開店祝いや発表会など、さまざまなシーンで贈られるフラワーアレンジメント。美しくデザインされたお花を、できるだけ長く飾っておきたいと思う人も多いでしょう。
そこで今回は、フラワーアレンジメントをきれいに保つお手入れの方法をご紹介します。
フラワーアレンジメントのお手入れは、お花に慣れていない人でも比較的難しくありません。少しの手間をかけてあげれば、きっと長持ちしてくれますよ。
また、お花が枯れてきた時の対処法や処理の仕方も解説しています。ぜひ参考にしてみてください。
[https://andplants.jp/collections/arrangement]アレンジメントを飾る時、まずすること
フラワーアレンジメントを受け取ったら、飾る前にまず次の2つを行なってください。
- ラッピングを外す
- 吸水性スポンジに水をあげる
順番に詳しく解説していきます。
①ラッピングを外す
フラワーアレンジメントを覆う透明なセロハンラッピングは、できるだけ早く外しましょう。
セロハンは、移動時にお花を保護する一時的なものです。持ち運びの際にお花に傷がつかないようにするためにつけられています。
しかし長い間セロハンをつけたままにしていると、お花が蒸れて傷みやすくなってしまいます。置き場所を決めたら外してください。
なお、吸水性スポンジと容器の間に施されているセロハンは、水が漏れないようにするためにつけられています。取り除くと水が漏れてきてしまう可能性があるので、そのままにしておきましょう。
②吸水性スポンジに水をあげる
「フローラルフォーム」「オアシス」などとも呼ばれる吸水性スポンジは、保水力に優れ、挿したお花をしっかり固定する役割を持っています。お花は吸水性スポンジから水を吸い上げるため、吸水性スポンジが乾くとすぐに枯れてしまう可能性が高いです。
届いたばかりのフラワーアレンジメントは、移動の間に吸水性スポンジが乾き始めているかもしれません。そのため飾る前に一度、たっぷり水をあげるようにしましょう。
水やりは吸水性スポンジの表面に染み込むようにゆっくりかけてください。勢いよく水をあげると、容器に水がかかったり、溢れたりするためです。細い口のジョウロであれば、吸水性スポンジに挿している花を避けて、安心して水をあげられます。
[https://andplants.jp/products/wateringcankeinnsmall]アレンジメントのお手入れ①|水やりの方法と注意点
フラワーアレンジメントに水をあげる方法や注意点は、次の3つです。
- 吸水性スポンジの表面が乾いてきたら与える
- 水の量は容器の8分目が目安
- 容器に溜まった水は捨てる
フラワーアレンジメントはもらってそのまま飾れるため、つい水をあげ忘れてしまう人も少なくありません。しかしそのままにしていると次第に吸水性スポンジが乾き、お花が早く枯れてしまうことがあります。
花瓶の水を替えるように、フラワーアレンジメントにもこまめに水やりをしてあげると長く楽しめますよ。
では、それぞれのポイントを見ていきましょう。
吸水性スポンジの表面が乾いてきたら与える
吸水性スポンジは一度完全に乾いてしまうと、その後は水を吸収しなくなってしまいます。そのため、乾ききる前に水やりをする必要があります。
一般的によく使われているのは、緑色の吸水性スポンジです。水が含まれている時は深い緑色に見えますが、乾いてくると明るい緑に変化します。
吸水性スポンジの表面を触ってみて乾き始めていたら、水やりのタイミングです。表面が完全に乾く前に、水をあげましょう。
1〜2日に一度、お花の隙間から吸水性スポンジの表面をチェックしてみてください。
水の量は容器の8分目が目安
ゆっくり注ぎながら、容器の8分目程度の水を入れます。水の量が少なすぎると、吸水性スポンジの中心部に水が行き渡らないためです。
また、勢いよく水を注ぐと吸水性スポンジが吸収できず、器から水が溢れてしまうかもしれません。水をゆっくり注ぐことで、吸水性スポンジ全体に水が浸透します。
なおフラワーアレンジメントは、水が漏れないように工夫されています。一般的に、プラスチックのケースがセットされていたり、容器と吸水性スポンジの間にセロハンを敷いたりすることが多いです。
器に水が漏れないよう、プラスチックケースやセロハンの内側に水を入れてください。
容器に溜まった水は捨てる
水やりをする際に前の水がまだ溜まっているようなら、古い水を捨ててから新しい水をあげると花がより長持ちします。
古い水を捨てることで雑菌の繁殖が抑えられ、新鮮さを保ちやすくためです。
