植物名 | トックリラン |
学名 | Beaucarnea recurvata |
英名 | Ponytail palm |
科目/属性 | リュウゼツラン科トックリラン属 |
原産地 | メキシコ |
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トックリランの特徴
トックリランは、名前の通り「徳利(トックリ)」のように株元の幹が膨らむユニークな植物です。膨らんだ幹に水分を溜め込む性質があるので、乾燥に強く植物を初めて育てる方にも適しています。
繊細で細長い葉がくるくるとカールして枝垂れる姿も特徴的です。インテリアと合わせやすいシンプルな株姿でありながら、カールして枝垂れる葉と膨らんだ幹は個性的で人気があります。
インテリアと合わせてハイセンスなお部屋作りも楽しめるトックリランは、初めて観葉植物を育てる方にもインテリアグリーンとしておすすめです。
トックリランの花言葉
トックリランの花言葉は「多くの才能」です。数十年に一度花を咲かせる姿からこの花言葉が付けられています。
多くの才能という花言葉は、誕生日や就職祝い、開業祝いなどの人生の節目のプレゼントにピッタリです。何かを始める時に一緒に育て始めて、花を咲かせることができるぐらいに長く続けられれば、まさにその才能が花開いていると言えますね。
トックリランの風水
トックリランは、「子宝運」「金運」を上げる風水効果があります。株元の幹が膨らむ様子は、母が子供を身ごもる姿やお金が貯まることに例えられるんですよ。
子宝運を上げたい場合は寝室に、金運を上げたい場合は玄関やリビングに置くと良いとされています。また葉先が尖っていることから「邪気払い」の効果もあるので、悪い気が溜まりやすい部屋の角に置くと効果的です。
風水効果は植物を置くだけではなく、日頃の管理やその周囲を綺麗にすることで最大限に発揮されます。小まめにお手入れをしてくださいね。
トックリランの育て方
日当たり | 日当たりのよい置き場所(室内) |
温度 | 最低10℃以上をキープする(成熟株は外でもOK) |
耐寒性 | やや弱い |
耐暑性 | 強い |
水やり | 春夏:手で土を触って水分を感じなくなったら(鉢の中央部分までしっかり乾いてから) 秋冬:手で土を触って水分を感じなくなって(鉢の中央部分までしっかり乾いてから)一週間程度あけた後 |
肥料 | 緩効性肥料、液体肥料 |
剪定時期 | 5~9月 |
観葉植物の全体的な育て方の基本については、以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事:観葉植物の育て方|コツや管理法について
置き場所と日当たり
トックリランは、日当たりの良い環境を好みます。耐陰性もあるので室内の明るい場所でも育ちますが、暗い室内では明るい方向へ幹が曲がったり葉がカールしなかったりすることも。
そのため、室内では日当たりの良い窓際に置くことが美しく育てるポイントです。定期的に鉢の向きを変えて、葉全体に均一に日光が当たるようにするとまっすぐに育ちます。
大株になって成熟すると屋外でも成育可能で、寒冷地以外の関東以西あたりでは地植えで成育することも可能です。よく日に当てて育てたほうが幹の肥大化が進むため、太ったかっこいい樹形になります。
温度
トックリランは暑さには非常に強いですが、寒さにはあまり強くありません。最低10℃以上をキープしてください。
関東以南では屋外管理も可能ですが、霜雪や寒風に当たると葉が傷みます。そのため、気温が下がってくる秋に明るい室内の窓際に移動させることが大切です。
冬の窓際は屋外と変わらないくらいに冷え込むので、夜から朝にかけては少し窓から離しておくと管理がしやすくなりますよ。
水やりの頻度
- 春夏:手で土を触って水分を感じなくなったら(鉢の中央部分までしっかり乾いてから)
- 秋冬:手で土を触って水分を感じなくなって(鉢の中央部分までしっかり乾いてから)一週間程度あけた後
