植物名 | バニラ |
学名 | Vanilla planifolia |
英名 | Vanilla |
科目/属性 | ラン科バニラ属 |
原産地 | 中央アメリカ |
AND PLANTSの人気観葉植物を下記ページにまとめました。
デスクや小窓に置けるものから、インテリアの核となる大型サイズまで揃えていますので、ぜひご覧になってみてください。
[https://andplants.jp/collections/plants]バニラの特徴
バニラは、黄緑色の花が可愛いつる性のラン科植物です。バニラアイスなど食品の香料としても有名で、多くの方が香りに親しみを持っています。
食品や香水などの香料として使用されるバニラビーンズとは、ラン科植物のバニラの実を熟成させたものです。そのため、観葉植物のバニラからは甘い香りはしません。
しかし、可愛らしい厚みのある葉を付けながら伸びる姿は観葉植物として人気があります。寒さに気を付ければ育てやすく、花も楽しめる植物です。
着生植物なので支柱などで支えて育てることが多いですが、プラントハンガーなどで吊り下げてもおしゃれに楽しめます。
バニラの花言葉
バニラの花言葉は「永久不滅」です。
濃厚な甘い香りが特徴的なバニラ。その香りは記憶に残るほど印象的なことから、この花言葉が名付けられています。
しかし、花言葉の由来となっているのは、熟成させたバニラビーンズの香りです。花が咲いたら、甘い香りが楽しめるわけではないので気を付けてください。
バニラの花は早朝に咲き、その日の夜にはしぼむほど短命な花ですが、その美しさも永久不滅と呼ぶにふさわしいでしょう。開業祝いや開店祝いなどのプレゼントにおすすめです。
バニラの風水
葉の先端が尖っているバニラには、「邪気払い」の風水効果があります。気の入り口である玄関や窓際に置くと、悪い気の侵入を防ぎよい気を取り込んでくれるでしょう。
また、バニラの葉は下向きに付くので、気を静める効果も。寝室など落ち着ける場所に置くとリラックス効果を上げてくれるかもしれません。
バニラの香りは、感情の起伏を抑えて幸福感をもたらします。バニラ本体からは香りはしませんが、幸福感をもたらす観葉植物としても人気です。
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バニラの育て方
日当たり | 日当たりのよい置き場所 |
温度 | 最低5℃以上をキープする |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | 強い |
水やり | 春夏:土・水苔の表面が乾きはじめたら 秋冬:手で土・水苔を触って水分を感じなくなったら(鉢の中央部分までしっかり乾いてから) |
肥料 | 緩効性肥料、液体肥料 |
剪定時期 | 5~9月 |
置き場所と日当たり
バニラは日当たりのよい環境を好みます。ただし、夏の直射日光や西日など強光に当たると葉焼けしやすいため、注意が必要です。
日当たりを好むので、ほとんど日光の光が入らないような暗すぎる場所では葉が落ちうまく生育できません。徒長したり葉色が悪くなったりするため、明るい窓際に置いてください。
夏の直射日光が差し込む場合は、レースカーテン越しの柔らかい光にしてあげましょう。
温度
バニラは寒さに弱い植物です。最低5℃以上をキープして育ててください。
5℃以下の寒さに当たり続けると、つるや葉が黒くなり葉を落としてしまいます。なるべく暖かい場所で管理することが重要なポイントです。
冬の窓際は屋外と変わらないくらいに冷え込むので、窓から離れた明るい場所に置きます。ただし、暖房の風が当たると急激な乾燥によって葉が傷んでしまいます。
暖房の風が当たらないように気を付けましょう。
水やりの頻度
- 春夏:土・水苔の表面が乾きはじめたら
- 秋冬:手で土・水苔を触って水分を感じなくなったら(鉢の中央部分までしっかり乾いてから)
春夏の生育期には、土や水苔の表面が乾き始めたら鉢底から水が流れるくらいに、しっかり水やりしてください。ただし、水のやりすぎや受け皿の溜め水は根腐れの原因になります。
水やり後は、受け皿に溜まった水は小まめに捨てることが重要です。バニラは高温多湿を好む植物です。生育期の春~夏は水切れがないように育て、葉水もしっかり与えてください。
気温の下がる秋からは土の渇き具合を見ながら、徐々に水やりを控えましょう。冬は手で土を触って水分を感じなくなったら(鉢の中央部分までしっかり乾いてから)水やりをします。
バニラは低温状態で湿度が高いと、葉に斑点の入る病気を発生させることが多いです。水やりと葉水は、暖かい時間にのみ与えてください。
もし、水やりの頻度に困ったときは、水やりチェッカーの利用もおすすめします。
肥料
バニラには、生育期の5~9月に2か月に1度置き肥を置くか、水に薄めた液肥を2週間に1度のペースで水やり代わりに与えてください。冬は生育が緩慢な時期なので、肥料は与えません。