ゆっくり容器を傾けて、古い水を捨てましょう。吸水性スポンジが落ちてしまわないように、容器とスポンジを一緒に押さえながら傾けます。
大きいフラワーアレンジメントや水を捨てにくい器の形の場合は、無理して水を捨てる必要はありません。また、水やりをする際に器に溢れた水は、その都度捨ててください。
雑菌が繁殖したり、置き場所を汚してしまったりすることがあります。ティッシュをセロハンと容器の間に差し込み吸水させるとよいでしょう。
アレンジメントのお手入れ②|傷んだお花を抜く
フラワーアレンジメントを飾っているうちに傷んだお花が出てきたら、その都度抜くようにしましょう。抜く理由やお手入れの方法は、次の通りです。
- カビや雑菌繁殖の原因になる
- しおれそうなお花は切り戻す
順番に見ていきましょう。
カビや雑菌繁殖の原因になる
傷んだお花をそのままにしておくと、カビが生えたり腐ったりしてしまうことがあります。ほかの丈夫なお花にも影響が及ぶかもしれません。
特にガーベラのような茎の水分量が多いお花は、腐りやすくカビが生えやすい傾向があります。お花や茎の色が悪くなってきたら、できるだけ早く抜くようにしましょう。
しおれそうなお花は切り戻す
デルフィニウムやスカビオサのような茎の細いお花は、水がうまく上がらずにクタッとしてしまうことがあります。
もしお花が完全に枯れていなければ、切り戻してみましょう。
まずしおれそうなお花を抜き、水の中で茎を切り戻し、吸水性スポンジに挿し直します。お花を挿す時は、吸水性スポンジに穴が開いていないところを見つけて挿します。
穴が開いた部分に挿すと、吸水性スポンジが切り口に接着しないため、水が吸えない可能性があるためです。また挿した後に花が安定せずグラグラします。
茎の切り口が3cm程度、しっかりスポンジに挿してください。
アレンジメントのお手入れ③|お花が少なくなってきたら
傷んだお花を抜いていると、フラワーアレンジメントがスカスカになってきます。特にメインのお花を抜いてしまった時は、寂しい印象になってしまうことが多いでしょう。
お花が少なくなってきた時の主な対処法を3つご紹介します。
- 別のお花を足す
- 元気なお花を花瓶に生け直す
- ドライフラワーにする
参考にしてみてください。
別のお花を足す
お花を抜いてぽっかり隙間が空いてしまったら、ほかのお花を足してみましょう。
自分でフラワーアレンジメントを作るような楽しさがあります。気に入ったお花や、お庭に咲いているお花を足してみてもいいですね。印象が変わって、また新しい気持ちで楽しめます。
ただしダリアやヒマワリのような茎の太いお花を抜いた後は、吸水性スポンジに大きく穴が開いていることがあるので注意しましょう。
挿した時に茎の切り口が吸水性スポンジから出てしまったり、茎の断面と吸水性スポンジの間に空気が入ったりすると、お花にうまく水が吸い上がりません。穴が開いていない面にお花を挿すようにしてください。
元気なお花を花瓶に生け直す
お花が少なくなってバランスが悪くなった時は、元気なお花やグリーンを抜いて花瓶に生け直してみましょう。
コップや空き瓶、ペットボトルなど家にあるものを使ってもいいですね。
吸水性スポンジから抜いたお花は、茎を切り戻してから生けます。切り口に吸水性スポンジが残っていると、うまく水が吸い上がらない可能性があります。
残ったお花を集めてミニブーケ風にしたり、お花ごとに分けて生けたりして、飾る場所やお花に合わせて楽しんでみてください。
ドライフラワーにする
長持ちするスターチスやカスミソウなどは、早めに吸水性スポンジから抜いてドライフラワーにする方法がおすすめです。
吸水性スポンジに挿したままでもドライフラワーになりますが、茎やお花が垂れ下がって形が崩れてしまいます。環境によっては水分の調整がうまくできずに、カビが生えてしまうこともあります。
お花を抜いたら、風通しの良い場所に逆さに吊るしておきましょう。
フラワーアレンジメントによく使われ、ドライフラワーになりやすい代表的なお花は以下の通りです。
- バラ
- スターチス
- カスミソウ
- センニチコウ
- クラスペディア
- デルフィニウム
- エリンジウム
- プロテア
上記のほか、葉っぱ類もきれいにドライフラワーになってくれるでしょう。残った花材をミニブーケに束ねて吊るしておくと、スワッグとして長く楽しめます。
関連記事:バラのドライフラワーの作り方|プロが解説
アレンジメントを長持ちさせる方法
お花を長持ちさせるためには、まず水やりが大切です。