トックリランはメキシコの乾燥地帯に自生しているため乾燥に非常に強いです。さらに、膨らむ株元部分に水分を溜め込む性質があります。
水やり自体は鉢底から水が流れ出るくらいにやることが大事です。しかし、乾燥を好む植物なので、春夏の生育期でも手で土を触って水分を感じなくなったら水やりをしてください。
受け皿に水を溜めておくと根腐れの原因になるので、小まめに捨てることもポイントです。特に気温の下がる秋から冬は水のやりすぎに注意してください。
冬は生育が緩慢なので、水やりは控え目にして葉水を行い、トックリランの周囲の湿度を保ってあげると葉がイキイキと元気になりますよ。もし、水やりの頻度に困ったときは、水やりチェッカーの利用もおすすめします。
肥料
トックリランには、植え付ける時に長期間ゆっくりと効果のある緩効性肥料を土に規定量混ぜ込んでおくだけで十分です。
緩効性肥料には、土に混ぜ込むタイプや土の上に置くタイプなど様々あります。使いやすい肥料を選ぶことで育てる時の負担が減りますよ。
植え替えの時に肥料を与えていない場合は、生育期である4~10月に薄めた液体肥料を2ヶ月に1回ほどのペースで与えます。冬は生育が緩慢なので肥料を与える必要はありません。
トックリランは、肥料を与えすぎると根が傷む原因になります。生育期でも与える量には十分注意してくださいね。
剪定方法
トックリランは膨らんだ株元からすらっと幹が伸びて、その上に葉が茂ります。一般的な観葉植物に比べて枝が分かれないので、剪定はあまり必要ではありません。
そのため枝を切るというよりも、傷んだ葉を根元から切るか、引き抜いてあげると樹形を美しく保てます。葉を途中からカットすると、葉が短くなり樹形を崩すだけでなく、カットした部分から黒く変色して見た目も悪くなります。
葉が茂りすぎている場合は、風通しが良くなるように葉を剪定すると病害虫予防にも効果的です。
トックリランによくあるトラブルと対処法
観葉植物を初めて育てる人でもユニークな株姿でハイセンスなお部屋作りができるトックリランですが、トラブルも存在します。
ここではトラブルが起きたときの対処法を解説していきます。あらかじめ対処法を知っておけば、いざ何かあっても安心です。
根腐れ
根腐れでは、以下の症状が見られます。
- 水をあげても元気にならない
- 土がなかなか乾かない
- 葉が落ちやすい
- 葉が茶色・黄色に変色している
- 幹や幹の根本が柔らかい
- 土から腐敗臭がする
- 土の表面にカビが生えている
- 根黒く変色している
根腐れは、土の中の酸素濃度が低下して土中の細菌叢が変化し、有機物の腐敗が進むことで有害なアンモニアが発生し、土壌環境が悪くなることで発症します。
また、常に土が湿っている状況では根が呼吸することができず、細胞が死んでしまいます。これが原因で、根から水を吸い上げることができなくなり、植物体に水を供給することができなくなることで死んでしまう現象です。
根腐れの対処法は以下。
- 鉢から植物を抜き、悪い土を落として水はけのよい土に交換する
- 根の傷んでいる部分、腐っている部分をカットする
- 少量の水を与え、風通しがよく明るい日陰で管理する
※1週間を目安に水が乾くコンディションで管理する - 発根剤を与えてみる
- 傷んだ葉を取り除く
- 枯れた枝を切り取る
根腐れが起こった場合は、鉢を入れ替えて土の環境を変えることが大切です。傷んでしまった根は取り除き、健康な状態が取り戻せるような環境を与えてあげましょう。赤玉土・ゼオライトなどを用土に混ぜ込むことで、水はけと根腐れを防止することができます。
枝先がダメになっている場合は、生きている部分までカットし、新しい葉を出すことで回復させます。根元から腐っている場合は、無事な部分で切り取り、挿し木にして発根させて回復させましょう。
根腐れが起こると、新芽を残すように古い葉を落とす現象が見られます。重度の根腐れの場合は、新芽や枝の先から枯れることがあるので注意が必要です。
根詰まり
根詰まりとは、鉢の中で根がいっぱいになることで起きる症状です。根詰まりの症状は以下の通り。
