植物名 | オリヅルラン |
学名 | Chlorophytum |
英名 | Spider plant |
科目/属性 | リュウゼツラン科オリヅルラン属 |
原産地 | アフリカ、インドを中心とする温帯~熱帯 |
オリヅルランの特徴
オリヅルランは、放射線状に細く爽やかな葉が広がる植物です。ランナーと呼ばれる匍匐茎を伸ばし、その先に子株を作る特徴もあります。
たくさん伸びたランナーの先に子株ができる姿が折り鶴に見えるため、この名前が付けられました。斑入り葉が爽やかな印象を引き立て、おしゃれなインテリアグリーンとして人気です。
耐陰性もあり増やしやすい特徴から、初めて植物を迎える方でも安心して育てることができます。高さのある鉢やハンギングに植えて、葉だけでなく子株が垂れさがるランナーも楽しんでみてはいかがでしょうか。
オリヅルランの花言葉
オリヅルランの花言葉は「集う祝福」「子孫繁栄」「守り抜く愛」「祝賀」です。
ランナーが伸びて子株を増やす姿が、子供や愛に例えられ花言葉となっています。子株が増えるほど縁起が良い植物と言えるでしょう。
「集う祝福」「祝賀」は、開店祝いや誕生日お祝いなどにぴったりの花言葉。また、「子孫繁栄」「守り抜く愛」という花言葉は、結婚祝いや新築祝いとしてのプレゼントに人気です。
オリヅルランの風水
オリヅルランには気持ちを落ち着かせる風水効果があります。葉が枝垂れるように下向きに生長する植物は、リラックス効果のある「陰の気」を帯びているためです。
忙しい毎日を過ごしている方でも、穏やかな気に包まれることで落ち着きを取り戻しやすいでしょう。落ち着いた環境では、対人関係が良好になりやすい効果もあります。
リビングや寝室に置くと、よりリラックスできる環境を作ることができるでしょう。
オリヅルランの育て方
日当たり | 日当たりのよい置き場所 |
温度 | 最低5℃以上をキープする |
耐寒性 | やや弱い |
耐暑性 | 強い |
水やり | 春夏:土の表面が乾いてから 秋冬:土の表面が乾いてから3~4日後 |
肥料 | 緩効性肥料、液体肥料 |
剪定時期 | 5~10月 |
置き場所と日当たり
オリヅルランは日当たりのよい環境を好みます。ただし夏の直射日光に当たると葉焼けしやすいため、注意が必要です。
耐陰性があるとはいえ、あまりに暗い場所では軟弱に育ち見栄えが悪くなります。屋外室内どちらも夏を除いて、日当たりのよい環境で育てることが重要。
ただし、屋外と室内に出したり入れたりすると紫外線量が変化して、植物の生育に悪影響です。育てる場合は、一つの場所に固定して育てましょう。
温度
オリヅルランは寒さに弱い植物です。最低5℃以上をキープして育ててください。
気温が5℃以下になると地上部の葉が茶色く枯れてしまいます。しかし、根が凍結せずに生きていれば、春以降の生育期に新芽が出てきて元に戻るので安心してください。
関東以西の暖かい地域では、屋外でも冬越し可能ですが葉は傷みます。葉を一年中美しく楽しみたい場合は、明るい室内の窓際で管理しましょう。
ただし、冬の窓際は屋外と変わらないくらいに冷え込みます。耐寒性はありますが、窓から離した明るい場所に置き、暖房の風が当たらないようにすると管理が簡単です。
水やりの頻度
- 春夏:土の表面が乾いてから
- 秋冬:土の表面が乾いてから3~4日後
春夏の生育期には、土の表面が乾いたら鉢底から水が流れるくらいに、しっかり水やりしてください。ただし、水のやりすぎや受け皿の溜め水は根腐れの原因になります。
水やり後は、受け皿に溜まった水は小まめに捨てることが重要です。気温の下がる秋からは土の渇き具合を見ながら、徐々に水やりを控えましょう。
冬は土の表面が乾いてから3~4日後に水やりしてください。オリヅルランは水を蓄える多肉質の根を持つため、乾燥に強い植物です。
冬に水をやりすぎると必要以上に吸水して、寒さによって根が凍結する恐れがあるため注意しましょう。もし、水やりの頻度に困ったときは、水やりチェッカーの利用もおすすめします。
肥料
オリヅルランには、植え替えの時に長期間ゆっくり効く緩効性肥料を、土に混ぜ込んでおくだけで十分です。土に肥料を混ぜ込んでいない場合は、置き肥や液肥を与えます。
生育期の5~10月に2か月に1度置き肥を置くか、水に薄めた液肥を2週間に1度のペースで水やり代わりに与えてください。冬は生育が緩慢な時期なので、肥料は与えません。
オリヅルランは生育旺盛な植物ですが、肥料を与えすぎると根が傷む原因になったり葉が茂りすぎたりします。肥料の与える量とペースを守って、綺麗に育てましょう。
剪定方法
剪定時期は5~10月です。傷んだり枯れたりした葉やランナーを剪定します。
葉が柔らかく生育旺盛なオリヅルランは、下葉が茶色く傷みやすい性質です。傷んだ葉は風通しが良くなるように、こまめに根元から取り除いてください。
