商品を探す

KEYWORD

キーワード検索

CATEGORY

商品カテゴリー

多肉植物の葉焼け

多肉植物の葉焼け|黒く焦げる原因や復活方法について解説

多肉植物を育てていると、「葉が黒く焦げた」といった経験はないでしょうか。お気に入りの多肉植物ほど、葉焼けで見栄えが悪くなると悲しい気持ちになると思います。

今回は、多肉植物の葉焼けについて詳しく解説します。黒く焦げる原因や復活方法について知っておくと、葉焼けが起きても安心です。

葉焼けしにくい多肉植物や育て方について解説しますので、初めて多肉植物を育てる方もぜひ参考にしてみてください。

葉焼けした多肉植物の復活方法を知りたい方はこちらをタップすると、該当見出し本文に飛べます。

[https://andplants.jp/collections/caregoods]

多肉植物の葉焼けとは

葉焼けとは、強い直射日光によって葉緑素が破壊されて、葉が茶色~黒色、または白色と変色してしまう症状です。葉緑素は葉色にも大きく関わっているため、機能不全に陥ると、葉色も大きく変化します。

水分を多く蓄える性質がある多肉植物であっても、葉焼けは発生します。私たち人間が日焼けするように、多肉植物も葉が焼けると考えてください。

葉焼けした部分は光合成ができないため、生育に悪影響を及ぼします。株全体が葉焼けすると、そのまま枯れてしまうことも。

直射日光が強い真夏の時期は、特に注意してください。

茶色~黒色に変色する葉焼けは、ダニによる被害と間違われることがあります。葉焼けとダニ被害の違いは、以下の3点です。

  1. 斑点の集合体であるかどうか
  2. 被害部分に凹凸かあるかどうか
  3. 日光が当たる部分かどうか

ダニによる被害は、被害部分をよく観察すると、斑点の集合体です。吸汁された部分が黒くなり、さらに凹凸が生まれます。

また、葉の裏や日光が当たらない部分に症状が現れている場合は、ダニによる被害である可能性が高いです。

多肉植物によって葉焼けのしやすさは異なる

多肉植物は、特徴によって葉焼けのしやすさが異なります。主に葉焼けしにくい特徴は、以下の3つです。

  1. 葉が厚い
  2. ブルームが葉にある
  3. 葉に微毛が生えている

多肉植物は、葉や枝が厚いほど、多くの水分を蓄えています。葉が厚いほど、組織の葉緑素は壊されにくいです。

エケベリアやセダムなどの一部の多肉植物には、ブルームと呼ばれる果糖が葉や枝などに発生します。ブルームは葉を強い直射日光から守ったり、余分な水分放出を防ぐ役割を持っています。

その結果、白い粉がかかったような「粉系エケベリア」と呼ばれるタイプは葉焼けしにくいです。葉に微毛が生えている多肉植物も同様です。

上記3つの特徴に当てはまらない多肉植物は、比較的葉焼けしやすいので、日当たりには特に注意して育てるとよいでしょう。

多肉植物が葉焼けする原因

多肉植物が葉焼けする原因

多肉植物が葉焼けする原因は、以下の5つです。

  1. 強い直射日光
  2. 高温
  3. 風通しの悪さ
  4. 急な環境変化
  5. 水やり後の水滴

葉焼けと聞くと、「直射日光に気を付けなきゃ」と思う方が多いと思います。もちろん、考え方は間違っていないのですが、実は直射日光以外にも原因があります。

ここでは直射日光も含めて、葉焼けを引き起こす原因を見ていきましょう。

強い直射日光

多肉植物は、真夏の強い直射日光によって葉焼けしやすいです。真夏の強い直射日光には、多くの紫外線が含まれています。

紫外線に当たり続けると、多肉植物の葉緑素は破壊されてしまいます。

気象庁の紫外線に関するデータによると、午前10時~午後2時の時間帯が紫外線が強い時間帯だそうです。

夏の午前10時~午後2時頃の強い直射日光を避けるだけでも、葉焼けをする確率が下がるでしょう。

高温

多肉植物の生育温度を超える30~35℃以上の日中や、25℃を下回らない熱帯夜が数日続く場合、高温によって葉焼けしやすいです。

長期間、高温環境下に晒されると、多肉植物は「高温障害」と呼ばれる症状を引き起こします。高温障害には、さまざまな症状がありますが、そのうちの1つが葉焼けです。

高温によって、葉緑素が生成されにくくなり、葉が変色します。

そのため、直射日光に長期間当てていないにもかかわらず葉焼けしている場合は、高温障害によって葉焼けしているのかもしれません。

真夏は日当たりだけでなく、置く場所の温度にも注意してください。

風通しの悪さ

風通しが悪い環境では、熱がこもりやすいため、多肉植物は葉焼けすることがあります。

日当たりに注意していても、風通しが悪いと高温環境になりやすいので、注意してください。真夏は30℃を超える日が多く、日陰であっても風通しがなければ、高温になりやすいです。

