マイナスイオンや空気浄化などの面から、注目を集めるサンスベリア。育てやすい植物としても人気があり、育てている方も多いでしょう。
しかし、「サンスベリアの葉が薄くなって元気がない」「しおれて、そのまま枯れてしまった」といった悲しい経験をした方もいるかもしれません。
そこで、今回はサンスベリアが枯れる原因について詳しく解説します。育てやすいと言っても、生育環境や育て方によって枯れることは多いです。
枯れる原因や復活方法、枯れる前の症状を知っておくと、何かあっても安心です。「元気がなくておかしいな」と感じたら、すぐに対処できます。
ぜひ、サンスベリアを元気に育ててください。
AND PLANTSでは、さまざまな種類のサンスベリアを取り扱っています。お部屋に飾りたくなる品種や珍しい品種まであるので、ぜひチェックしてみてください。
[/collections/sansevieria]サンスベリアが枯れる原因
サンスベリアが枯れる原因はさまざま。一挙に紹介します。
- 根腐れ
- 日当たり不足
- 真夏の直射日光
- 水不足
- 根詰まり
- 冬の寒さ
- 肥料の与えすぎ
- 病害虫
- 急な環境変化
それぞれ詳しく見ていきましょう。
根腐れ
サンスベリアが枯れる原因の多くは「根腐れ」です。根腐れは、「水のやりすぎ」「土の排水性の悪さ」「受け皿に水を溜めている」などによって、発生します。
サンスベリアは非常に乾燥に強い反面、多湿に弱い植物です。特に、冬の生育が緩慢な時期に、水をやりすぎると簡単に根腐れして枯れます。
根腐れしたサンスベリアの葉は、葉の根元がブヨブヨになったり、根元から折れ曲ったりして、葉先を引っ張るとスポッと葉が土から抜けることも。「土が乾かない」「土から異臭がする」といった症状に気づいたら、すぐに根腐れしていないか確認しましょう。
日当たり不足
サンスベリアは日当たり不足でも枯れることがあります。日光が好きな植物に比べ、耐陰性があるとは言え、日差しが入らない暗い部屋では、葉色が悪くなったりヒョロヒョロになったりして枯れやすいです。
そのため、日頃から日差しの入る明るい場所で管理してください。日当たり不足の環境では、水やり後の土の乾燥も悪いため、根腐れを引き起こしやすいです。
病害虫も発生しやすい環境でもあるので、注意しましょう。
真夏の直射日光
サンスベリアは日当たりを好む植物ですが、真夏の直射日光に当たり続けると葉焼けで枯れることがあります。夏の暑い時期に屋外や窓際で管理する方は注意してください。
サンスベリアが真夏の直射日光で葉焼けすると、葉が白っぽくなります。窓際で管理する場合は、レースカーテン越しの柔らかい光に当たるようにしてください。
屋外で管理する方は、真夏は明るい日陰で管理しましょう。普段、暗い場所に置いているからと言って、真夏の直射日光に当てると、葉全体が白っぽくなって枯れやすいです。
暗い場所から明るい場所に移動する際には、真夏の直射日光に当たらないように注意してください。
水不足
サンスベリアが枯れる原因に「水不足」もあります。乾燥に強い植物ですが、まったく水やりをしない場合はも枯れる可能性があるので注意してください。
特に春から夏の生育期は、新芽や根が活発に動くので、土の状態を確認しながら水やりをする必要があります。生育が緩慢な冬に水やりすると根腐れしやすいため、冬の時期に水やりを控えるようにしましょう。
普段から水を控えながら育てている方は、遅くとも葉にしわが寄り始めるタイミングで、水やりしてください。
根詰まり
サンスベリアを同じ鉢に長年育て続けている方は、根詰まりで枯れているかもしれません。サンスベリアの根はそれほど太くないですが、生育期に土の中でぐんぐん伸びます。
長年、同じ鉢で育てている場合は、子株が土の中から出てきて、鉢にサンスベリアの葉がびっしり出てきている状態になりやすいです。葉がびっしりあるほど、土の中では根同士が絡み合い、固まっている可能性が高いです。
根詰まりすると、水分や栄養の吸収が十分にできないため、徐々に生育がわるくなります。葉先から枯れてきたり、葉が倒れてきたりするので、定期的に植え替えをしましょう。
冬の寒さ
サンスベリアは寒さに弱い植物です。そのため、10℃以下の寒さに当たり続けると枯れます。
冬は暖かい室内で管理しましょう。室内であっても、窓際の近くは外気と変わらないくらいに冷え込むので、窓際から離れた明るい場所に置いてください。
肥料の与えすぎ
