・窓際など)に置かない
環境が整うことで、観葉植物の葉が変色してしまう発生率をぐんと下げることができますよ。
余談:観葉植物の葉が丸まる・葉焼けを起こす原因
観葉植物を育てる中で、葉が黄色や茶色く変色するだけでなく、内側に反り返って丸まることがあると思います。
これは、単純に水分不足が原因かもしれません。
植物の葉・茎・果実の表皮は、固い細胞壁をもった細胞が、裏側や内側はやわらかい細胞壁をもった細胞が密集しているようです。
葉の中の水分を失うと、やわらかい葉の裏側などは、細胞の体積を大幅に減少させます。しかし表面の細胞壁は固いため、水を失っても細胞の体積を変えないので、葉が内側にまくと考えられています。
植物の化学ではそのようにいわれていますが、実際に水やりをしても、なかなか葉がピンと張らないことが多いと感じます。植物によっては、半年ほどたってからようやく元の姿になったものもあります。
種類や個体差によって違うと思いますが、元の姿に戻るまでは時間がかかるので、快適な環境で適切な管理方法を心がけることが大切かもしれませんね。
適切な水やりを行うために、下記のお水やりチェッカーの利用がおすすめです。
[https://andplants.jp/products/watering_checker_sustee_single]まとめ
観葉植物の葉が茶色く枯れるのは、生理現象や直射日光など、さまざまな原因があります。しかし、具体的な原因と対処法を知っておくことで焦ることがなく、落ち着いて対応ができます。
また、葉焼けなどで葉が茶色く枯れることもありますが、植物には陽葉(ようよう)と陰葉(いんよう)があり、日光や日陰に慣れる特性があります。
一本の樹木に、直射日光が当たる面と日陰になる面があった場合、面違いで葉の形や大きさが変わるようです。植物は光を吸収する量を物理的に変化させ、個体の生存を図ろうとするのです。
観葉植物のケアをする私たち人間が心配し過ぎなくても、植物は自らその環境に対応するように進化するたくましいパワーがありますよ。