周囲がコンクリートである場合は、日光の反射熱や温められた際に発生する熱によって、より高温になることもあります。

高温障害による葉焼けにならないように、風通しにも注意してください。

急な環境変化

多肉植物を暗い場所から急に直射日光に当たる場所へ移動させるだけでも、葉焼けは発生しやすいです。急な環境変化は、多肉植物にストレスを与えます。

暗い場所で育ってきた多肉植物の多くは、葉緑素を含めて細胞組織が軟弱になっています。ストレスと直射日光によって、細胞は壊れてしまい、葉焼けの症状が現れやすいです。

季節を問わずに、暗い場所から直射日光が当たる場所に移動させる場合は、注意しましょう。

水やり後の水滴

水やり後の水滴

直射日光に当たる屋外での水やり後に、多肉植物が葉焼けすることがあります。多肉植物の葉に付いた水滴が、虫メガネのレンズのように集光するためです。

小さな水滴の場合は問題ありませんが、エケベリアやハオルチア、セダムなどのように水が溜まりやすい形状の多肉植物は注意してください。

特にブルームのあるハオルチアは、頭上から水やりすると、水をはじき大きな水滴を作ります。大きな水滴ほど、蒸れにもつながります。

水が溜まりやすい形状をした多肉植物への水やりは、葉に水がかからないように気を付けましょう。

葉焼けした多肉植物の復活方法

葉焼けした多肉植物の復活方法

葉焼けした多肉植物の復活方法は、以下の通りです。

  1. 葉焼けした葉を取り除く
  2. 日当たりを改善する
  3. 風通しをよくする
  4. 重症の場合|葉挿しや挿し木で増やす

それぞれ見ていきましょう。

①葉焼けした葉を取り除く

多肉植物が葉焼けした場合、葉焼けした葉を取り除いてください。葉焼けした部分は元に戻らないため、以下のようなデメリットもあるためです。

  • 新芽が出にくい
  • 病害虫発生につながる
  • 見栄えが悪い

葉焼け部分を取り除くだけで、茎や枝から新芽が出やすくなります。また、水に濡れて腐ったり、カビが生えたりする2次被害を防ぐことも可能です。

葉焼けした葉は、そのまま放置しないようにしてください。ただし、葉焼け部分が葉先だけで被害が少ない場合は、そのままでも問題ありません。

古葉となって自然に枯れ落ちるのを待つと良いでしょう。

②日当たりを改善する

多肉植物が葉焼けした場合は、置き場所の日当たりを改善します。葉焼けした日当たり環境を変えないと、葉焼けの症状はさらに悪化するためです。

具体的な改善方法には、以下の2つの方法があります。

  1. 置き場所を変更する
  2. 寒冷紗や遮光シェードで光を和らげる

多肉植物の置き場所を変更する方法がおすすめです。夏場だけ明るい日陰や室内のレースカーテン越しの場所に移動させます。

置き場所を変更するだけでも、葉焼けの進行を止めることができるでしょう。さらに、新芽が伸びてくると、葉焼けは気にならなくなります。

移動させる置き場所がない場合は、寒冷紗や遮光シェード、よしずなどを利用して直射日光を和らげてください。

適切な遮光率は、直射日光の強さや当たる時間、多肉植物の種類によって異なります。多肉植物の様子を見ながら、遮光率を変更していくのがおすすめです。

筆者はエケベリアを多く育てていた時は、真夏は常に遮光率50%で育てていました。環境や品種によっては、50%でも葉焼けすることはありますので、真夏は葉の状態を観察しておくと安心です。

