「幸福が飛んでくる」という花言葉を持ち、華やかで上品な胡蝶蘭。お祝いや大切な人へのプレゼントにふさわしいお花です。
白色の胡蝶蘭が定番ですが、実は胡蝶蘭にはさまざまな花色があります。中でも紫色の胡蝶蘭は、落ち着いた色合いながら目を引く魅力があり、お祝いやプレゼントなどギフトにおすすめのカラーです。
今回は、紫色の胡蝶蘭の魅力や、どんなシーンに贈ると喜ばれるか、詳しく解説していきます。紫色の胡蝶蘭が持つ意味を知って、大切な人への贈り物にしてみてくださいね。
紫色の胡蝶蘭がギフトにおすすめな理由
紫色の胡蝶蘭は流通量があまり多くない、希少な胡蝶蘭です。
よく目にする色の胡蝶蘭ではないため、お祝いやプレゼントに贈っていいのか不安に思う人もいるかもしれません。たしかに、フォーマルなシーンでは白色の胡蝶蘭を贈るのがいい場合もあります。贈り先に失礼にならないかと迷った場合は、白色を選ぶといいでしょう。
しかし紫色の胡蝶蘭は、贈る相手を想って選べば、とても印象的なプレゼントになります。
そこで、紫色の胡蝶蘭がギフトにおすすめな理由を3つご紹介します。
- 目を引く珍しい色
- 高級感や特別感がある
- 紫色の持つ意味や効果
では順番に見ていきましょう。
①目を引く珍しい色
胡蝶蘭の紫色は、目を引く珍しい色合いが特徴的です。
そのため、開業祝いやお祝いパーティーなどたくさんの胡蝶蘭が集まるような場でもよく目立ちます。ほかの胡蝶蘭と差をつけたいときにおすすめです。
特に胡蝶蘭をもらうことが多い立場の人には、白やピンクなどの定番とは違った胡蝶蘭を贈ればサプライズにもなります。個性的な花が好きな人へのプレゼントにもいいですね。
また、紫の持つ上品なイメージや芸術的なイメージから、紫色をコーポレートカラーにしている企業も多くみられます。コーポレートカラーや店舗のイメージカラーなどに合わせて贈ると喜ばれます。
②高級感や特別感がある
紫色の胡蝶蘭は珍しく、あまりたくさん出回らないため、特別なプレゼントにぴったりです。
また、「高貴」「気品」というイメージがある紫色には、高級感もあります。かつて紫色は染料が貴重だったため、日本でも海外でも貴重な色でした。そのため位の高い人しか身につけることができない高貴な色として使われてきました。
さらに胡蝶蘭自体も、育成までに多くの手と時間がかけられている高級な花です。肉厚で上質な花の大きさや向きが揃った胡蝶蘭を作り上げるには、職人の技術が要ります。
手をかけて丹念に育てられた紫色の胡蝶蘭は、まさに大切な人へのプレゼントにふさわしいお花です。
③紫色の持つ意味や効果
ほかにも紫色には、心身を癒すリラックス効果や、感性を豊かにしてくれる心理効果もあります。
動の色である赤と、静の色である青が混ざってできる紫色。赤と青の調和が取れた紫色には、心のバランス感覚を養って不安やストレスを和らげる効果があると言われています。
健康や回復を願う、退院祝いや長寿祝いにもおすすめです。
同時に、赤と青が織りなす複雑な色合いとしても捉えられ、インスピレーションを高める効果があるとも言われます。深い紫には宇宙のイメージなど、神秘的でミステリアスな印象も与えます。スピリチュアルな魅力を感じる人も多いようです。
個展の開催祝いや、雑貨店や美容室など個性のあるお店の開店祝いなどに贈るのも良いですね。
紫色の胡蝶蘭を贈ると喜ばれるシーン
ちょっと個性的な紫色の胡蝶蘭。誕生日プレゼントや母の日など相手の好みが分かっている場合は迷わずに贈ることができますが、ビジネスシーンや贈り先によっては悩むこともありますよね。
実際はどのような場面で贈るのがふさわしいのでしょうか。紫色の胡蝶蘭を贈ると喜ばれるシーンは、主に次の4つです。
- 就任・昇進祝い
- 開業・開店・開院祝い
- 退職祝い
