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アブラムシの駆除方法

アブラムシの駆除方法|殺虫剤アリとナシの違い

植物を育てていると、アブラムシに悩む方は多いと思います。草花や野菜だけでなく、植木や観葉植物などもアブラムシの被害が多いです。

植物にアブラムシが発生すると生育が悪くなるため、早めに駆除することが重要。今回は、アブラムシの駆除方法について紹介します。

殺虫剤を使用する方法と使用しない方法をそれぞれ紹介しているので、ぜひ参考にしてください。また、最後は発生させないための予防方法についても紹介しています。

アブラムシの発生に注意して、元気な植物を育てましょう。

植物の植え替えに必要なグッズや虫のトラブルに対処できるケア用品をまとめました。詳しくは下記のページからご覧になってみてください。

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関連記事:観葉植物に付く虫|ダニや害虫の種類と対策について

アブラムシが植物にもたらす被害

アブラムシは植物に害を与える体長2~4㎜程度の小さな虫です。植物にアブラムシが付着すると、栄養が吸汁されて生育が悪くなります。また、アブラムシによる被害には、以下の3点もあります。

  1. モザイク病
  2. すす病
  3. アリの誘因

それぞれ詳しく見ていきましょう。

モザイク病

モザイク病とは、葉にモザイク状のまだら模様が現れて、次第に葉が縮れて生育が悪くなるウイルス性の病気です。ウイルス性の病気は治療方法がないため、徐々に生育が悪化して枯れる恐れがあります。

アブラムシはモザイク病の媒介昆虫です。草花や野菜に発生しやすいモザイク病ですが、観葉植物にも発生する病気であるため注意してください。

カビや細菌由来の病気でないため、ほかの植物に空気感染することはありません。しかし、増殖したアブラムシが移動してモザイク病になる可能性があります。

また、モザイク病の植物を剪定したハサミを消毒せずに使用すると、病気が移る可能性も。アブラムシ以外にもハダニやカイガラムシなどの吸汁性害虫はウイルスの媒介者であるため、見つけ次第すぐに対処してください。

すす病

すす病は、葉や茎に黒いすすのようなカビが生える症状です。アブラムシやカイガラムシの排せつ物に、カビが生えた状態のことであり、病原菌やウイルスが原因ではありません。

そのため、すす病そのものは植物の生育に与える悪影響は少ないですが、植物の見た目が悪くなります。

影響が少ないとは言え、すす病が枝葉に発生すると光合成が阻害されるので、注意してください。すす病は、湿った布で綺麗にふき取ることで、簡単に取り除けます。

しかし、発生の原因であるアブラムシやカイガラムシを駆除しない限りは、何度も発生するので注意しましょう。

アリの誘因

アブラムシが植物に発生すると、アリを引き寄せます。アリは植物の生育に影響はありませんが、多くのアリが植物に集まっていると不快に感じる方が多いでしょう。

アリが集まる理由は、アブラムシの排せつ物です。観葉植物の汁を吸って出す排せつ物には多くの糖分が含まれているため、アリが引き寄せられていきます。

カイガラムシの排せつ物もアリを引き寄せるので、アリが観葉植物に集まっている場合は、アブラムシやカイガラムシが発生している可能性が高いです。

アリの誘因を防ぐためには、アブラムシやカイガラムシを駆除してください。

アブラムシが発生する原因

アブラムシが発生する原因

アブラムシは、雑草や樹木などの新芽に付着していることが多い害虫です。翅を生やして飛ぶこともあります。

そのため、自然と飛んできたり衣服に付着して運ばれてきたりすることも多いです。自然発生する以外に、アブラムシが植物に付く原因には、以下の3つがあります。

  1. 日当たり不足
  2. 窒素肥料
  3. 風通しの悪さ

日当たり不足

アブラムシは暗い環境を好みます。そのため、日当たり不足の環境で育てている植物で発生しやすいです。

また、日当たりが悪いと植物も十分に光合成ができないため、生育が悪くなります。生育が悪い観葉植物の葉や茎の組織は柔らかいので、アブラムシにとって好都合です。

暗い環境で育てている植物は、置き場所を変えて日当たりを改善してください。室内であれば、植物用LEDで補光してあげるとよいでしょう。

窒素肥料

植物に窒素肥料を過剰に与えると、アブラムシが発生しやすくなります。窒素は植物体内で生成されるアミノ酸に深く関与しており、アブラムシはアミノ酸を好んで吸汁しているためです。