しかし、こまめに水やりをしているはずなのに、お花がすぐ枯れてしまうこともあります。水やりをしていても日持ちしない場合は、お花が長持ちするための環境作りを考えてみましょう。
具体的には次の2つの方法が効果的です。
- 置き場所に気をつける
- 切り花延命剤を使う
ぜひ試してみてくださいね。ではそれぞれ解説していきます。
関連記事:プロが伝授|フラワーアレンジメントを長持ちさせる方法
置き場所に気をつける
アレンジメントを置く時は、次の3つに気をつけてみましょう。
- 直射日光
- エアコンの風
- 風通し
直射日光が当たるとお花の老化が早く進んでしまい、長持ちしにくくなります。雑菌が増える原因にもなるため、日当たりの良すぎる場所は不向きです。
またエアコンや扇風機からの強い風は、お花にとってストレスになります。特にエアコンの風は乾燥しているため、スポンジが早く乾いてしまうデメリットもあります。暖房と冷房どちらの風も、できるだけ当たらない場所に置いてください。
お花を飾る場所は、風通しの良さも大切です。空気が停滞しているとうまく呼吸できず、早く枯れる原因になってしまいます。
具体的にはリビングや玄関、直射日光の当たらない窓際のような、通気性がよく高温多湿にならない場所がおすすめです。人の出入りがある場所は空気が循環しやすいので、お花の蒸れ防止に効果的です。
切り花延命剤を使う
切り花延命剤とは、切り花を長持ちさせるための薬剤です。お花がきれいな状態を保つための栄養成分が含まれています。
本来植物は、根を通して土の中から栄養と水分を補給します。しかし切り花は根がなく、主に水分だけで生きています。切り花のお花や葉を美しく保つためには、栄養分も重要です。
栄養分が含まれる切り花延命剤を加えることによって、長持ちするだけでなくお花のツヤや色もよくなります。また、延命剤には雑菌の繁殖を抑え、水をきれいに保つ成分も含まれています。
延命剤をフラワーアレンジメントに使う時は、延命剤を少量入れた水で水やりをすると効果的です。
延命剤は、ホームセンターやお花屋さん、100円ショップでも販売されています。よくお花をもらったり飾ったりする習慣がある人は、ひとつあると便利ですよ。
アレンジメントを処理する方法
フラワーアレンジメントを処理する場合は、お花と吸水性スポンジ、容器に分けられます。ダメになってしまったお花は、そのまま可燃ごみとして処理することが可能です。
容器は素材によって分別したり、再利用したりするとよいでしょう。しかし、吸水性スポンジは、どうやって捨てればいいか悩んだことがある人もいるのではないでしょうか。
家庭でもできる処理の方法は、次の2つです。
- 分割して絞る
- 完全に乾かしてから捨てる
吸水性スポンジは、地域によってゴミの分類が異なります。可燃ごみに分類される場合もあれば、不燃ごみに分類されることもあるようです。お住まいの地域の分別にしたがって捨ててください。
なお、一度使用した吸水性スポンジの再利用は、あまりおすすめできません。使用してから完全に乾燥してしまうと、水を吸えなくなってしまいます。また雑菌も繁殖しやすくなるため、処分したほうがいいでしょう。
では、処理の方法を順番に解説していきます。
①吸水性スポンジを分割して絞る
吸水性スポンジを処理するときには、なるべく水分を抜いてから処理しましょう。
小さい吸水性スポンジは、手で握りつぶすように絞って水気をきります。
潰す際、吸水性スポンジがボロボロになって小さいゴミが出ることがあります。ビニール袋の中に入れて潰すと、後片付けが簡単です。
吸水性スポンジが大きい時は、ハサミやカッターである程度分割してから行なってみてください。
すぐに処理したい人やゴミを小さく軽くしたい人におすすめの方法です。ただし力が要る作業なので、吸水性スポンジの量が多いと大変に感じるかもしれません。
②完全に乾かしてから捨てる
2つ目は、吸水性スポンジの水分が完全に抜けるまで放置してから捨てる方法です。
容器から出して、雨の当たらない屋外や乾きやすい場所に置いておきます。大きな吸水性スポンジは、ハサミやカッターでいくつかに分けておくと早く乾くでしょう。捨てる時にもかさばりません。
放置しておくだけなので、ほとんど手がかからずに処分できます。しかし、乾くまでの置き場所に困ったり、片付けるまで時間がかかったりすることがあります。小さなお子様やペットがいるご家庭は、誤飲にも気をつけましょう。
アレンジメントのお手入れに関するよくある質問
ここからは、フラワーアレンジメントのお手入れに関するよくある質問をまとめてみました。
- アレンジメントはどれくらい日持ちする?