- 長寿祝い
具体的なマナーやポイントと一緒に、解説していきます。
就任・昇進祝い
会長や社長、役員などの就任祝いには、華やかな胡蝶蘭が喜ばれます。
たくさんの胡蝶蘭が集まる祝賀会や就任式では、より豪華で高級感のある紫色の胡蝶蘭を贈るといいでしょう。ほかの胡蝶蘭と差をつけることができます。
しかし、贈り先の好みや贈る相手との関係性には注意が必要です。フォーマルできっちりとしたイメージのある企業や相手には、コーポレートカラーなどの特別な理由がない限り、定番の白を選ぶ方が喜ばれることもあります。
親しい間柄でサプライズの気持ちを込めたい時や、華やかなお祝いがお好きな方へのプレゼントには紫色の胡蝶蘭がぴったりです。
就任祝いや昇進祝いで胡蝶蘭を贈る際には、必ず贈り主を明記した立て札をつけましょう。
開業・開店・開院祝い
開業や開店祝いにも、紫の胡蝶蘭は人気です。
開業や開店時には、オープンをアピールするためにも贈られた胡蝶蘭を店先に並べます。紫色の胡蝶蘭なら通りすぎる人々の目にも止まり、華やかに盛り上げられます。
また、病院などの開院祝いにもおすすめです。紫色には、リラックス効果や心身を癒す効果があると言われています。贈り先へはもちろん、来院される患者さんにも配慮したプレゼントになるでしょう。
紫色の持つ効果や胡蝶蘭の花言葉「幸福が飛んでくる」についても一言添えて贈ると、贈り相手とお客さんのコミュニケーションが弾むきっかけになるかもしれません。
開業・開店・開院祝いの立て札には、贈り主だけでなく贈り先の店舗名や企業名も明記しましょう。オープンした店の名前を周知する効果があります。
退職祝い
長年勤め上げた仕事を退職される特別なお祝いには、珍しい紫の胡蝶蘭を贈ってみませんか。退職後のおうち時間に、育てやすい胡蝶蘭はぴったりです。
また、紫色の持つインスピレーションを高める効果は、退職後にやりたいことや趣味への応援にもぴったり。
定年退職される方へのプレゼントはもちろん、転職など夢に向かって進む同僚や友人へのプレゼントにも向いています。これからの新生活を楽しんでもらいたいという気持ちを添えて贈ってみましょう。
退職祝いに胡蝶蘭を贈る場合は、贈り先の都合を聞いて自宅に贈ると親切です。特に電車通勤の場合は、小さい胡蝶蘭でも持って帰るのが大変。後日自宅へ持って伺うなど、相手の負担にならないようサイズには注意しましょう。
長寿祝い
紫の胡蝶蘭は、人生の節目を祝う長寿祝いにもふさわしいギフトです。
還暦祝いの赤色は有名ですが、長寿祝いにはそれぞれの年齢でテーマカラーがあります。中でも、古希(70歳)・喜寿(77歳)・卒寿(90歳)のテーマカラーは紫色です。
昔は70歳まで生きることが珍しかったため、高貴なイメージの紫色がテーマカラーになりました。気品のある色を用いることで尊敬の意を表し、長生きしてほしいという意味が込められています。
胡蝶蘭は水やりの頻度も少なくていいので、ご年配の方でも負担になりにくいメリットがあります。扱いやすいミニサイズの紫胡蝶蘭を選ぶのがいいでしょう。
紫色の胡蝶蘭|値段相場
紫色の胡蝶蘭の主なサイズと価格相場は下記の通りです。
大輪胡蝶蘭3本立ち | 3万円前後 |
大輪胡蝶蘭5本立ち | 5万円前後 |
ミディ胡蝶蘭3本立ち | 1万円〜1.5万円 |
マイクロ胡蝶蘭1本立ち | 5000円前後 |
大輪では花茎1本1万円前後、ミディサイズでは花茎1本4000円〜5000円程度が相場です。
定番の白色胡蝶蘭と比べると、平均の相場では大きな違いが見られません。しかし白色は流通量が多く取扱業者や品質にもバリエーションがあるため、さらに安く手に入れることもできます。
その点紫色は商品自体が少ないため、価格にあまり差がありません。
