一般の方から重要な方まで、さまざまな方が訪問する大使館では、見栄えを意識して観葉植物を飾ることが大切です。洗練されたコーディネートができていることで、相手の方に「誠実な対応ができる」と信用してもらいやすく、手続きや取引などもスムーズに行えるかもしれません。
インテリア性を高めるだけでなく、仕事の生産率の向上やストレスの軽減、さらには空気清浄など、働く人にとって良い効果をもたらすこともあるので、書斎などにも観葉植物を置いてみてください。
今回は大使館に置くおすすめの観葉植物の種類を詳しく紹介します。大使館内でのインテリア例も解説するので、観葉植物のコーディネートに悩んでいる方も、ぜひこの記事を参考にしてみてください。
どの観葉植物が大使館に良いのか迷ってしまったときは、筆者個人的にはフィカス・バーガンディをおすすめします。重厚感のある葉の色合いが上品な家具にもあい、美しいインテリアに仕上げられます。
AND PLANTSでは、オフィス・店舗に大型の観葉植物の導入を検討されている方におすすめのXLサイズも取り揃えています。大型の観葉植物を飾りたい方は、ぜひご覧ください。
[/collections/plants-xl]大使館に置く観葉植物の選び方
重要な方が来賓することもある大使館では、インテリア性の高い観葉植物を選ぶのがおすすめです。美観に気を配り、印象深い空間づくりを心掛けましょう。
ここでは、大使館に置く観葉植物の選び方について詳しく解説します。
- 光沢感がある濃い葉のもの
- 樹形や葉が印象的なもの
- 虫が寄り付きにくいもの
光沢感がある濃い葉のもの
高級感を感じる色は、より非日常感を演出し、お客さんに特別感を味あわせることができます。金や銀をはじめ、黒や紫、さらには紺などが最も高級感を感じやすい色といわれることも。
比較的濃くてはっきりとした色で重厚感があり、上品さを感じられます。濃い色の葉が出る観葉植物を選ぶと高級感があり、来賓の方が興味をひくかもしれません。また、葉に光沢があるとよりラグジュアリー感が強くなるので、特別感を感じてもらいやすいです。
樹形や葉が印象的なもの
モダンでおしゃれさを感じるような大使館をつくるなら、印象的な樹形や葉をもつ観葉植物を選びましょう。
しゅっとした細身の樹形になる・先端が鋭くとがった葉が出る観葉植物は、スタイリッシュなクールさで、インテリア性が高く、人をひきつけるような美しさがあります。
反対に丸みのある観葉植物は温かみがあり、親しみを覚えます。どちらも印象に残りやすい植物なので、大使館の部屋デザインを強調させ、動きのある空間を演出してくれるでしょう。
虫が寄り付きにくいもの
観葉植物には害虫が付くこともあります。どんなに気を付けていても、多くの人が出入れをすれば、葉や幹などに付いて繁殖してしまうこともあります。できるだけ害虫が寄り付きにくい観葉植物を選んで、清潔感のある大使館をつくりましょう。
比較的、葉の薄いものよりも厚みのあるものや、多肉植物の方が害虫が寄り付きにくいです。また、葉に香りがあるものなども忌避効果があり、虫が寄り付くこともあまりありません。
ただし、コバエは土の匂いで寄り付きやすく、土の中に卵を産みつけて繁殖することもあります。植物の種類とはあまり関係がないので、鉢の表面にココナッツファイバーやウッドチップを被させたり、小石や無機質なものを敷き詰めたりして、土の匂いをカバーしましょう。
土を被すことで清潔さを感じられ、美観がぐっと良くなるのでおすすめです。
大使館におすすめの観葉植物
ここでは、大使館におすすめの観葉植物を5つ紹介します。
- フィカス・バーガンディ
- ドラセナ・デレメンシス・コンパクタ
- ストレリチア・レギネ
- モンステラ・デリシオーサ
- ストロマンテ・トリオスター
①フィカス・バーガンディ|ディープな色合いがおしゃれ
日当たり | 日当たりのよい置き場所(直射日光は避ける) |
温度 | 最低8℃以上をキープする |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | 強い |
水やり | 春夏:土の表面が乾いてから 秋冬:土の表面が乾いてから2〜3日後 |
地面からさらさらとしたなめらかな茶色の幹がまっすぐと伸び、先端から赤い新葉が出たあと、ワインカラーの厚みのある葉を広げるフィカス・バーガンディ。
バーガンディーカラーと呼ばれる光沢のある濃い赤紫色の葉は、高級感のある印象があり、来賓された方に特別感を感じてもらえるような大使館を演出できるでしょう。ディープな色合いは気持ちを落ち着かせ、ゆったりと会話ができます。