- 花束とアレンジメントはどちらが長持ちする?
- 渡すまで時間がある時はどうしたらいい?
フラワーアレンジメントを飾る時や贈る際、参考にしてみてください。
アレンジメントはどれくらい日持ちする?
フラワーアレンジメントの日持ちの目安は、1週間前後です。お花の種類や季節、置き場所の環境によっても差があります。
フラワーアレンジメントを飾ってから一度も水やりをしなければ、1週間もたないこともあります。1〜2日を目安に水やりをすると、長持ちしやすくなるでしょう。
枯れたりしおれたりしたお花を取り除きながら、お花が徐々に変化していく過程も楽しんでみてください。
花束とアレンジメントはどちらが長持ちする?
こまめに花瓶の水を替え、茎の切り戻しを行なえば、花束のほうが長持ちする傾向があります。
切り花が枯れる原因のひとつに、茎が腐って水が上がらなくなってしまうことが挙げられます。花束は茎が長いため切り戻しやすく、お花の吸水力を回復させやすいです。
しかし花束の水替えは、人によっては手間に感じることもあるかもしれません。花瓶の水を捨て、お花を切り戻し、花瓶を洗ってから水を入れ替える作業が、簡単ではない時もあります。
一方で、フラワーアレンジメントの水やりは水を足すだけで済みます。吸水性スポンジや器は新品が使われているため雑菌が繁殖しにくく、容器を洗う作業はあまりありません。
お花の日持ちは、飾る人の性格や生活環境に左右される部分があるとも言えます。自分や相手に合った種類を選んでみてください。
関連記事:花束とアレンジメント|違いと活躍シーン
渡すまで時間がある時はどうしたらいい?
フラワーアレンジメントを用意してから渡すまでに時間がある時は、なるべく涼しい場所で保管しましょう。暖かい時期は冷房の効いた場所か、冬は暖房が当たらない場所で保管してください。
また、車の中は温度変化が激しく風通しもよくないため、保管場所には不向きです。特に夏の車内はお花がしおれやすいので気をつけましょう。
フラワーアレンジメントは、なるべく受け取った当日中に相手に渡すのがおすすめです。時間が合わない時は、現地配達やネット注文が便利です。
ANDPLANTSでは、即日発送の商品もご用意しています。商品ページでお届け地域への最短配達日を確認でき、指定日を指定していただくこともできます。気軽に利用してみてください。
[https://andplants.jp/collections/arrangement]まとめ
フラワーアレンジメントのメリットは、もらってからそのまま置けることです。
しかし簡単に飾れるために、水をあげることを忘れてしまう人も多いでしょう。きれいな状態を長く楽しめるよう、水やりや切り戻しなどのお手入れに少しだけ時間をかけてみてはいかがでしょうか。
お手入れすることで、お花の変化も楽しめます。つぼみだったお花が開いたり、新芽が出てきたりして、新たな発見ができるかもしれません。
またプレゼントされたフラワーアレンジメントを長く楽しめたら、他の人にもプレゼントしたいと思いませんか。もし贈る側になる場合は、お手入れの方法も一緒に伝えると喜ばれます。
ぜひ素敵なフラワーアレンジメントを上手にお手入れして、長く楽しんでください。