肉厚な葉や茎が特徴的な多肉植物。水やり頻度が少なくて済み、管理しやすい点から植物を初めて育てる方にも人気があります。
しかし、購入した時の姿を維持できなくて、ひょろひょろと徒長したり、葉が黒く焼けたりして困っていませんか。多肉植物にとって日光は元気に育つために重要なポイントです。
今回は、多肉植物と日光の関係性について詳しく紹介します。強い日光下や日陰で育つ多肉植物も紹介するので、ご自宅の環境で育てるのに参考にしてみてください。
[https://andplants.jp/collections/punipuni-plants]多肉植物の生育に日光は重要
多肉植物を元気に育てるためには日光は重要なポイントです。日光の強さや当たる時間を適切に整えることで、より美しい姿を楽しめます。
日光が多肉植物に重要な理由は以下の通りです。
- 日光不足になると徒長するため
- 強すぎる日光は葉焼けの原因になるため
それぞれ、詳しく解説します。
日光不足になると徒長するため
多肉植物は日光が不足すると徒長します。日差しが入らないような室内では茎や葉、幹がヒョロヒョロと細く薄く伸びるので、日当たりの良い環境で育ててください。
多くの多肉植物は、レースカーテン越しの柔らかい日光でよく育ちます。1日に4時間ほど日光を当てると、徒長しにくいです。
「多肉植物は育てやすい=日光はいらない」でない点には注意してください。筆者が園芸店で働いていた時は、「暗い室内に置いていたら、多肉植物がひょろひょろと徒長した」といった相談が数多くありました。
お話を聞いてみると、「育てやすいと聞いていたから、日光もあんまりいらないと思っていた」とのこと。多肉植物を健康的に可愛く育てるためには、日当たりの良い環境で育ててください。
補足|強すぎる日光は葉焼けの原因になる
多肉植物は日光の当たる明るい環境を好みますが、強すぎる日光には注意してください。特に、夏の直射日光は葉焼けの原因になります。
室内であっても、窓越しに夏の強い直射日光が当たると、葉焼けしやすいです。レースカーテンをして、日光を和らげましょう。
多肉植物は葉焼けすると、葉が茶色~黒色に焦げたように変化します。また、一部分だけ集中的に直射日光が当たる場合は、その部分だけ脱色されたように白色になることも。
屋外で育てている場合は、明るい日陰に移動させたり、寒冷紗のような遮光アイテムを使ったりすると良いです。
季節別|多肉植物と日光の関係
季節別の多肉植物と日光の関係は以下の3通りです。
- 春秋|屋外で日光に当てる
- 夏|直射日光には当てない
- 冬|明るい窓際で日光に当てる
それぞれ詳しく見ていきましょう。
春秋|屋外で日光に当てる
春と秋は、多肉植物を屋外に移動させて日光に当ててください。春秋の日光は柔らかいので、直射日光でも葉焼けする心配が少ないです。
更に、春秋によく生育する春秋型多肉植物は、この時期に日当たり不足になると、徒長しやすいため注意してください。春秋型多肉植物には、エケベリアやセダム、ハオルチアなどが含まれます。
ただし、春は気温の変動が激しく、早春は寒の戻りによって、急に寒くなることがあります。また、秋は温暖化の影響で10月でも気温が高い日が続くことも多いです。
屋外で日光に当てる際は、あらかじめ天気予報で気温や日差しの強さなどに注意しましょう。
夏|直射日光には当てない
多肉植物に夏の直射日光は当てないでください。夏によく生育するサンスベリアやカランコエなどであっても、夏の直射日光下では葉焼けしやすいです。
基本的に、夏はレースカーテン越しの柔らかい日光に当てて育てます。屋外の場合は、遮光シートで日光を和らげたり明るい日陰に移動させたりして管理してください。
一度、葉焼けすると葉焼けした部分は元に戻りません。夏は直射日光に注意して育ててください。
冬|明るい窓際で日光に当てる
冬は明るい窓際で多肉植物に日光を当てましょう。冬の季節は、日照時間が短く、日差しも弱いため、なるべく長く日光に当てることが重要です。
生育が緩慢な時期ですが、日当たり不足になると徒長しやすいので気を付けましょう。また、多肉植物は寒さに弱い品種が多いため、窓際から20~30㎝ほど離しておくと冷気の影響を受けにくくなります。
多肉植物の日光対策|強すぎる時
強すぎる日光は、葉焼けを引き起こします。日光が強すぎる時の対策は以下の2点です。