③風通しをよくする

葉焼けした多肉植物の復活には、風通しをよくする方法も効果的です。風通しを確保して、温度が上がりすぎないようにすると、葉焼けが発生しにくくなります。

また、蒸れや病害虫の被害も防ぐことができます。健康的な状態を維持できれば、新芽も出やすく元通りに復活してくれるかもしれません。

置き場所を変えたり、サーキュレーターを設置したりして、風通しを良くしましょう。

④重症の場合|葉挿しや挿し木で増やす

重症の場合|葉挿しや挿し木で増やす

多肉植物の株全体が葉焼けしているような重症の場合は、葉挿しや挿し木、株分けなどで増やしてください。

株全体が葉焼けしている場合は、株そのものが復活するには時間がかかります。状態によっては、そのまま枯れるかもしれません。

無事な葉や枝、子株があれば、増やして小さな株から育てた方が安心です。筆者は、中心部以外が黒く焦げたエケベリアを胴切りして、復活させたことがあります。

葉焼けの症状によっては、無事な葉や枝などを利用して子株を作ることをおすすめします。

増やし方については、「多肉植物の増やし方」の記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

葉焼けしにくい多肉植物

葉焼けしにくい多肉植物

ここでは、葉焼けしにくい多肉植物を3種類紹介します。

  1. 柱サボテン
  2. カランコエ・ファング
  3. エケベリア・ラウリンゼ

葉焼けに悩んでいる方、屋外で多肉植物を育てたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

柱サボテン

柱サボテン
日当たり 日当たりのよい置き場所
温度 最低0℃以上をキープする
耐寒性 強い
耐暑性 強い
水やり 春夏:手で土を触って水分を感じなくなったら(鉢の中央部分までしっかり乾いてから)
秋冬:葉にしわができてから(冬は月に一回程度で十分)

柱サボテンは、背丈が高く成長する姿から名付けられた多肉植物の一種。どの品種も柱のように伸びているのが特徴です。

茎の内部に水分を蓄えていてお水やりの手間が少なく、葉焼けに強い性質があります。サボテンのほとんどが、直射日光下の強い日差しを好むためです。

柱サボテンも気温に注意すれば、一年中屋外で管理できます。直射日光の当たるベランダや玄関外にも適しています。

[https://andplants.jp/collections/peruvianapple]

カランコエ・ファング

カランコエ・ファング
日当たり 日当たりのよい置き場所
温度 最低10℃以上をキープする
耐寒性 弱い
耐暑性 強い
水やり 春夏:手で土を触って水分を感じなくなったら(鉢の中央部分までしっかり乾いてから)
秋冬:手で土を触って水分を感じなくなったら(鉢の中央部分までしっかり乾いてから)2~3日後

カランコエ・ファングは、マダガスカル原産の多肉植物で、フェルト生地のように微毛に覆われた葉が特徴です。独特な葉色や質感を楽しむカランコエで、シックな雰囲気があります。

カランコエ・ファングは夏型の多肉植物です。比較的、暑さに強い多肉植物で、葉は微毛に覆われているため、葉焼けに悩まされることも少ないでしょう。

おしゃれな多肉植物を、直射日光の当たるベランダやお庭で育てたい方は、ぜひカランコエ・ファングを選んでみてください。シックな葉色は、鮮やかな色合いを引き立ててくれるので、寄せ植えにもおすすめです。

[https://andplants.jp/collections/kalanchoefang]

エケベリア・ラウリンゼ

エケベリア・ラウリンゼ
日当たり 日当たりのよい置き場所
温度 最低10℃以上をキープする
耐寒性 弱い
耐暑性 強い
水やり 春秋:手で土を触って水分を感じなくなったら(鉢の中央部分までしっかり乾いてから)
夏冬:手で土を触って水分を感じなくなったら(鉢の中央部分までしっかり乾いてから)1週間後

エケベリア・ラウリンゼは、白い粉を帯びたような肉厚な葉が端正に並ぶ多肉植物です。葉はブルームに覆われていることもあり、強い直射日光にも耐える性質です。

しかし、真夏の直射日光に当て続けると、葉が茶色~黒色に葉焼けするので、遮光をしてください。

ラウリンゼは、通常は青白い葉色ですが、冬~春にかけて淡いピンクに紅葉します。季節によって、まったく異なる姿を楽しめるので、葉焼けに強く美しいエケベリアを探している方におすすめです。

[https://andplants.jp/collections/echeverialaulindsa]