- 水が浸透しづらくなる
- 底から根が出てくる
- 葉が黄色くなる
- 鉢にヒビが入る
特に春夏の成長期で一気に伸びてしまうと上記のような症状が起きてしまいます。すぐに枯れる要因にはなりませんが、放置してしまうとトックリランに悪影響です。
対処法はトックリランの植え替えをすること。
トックリランを現在の鉢より1つ上の大きい鉢に植え替えることで、上記の症状はほとんど解消されるでしょう。植え替えを行う時期も春夏の成長期が最も適しています。
葉焼け
葉焼けでは、以下の症状が起きます。
- 葉の色素が抜けて白くなっている
- 葉の一部が茶色く枯れている
強い日差しを浴びすぎると葉が傷んで「葉焼け」というトラブルが発生します。
葉焼けの症状に気がついたら、早めに置き場所を検討し直すことが必要です。
対処法は以下。
- 直射日光が当たっている場合はカーテンなどで遮光する
- 葉焼けした部分はカットする
葉焼けが起こるということは、日光が当たりすぎている可能性が高いため、直射日光に当てないような措置を取りましょう。
また、一度焼けてしまった葉は二度と元に戻りません。傷んだ葉はカットし、新しい健康な葉が生えてくるのを待ちましょう。
ハダニ
ハダニの症状は以下。
- 葉にクモの巣のような糸がついている
- 葉の裏に小さな虫がついている
- 葉に斑点や傷がある
- 葉の色が薄くなり枯れている
ハダニは繁殖力の強さと、薬剤耐性を持つとても厄介な害虫です。
放っておくと糸を張って大量発生する危険性もあるので、早めに対処を行いましょう。
対処法は以下。
- 傷んだ葉はカットする
- 葉の表裏、付け根や茎も水で洗浄する
- ハダニに効果のある液体を噴霧する(2倍に薄めた牛乳、重曹と水を混ぜたもの、濃いコーヒー、10倍に薄めた酢、殺虫剤)
ハダニが湧いてしまったら、市販の殺虫剤(ベニカファインスプレー・オルトラン)を使用するのが効果的です。2倍に薄めた牛乳などの液体を噴霧する対処法もありますが、匂いが気になる方には水で洗い流す方法もおすすめです。
そもそもハダニは、こまめな霧吹き・葉をふき取りきれいにすることを怠らなければ発生しません。
常にきれいな状態を保つために、霧吹きの購入は必須といえます。月に一度はシャワーで洗い流すなどの管理も必要です。
トックリランのよくある質問
最後にトックリランのよくある質問とその答えを以下にまとめました。
- トックリランは室内と屋外どちらを好むの?
- トックリランは花が咲くの?開花時期は?
- トックリランの適切な増やし方は?
- トックリランの植え替え時期/植え替え方法は?
- トックリランが枯れる原因は?
- トックリランを大きくするには?
- トックリランを大きくしたくないならどう管理すべき?
それでは具体的に見ていきましょう。
トックリランは室内と屋外どちらを好むの?
トックリランは、室内の日当たりの良い窓際を好みます。屋外でも育てることはできますが、冬に霜や雪に当たると枯れる恐れもあるので、樹が若いうちは室内で育てた方が安心です。
室内で日当たりの良い窓際がない場合は、週に3回ほど屋外でしっかり日光浴させると葉が引き締まります。暗い室内から屋外の強い日差しに当てると葉焼けの原因になるので、まずは明るい日陰に置くことが重要です。
トックリランは日当たりが良いほど葉が美しくカールして株元が太るので、なるべく日当たりの良い環境で育ててくださいね。
トックリランは花が咲くの?開花時期は?
トックリランは生育期の6~7月に白~黄色の小花がまとまって咲きます。しかし、大株に成長しないと花は咲きません。
原産地のメキシコでは10mほどにもなる高木ですが、日本の環境ではなかなか大きくなりません。そのため、花が咲くことは稀ですが日当たりの良い環境で長年育てることで花が咲くこともあります。
南九州、沖縄など温暖な地域では屋外での地植え管理ができるので、その場合は大きくなりやすく花を咲かせやすいです。
トックリランの適切な増やし方は?