サンスベリアが枯れる原因に、「肥料の与えすぎ」があります。肥料を与えすぎると、根傷みや根腐れに繋がることがあるので注意してください。
吸収されなかった肥料分は、土の環境を悪化させます。根と土の浸透圧の関係が変化することで、水やりしても、根が土から水を吸収できない現象が起きることも。
肥料成分や商品によって、与える量や成分は異なりますが、記載されている与え方を守ってください。目安として固形肥料は2ヶ月に1回、液体肥料は2週間に1回程度で与えます。
病害虫
サンスベリアは病害虫が発生して枯れることもあります。主に発生しやすい病害虫は、以下の3つです。
- 立ち枯れ病
- ハダニ
- カイガラムシ
それぞれの病害虫を紹介します。
立ち枯れ病
立ち枯れ病は、株元の茎や葉が黄色くなり株が枯れて、枯れた部分は腐ったような症状が現れる病気です。草花や野菜などで発生しやすい病気ですが、サンスベリアでも発生します。
風通しの悪さによる多湿環境で発生します。特に、サンスベリアの頭上から水やりして、葉の隙間に水を溜めたままにすると立ち枯れ病になりやすいです。
立ち枯れ病を発生させないように、風通しの良い環境で育てて、水のやりすぎに注意してください。水やりも、葉の隙間に水が溜まるような与え方は行わないようにしましょう。
ハダニ
ハダニはクモの一種で、英語では「Spider mlte」と呼ばれている虫です。クモの仲間であるため、大発生した際に白い糸を植物に巻き付ける被害も確認できます。
成虫でも0.5㎜ほどの体長しかなく葉裏に生息していることが多く、パッと見ただけでは見つけることは難しいです。ハダニが発生した際に現れる初期症状に、「葉がカスリ状に薄くなる」があります。
しかし、サンスベリアは葉が厚いため、カスリ症状が現れにくいです。そのため、大発生して葉に糸を巻き付けられるまで気づかないことも。
空気が乾燥した環境で増えやすいため、湿度管理に注意してサンスベリアを育てると良いでしょう。ハダニが発生する原因や対策については、「観葉植物に発生するハダニ」で詳しく紹介しています。
カイガラムシ
カイガラムシはサンスベリアをはじめ、多くの観葉植物に発生する代表的な虫です。観葉植物に限らず、果樹や庭木、多肉植物にも発生します。
カイガラムシは、葉や枝、幹に貼りついて養分を吸収して生育を妨げます。種類によって、形状や色が異なり、体長も2㎜~10㎜とさまざま。
小さなカイガラムシの場合は、特に見つけにくく、どの種類も全く動きません。発生初期に見つけられず、大発生して気づくことの多い虫です。
吸収した養分は、ねばねばした甘露として葉や幹、床などにまき散らします。その甘露にカビが生えて、すす病を併発させることもあるので注意してください。
観葉植物に発生しやすいカイガラムシについては、「観葉植物の白い綿はコナカイガラムシ」の記事でも詳しく紹介しています。対処方法や予防方法が気になる方は、ぜひ確認してみてください。
急な環境変化
サンスベリアが枯れる原因に「急な環境変化」があります。例えば、暗い場所から、急に直射日光に当たる場所に移動させたり、暖かい環境から寒い環境に移動させたりする場合です。
急な環境変化は、サンスベリアに大きなストレスを与えます。変化した環境に適応できずに枯れることがあるので、注意してください。
環境を変える場合は、ワンクッション入れてあげることがポイントです。暗い場所から日光が当たる場所に移動させる場合は、1週間ほど半日陰のような中間の明るさに慣れさせてください。
暖かい環境から寒い環境に移動させるなら、中間の温度の部屋もしくは、鉢が冷たくならないように二重鉢にするなどの対策をしてあげましょう。
サンスベリアの復活方法|枯れる前に行うのが大切
サンスベリアの復活方法は以下の6つです。
- 状態の悪い葉を剪定する
- 殺虫殺菌剤を使う
- 適切な環境に移動させて管理する
- 挿し木や株分けをする
- 発根剤を与える
サンスベリアを復活させるためには、完全に枯れる前に紹介する復活方法を行いましょう。枯れた後では、どのような方法であっても復活しません。
そのため、「サンスベリアの様子がおかしいな」と感じたら、すぐに復活方法を試してください。
状態の悪い葉を剪定する
サンスベリアが枯れ始めたら、状態の悪い葉を切ってください。病害虫によって枯れ始めている場合は、剪定で被害の拡大を防げます。