ランナーがたくさん伸びてくると、栄養が分散してしまいます。子株に栄養が集中すると、親株の葉色が薄くなるので適度に剪定して数を調節しましょう。
剪定したランナーに付いた子株は、そのまま水栽培したり鉢に植えて増やしたりすることができます。
オリヅルランのよくあるトラブルと対処法
爽やかな葉が人気のオリヅルランですが、トラブルも存在します。
ここではトラブルが起きたときの対処法を解説していきます。あらかじめ対処法を知っておけば、いざ何かあっても安心です。
根腐れ
根腐れでは、以下の症状が見られます。
- 水をあげても元気にならない
- 土がなかなか乾かない
- 葉が落ちやすい
- 葉が茶色・黄色に変色している
- 幹や幹の根元が柔らかい
- 土から腐敗臭がする
- 土の表面にカビが生えている
- 根黒く変色している
根腐れは、土の中の酸素濃度が低下して土中の細菌叢が変化し、有機物の腐敗が進むことで有害なアンモニアが発生し、土壌環境が悪くなることで発症します。
また、常に土が湿っている状況では根が呼吸することができず、細胞が死んでしまいます。これが原因で、根から水を吸い上げることができなくなり、植物体に水を供給することができなくなることで死んでしまう現象です。
根腐れの対処法は以下。
- 鉢から植物を抜き、悪い土を落として水はけのよい土に交換する
- 根の傷んでいる部分、腐っている部分をカットする
- 少量の水を与え、風通しがよく明るい日陰で管理する
※1週間を目安に水が乾くコンディションで管理する - 発根剤を与えてみる
- 傷んだ葉を取り除く
- 枯れた枝を切り取る
根腐れが起こった場合は、鉢を入れ替えて土の環境を変えることが大切です。傷んでしまった根は取り除き、健康な状態が取り戻せるような環境を与えてあげましょう。赤玉土・ゼオライトなどを用土に混ぜ込むことで、水はけと根腐れを防止することができます。
枝先がダメになっている場合は、生きている部分までカットし、新しい葉を出すことで回復させます。根元から腐っている場合は、無事な部分で切り取り、挿し木にして発根させて回復させましょう。
根腐れが起こると、新芽を残すように古い葉を落とす現象が見られます。重度の根腐れの場合は、新芽や枝の先から枯れることがあるので注意が必要です。
根詰まり
根詰まりとは、鉢の中で根がいっぱいになることで起きる症状です。
根詰まりの症状は以下の通り。
- 水が浸透しづらくなる
- 底から根が出てくる
- 葉が黄色くなる
- 鉢にヒビが入る
特に春夏の成長期で一気に伸びてしまうと上記のような症状が起きてしまいます。すぐに枯れる要因にはなりませんが、放置してしまうとオリヅルランに悪影響です。
対処法はオリヅルランの植え替えをすること。
オリヅルランを現在の鉢より1つ上の大きい鉢に植え替えることで、上記の症状はほとんど解消されるでしょう。植え替えを行う時期も春夏の成長期が最も適しています。
葉焼け
葉焼けでは、以下の症状が起きます。
- 葉の色素が抜けて白くなっている
- 葉の一部が茶色く枯れている
強い日差しを浴びすぎると葉が傷んで「葉焼け」というトラブルが発生します。
葉焼けの症状に気がついたら、早めに置き場所を検討し直すことが必要です。
対処法は以下。
- 直射日光が当たっている場合はカーテンなどで遮光する
- 葉焼けした部分はカットする
葉焼けが起こるということは、日光が当たりすぎている可能性が高いため、直射日光に当てないような措置を取りましょう。
また、一度焼けてしまった葉は二度と元に戻りません。傷んだ葉はカットし、新しい健康な葉が生えてくるのを待ちましょう。
ハダニ
ハダニの症状は以下。
- 葉にクモの巣のような糸がついている
- 葉の裏に小さな虫がついている
- 葉に斑点や傷がある
- 葉の色が薄くなり枯れている
ハダニは繁殖力の強さと、薬剤耐性を持つとても厄介な害虫です。
放っておくと糸を張って大量発生する危険性もあるので、早めに対処を行いましょう。
対処法は以下。
- 傷んだ葉はカットする
- 葉の表裏、付け根や茎も水で洗浄する
- ハダニに効果のある液体を噴霧する(2倍に薄めた牛乳、重曹と水を混ぜたもの、濃いコーヒー、10倍に薄めた酢、殺虫剤)
ハダニが湧いてしまったら、市販の殺虫剤(ベニカファインスプレー・オルトラン)を使用するのが効果的です。2倍に薄めた牛乳などの液体を噴霧する対処法もありますが、匂いが気になる方には水で洗い流す方法もおすすめです。
そもそもハダニは、こまめな霧吹き・葉をふき取りきれいにすることを怠らなければ発生しません。
常にきれいな状態を保つために、霧吹きの購入は必須といえます。月に一度はシャワーで洗い流すなどの管理も必要です。
オリヅルランのよくある質問
最後にオリヅルランのよくある質問とその答えを以下にまとめました。
- オリヅルランはグランドカバーとして育つの?