インドやミャンマーなどに自生するインドゴムノキの仲間であるフィカス・バーガンディーは、高温多湿な環境を好み、毎日の葉水と定期的な水やりによって美しいワインカラーの葉をよく出すようになります。
直射日光が当たる場所では、葉に穴があく場合もあるので、カーテンやブランイドで遮光した日当たりの良い場所で育てましょう。
[https://andplants.jp/collections/ficusburgundy]②ドラセナ・デレメンシス・コンパクタ|美しいたたずまい
日当たり | 日当たりのよい置き場所 |
温度 | 最低10℃以上をキープする |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | 強い |
水やり | 春夏:土の表面が乾いてから 秋冬:土の表面が乾いてから2〜3日後 |
緩やかな曲線を描きながら幹が空へ伸び、しわのある濃緑の葉を展開するドラセナ・デレメンシス・コンパクタ。幹の先から展開する葉は王冠のような姿で、重厚感のある空間を演出してくれます。
明るい場所に置けば、鮮やかな濃緑の葉は色あせたり、落ちたりすることがなく、大使館内の美観を損ねることがあまりありません。すらっとした美しいたたずまいは、背丈が大きくてもスペースを無駄に取ることも少ないので、空いた小スペースに置きやすいです。
熱帯アフリカが原産のドラセナ・デレメンシス・コンパクタは、生長スピードが比較的ゆっくりで、初心者でも管理がしやすい観葉植物です。
暑さや乾燥に強く水切れを起こすこともあまりありません。ただし、水をたくさん与え過ぎてしまうと根腐れを起こすことも。土の表面が乾いて白っぽくなったら、水をたっぷりと与えましょう。
また、真夏の強い直射日光には弱く、葉焼けを起こす場合もあるので、レースカーテンやブラインドで遮光した明るい日当たりの良い場所で管理するといいです。
[https://andplants.jp/collections/dracaenaderemensis]③ストレリチア・レギネ|存在感のある観葉植物
日当たり | 明るい日陰 |
温度 | 最低5℃以上をキープする |
耐寒性 | やや強い |
耐暑性 | 強い |
水やり | 春夏:土の表面が乾いてから 秋冬:土の表面が乾いてから3〜4日後 |
大きなハクチョウが羽ばたくような姿になるストレリチア・レギネは、オレンジの花(ガク)と濃緑の葉が上品で美しく、大使館の観葉植物としてよくなじみます。日当たりの良いエントランスや窓際近くに置いておくと、株の中心からは花芽が長く伸び、上品な花を咲かせ、長い間観賞ができます。
南アフリカに自生するストレチア・レギネは、暖かい場所で元気よく育ちますが、比較的寒さにも強い観葉植物です。氷点下4℃ほどまでなら株が枯れることもなく、冬を越せます。
水は土の中がしっかりと乾いたらたっぷりと与えましょう。ただし、冬は根腐れするばあいもあるので、月に1回程度の頻度で与えます。
花は咲きにくくなりますが、日陰にも耐性があるので、窓から離れた日当たりの悪い場所でも枯れずに育ちます。
[https://andplants.jp/collections/strelitziareginae]④モンステラ・デリシオーサ|切れ込みの入った葉が印象的
日当たり | 日当たりのよい置き場所 |
温度 | 最低5℃以上をキープする |
耐寒性 | やや弱い |
耐暑性 | 強い |
水やり | 春夏:土の表面が乾いてから 秋冬:土の中が乾いてから2〜3日後 |
樹木のように太く伸びたつるから、切れ目の入った鮮やかな緑の葉を展開するモンステラ・デリシオーサ。丸みのある濃い緑の葉は、落ち着いた空間を演出し、大使館に来賓した方の気分をリラックスさせます。
色の濃い光沢のある大きな葉が良く出るので、重厚感や高級感も感じられ、ゴシック調の家具やインテリアによくあいます。
メキシコの南部からパナマにかけて広く分布するモンステラ・デリシオーサは、多湿な場所が大好きです。直射日光が当たらない窓際から離れた明るい日陰に置くといいです。加湿器を付けて管理するとすくすくと生長してくれますよ。
[https://andplants.jp/collections/monstera]⑤ストロマンテ・トリオスター|上品さのあるカラーリーフ
日当たり | 明るい日陰になる場所 |
温度 | 最低10℃以上をキープする |
耐寒性 | やや弱い |
耐暑性 | 強い |
水やり | 春夏秋:土の表面が乾いてから 冬:土の中が乾いてから |