葉焼けしにくくする多肉植物の育て方

葉焼けしにくくする多肉植物の育て方

葉焼けしにくくする多肉植物の育て方を、以下の5つのポイントにまとめてみました。

  1. 日当たりと置き場所
  2. 温度
  3. 水やりの頻度
  4. 肥料
  5. 剪定

基本的な育て方もおさらいしておくと、より知識が深まります。詳しくは、多肉植物の育て方の記事をチェックしておくとよいでしょう。

日当たりと置き場所

多肉植物は日当たりと風通しのよい環境を好みます。ただし、真夏の直射日光に当たると葉焼けする可能性があるため、注意が必要です。

品種によって葉焼けのしやすさは異なりますが、真夏の直射日光に当て続けることは避けましょう。葉焼けするほどの直射日光が当たる場合は、置き場所を変えたり寒冷紗や遮光シェードで光を和らげたりしてください。

室内で管理する場合は、レースカーテン越しの柔らかい光で管理すると安心です。

温度

多肉植物は、生育型によって好む温度が異なります

  1. 春秋型:10~25℃
  2. 夏型:20~30℃
  3. 冬型:5~20℃

春秋型は、夏に生育が緩慢になり、冬は休眠。夏型は、春秋は生育が緩慢で冬に休眠して、冬型は夏に休眠します。

いずれの生育型も、30℃を超えると高温障害によって葉焼けの症状が現れやすいです。特に冬型は、生育温度は低いため、真夏は温度に注意が必要です。

なるべく涼しい場所に移動させたり、サーキュレーターで風通しをよくして管理しておくと、葉焼けを防げるでしょう。

水やりの頻度

どの多肉植物であっても生育期の水やりは、手で土を触って水分を感じなくなったら(鉢の中央部分までしっかり乾いてから)、鉢底から水が流れるくらいにしっかり行うことが基本です。

もし生育期の水やりの頻度に困ったときは、水やりチェッカーを使うと管理がしやすいです。

春秋型や夏型の多肉植物には、冬の水やりは控えてください。葉にしわが寄るくらいのタイミングで水やりをします。または、月に1回程度で十分です。

水やりチェッカーは、下記ページより詳しく見れます。

[https://andplants.jp/products/watering_checker_sustee_large_single]

肥料

生育期に2か月に1度置き肥を置くか、水に薄めた液肥を2週間に1度のペースで水やり代わりに与えてください。それぞれ生育が緩慢な時期や休眠期には、肥料は与えません。

多くの多肉植物は、真夏は生育が緩慢です。真夏に肥料を与えすぎると、根が傷み、結果的に株が弱ります。

株が弱ると、葉焼けもしやすくなるので、真夏の肥料は控えた方が安心です。

剪定

多肉植物の剪定時期は、それぞれの生育期です。枯れた葉や伸びた茎を切り戻します

品種や環境によって茎の伸びやすさは異なりますので、多肉植物が徒長したら形を整えるように剪定してください。剪定した箇所の節目から新芽が出てきます。

ぷっくりした葉が特徴のエケベリアやハオルチアなどは下葉が枯れてきたら、ピンセットで取り除くとよいでしょう。茎が伸びやすいセネキオやセダムなどは好みの長さで剪定してください。

葉焼けした葉を剪定したい場合は、なるべく葉ごと取り除くと、病原菌の侵入を防ぐことができます。

剪定バサミは、下記のような切れ味の良いものを使用するのをおすすめします。切れ味が悪いと、かえって植物を傷つけてしまうからです。

[https://andplants.jp/products/sakagen-flower-shears]

まとめ

多肉植物を育てる方の多くは、真夏の葉焼けに頭を悩まされることが多いと思います。筆者は、毎年葉焼けをしないように注意して管理しています。

ここで紹介した「葉焼けの原因」「葉焼けした時の復活方法」を知っておくだけで、葉焼けした場合に安心して対策をすることができるでしょう。

もし「多肉植物を育ててみたいけど、葉焼けが怖い」といった方は、紹介している葉焼けしにくい植物から育ててみてください。直射日光の管理に慣れてくれば、より多くの多肉植物を、葉焼けさせることなく育てられるかもしれません。

ぜひ、葉焼けのない美しい多肉植物を楽しんでください。

[https://andplants.jp/collections/caregoods]
田中 秀和
小さな時から花や観葉植物が好きで、田舎の野山を駆け回っては植物を採集して育てていました。 今でも自宅では多肉植物やサボテン、コーデックスを中心に様々な観葉植物を育てています。 総合園芸店で働いていたこともあり、植え替えやお水やりなどの管理、販売、お客様からのご相談ご依頼を経験。観葉植物の素敵な魅力や育て方を、目の前にいるような感覚でお届けできればと思います。 一緒にかけがえのない一鉢を見つけましょう。

PICKUP ITEMS

特集