観葉植物の活力剤は、何のために使うのか、どのタイミングでどのように使ったら良いのか、わからないこともあると思います。
肥料と間違われやすい活力剤ですが、実は「肥料」ではなく、栄養剤の分類です。肥料成分は入っていませんが、植物の生長にとって助けとなるミネラルが入っています。
では、一体どんなときに使うべきなのでしょうか。また、与えることでどんな効果が期待できるのか気になりますよね。
この記事では観葉植物の活力剤(栄養剤)について詳しく紹介します。タイミングや使い方を知って、美しい観葉植物を育ててみましょう。
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[https://andplants.jp/products/evo_grawwell_plantwater]観葉植物の活力剤(栄養剤)とは
活力剤は、植物の肥料三要素といわれる「窒素(N)・リン酸(P)・カリウム(K)」が肥料の規定量を満たさず、薄い濃度に希釈したものが該当します。
肥料とはいわれない成分が入っていて、植物のからだや生長の助けとなる二次要素と微量元素が含まれています。
成分:植物の生長に必要な栄養素が入っている
活力剤の成分となる二次要素と微量元素は、主にミネラル成分でビタミンやアミノ酸などが含まれ、植物の生育を活性させます。
下記は、一般的な肥料に含まれる肥料三要素と、活性剤に含まれる二次要素と微量元素です。
肥料三要素
- 窒素(N)
- リン酸(P)
- カリウム(K)
二次要素
- カルシウム(Ca)
- マグネシウム(Mg)
- 硫黄(S)
必須微量元素
- 鉄(Fe)
- マンガン(Mn)
- ホウ素(B)
- 亜鉛(Zn)
- モリブデン(Mo)
- 銅(Cu)
- 塩素(Cl)
- ニッケル(Ni)
例えば、二次要素のカルシウム・マグネシウム・硫黄は、肥料三要素の次に必要な栄養素で、細胞の強化や葉緑素の構成・生成の促進などの役割があります。
[https://andplants.jp/products/evo_grawwell_plantwater]効果:観葉植物の葉をより美しくさせる
植物の体内外の構築に必要な栄養素が含まれる活力剤。観葉植物に与えることで、病害虫に強い健康的な株になり、すぐに枯れることが少なくなります。
さらに、健康的な株になることで葉や花は鮮やかな色合いになり、美しい見た目に生長します。
室内のインテリアとして飾って楽しむのが観葉植物ですが、活力剤はその役割に大きく貢献してくれるでしょう。
補足:肥料との違い
そもそも活力剤と肥料の違いは、「窒素(N)・リン酸(P)・カリウム(K)」が入っているか、いないかです。
法律では、肥料三要素のどれかが0.1%以上、または2種類以上の合計量が0.2%以上であると肥料とみなされるようです。
詳しくは「観葉植物の肥料」の記事で解説しているので、参考にしてみてください。
観葉植物の活力剤|与えるタイミングと頻度
活力剤を観葉植物に与えるタイミングと頻度は、以下のとおりです。
- 植物の元気がないとき
- 夏越し・冬越しをするとき
- 植え替えや剪定をしたとき
- 病害虫の被害にあったとき
- 生長の流れが良いとき
何でもないときに与えるのもOK。普段から定期的に与えておくと、枯れにくい、たくましい観葉植物へと生長してくれます。
①植物の元気がないとき
観葉植物が突然ぐったりとして元気がないときは、活力剤を与えましょう。
植物がぐったりとしているときは、基本的に暑さや日光による水切れ、寒さによる低温障害が考えられます。すぐに発見して対応ができれば水やりをしたり、暖かい場所へ移動したりすると、数時間後には元の元気な姿になっていることがほとんどです。
しかし、気付かずに長時間経ってしまうと、植物は仮死(かし)状態になり、水を吸い上げる労力さえもありません。そのため、水やりをしたからといって復活するとは限らないです。
活力剤を与えれば、豊富な養分が根を促進させ、最終的には植物のからだ全体を機能させてくれます。
ただし、根腐れを起こしてぐったりとしている場合は、活力剤で元気にさせるのは難しいです。根腐れを起こした場合は、新しい根を生やすことが唯一の復活させる手段です。根が生えるスピードよりも、株が壊死(えし)するスピードが早いと、活力剤の効果は期待できません。
観葉植物の様子を見ながら、少量ずつ与えるようにしましょう。
関連記事:観葉植物の元気がない理由|原因と対処法
②夏越し・冬越しをするとき
観葉植物にとって、大きな打撃となりやすい日本の夏と冬。日本で栽培された観葉植物は、ずっと温室など室内で管理されていることがほとんどなので、強い暑さや寒さにはあまり慣れていません。
また、生物的にも気温が20〜30℃の一定の環境に自生する植物なので、四季がある日本ではストレスを受けやすいです。