また、病害虫が原因でなくとも、枯れた葉や黄色くなっている葉を剪定することで、風通しがよくなったり、株元に日光が差し込んだりします。風通しや日当たりが改善されると、元気な状態に復活しやすいです。
状態が悪い葉をそのままにして、株元まで枯れないように注意しましょう。葉が枯れていなくとも、折れ曲がっていたり込み合っている葉があれば、一緒に剪定しておくと、風通しや根への負担が改善されて、より復活しやすくなります。
[https://andplants.jp/products/sakagen-flower-shears]殺虫殺菌剤を使う
病害虫が原因でサンスベリアが枯れかかっている場合は、状態の悪い葉を取り除いた後は、殺虫殺菌剤を使ってください。
ハダニやカイガラムシなどの害虫であれば、殺虫剤(ベニカXファインスプレーやオルトランなど)。立ち枯れ病であれば、殺菌剤(ベンレート粒剤やオーソサイド粒剤など)を使います。
葉の裏を含め、株全体にスプレーで噴霧して、風通しの良い場所に置いて様子をみてください。病害虫によっては、1度ですべて退治できたり治ったりするわけではないので、様子を見ながら、再び殺虫殺菌剤を使います。
適切な環境に移動させて管理する
サンスベリアが枯れ始めているのは、育てている環境が悪いのかもしれません。その場合は、適切な環境に移動させて管理することが重要です。
病害虫や根腐れが原因でなければ、適切な環境に移動させるだけで、元通りに復活して元気になります。肥料や水やりにも注意して適切に管理しましょう。
植え替える
もし根腐れや根詰まり、肥料の与えすぎによって、サンスベリアの葉が枯れるのであれば、新しい土で植え替えましょう。
根が傷んでいる場合は、黒く溶けたような根やスカスカの根を取り除いてください。サンスベリアの葉のボリュームに対して、根が少ない場合は葉を剪定して数を減らし、葉と根のバランスを整えます。
さらに、植え替える鉢をサイズダウンさせると、土の乾湿がスムーズになり根の回復が早くなるでしょう。サンスベリアの根が少ない状態で大きな鉢に植え替えると、水やり後に土が乾かず、根腐れを引き起こしやすいので気を付けます。
根詰まりの場合は、根をほぐして1~2回り大きな鉢に植え替えてください。
また、植え替える際はサンスベリアの生育に適した土を使うのがおすすめです。
AND PLANTSではオリジナルの観葉土を扱っています。乾きやすさを備えているだけではなく、植え替え時の痛みが生じにくいのが特徴です。
詳しくは下記のページよりご覧になってみてください。
[https://andplants.jp/products/andplantssoil-25l](↑植物のサイズによって異なりますが、1回〜2回分の植え替えに適しています。)
挿し木や株分けをする
枯れ始めているサンスベリアに、元気な葉や子株があれば、挿し木や株分けをしておくのもおすすめです。挿し木や株分けで増やしておくことで、元の親株がそのまま復活せず枯れても、小さな状態から再スタートできます。
もし復活して元気になったとしても、保険の株として育てることが可能です。増やせる状態のサンスベリアであれば、状態が悪くない部分を切り取って増やしておくと良いでしょう。
発根剤を与える
サンスベリアが枯れ始めている場合は、発根剤を与えてください。まずは、発根を促して、新しい根や葉を出させることが重要です。
枯れ始めているサンスベリアは、根も弱っています。そのタイミングで肥料を与えると根傷みにつながり、状態が悪化しやすいです。
元気にさせるために肥料を与えたくなるかもしれませんが、発根剤を与えてください。新しい根が伸びて観葉植物が復活した後に、肥料を与えます。
AND PLANTSでは、植物が元気がない時に与えると発芽・発根を促す「evo 植物が元気に育つ水」を取り扱っています。サンスベリアの調子が悪い場合は、ぜひ使ってみてください。
[https://andplants.jp/products/evo_grawwell_plantwater]サンスベリアが枯れる前の症状
サンスベリアが枯れる前の症状は、以下の4つです。
- 葉が全体的に黄色~茶色になる
- 葉が途中から折れ曲がる
- 土から異臭がする
- 葉の根元がブヨブヨになっている
枯れる前の症状を知っておくと、落ち着いて原因を探ったり復活させたりすることができます。サンスベリアが枯れる前の症状について詳しく見ていきましょう。
葉が全体的に黄色~茶色になる
サンスベリアは枯れる前に、葉が全体的に黄色~茶色になることがあります。主に、寒さや葉焼け、水切れなどで起こる症状です。