- オリヅルランにおすすめの鉢は?
- オリヅルランのランナーはそのままでも大丈夫なの?
- オリヅルランの植え替え時期/植え替え方法は?
- オリヅルランの水栽培(ハイドロカルチャー)ができるの?
- オリヅルランの適切な増やし方は?
- オリヅルランは花が咲くの?開花時期は?
それでは具体的に見ていきましょう。
オリヅルランはグランドカバーとして育つの?
オリヅルランはグランドカバーとして育てることが可能です。ただし、寒さに弱いので関東以西の暖地に限ります。
ランナーで次々増えるオリヅルランは、地面を覆うグランドカバー向きの植物です。しかし、観葉植物としての斑入り品種は直射日光で葉焼けしやすく、寒さにも強くありません。
そのため、暖地の明るい日陰の環境であれば、グランドカバーとして活躍するでしょう。
オリヅルランにおすすめの鉢は?
オリヅルランはランナーが伸びる植物なので、高さのある鉢やハンギングがおすすめです。高い位置からランナーが垂れさがり、その先に子株ができる個性的な姿を楽しむことができます。
高さのある鉢がなければ、棚の上などに置いて枝垂れさせてはいかがでしょうか。置く場所のインテリアや色合いを考えた鉢にすると、おしゃれになります。
オリヅルランのランナーはそのままでも大丈夫?
オリヅルランのランナー数が少ないうちは、そのままでも問題ありません。
しかし、株の大きさにもよりますが1株に10本も20本も付けたままでは親株が弱ってしまいます。ランナーの先に子株が付く姿は可愛いですが、増えすぎると親株の栄養が分散する原因に。
親株の大きさや葉色の様子を見ながら、子株が育ったランナーは適度に剪定してください。葉が7~8枚付いた子株は、独立して十分に育つことのできる力を蓄えています。
オリヅルランの植え替え時期/植え替え方法は?
植え替え時期は、生育期の5~10月です。
オリヅルランは生育旺盛なので1~2年に一度のペースで植え替えましょう。また、水やりの時に土の吸水が悪かったり、鉢底から根が出てきたりした時も植え替えタイミングです。
鉢から取り外し、一回り大きな鉢に植え替えます。この時に根が固まっている場合は、土と一緒にほぐして黒く柔らかい根があれば取り除いてください。
植え替え後は直射日光の当たらない場所に置いて、土が乾燥しないように水やりをします。その後は、元の場所に戻して管理してください。
オリヅルランは水栽培(ハイドロカルチャー)ができるの?
オリヅルランは水栽培が可能です。水を入れたガラスやコップに剪定した子株を入れておくと、簡単に根が出てきます。
そのまま育てることもできますが、水中には根から出る老廃物を分解する微生物がいません。そのため、根が腐りやすい点に気を付けて下さい。
毎日水を入れ替えて、イキイキとしたオリヅルランに育てましょう。また、固形の焼土であるハイドロボールを使用した水栽培も、同様に楽しむことができます。
オリヅルランの適切な増やし方は?
適切な増やし方は「ランナー」「株分け」「種まき」です。
オリヅルランはランナーの伸びた先に子株ができます。その子株の葉が7~8枚ほどになったら切り取りましょう。
成長した子株には根が出ていることもあります。土に植えると簡単に増やすことが可能です。
長年育てたオリズルランは、株分けで育てることができます。生育期の5~10月に鉢から引き抜き、1株に2~3芽付くようにハサミやナイフで切り分けて植えてください。
オリヅルランのランナーには花が咲きます。開花後には種ができるので、その種を収穫して春に種まきをすることでも増やすことが可能です。
しかし、種まきから育てるには時間がかかるので、すぐに増やしたい方はランナーや株分けで増やしてください。
オリヅルランは花が咲くの?開花時期は?
生育期の5~10月中に、伸びたランナーの節から小花が咲きます。
オリヅルランの花は、6弁の白くかわいい花です。目立つ花ではないですがランナーが多いほど、咲き乱れる姿は爽やかな印象とは違い華やかな印象を受けるでしょう。
爽やかな葉や子株が垂れさがる姿が特徴的なオリヅルランですが、花も楽しむことができます。
オリヅルランのまとめ
オリヅルランは明るい環境であれば、一年を通して簡単に育てることができます。放射線状に広がる爽やかな葉とランナーの先にできる子株により、個性的なインテリアグリーンとして活躍するでしょう。
「集う祝福」「子孫繁栄」という花言葉は、開店祝いや結婚祝いなどのプレゼントにも最適です。気持ちを落ち着かせる風水効果は、忙しい毎日を過ごしている多くの方に喜んでもらえます。
ぜひ、爽やかなインテリアグリーンとして育ててみてはいかがですか。