バニラは肥料が少なくても十分に育ちますが、葉を茂らせたり艶を出したりしたい場合は土に混ぜ込んだ元肥以外に追肥もしましょう。ただし、肥料の与えすぎは根を傷めるため、与えるペースや時期はしっかり守ってください。
バニラは、大株にならないと花が咲きにくいです。そのため、小さな苗の時から花を咲かせようと、肥料をやりすぎないように気を付けてください。
苗を3~4年ほど育てると花が咲く可能性があります。
剪定方法
バニラの剪定時期は5~9月です。傷んだり茂りすぎたりしたつるや葉を剪定します。
葉が出ているつるであれば、どこから切っても問題ありません。節から新芽を出すので、理想の株姿をイメージして剪定すると良いでしょう。
生育が順調であれば、春~夏にかけてつるをぐんぐん伸ばします。風通しよく剪定して、形を整えてください。
バニラのよくあるトラブルと対処法
おしゃれな着生植物であるバニラですが、トラブルも存在します。
ここではトラブルが起きたときの対処法を解説していきます。あらかじめ対処法を知っておけば、いざ何かあっても安心です。
根腐れ
根腐れでは、以下の症状が見られます。
- 水をあげても元気にならない
- 土がなかなか乾かない
- 葉が落ちやすい
- 葉が茶色・黄色に変色している
- 幹や幹の根元が柔らかい
- 土から腐敗臭がする
- 土の表面にカビが生えている
- 根黒く変色している
根腐れは、土の中の酸素濃度が低下して土中の細菌叢が変化し、有機物の腐敗が進むことで有害なアンモニアが発生し、土壌環境が悪くなることで発症します。
また、常に土が湿っている状況では根が呼吸することができず、細胞が死んでしまいます。根から水を吸い上げることができなくなり、植物体に水を供給することができなくなるからです。
根腐れの対処法は以下の通り。
- 鉢から植物を抜き、悪い土を落として水はけのよい土に交換する
- 根の傷んでいる部分、腐っている部分をカットする
- 少量の水を与え、風通しがよく明るい日陰で管理する
※1週間を目安に水が乾くコンディションで管理する - 発根剤を与えてみる
- 傷んだ葉を取り除く
- 枯れた枝を切り取る
根腐れが起こった場合は、鉢を入れ替えて土の環境を変えることが大切です。傷んでしまった根は取り除き、健康な状態が取り戻せるような環境を与えてあげましょう。基本は水苔がおすすめですが、ピートモスや鹿沼土・赤玉土を混ぜたものでも育ちます。
葉先がダメになっている場合は、生きている部分までカットします。根元から腐っている場合は、無事な部分で切り取り、挿し木して回復させましょう。
根詰まり
根詰まりとは、鉢の中で根がいっぱいになることで起きる症状です。根詰まりの症状は以下の通り。
- 水が浸透しづらくなる
- 底から根が出てくる
- 葉が黄色くなる
- 鉢にヒビが入る
特に春夏の成長期で一気に伸びてしまうと上記のような症状が起きてしまいます。すぐに枯れる要因にはなりませんが、放置してしまうとバニラに悪影響です。
対処法はバニラの植え替えをすること。
バニラを現在の鉢より1つ上の大きい鉢に植え替えることで、上記の症状はほとんど解消されるでしょう。植え替えを行う時期も春夏の成長期が最も適しています。
葉焼け
葉焼けでは、以下の症状が起きます。
- 葉の色素が抜けて白くなっている
- 葉の一部が茶色く枯れている
強い日差しを浴びすぎると葉が傷んで「葉焼け」というトラブルが発生します。
葉焼けの症状に気がついたら、早めに置き場所を検討し直すことが必要です。
対処法は以下の通り。
- 直射日光が当たっている場合はカーテンなどで遮光する
- 葉焼けした部分はカットする
葉焼けが起こるということは、日光が当たりすぎている可能性が高いため、直射日光に当てないような措置を取りましょう。
また、一度焼けてしまった葉は二度と元に戻りません。傷んだ葉はカットし、新しい健康な葉が生えてくるのを待ちましょう。
ハダニ
ハダニの症状は以下の通りです。
- 葉にクモの巣のような糸がついている
- 葉の裏に小さな虫がついている
- 葉に斑点や傷がある
- 葉の色が薄くなり枯れている
ハダニは繁殖力の強さと、薬剤耐性を持つとても厄介な害虫です。
放っておくと糸を張って大量発生する危険性もあるので、早めに対処を行いましょう。
対処法は以下の通りです。
- 傷んだ葉はカットする
- 葉の表裏、付け根や茎も水で洗浄する
- ハダニに効果のある液体を噴霧する(殺虫剤のほか、2倍に薄めた牛乳、重曹と水を混ぜたもの、濃いコーヒー、10倍に薄めた酢でも一定の効果あり)
ハダニが湧いてしまったら、市販の殺虫剤(ベニカファインスプレー・オルトラン)を使用するのが効果的です。2倍に薄めた牛乳などの液体を噴霧する対処法もありますが、匂いが気になる方には水で洗い流す方法もおすすめです。
そもそもハダニは、こまめな霧吹き・葉をふき取りきれいにすることを怠らなければ発生しません。
常にきれいな状態を保つために、霧吹きの購入は必須といえます。月に一度はシャワーで洗い流すなどの管理も必要です。
バニラのよくある質問
最後にポリシャスのよくある質問とその答えを以下にまとめました。
- バニラを育てるのは難しい?