窒素を与えるほど、植物体内ではアミノ酸が多く生成されます。アミノ酸の多い植物には、自然とアブラムシが寄り付きやすいので注意してください。

また、窒素は葉を茂らせたり大きくしたりする栄養素でもあります。葉が急激に茂ったり大きくなったりすると、葉の組織は軟弱になりやすいです。

結果的に、アブラムシが植物の汁を吸汁しやすくなるため、窒素肥料の与えすぎには気を付けてください。肥料は適切な量を与えることが重要です。

風通しの悪さ

アブラムシは風通しの悪い環境を好みます。風通しの悪い環境は、湿度が一定であるため、アブラムシにとって住み着きやすい環境であるためです。

さらに、葉が茂っている環境だと、アブラムシの発見が遅れるので注意してください。「気づいた時には、大発生していた」といった場合もあります。

密閉された室内は風通しがないため、アブラムシが付くと短期間で大発生するので注意してください。定期的な換気や剪定を行って、風通しの良い環境を維持しましょう。

窓を開けることが難しい場合は、扇風機やサーキュレーターを使用して風通しを改善するのがおすすめです。

関連記事:観葉植物とサーキュレーター|必要性や使い方について

アブラムシの駆除方法

アブラムシの駆除方法

アブラムシの駆除方法にはさまざまな方法がありますが、こちらでは殺虫剤を使用した駆除方法を3つ紹介します。

  1. 希釈タイプで広範囲に散布する
  2. スプレータイプで手軽に退治する
  3. 土に混ぜて吸収させておく

殺虫剤は商品によって使用可能植物や効果のある害虫が異なります。アブラムシ駆除に効果のある殺虫剤を使用することが重要です。

希釈タイプで広範囲に散布する

殺虫剤には、水に薄めて使用するタイプがあります。液剤・乳剤(オルトラン液剤やスミチオン乳剤など)と呼ばれるものです。

水に希釈して散布するため、広範囲の多くの植物に付着したアブラムシを効率的に駆除できます。屋外で多くの植物を育てている場合に、便利です。

ただし、アブラムシを早く駆除したいからと言って、希釈倍率を低くして濃く作ると、植物に薬害を与える可能性があります。使用濃度や頻度は、記載されている規定を守りましょう。

希釈して作った殺虫剤は、あらかじめ準備した霧吹きや噴霧器を使用して散布します。作成した殺虫剤は残さず使い切ってください。

スプレータイプで手軽に退治する

アブラムシは、スプレータイプ(ベニカXスプレー、GFオルトランCなど)の殺虫剤で手軽に退治できます。希釈タイプとは違い、完成品として手に入れることができるため、すぐに噴霧してアブラムシの駆除が可能です。

スプレータイプと言っても、液体やガスなどさまざま。形状もトリガー式やボタン式などがあります。

濃度による薬害は起こりにくいですが、使用回数には注意して、規定回数を守ってください。アブラムシを見つけしだい、すぐに駆除するためにスプレータイプの殺虫剤を普段から準備しておくと安心です。

[https://andplants.jp/products/evo_anti_insect_spray]

土に混ぜて吸収させておく

殺虫剤には、土に撒いたり混ぜたりする粒状タイプ(オルトラン粒剤、ベニカXガードなど)があります。根から殺虫成分を吸収して、植物を食害した害虫に効果のある殺虫剤です。

粒状タイプは、あらかじめ土に混ぜて植物に吸収させておくことで効果を発揮します。アブラムシを見つけた後に撒いても、効果を発揮するまでに時間が掛かるためです。

予防として、植物の植え付けや植え替えの際に混ぜておくとよいでしょう。ただし、効果期間があるので、アブラムシが全く発生しないわけではありません。

アブラムシの駆除方法|殺虫剤なし

アブラムシの駆除方法|殺虫剤なし

植物にアブラムシが発生した場合は、早急に駆除する必要があります。しかし、「小さな子供やペットがいるから使いたくない」「化学的な成分に不安を感じる」と思う方もいるでしょう。

そこで、殺虫剤を使用しないアブラムシの駆除方法を3つ紹介します。

  1. テープやピンセットで取り除く
  2. 除虫菊を利用する
  3. コーヒーや重曹を使用する

テープやピンセットで取り除く

植物にアブラムシが発生したら、テープやピンセットで取り除きます。アブラムシが大発生していない状態であれば、短時間で除去できるでしょう。

室内で殺虫剤を使用したくないときにもおすすめの方法です。ただし、大発生している場合は、非常に大変な作業になります。

テープやピンセットを使って取り除く方法は、直接アブラムシに触れる可能性が高いので、虫が苦手な人にはおすすめできません。虫が苦手な方は、観葉植物を屋外に移動させて、殺虫剤で対処した方が安心です。

除虫菊を利用する

化学的な殺虫成分に不安を感じる方は、除虫菊を利用しましょう。除虫菊とは、殺虫効果や忌避効果のある成分が含まれている植物です。

除虫菊を配合して作られている「evo 虫を寄せ付けない水」であれば、安心して室内でも利用できます。アブラムシがいる枝葉や植物全体に、しっかりと噴霧してください。

除虫菊のほかに、でんぷんを利用した殺虫剤もあります。小さな子供やペットがいて、化学成分に不安を感じる方は、天然成分を使用した殺虫剤を使うとよいかもしれません。

コーヒーや重曹を使用する

アブラムシには、2倍に薄めたコーヒーや重曹とサラダ油、水、食器用洗剤などを混ぜた液体を噴霧する対処法もあります

一定の効果はありますが、確実にアブラムシを死滅させるのは難しいです。アブラムシは成長サイクルが早い虫なので、1匹でも生き残ればすぐに増殖します。

また、コーヒー以外にも牛乳や酢を噴霧する方法もありますが、植物から嫌な匂いが発生する恐れもあるので注意してください。噴霧した後の匂いが気になる場合は、水で洗い流すとよいでしょう。