夏越し・冬越しをするときは、活力剤を定期的に与えて、株を弱らせないように管理しましょう。株が強ければ、極端な暑さや寒さにも耐えられるようになります。
関連記事:観葉植物の冬越し|コツや注意点について
③植え替えや剪定をしたとき
植え替えや剪定(せんてい)など、観葉植物のストレスとなるような作業をしたときにも、活力剤の効果が期待できます。
植え替えは、植物の根を傷める作業であり、水を吸い上げることが負担になります。植え替え後に発根を良くさせるためには微量元素が必要になるため、活力剤が欠かせません。さらに微生物の活性にも繋がり、土の中の環境が良くなります。
また、剪定は植物の枝葉を切る作業なので、時期を間違えると大きなストレスを受けて枝枯れする場合も。
剪定後は枝の切り口から水分がどんどん抜けてしまうので、植物はかさぶたのような物質をつくり枯れを防ごうとします。このヒーリング効果を促進させるために、活力剤が役に立ちますよ。
④病害虫の被害にあったとき
観葉植物が病害虫の被害にあって弱っているときは、木酢液(もくさくえき)を葉に吹きかけたあと、活力剤を与えるといいです。
木酢液によって菌やウイルスを除去し、害虫を退治できます。そこに活力剤を与えれば、植物のからだの内側からヒーリング効果が現れ、被害を抑制できます。
ただし、被害の範囲が広い場合は、先に病気になった葉や枝を取り除いてから与えるといいです。
⑤生長の流れが良いとき
基本的に観葉植物は、春と秋に生長の最盛期を迎えます。この時期には新芽や花芽を出すことが多いので、活力剤を与えて生長を促しましょう。
新芽や花芽を付けるにはたくさんの養分が必要となるので、肥料だけでは十分に補えない場合もあります。活力剤を与えることで、肥料を吸い上げる力を促進させる効果も期待できます。
観葉植物の生長の流れが良いときには、水やり・肥料・活力剤を組み合わせて使ってくださいね。
観葉植物の活力剤|種類と使い方
活力剤にも、肥料のように種類があります。種類ごとにタイプがあり、それぞれで使い方が変わります。
ここでは、主な活力剤の種類を3つ紹介し、それぞれの使い方についても解説します。
- 液体剤
- か粒剤
- アンプル剤
含まれる成分は、商品によって違うので、パッケージ表をよく確認してから購入しましょう。
液体剤:薄めて水やりする
液体タイプの活力剤は、液体肥料のように水で希釈して使用します。栄養素が水にすでに溶け込んでいるので即効性があり、植物の体内に養分を供給できます。
水に薄めて使うので、日頃の水やりの代わりとして与えるのがおすすめです。また、市販でも多くのメーカーが販売しているので手に入りやすく、比較しながら購入できます。
か粒剤:土の表面にまく
か粒タイプは、小粒サイズのものを土にまいて使用する活力剤です。湿った土の上で成分が溶け出して効果を発揮するため、緩効性の活力剤といえます。また、液体タイプのものよりも効果の持続性があります。
商品によっては、水に薄めてから液体タイプのようにまくものもあるようです。
アンプル剤:土にさす
逆さまの状態で鉢植えに挿して使用するアンプルタイプの活力剤は、見かけたことがある方も多いと思います。一見肥料のようにも見えますが、活力剤に分類されます。
キャップを開けて、そのまま口を下にしたまま土に直接挿すだけなので、手が汚れることもなく簡単です。効果の持続性は、液剤とか粒剤の中間ほどで即効性があります。しかし、部分的な範囲にしか広がりにくく、効果がはっきりと現れにくいかもしれません。
観葉植物の活力剤|注意点
観葉植物に活力剤を使用するときは、以下4つの注意点があります。
- 植物が弱っているときに与える
- 与え過ぎない
- 混ぜて使わない
- 肥料も併用して使う
商品のパッケージに表記されている注意事項にも目を通し、安全に使用してください。
植物が弱っているときに与える
観葉植物がぐったりと弱っているときは、肥料を与えたくなりますが、これは園芸では「やってはいけないことの1つ」です。この場合は、活力剤を与えることが適切です。
人間でも同じで、風邪を引いて高熱が出たときに食事をあまり取りたくないですよね。その代わりとして、栄養ドリンクなどのからだに吸収しやすいものを取ると思います。
植物も同じで、メイン料理である肥料を与えても栄養素を吸収しにくく、逆効果となってしまいます。栄養素を吸収しやすい活力剤を与えることで、観葉植物は枯れずに済むかもしれません。
与え過ぎない
活力剤の与え過ぎは、実は何の効果もなく、観葉植物が枯れることもあまりありません。
ただの栄養剤であり、植物は必要以上に吸収することがないです。活力剤を毎日与えていても無駄になってしまうので、1週間ほど日にちをあけてから使用しましょう。
混ぜて使わない