逆に言えば、紫色の胡蝶蘭は生産者がわずかなため品質にばらつきが少なく、高い品質の胡蝶蘭を選択しやすいというメリットがあります。
紫色の胡蝶蘭|人気の品種
紫色の胡蝶蘭には、品種による天然の紫色と、紫色の染色液を吸わせた染め胡蝶蘭の2種類あります。
天然の紫色胡蝶蘭は青みよりもピンクの要素が強く、濃いピンクに近い色合いです。ピンクよりは深い色合いで、落ち着いた印象があります。
一方染めの胡蝶蘭は、青みの強い紫色が特徴です。珍しく印象的で、より紫のイメージに近い胡蝶蘭です。
具体的によく出回る紫色の品種は、下記の4点です。
- パープルエレガンス
- ピンクハロー
- 満天紅
- 紫式部
ひとつずつ見てみましょう。
パープルエレガンス
パープルエレガンスは、特殊な技術で染料を吸い上げさせて染めた胡蝶蘭です。世界でも4カ国でしか販売されていない珍しい大輪の品種で、日本では愛知県にある胡蝶蘭農園のみが生産しています。
花の大きさは15cm前後で、どんなお祝いの場でも引けを取らない華やかさを持っています。
染料の吸い上げで生じる繊細なグラデーションも、個性的で目を引きます。
ただし株や花によって色の濃さが異なり、置き場所によっても見え方に違いがあります。日の当たる場所では柔らかく見えますが、祝賀会などの照明の下ではやや濃くはっきりとした印象に見えることもあります。
ピンクハロー
濃いピンク〜紫色で、花びらのフチが白い覆輪の胡蝶蘭です。
大輪よりもやや小さめの中大輪で、花の大きさは10cmほど。胡蝶蘭らしい豪華さがありながら、飾りやすいサイズ感が特徴です。
胡蝶蘭では珍しい白いフチが、光を指すように輝いて見えるのが美しく、濃い色でも明るい印象があります。
なお品種名のハローとは、後光・栄光という意味の「Halo」だそう。開業・開店祝いや栄転祝いなど、さらなる躍進を期待するお祝いにはぴったりです。
満天紅
濃いローズピンク〜赤紫色の色合いが美しく、華やかなミディ胡蝶蘭です。
花の大きさは5〜6cmと小ぶりながら、艶やかな色合いで存在感があります。花の向きが不揃いなのが特徴的で、星を散りばめたような煌めきとボリュームがあるのが魅力です。
花茎が上に向かって伸びる性質があり、支柱で曲げずにまっすぐ仕立てている商品もあります。
飾りやすいコンパクトさですが花付きもよく、スペースがない場所でも華やかさがほしい時におすすめです。
紫式部
花のサイズが2cmほどの、小さなマイクロ胡蝶蘭です。
天然の紫色ながら青みが強く、ほんのり淡い紫の花びらと濃い紫色のリップのコントラストが美しい品種です。小ぶりの花が上品で、ギフトにも自宅用にもおすすめ。
まだ新しい品種で出回り量は多くありませんが、育てやすく人気があります。
花茎の先端が伸び続ける性質を持ち、長い花茎にたくさんの花をつけてくれます。
紫色の胡蝶蘭|基本のお手入れと育て方
胡蝶蘭は、環境が合えばとても育てやすい植物です。
高級で繊細なイメージがありますが、実は生命力も強く丈夫。多少水やりを忘れてしまっても、すぐには枯れにくい強さがあります。また、綺麗な花を2ヶ月以上も楽しむことができるのも魅力です。
胡蝶蘭の花を長持ちさせ、来年も咲かせるには、下記の4つがポイントです。
- 日当たり
- 温度
- 水やり
- 植え替え
贈る際には、育て方も一緒に伝えると親切ですね。では具体的に解説していきましょう。
日当たり
胡蝶蘭は、直射日光の当たらない日当たりの良い場所を好みます。具体的には、レースカーテン越しの明るい窓際が適しています。
日当たりが良くないと花が長持ちせず、すぐにしおれてしまうことがあります。
しかし直射日光が当たると、葉焼けを起こし、花が一気に落ちてしまいます。葉が焦げたように部分的に変色したら、葉焼けを疑いましょう。置き場所を変えるなどして対策します。