- 明るい日陰に移動する
- 遮光する
それぞれの対策を見ていきましょう。
明るい日陰に移動する
多肉植物に強い日光が当たる時は、明るい日陰に移動させてください。特に夏に屋外で管理する場合は、明るい日陰での管理がおすすめです。
夏は日照時間が長く、日差しも強いため、直射日光下では葉焼けしやすいので、注意しましょう。また、気温が高いほど植物は日光が当たった時に葉焼けしやすいため、風通しのある明るい日陰で管理することは重要です。
四方八方が壁に囲まれているような暗い日陰には置かないでください。なるべく、風通しのある木陰のような場所に置くと良いでしょう。
もし多肉植物を置く日陰が、コンクリートの上である場合は、置き方にも注意が必要です。ブロックや木の板で鉢の下に空間を作ると、温められたコンクリートの熱の影響を受けにくくなります。
遮光する
強すぎる日光に当たる時の対策は「遮光する」です。室内や屋外で移動させる場所がない場合は、日光をレースカーテンや寒冷紗などで和らげましょう。
夏に一日中直射日光が当たる場所で管理する場合は、約50~60%の遮光率の寒冷紗を使うと、葉焼けしにくいです。4時間ほどの日光が当たる場所であれば、40%程度の遮光率がおすすめです。
遮光率が高すぎると、暗すぎて徒長の原因になります。遮光した際は、その後の成長を観察しながら調整すると育てやすいです。
多肉植物の日光対策|弱すぎる時
多肉植物に当たる日光が弱すぎる場合は、徒長する恐れがあります。弱すぎる日光の対策は以下の2点です。
- 南側の場所に移動させる
- 補光する
それぞれの対策を詳しく解説します。
南側の場所に移動させる
多肉植物に当たる日光が弱すぎる場合は、南側の場所に移動させましょう。屋外であっても室内であっても、南側は日当たりが良く明るい環境であるためです。
ただし、室内ではお部屋の窓の位置関係によっては、南側が明るくないかもしれません。南側に窓がない場合は、日当たりを確保できる窓の近くに置きましょう。
また、株全体にまんべんなく日光が当たるように定期的に鉢を回したり並べ替えたりすると、形よく育ちます。
補光する
多肉植物に当たる日光が弱い場合は、補光するのもおすすめです。植物用LEDを使うと、効果的に日光不足を改善できます。
寒い冬は、多くの多肉植物は室内で管理する必要があります。冬は日照時間が短く、日差しも弱いため、徒長しやすい環境です。
冬に室内で徒長させてしまう方は、植物用LEDで不足分の日光を補うように管理してください。
ただし、植物用LEDにも光の強さにバラつきがあったり、熱を発したりする種類があるので、多肉植物との距離には注意しましょう。
強い日光下で育つ多肉植物
強い日光下で育つ多肉植物は、以下の3種類です。
- 柱サボテン
- カランコエ
- エケベリア
置き場所にどうしても強い日差しが当たって困っている方は、ぜひ紹介する多肉植物を育ててみてください。
①柱サボテン
日当たり | 日当たりのよい置き場所 |
温度 | 最低0℃以上をキープする |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 強い |
水やり | 春夏:手で土を触って水分を感じなくなったら(鉢の中央部分までしっかり乾いてから) 秋冬:葉にしわができてから(冬は月に一回程度で十分) |
柱サボテンは、背丈が高く成長する姿から名付けられた多肉植物の一種。どの品種も柱のように伸びているのが特徴です。茎の内部に水分を蓄えていてお水やりの手間がかからないため、初心者にもおすすめの植物と言えます。
サボテンは種類が非常に豊富で、ほとんどが直射日光下の強い日差しを好みます。0℃以下の冬を除いて、屋外で管理できるので、ベランダや玄関外にも適しています。
屋内で育てる場合は、日光の確保が重要です。日当たりの良い窓際でしっかり日光に当てて管理してください。
[https://andplants.jp/collections/peruvianapple]②カランコエ
日当たり | 日当たりの良い場所 |
温度 | 最低10℃以上をキープする |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | 弱い |