一度に全ての栄養素を与えたいからといって、複数の活力剤を混ぜて使用するのはやめましょう。化学成分でできているので、化学反応を起こす場合もあります。液剤の商品によっては固まってしまうものがあるようです。
また、パッケージの注意事項には何も表記されていないものもあるので、よく調べてから使用しましょう。
肥料も併用して使う
あくまでも栄養剤である活力剤は、肥料と一緒に使用することで観葉植物を美しく保ち枯らさずに育てられます。ただし、活力剤だけを与えていても植物は健康的に大きく育ちません。
使用するときは、肥料を与えてから液剤などをまきます。活力剤との混合は化学変化を起こす場合もあるので、液体肥料と液剤を混ぜたりするのはやめましょう。
また、農薬との混合も化学変化を起こすことがあるので注意してくださいね。
活力剤以外に必要な植物のケア
観葉植物には、活力剤以外にも必要なケアがあります。美しい葉や花を観賞するためには、1つ1つのケアをしっかりと行うことが大事です。
具体的には、下記のケア方法を行うと、観葉植物は枯れずに、すくすくと育ってくれます。
- 毎日葉水をする
- メリハリのある水やりをする
- 2〜4年に1回のペースで剪定をする
- 冬場は寒い置き場所(玄関・窓際など)に置かない
観葉植物を育てる中で、特に一番意識してほしいことが「環境づくり」です。植物にとって快適な環境を提供できれば、簡単に病害虫の被害にあったり、暑さや寒さで弱ったりすることも減ります。
正直活力剤をたくさん使わなくても、ケアや環境次第で植物は十分に育ってくれるでしょう。
また、現代では観葉植物が「インテリア」として存在し、ものとして扱われることもしばしば。しかし観葉植物は生き物でもあり、日々生長し姿を変えます。それは環境によって、良くも悪くも大きく変わることもあります。
もののように扱わず、ケアを怠らないで日々観察することが大事です。忙しい毎日かもしれませんが、1週間に1回ほど、観葉植物に目を配るだけでも違います。
関連記事:観葉植物の育て方|コツや管理法について
観葉植物の活力剤・栄養剤によくある質問
観葉植物の活力剤・栄養剤によくある質問とその答えを以下にまとめました。
- そもそもアンプル剤とは?
- 土に挿したアンプル剤が減らないのはどうして?
- アンプル剤の中身を一度にすべて与えたら植物は枯れる?
それでは具体的に見ていきましょう。
そもそもアンプル剤とは?
アンプル剤とは、アンプル型の容器に薄めた活力剤を入れたものです。つまり、中身は活力剤であって肥料ではありません。
活力剤は、チッソ・リン酸・カリが肥料としての規定に満たない濃度の液体。または微量要素やビタミン、アミノ酸、フルボ酸などの植物の生育に好影響をもたらす液体の総称です。
アンプル剤は容器の形や土に挿して使う方法から、肥料と勘違いする方も多いと思います。アンプル剤は植物の成長を間接的に補助する活力剤であるため、肥料は別に与えてください。
土に挿したアンプル剤が減らないのはどうして?
土に挿したアンプル剤の中身が減らないのは、活力剤が染み出す排出口が潰れていたり、排出口に土が詰まったりしているかもしれません。
アンプル剤は、土に挿す前に先端部分をハサミで切り取り、排出口を作ります。切れ味の悪いハサミを使うと、切り口が潰れやすいので注意してください。
また、挿し込む土が古くて崩れていると、排出口に詰まりやすいです。一度アンプル剤を引き抜いて、排出口を確認してください。
排出口が潰れている場合は、改めて切れ味の良いハサミで先端を切りましょう。詰まっている場合は、アンプル剤から活力剤を押し出して詰まりを解消します。
アンプル剤の中身を一度にすべて与えたら植物は枯れる?
アンプル剤を土に挿さずに、中身を押し出すように土にかけ与えても、植物は枯れません。アンプル剤の中身は肥料ではなく活力剤に分類されるためです。
しかし一度にすべて与えると、植物への効果は1度きり。吸収されなかった栄養要素は、水やりの際に流れ出てしまいます。
アンプル剤は土に挿してジワジワと長く効果を発揮するものなので、一度に使うともったいないです。本来の使い方通りに、土に挿して使ってください。
まとめ
活力剤は、必ずしも観葉植物に与える必要があるものではありません。しかし、与えることで生長の流れを促進し、株をより大きくさせ葉や花を美しくさせます。
観葉植物をより良くしたい、植物のケアをもっと楽しみたいと思うのであれば、活力剤が大いに役に立つかもしれません。
しかし、あくまで栄養剤でありドーピングのような行為なので、一時的な効果といえます。一度与えたからといって、肥料は与えなくていいということではないです。
活力剤を上手に使って、生き生きとした元気な観葉植物を育ててくださいね。
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