温度
胡蝶蘭は、高温多湿な東南アジア原産の植物です。そのため、暖かく湿度の高い環境を好みます。寒さに弱いですが、暑すぎる環境も苦手という性質があります。
また、風通しの良さも大切。空気の流れが良くない場所や、機密性の高い場所はあまり適していません。風通しが悪いとうまく生育できず、根腐れを起こして枯れることもあります。
日本の家の中では、人間が快適な温度を保てる場所が適しています。具体的には、明るいリビングや寝室がおすすめです。
水やり
胡蝶蘭の水やりは、10日に1回程度が目安です。
胡蝶蘭は少ない水分で育つことができる植物なので、こまめに水やりをする必要がありません。乾燥に耐えられるよう、根には水を蓄える仕組みがあります。そのため水をあげすぎると、根腐れを起こしやすいのが特徴的です。
しかし、夏など暑い時期は水が乾きやすいので、3〜4日に1回あげたほうがいいこともあります。植え込み材を指で触ってみて、しっかりと乾いているのが確認できてから水をあげましょう。量はコップ1杯程度が基本です。
植え替え
贈答用の胡蝶蘭は、1株のポット苗をいくつか寄せ植えしてあります。しかし寄せ植えの状態で育てていると、通気性が悪く根腐れしてしまいます。贈答用の胡蝶蘭をずっと育てるには、お花が終わったら植え替える必要があります。
基本は、水苔を使って素焼き鉢に植え替えます。植え替えは花が終わった4〜6月頃が適期です。
水苔栽培のほかにも、バークで植えたり板につけて吊るす栽培方法もあります。植え替えについてはこちらの記事も参考にしてみてください。
紫色の胡蝶蘭に関するよくある質問
紫色の胡蝶蘭に関するよくある質問をまとめてみました。
- 二度咲きさせたら花の色はどうなる?
- もらった胡蝶蘭の花が終わったらどうする?
贈る際の参考にしてみてくださいね。
二度咲きさせたら花の色はどうなる?
染料で紫色に染めている胡蝶蘭は、本来白色の品種です。そのため、購入時に咲いているお花が終わった後は、白色の花が咲きます。
また、水やりをしているうちに染料が薄まって、花の色がやや薄くなってくることもあります。染め胡蝶蘭をプレゼントするときには、色が薄くなる可能性があること、次に咲く花は白に戻ることを一言添えて贈るとびっくりされません。
品種による天然の紫色の胡蝶蘭は、何度咲いても同じ色です。
もらった胡蝶蘭の花が終わったらどうする?
もらった胡蝶蘭のお花が終わったら、二度咲きに挑戦してみましょう。
お花が終わった茎を根元から3節ほど残して切り戻すだけでOK。茎を切るときは、ハサミをライターなどで炙って消毒してから使いましょう。植え替えが必要ないので、特別な道具がなくてもすぐにできますよ。
花が全部終わってからだと株の体力が残っていないこともあるので、できれば残り2〜3輪くらいで切り戻すと成功しやすいでしょう。切り戻した後は2週間ほど水やりを控え、その後は水の上げすぎに気をつけながら育てます。
1ヶ月ほどで花芽をつけ、2〜3ヶ月ほどで二番花を咲かせてくれます。二度咲きが終わったら花茎を根元から切り戻して、来年の花に備えて育てます。
関連記事:胡蝶蘭の花が終わった後の育て方|剪定方法や二度咲きのコツ
まとめ
お祝いの場を華やかに演出したり、感謝や尊敬の気持ちを込めて贈るのにはぴったりの紫色の胡蝶蘭。あまり見かけることが少ない色合いなので、贈り先へのサプライズにもなります。贈られた相手にとっても、きっと印象に残るプレゼントになるでしょう。
また、胡蝶蘭の株は寿命が10年以上と、とても丈夫な植物です。自生の胡蝶蘭は50年以上も毎年花を咲かせることがあるそう。その生命力みなぎる姿は、長寿や繁栄を願うのにとてもふさわしいギフトです。
紫色の胡蝶蘭に特別な思いを込めて、大切な人へぜひ贈ってみてくださいね。