水やり | 春夏:手で土を触って水分を感じなくなったら(鉢の中央部分までしっかり乾いてから) 秋冬:手で土を触って水分を感じなくなったら(鉢の中央部分までしっかり乾いてから) |
カランコエは、マダガスカル原産の多肉植物で、鮮やかな花と肉厚な葉が特徴です。花を楽しむタイプから葉の色や模様を楽しむタイプまで、さまざまな種類があります。
カランコエは夏型の多肉植物。真夏の直射日光は避けたり遮光したりした方が安心ですが、比較的強い日差しにも耐えられます。
寒さに弱いカランコエは、なるべく15℃以上をキープして室内で冬越しさせてください。室内では、日光が差し込む窓際の近くで管理しましょう。
ここで紹介しているカランコエの写真は「カランコエ・デザートローズ」です。
デザートローズの特徴や育て方は、「カランコエ・デザートローズの育て方」で詳しく紹介しています。
[https://andplants.jp/collections/kalanchoe]③エケベリア
日当たり | 日当たりの良い場所 |
温度 | 最低10℃以上をキープする |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | 弱い |
水やり | 春夏:手で土を触って水分を感じなくなったら(鉢の中央部分までしっかり乾いてから) 秋冬:手で土を触って水分を感じなくなったら(鉢の中央部分までしっかり乾いてから) |
エケベリアは、冬~春にかけて紅葉する多肉植物として人気があります。春秋型の多肉植物の中では、強い日光にも耐える性質です。
しかし、夏の直射日光に当てると、葉が茶色~黒色に葉焼けするので、遮光をしてください。筆者は、何度も真夏に葉焼けさせてしまった経験があります。
品種によっても日光に対しての強さが異なります。強い日光に悩んでいる方は、なるべく硬質系のハオルチアを選ぶと、葉焼けの心配が少ないでしょう。
ここで紹介しているエケベリアの写真は、「エケベリア・コロラータ」です。エケベリア・コロラータの育て方の基本は、どのエケベリアにも共通するので、良かったらチェックしてみてください。
[https://andplants.jp/collections/echeveria]日陰で育つ多肉植物
日陰でも育つ多肉植物は、以下の3種類です。
- サンスベリア
- リプサリス
- ハオルチア
それぞれの特徴を紹介します。
①サンスベリア
日当たり | 太陽の薄日で4時間以上(室内)/電気が付いている時間が長い部屋 |
温度 | 最低10℃以上をキープする |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | 強い |
水やり | 春夏:手で土を触って水分を感じなくなったら(鉢の中央部分までしっかり乾いてから) 秋冬:葉の表面にしわが寄ってから(10月以降はほぼ断水) |
サンスベリアは観葉植物にも多肉植物にも分類される植物です。お水やりの頻度は少なくてお世話が楽なので、初心者にも適しています。
さまざまな種類があり、品種によって葉の模様や形、肉厚さが異なります。蛍光灯の光で長時間明るい環境であれば、問題なく育つ性質です。
ただし、寒さには弱いため、冬の寒さには注意してください。写真の品種はサンスベリア・ゼラニカです。育て方が気になる方は、「サンスベリアの育て方」の記事でより詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
[https://andplants.jp/collections/sansevieria]②リプサリス
日当たり | 日当たりの良い置き場所 |
温度 | 最低10℃以上をキープする |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | 強い |
水やり | 春夏:手で土を触って水分を感じなくなったら(鉢の中央部分までしっかり乾いてから) 秋冬:手で土を触って水分を感じなくなったら(鉢の中央部分までしっかり乾いてから) |
リプサリスは、サボテンの仲間で多肉植物です。細長く繊細な見た目をしていますが、乾燥に強くタフな性質を備えています。
植物を育てたことがない方にも管理がしやすいでしょう。リプサリスは日光を好む植物ですが、室内の明るい環境であれば元気に育ちます。
しかし、より元気に育てたい場合は、屋外の明るい日陰で管理してください。細長い茎が垂れ下がるように伸びていきます。