トックリランは「種まき」「挿し木」で増やすことができます。ただし、日本では花が咲きにくいため種の入手が難しく、種まきで増やすことは一般的ではありません。
トックリランを増やすには、5~8月に下葉がなくなって伸びている茎を利用して挿し木をします。株元の膨らみから伸びた枝を切り戻して、挿し穂にするんですよ。
その挿し穂を挿し木さし芽の土に倒れないように優しく植えて、明るい日陰で水切れがないように管理します。その後、1~2か月ほどで発根するので植え替えて育てましょう。
ただし、挿し木で増やした株は株元が太らないので注意してください。株元が太ってほしい場合は、小さくても株元が太った苗を購入して育てた方が良いですよ。
トックリランの植え替え時期/植え替え方法は?
トックリランの植え替え時期は、生育期の5~9月です。特に気温が上がり始める5~7月がベストシーズンです。
成長具合にもよりますが2年に1度のペースで植え替えをします。下葉が落ちて先端にしか葉がついていなかったり、鉢底から根が出てきていたりする場合も植え替えが必要です。
鉢から丁寧に抜いた根鉢をほぐしながら、黒ずんだ根やスカスカになっている根があれば切り取り一回り大きな鉢に植え替えてください。植え替え後は痛みがあるので、水やり後明るい日陰で様子を見て元の置き場に戻すと安心です。
トックリランが枯れる原因は?
トックリランが枯れる原因には「水のやりすぎ」「日当たり不足」が考えられます。
トックリランは乾燥に強い植物なので、土の乾燥で枯れることは少ないです。もちろん、水やりを一切しない状態では枯れますがその可能性は低いでしょう。
反対に、水のやりすぎによる枯れが多いです。膨らむ株元に水を溜め込む性質があるので、土が常に濡れていると根腐れをします。
そのため、水のやりすぎには気を付けて土は乾燥気味に育ててください。また、日当たりを好む植物なので、暗い室内では軟弱に育ち株姿が次第に悪くなります。
明るい窓際や屋外の明るい日陰で管理すると元気になるので、すぐに日当たりの良い場所に移動させましょう。
トックリランを大きくするには?
トックリランを大きくするには、なるべく暖かい場所で日当たり良く育てることです。しっかりと日光を受けて育てたトックリランは健康的に大きくなりやすいです。
原産地がメキシコの乾燥地帯なので、水のやりすぎにも気を付けて育てる必要があります。水を控えて育てると、株本が肥大化して立派な株に育ちます。
適切な植え替えも効果があります。大きくしようと思って急に大きな鉢に植え替えると、水やり後に土が多湿状態になりうまく育ちません。
そのため、成長具合を見ながら適切な大きさの鉢に植え替えて、しっかり日当たりの良い場所で育ててあげてくださいね。
トックリランを大きくしたくないならどう管理すべき?
トックリランを大きくしたくない場合は、膨らんだ株元の上を4~6月に切り戻して育てる必要があります。
通常、挿し木以外では膨らんだ株元からスッと伸びる茎は切りませんが、大きくなって困る場合は挿し木の方法同様に茎を適期に切り取ります。そうすることで、残った枝から新芽が出てきて背丈が小さくなった状態から育てることができます。
切り取った枝を挿し穂として育てなおしても良いですね。またトックリランは成育がゆっくりなため、肥料を多く必要としない植物です。肥料の与えすぎには注意してください。
トックリランのまとめ
トックリランは日当たりの良い環境であれば、初めての方でも水やりの手間が少なく簡単に育てることができます。さらに、ぷっくりと膨らむ株元とカールしながら長く枝垂れる葉のコントラストがユニークなので、おしゃれなインテリアグリーンとして最適です。
「多くの才能」という花言葉は、就職祝いや開業祝いなど何かを新たに始める時にプレゼントすると喜ばれます。また、「子宝運」「金運」と素敵な風水効果を持っているのはうれしいですね。
乾燥に強く育てやすいトックリランは、水やりを不安に思っている方にもおしゃれに楽しんでもらえます。
ぜひ、素敵なインテリアグリーンとして育ててみてはいかがでしょうか?