- バニラ栽培の越冬方法は?
- バニラを育てるのに支柱は必要?
- バニラの木から匂いはする?
- バニラを育てるのに適切な土は?
- バニラは水耕栽培(ハイドロカルチャー)できる?
それでは具体的に見ていきましょう。
バニラを育てるのは難しい?
バニラを育てるのは難しくありません。ラン科の植物ですが、通常の観葉植物と同じように育てることができます。
夏を除いて日当たりのよい環境で、適切に手入れを行えば美しい葉を楽しむことができるでしょう。寒さには弱いので、窓際から離れた明るい場所でなるべく暖かく管理してください。
大切に長年育てることで、花が咲き実を付けるかもしれません。
バニラ栽培の越冬方法は?
バニラの越冬方法は、最低5℃以上をキープして管理することです。
冬の窓際は屋外と変わらないくらいに冷え込むので、窓から離れた明るい場所で管理してください。また、暖房が直接当たると葉の乾燥が進み、バニラの生育が悪くなります。
5℃以下の低温に当たり続けるとつるや葉が黒くなり、葉が落ちる恐れがあるので注意してください。冬は空気が乾燥して葉が傷みやすいため、水やりと一緒に葉水を行うと葉がきれいな状態を維持できます。
ただし、低温状態で葉水をすると逆効果です。冬に葉水をする際は、室温を十分に上げてから霧吹きしてください。
バニラを育てるには支柱は必要?
支柱があると育てやすいです。バニラはラン科の着生植物であるため、節から出る気根を着生させたほうが生育がよくなります。
支柱は着生しやすいヘゴやコルクなどの木の材質がおすすめです。つるを支えながらまっすぐ上へ伸びていきます。
しかし、支柱がなくても育つので安心してください。支えがなければ横に枝垂れるように伸びるので、プラントハンガーなどで空中に吊るすとおしゃれに楽しめます。
バニラの木から匂いはする?
バニラの木からは匂いはしません。甘い匂いはバニラの鞘や種を熟成させたときに、初めて発生します。
そのため、バニラの木や花からは甘い匂いはしないので注意してください。バニラビーンズをご自宅で作る場合は、バニラを大株に育てて花を咲かせる必要があります。
花を咲かせた後は、しぼむ前に人工授粉させてください。その後に実鞘を収穫して天日干しして長期間蒸すと徐々にバニラの匂いがしてくるでしょう。
バニラを育てるのに適切な土は?
バニラに適切した土は「水苔」です。
特に初心者の方は、水苔を使用して育てると極端な乾燥を防ぐことができます。ココヤシのチップであるベラボンを使用しても育てやすいです
水苔やベラボンで植えた場合は6~7月に毎年植え替えてください。冬を除いて水苔やベラボンが湿っている状態が続くため、古くなり腐りやすいためです。
バニラは水はけのよい観葉植物の土でも育てることはできますが、栽培環境によっては適さない場合もあります。初心者の方には、使いやすい水苔やベラボンがおすすめです。
バニラは水耕栽培(ハイドロカルチャー)できる?
バニラは水耕栽培が可能です。水を入れた花瓶やコップに剪定した節のある茎を入れておくと根が出てきます。
そのまま育てることもできますが、水中には根から出る老廃物を分解する微生物がいません。そのため、根が腐りやすい点に気を付けて下さい。
毎日水を入れ替えて、イキイキとしたバニラに育てましょう。また、固形の焼土であるハイドロボールを使用した水耕栽培も、同様に楽しむことができます。
根のついた苗を水耕栽培する場合は、流水で綺麗に土や水苔を落としてください。根が落ち着くまで数枚の葉が黄色くなり自然と落ちることはありますが、水環境に適した根が新しく出ると新芽もたくさん伸びてきます。
気根のついたバニラのつるであれば、簡単に水耕栽培ができるので挑戦してみてくださいね。
バニラのまとめ
バニラは明るい室内であれば、一年を通して簡単に育てることができます。初めて植物を迎える方でも育てやすいため、気軽に飾れるインテリアグリーンとして活躍するでしょう。
「永久不滅」という花言葉は、開業祝いや開店祝いのプレゼントに最適です。邪気払いや落ち着きをもたらす風水効果は、多くの方に喜んでもらえます。
ぜひ、花の咲くおしゃれなインテリアグリーンとして育ててみてはいかがですか。