緑の葉の表面に白い斑がまだらに入り、裏面が赤紫色になるストロマンテ・トリオスター。しゅっと細長いトリカラーの色鮮やかな葉は大人感があり、クールさや上品さも感じます。白・黒・ベージュを基調としたモダンな大使館になじみやすく、アクセントカラーとしてロビーや客間に飾るのがおすすめです。
ブラジルなど南アメリカを原産とするストロマンテ・トリオスターは、株が大きくなると4〜6月ごろにかけて苞(ほう)と呼ばれる赤い葉を株の中心から稲穂のように出し、白い花びらをもった小さな花を咲かせます。
陽の光が強いと美しい葉が丸まってしまうので、カーテンやブラインドで遮光した明るい場所で管理しましょう。
[https://andplants.jp/collections/stromanthetriostar]大使館に観葉植物を置くときに考えるべきこと
大使館に観葉植物を置くときは、以下3つのポイントについて考えてみてください。
- 観葉植物を育てられる環境であるか
- 導線やスペースがあるか
- 観葉植物に機能性を持たせられるか
観葉植物を管理する環境や飾る場所にもこだわって、インテリアをコーディネートすることが大切です。
観葉植物を育てられる環境であるか
大使館の美観を保つためには、観葉植物を育てる環境を整えることがポイントです。
日当たりや風通し、温度や湿度など、観葉植物にとって育ちやすい環境かどうかを確かめてから置くことで、枯れずすくすくと生長します。育てる植物に適した環境ではないと、葉が変色したり落ちたりして、大使館の景観が悪く見えてしまうこともあります。
できるだけ世話ができる時間があるか、人がいるかなど条件にも着目して観葉植物を購入するといいです。
導線やスペースがあるか
来賓の方や職員の方が出入りすることが多い大使館では、できるだけ観葉植物を置くスペースを広くあけ、人が歩きやすい空間づくりを心掛けましょう。
基本的にインテリアのコーディネートにおいては、ゾーニング(配置)計画が大切です。どこに植物やものを置くか決めて配置することで、人がスムーズに歩く導線も決められ、大使館内をゆったりと回れる空間が実現します。
まずは、大使館の広さにあった適切な数の観葉植物を置いて、コーディネートしてください。無駄なスペースを減らすことができ、有効的に余ったスペースを使うことも可能です。
また、歩くスペースが広くなれば、観葉植物が腰や肩に当たらなくなるので、株や人を傷付けることも少なくなります。
観葉植物に機能性を持たせられるか
大使館に観葉植物を置くときは、防音や目隠し効果などの役割を持たせて配置することもポイントです。
樹高が高くて、幹が太い・葉がたくさん出る植物は、窓際に置くと外からの雑音を遮断する効果があります。
細かい・細い葉がたくさん出て密集する植物は、席と席との間に置くとパーテーションのようになり、透け感のある目隠し用の観葉植物にもなります。
大使館に置く観葉植物のレイアウト|インテリア例
ここでは、大使館に置く観葉植物のレイアウト方法を3つ紹介します。
- アクセントカラーをグリーンにする
- 鉢植えの高さを上げて飾る
- 角隅に大型の観葉植物を飾るる
アクセントカラーをグリーンにする
濃緑や黄緑の葉が出る観葉植物を置くときは、グリーン系色の家具を取り入れてコーディネートすると、統一感のある洗練された空間に仕上げられます。
例えば、大使館のイスやソファーのクッション部分・一部の壁面・装飾など、インテリアのアクセントカラーとしてグリーン系を選びましょう。
天井・床・壁とそのほかの家具には、ベースカラーとなる白やベージュを、メインカラー(アソートカラー)となるブラウンや紺色などで配色すると、メリハリのある空間になり、スタイリッシュな部屋を演出できます。
鉢植えの素材にもこだわりをもち、セメント製や木製など主張しすぎないものを選ぶといいです。
鉢植えの高さを上げて飾る
観葉植物はできるだけ床に直接置かず、プランタースタンドを使って人の目線に近い高さになるように飾りましょう。
目線と同じぐらいの位置に飾ることで、視線を上に促すことができ、動きのあるインテリアを演出できます。
また、床を見せるように飾ると床面積が増え、室内が広く見えるようになります。
小さな植物でも存在感が大きくなり、人の目線が上がり顔が下がりにくくなるため、広々とした空間に仕上げることも可能ですよ。
角隅に大型の観葉植物を飾る
人よりも背丈が大きくなる観葉植物は、壁の角隅に添うように配置すると、縦のラインが協調され、立体感のある空間を演出できます。
スタイリッシュさにもより磨きがかかり、おしゃれさを感じる印象深い大使館に見せることもできます。人が見上げたときに観葉植物があると、錯覚によって天井が高く見えるので、周辺にソファやチェアーを設置しておくといいです。
大使館に置く観葉植物の育て方