アブラムシの発生を予防する方法

アブラムシの発生を予防する方法

植物にアブラムシが付くと、成長が阻害されたり病気になったりして枯れる恐れがあります。発生した場合、早急に駆除することが大切です。

しかし、アブラムシ発生の予防をしていれば、駆除の労力を最小限にすることができ、植物も元気に育ちやすいでしょう。植物を元気に育てるためにも、以下の5つの予防方法がおすすめです。

  1. 忌避剤を使用する
  2. 黄色い粘着シートを利用する
  3. 日当たりと風通しの良い場所で育てる
  4. 肥料を与えすぎない
  5. 明るい色のマルチングをする

忌避剤を使用する

植物にアブラムシを発生させない予防方法の一つに、忌避剤(ニームやヒノキエキス、除虫菊、木酢液など)を使用する方法があります。

多くの忌避剤は、天然成分を用いているため植物に安心です。お部屋の中で使っても問題ありません。ただし、化学成分が配合されているタイプは、子供やペットがいる場所では避けた方が安心でしょう。

evo 虫を寄せ付けない水」は除虫菊を使用しており、アブラムシ発生の予防方法にもおすすめです。自然由来の成分を利用して安全安心な方法で、植物をアブラムシから守ってみてください。

黄色い粘着シートを利用する

アブラムシの予防方法として、黄色い粘着シートを使用するのもおすすめです。アブラムシは、黄色に反応して集まりやすい習性があります。

そのため、アブラムシが寄り付きやすい場所に黄色い粘着シートを設置しておくと、簡単に捕まえることが可能です。粘着シートによって離れなくなったアブラムシをそのまま捨てるだけで、植物への発生を予防できます。

化学的な殺虫剤を使用したくない方におすすめです。

しかし、すべてのアブラムシが粘着シートに集まるわけではないので、集まらないアブラムシは早めにテープやピンセットで取り除きましょう。

日当たりと風通しの良い場所で育てる

日当たりと風通しの良い場所で育ててください。アブラムシは日当たりと風通しが良い場所を嫌うためです。

また、多くの植物にとっては生育に適した環境なので、健康的な株に育ちます。枝葉がしっかり育てば、アブラムシが付く心配も少なくなるでしょう。

日当たりや風通しが良い場所がない場合は、植物用LEDやサーキュレーターを利用して環境を整えてください。

肥料を与えすぎない

植物に肥料を与えすぎないでください。特に、窒素分の多い肥料を与えすぎると、アブラムシが付きやすくなるためです。

また、アミノ酸が多く含まれる有機肥料にも注意してください。本来アミノ酸は植物体内で生成されますが、肥料によって配合されているタイプがあります。

アミノ酸配合肥料も与えすぎると、アブラムシが付きやすくなるので気を付けましょう。肥料を与える際には、パッケージに記載されている用量を守ることが重要です。

明るい色のマルチングをする

植物にアブラムシを発生させない方法として「明るい色のマルチング」も効果的です。マルチングとは、土の上を砂利やバーク、ビニールなどの資材で覆うことを言います。

アブラムシは、葉の裏に隠れていることが多い害虫です。白い砂利やアルミシートのマルチングをすると、日光が反射して葉の裏にも光が当たるようになります。結果的に、アブラムシにとって住み着きにくい環境に。

AND PLANTSが取り扱う「INLIVING 観葉植物の土」は光を反射しやすい色なので、アブラムシ予防にもつながるでしょう。

関連記事:観葉植物のマルチング|おしゃれな飾り方やおすすめについて

まとめ

まとめ

アブラムシが植物に発生した時に適切に駆除しないと、その後の生育に大きな影響を及ぼします。駆除方法には殺虫剤を使用するかしないかで様々な方法があるので、ご自身に合った方法で駆除しましょう。

アブラムシはどの植物でも発生しやすい害虫です。駆除方法を知っておくと、大事な植物にアブラムシが付いているのを見つけた時にも、安心して対処できると思います。

駆除も大事ですが、発生させないことが一番です。予防もしっかり行って、アブラムシの被害を受けないように、植物を育ててください。

田中 秀和
小さな時から花や観葉植物が好きで、田舎の野山を駆け回っては植物を採集して育てていました。 今でも自宅では多肉植物やサボテン、コーデックスを中心に様々な観葉植物を育てています。 総合園芸店で働いていたこともあり、植え替えやお水やりなどの管理、販売、お客様からのご相談ご依頼を経験。観葉植物の素敵な魅力や育て方を、目の前にいるような感覚でお届けできればと思います。 一緒にかけがえのない一鉢を見つけましょう。