写真の品種は、リプサリス・カスッサ。日当たり以外の育て方ポイントは水やりです。詳しくは「リプサリスの育て方」の記事で紹介しているので、ぜひチェックしてみてください。
[https://andplants.jp/collections/rhipsrlis]③ハオルチア
日当たり | 日当たりの良い場所 |
温度 | 最低5℃以上をキープする |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | 弱い |
水やり | 春夏:手で土を触って水分を感じなくなったら(鉢の中央部分までしっかり乾いてから) 秋冬:手で土を触って水分を感じなくなったら(鉢の中央部分までしっかり乾いてから) |
ハオルチアは、葉の透明な窓が特徴的な多肉植物です。透明な窓に光が入ることで、効率的に光合成を行っています。
日当たりの良い環境を好みますが、他の多肉植物に比べて暗めの環境でも育てることが可能です。明るい室内や日陰でも育てやすいでしょう。
冬は水やりを控えることで、耐寒性は上がりますが、5℃以下の寒さに当て続けると枯れやすいです。また雪や霜にも当てないように気を付けてください。
なるべく冬は明るい室内で育てると安心です。
多肉植物と日光に関するよくある質問
最後に多肉植物と日光に関するよくある質問とその答えを以下にまとめました。
- 直射日光に弱い多肉植物の種類は?
- 多肉植物に当たる西日は遮光率を上げた方がいい?
- 多肉植物の植え替え後は直射日光に当てても大丈夫?
- 多肉植物の葉の裏が茶色くなるのは直射日光による葉焼けですか?
それでは具体的に見ていきましょう。
直射日光に弱い多肉植物の種類は?
直射日光に弱い多肉植物の種類は、日陰で育つタイプになります。
サンスベリアやリプサリス、ハオルチアなどは、直射日光に当たりすぎると葉焼けや高温障害を招きやすいので注意してください。
ただし、一部のサボテンを除いて、どの多肉植物も真夏の直射日光は苦手です。基本的に、真夏は直射日光が当たらないように管理しましょう。
多肉植物に当たる西日は遮光率を上げた方がいい?
季節を問わず、多肉植物に当たる西日には遮光しておくと安心です。春秋に西日が当たるのであれば、30%程度の遮光をしましょう。
夏は日中と同じく50~60%の遮光で問題ありません。筆者は、夏の西日でエケベリアを多く枯らしたり葉焼けさせたりした経験があります。
西側から差し込む光に対して、遮光できていなかったためです。日差しの強い夏だけでも、西から差し込む日光は遮光しておくと良いでしょう。
多肉植物の植え替え後は直射日光に当てても大丈夫?
多肉植物の植え替え後は、直射日光には当てないようにしてください。植え替え後は、根を切ったり崩したりしているので、株にストレスがかかっているためです。
ストレスがかかっている状態で、直射日光に当たると葉焼けしたり葉が傷んだりしやすいです。1週間ほどは明るい日陰で養生させて、元の場所に戻したり明るい窓際に移動させたりしてください。
多肉植物の葉の裏が茶色くなるのは直射日光による葉焼けですか?
多肉植物の葉の裏が茶色くなるのは、直射日光による葉焼けの可能性は低いです。
葉焼けの症状は、主に強い直射日光が長時間当たった葉の表面に現れます。つまり、葉の裏だけが茶色くなることは少ないです。
葉焼けではなく、害虫による傷や病気が考えられます。また、植え替えや剪定の際に、葉の裏に傷をつけてしまい、その後に茶色くなったとも考えられます。
様子を見て、茶色くなる部分が広がるようであれば、虫や病気が発生しているかもしれません。注意して観察して殺虫殺菌剤を使うことを考えましょう。
まとめ
多肉植物にはさまざまな種類がありますが、いずれも生育に日光は重要なポイントです。まったく日差しの入らない暗い部屋では、ひょろひょろと徒長したり枯れたりします。
なるべく日光が差し込む明るい環境で観葉植物は育ててください。ただし、夏の強すぎる直射日光は葉焼けの原因になります。
強い日光に耐える品種もありますが、なるべく遮光して日光を和らげて管理しましょう。季節によって日光を上手に管理して、健康的に多肉植物を育ててください。
[https://andplants.jp/collections/punipuni-plants]