黄色~茶色になった葉は、早めに剪定してください。そのままにしておくと、根元まで枯れ込むかもしれません。
土の状態や生育環境、水管理を見直して復活させましょう。
葉が途中から折れ曲がる
サンスベリアの葉が途中から折れ曲がるようになってきたら、日当たり不足や根腐れで、枯れ始めているかもしれません。
光合成が十分にできないと、葉の組織が柔らかくなり、葉の重さを支えることができずに折れ曲がります。また、根腐れの場合は、根元付近から折れ曲がることが多いです。
葉が途中から折れ曲がった場合は、日当たりや水管理を見直して、復活させてください。
土から異臭がする
サンスベリアの鉢の土から異臭がする場合は、根腐れで枯れかかっている可能性が高いです。水をやり過ぎていたり、受け皿に水を溜めていたりすると根腐れしやすいです。
特に冬に頻繁に水やりを行う方は注意してください。土から異臭がする場合は、まず水やりをやめて、土を乾かしましょう。
冬でなければ、根鉢を取り出して、状態の悪い根を取り外して植え替えてください。
葉の根元がブヨブヨになっている
サンスベリアが枯れる前の症状として「葉の根元がブヨブヨになっている」といった症状があります。葉の根元がブヨブヨになるのは、根腐れや立ち枯れ病の可能性が高いです。
ブヨブヨした部分は腐っていることが多く、異臭もします。葉も倒れ始めるので、注意してください。ブヨブヨになっている部分は、根元から取り除き乾かしましょう。
ブヨブヨしている部分が複数ある場合は、根鉢を取り出し、葉が出ている株を取り除いて、元気なサンスベリアだけで植えなおした方が良い場合もあります。
サンスベリアが枯れることに関してよくある質問
サンスベリアが枯れることに関してよくある質問とその答えを以下にまとめました。
- サンスベリアが枯れると風水に影響する?
- サンスベリアの外葉が1枚だけ枯れるのはどうして?
- サンスベリアは花が咲いたら枯れる?
それでは具体的に見ていきましょう。
サンスベリアが枯れると風水に影響がある?
サンスベリアが枯れること自体は、風水的には悪影響を与えません。しかし、枯れたサンスベリアを処理せず飾ったままにしていると、運気が悪くなるとされています。
風水では、枯れた観葉植物は「死」を意味しており、不運や邪気を引き寄せるそうです。観葉植物が枯れること自体は、育てている方への災いを身代わりとして引き受けてくれたとも考えられます。
枯れてしまった観葉植物には、「今まで元気に育ってくれたこと」「災いの身代わりになってくれたこと」に感謝して、素早く処理しましょう。
サンスベリアの外葉が1枚だけ枯れるのはどうして?
サンスベリアの外葉が1枚だけ枯れるのは、新陳代謝による場合が多いです。植物も生き物なので、古い葉は枯れて、新しい葉を出そうと代謝を働かしています。
サンスベリアの外葉は古い葉になるため、順調に育っていても自然と枯れます。そのため、外葉1枚だけが枯れた時は、あまり心配はする必要がありません。
ただし、病害虫や根腐れの症状が見られた場合は、1枚だけとはいえ注意して対処してください。
サンスベリアは花が咲いたら枯れる?
サンスベリアは花が咲いても枯れません。花が滅多に咲かないとされるサンスベリアですが、生育環境が良かったり、長く育て続けていたりすると花が咲くことはあります。
サンスベリアは花が咲いても枯れませんが、花に栄養が偏り、葉の見栄えが悪くなりやすいです。早めに伸びた花茎を剪定してください。
また、花を咲かせたままにしておくと、花蜜が葉に落ちて葉がベタベタし始めます。花蜜にカビが生えて、すす病を発生させることもあるので、注意してください。
まとめ
お部屋のインテリアとしても活躍するサンスベリア。水やりの手間が少なく育てやすいことから、初心者にも人気があります。
しかし、生育環境や育て方によって枯れる場合もあります。完全に枯れてしまうと復活ができないため、枯れる前の症状を見逃さないことが重要です。
この記事で紹介した枯れる前の症状を見たら、原因を探って復活させましょう。まずは傷んだ葉や根を取り除いてください。
その後、原因によって植え替えをしたり殺虫殺菌剤を噴霧したり、発根剤を与えたりして復活させましょう。ぜひサンスベリアを枯らさないように育ててください。
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