適切な場所に観葉植物が置けても、管理がしっかりとできていなければ葉の色が悪くなったり、株が枯れてしまったりすることもあります。観葉植物の基本的な育て方について、知っておきましょう。
ここでは、大使館に置く観葉植物の育て方について、基本的なポイントを4つ紹介します。
- 葉水や掃除を定期的に行う
- 土の中が乾いたら水を与える
- 日当たりや光を調整する
- 大きくなったら植え替えと剪定を行う
関連記事:観葉植物の育て方|コツや管理法について
葉水や掃除を定期的に行う
大使館に飾る観葉植物は、定期的に葉水や掃除をしてきれいにしましょう。葉にはチリやホコリが積もりやすく、見た目が汚く見えることもあります。仕事や作業をしている方のモチベーションを下げてしまうこともあるので、できるだけ週に1回ほど掃除をするのがよいです。
また、定期的に葉水を行えば、極端に乾燥しにくくなるので、葉焼けや水切れを起こすことも少なくなります。ただし、夜は気温が低く寒さで株が弱る場合もあるので、植物の活動が盛んになる午前中に行いましょう。
水がたっぷりとかかれば、葉がみずみずしくなり、鮮やかな緑を観賞できます。葉から滴り落ちた水は、汚れ跡になってしまうこともあるので、タオルなどで拭き取って、きれいにしてくださいね。
土の中が乾いたら水を与える
観葉植物の水やりは、土の中をしっかりと乾かしてから行いましょう。土が乾いた状態と湿った状態を繰り返すようにメリハリを付けて水やりすることで、植物の根は呼吸しやすくなり、根腐れを起こしにくくなります。
ただし、夏は乾かし過ぎると水切れを起こすことも。春と秋は1〜2週間に1回、夏は1週間に1〜2回、冬は2〜3週間に1回ほどのペースで水を与えるといいです。
また、環境や季節、観葉植物の種類や鉢の大きさによって、土が乾くペースが違います。水を与える前に、一度土の中の乾燥具合を確かめておくといいですよ。
また、水やりの面倒な手間を省きたい場合は、下記のお水やりチェッカーもおすすめします。
[https://andplants.jp/products/watering_checker_sustee_large_single]日当たりや光を調整する
直射日光の当たり過ぎや日照不足は、観葉植物の生長不良の原因となりやすいです。
日中の直射日光に当たり過ぎてしまうと、葉焼けや水切れを起こしたり、鉢の中が蒸れて根腐れを起こしたりすることがあります。特に夏の西日の当たり過ぎは、観葉植物を弱らせて枯らしてしまう場合も。
反対に日照不足になると光合成ができず、十分に栄養を吸収できずに枯れてしまいます。
できるだけ育てる植物にあわせて日当たりや光を調節しましょう。午前中に陽の光が当たって、午後は日陰になるような半日陰な場所に置くのがベストです。植物は午前中に光合成を活発に行い、午後になるにつれ流れが鈍くなります。
室内に直射日光が差し込む場合は、鉢を移動させるか、カーテン・ブラインドなどで日陰をつくります。また、窓数や照明の関係上で暗過ぎる場合は、園芸用のグローライトを設置して、光を当てて管理してあげてください。
大きくなったら植え替えと剪定を行う
鉢植えで育てる店内の観葉植物は、基本的に2年に1回のペースで植え替えや剪定をします。
根鉢がパンパンに固くなってしまうと、土中の酸素濃度が薄くなるため、植物の根が窒息状態に陥りやすくなります。根詰まりを起こして枯れてしまう場合もあるので、鉢底・土の表面から根が出たときにも植え替えをしましょう。
剪定は、植物の生長をコントロールするのと環境を良くするために行うものです。枝葉がたくさん伸びて大きくなり過ぎたときや、株の内側に光や風が当たりにくくなったときにも行うといいです。
ただし、植物によって生長スピードが違うので、生育にあわせて植え替えと剪定の頻度を変えてくださいね。
まとめ
国にとって重要な役割を担う大使館では、葉の色合いや樹形など見た目が美しい観葉植物を選んで、上品にコーディネートすることが大切です。
大使館内の見栄えが良くなるだけでなく、相手の方に良い印象を与えることができ、信頼にもつながります。
また、場合によっては観葉植物を購入するのではなく、レンタル業者に依頼して配置してもらうのもおすすめです。基本的に業者が日々の管理を行うので、仕事に負担をかけることもあまりありません。
もし植物が枯れてしまっても、無料で取り替えてもらうサービスがついているところも多いのです。
今回紹介した観葉植物でどれが大使館に良いか迷ってしまったときは、ワインカラーの葉が美しいフィカス・バーガンディを選んでみましょう。大使館に置いても品があり、美観を損ねないスタイリッシュな観葉植物です。