植物名 | サクラ |
学名 | Cerasus |
英名 | Cherry blossom |
科目/属性 | バラ科サクラ属 |
原産地 | 東アジア |
日当たり | 日当たりの良い屋外 |
温度 | 最低0℃以上をキープする |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 強い |
水やり | 春~秋:土の表面が乾いたら 冬:土の表面が乾いてから2~3日後 |
肥料 | 緩効性肥料、液体肥料 |
剪定時期 | 11~2月 |
サクラを今すぐ見たい方は、下記ページより確認できます。
[https://andplants.jp/collections/cherryblossom]サクラの特徴
サクラは「ソメイヨシノ」「カワヅサクラ」「カンザクラ」など、300種類以上ある落葉樹です。日本では、代表的な春の花木として愛されています。
東アジア広域を原産としており、日本には「ヤマザクラ」「オオシマザクラ」「エドヒガン」などの9種類が自生しています。日本中で楽しまれている「ソメイヨシノ」は、「エドヒガン」と「オオシマザクラ」の交配種です。
サクラは川沿いの街路樹や庭木として楽しむイメージがありますが、鉢植えでも楽しめます。春は可愛らしい花が咲き、開花後は新緑の芽吹きや枝葉の成長、そして落葉など、四季の変化を楽しめるでしょう。
サクラの種類
サクラの種類は300種類以上とされています。現在でもさまざまな交配によって新しい品種が生まれているため、これからも種類は増えるでしょう。
ここでは、人気のあるサクラを紹介します。
- ソメイヨシノ
- エドヒガン
- オオシマザクラ
- 富士桜
- 旭山
ソメイヨシノは、淡いピンクの可愛らしい花を咲かせ、秋に紅葉するサクラです。江戸時代末期から明治時代にかけて、エドヒガンとオオシマザクラとの掛け合わせで生まれた品種とされています。
エドヒガンは、古くから日本に自生するサクラです。ソメイヨシノよりも1週間ほど開花期が早く、咲き始めは濃いピンク色をしており、咲き進むにつれて白色に変化していきます。
オオシマザクラは、伊豆大島や伊豆半島を中心に自生しているサクラです。大輪の白花を咲かせ、香りが強い特徴があります。
富士桜は、他のサクラに比べ、樹高が低く花が小さいため「マメザクラ」とも呼ばれています。
ピンク色や白色、緑色の花を咲かせるなどの変異種が多く、さらに枝ぶりが細やかで仕立てやすいです。盆栽に利用するサクラとしても人気があります。
旭山は、「一才桜」とも呼ばれる矮性品種でコンパクトに育つサクラです。盆栽や鉢植えとしても育てやすく、美しいピンク色の花を咲かせてくれます。
筆者は、鉢植えで旭山を育てていた経験があり、育てやすさや花色の美しさに感動したことがあります。冬~春に桜の苗木や鉢植えが園芸店やホームセンター、オンラインショップで手に入れることができるので、ぜひお気に入りの品種を見つけてください。
サクラの育て方

サクラは、基本的に屋外で育てる植物なため、日当たりを十分に確保してあげてください。
以下に、サクラの育て方のコツをまとめましたので、必要に応じてメモをしておくといいでしょう。
- 置き場所と日当たり
- 温度
- 水やりの頻度
- 肥料
- 剪定方法
- 植え替え方法
また、先にサクラの葉や幹などの樹形を見たい方は、下記ページより確認できます。
[https://andplants.jp/collections/cherryblossom]置き場所と日当たり

サクラは直射日光の当たる屋外を好みます。地植え・鉢植えどちらも、しっかりと日差しの当たる屋外で管理しましょう。
花が咲いている時期だけ、室内に入れるのは問題ありません。明るい窓際でお花を観賞してください。
お花が咲き終わったら、日当たりの良い屋外に戻しましょう。そのまま、室内で育てると、生育に悪影響を与えます。
日当たりが悪い環境では、貧弱に育ち、幹や枝も太くなりにくいためです。屋外であっても、暗い日陰だと枯れやすいので、置く場所や植える場所に注意してください。
また、風通しの良い環境を好みます。風通しが悪い環境では、病害虫の発生率が高まるため、風通しにも気を付けることが重要です。
サクラは落葉樹であり、寒さに強いため、基本的に冬も屋外で管理します。冬にしっかり寒さと日光に当てることが、春に花を多く咲かせるポイントです。
ただし、鉢植えで購入したばかりのサクラは、温室で育っている可能性があります。冬に購入した場合、暖房が付いていない明るい室内で管理した方が安心です。
温度
サクラは寒さに強い植物です。最低0℃以上をキープして育ててください。耐寒性は品種によって差がありますが、基本的には冬の寒い時期でも屋外で管理します。
ただし、鉢植えや盆栽のサクラを冬に購入した場合は注意が必要です。温室で育っている可能性があるためです。
暖かい環境で育っているサクラを、急に冬の寒さに当てると枯れるかもしれません。冬の間、室内で管理する場合は、暖房の効いていない明るい窓際に置いてください。
冬に暖かい環境に置くと、すぐに花が咲いて終わったり、本来よりも少ない花数で咲いたりすることがあります。
購入後の春以降は、屋外で管理してください。育つ環境に順応するため、翌年以降は冬でも屋外の寒さにも耐えられます。
水やりの頻度

サクラは、水を非常に好む樹木です。そのため、鉢植えで育てる場合は1年を通して、しっかり水やりしましょう。
季節別の大まかな水やり頻度は以下の通りです。
- 春~秋:土の表面が乾いたら
- 冬:土が乾いてから2~3日後
春~秋の生育期には、土の表面が乾いたら鉢底から水が流れるくらいに、しっかり水やりをしてください。ただし、水のやりすぎや受け皿の溜め水は根腐れの原因になります。
水やり後は、受け皿に溜まった水は小まめに捨てることが重要です。気温の下がる晩秋からは土の渇き具合を見ながら、徐々に水やりを控えてください。
冬は土が乾いてから2~3日後に水やりをします。気温の低い時間帯に水やりを行うと逆効果になるので、気温が高い時間帯に行ってください。
地植えの場合は、雨の降らない真夏を除けば、水やりはあまり必要ありません。しかし、地植えした1年目は、しっかりと根付いていないため、生育期の春~秋はたっぷりと水やりします。
鉢植えで水やり管理が上手にできない場合は、下記水やりチェッカーを利用するとパッと土の状態が分かりやすいです。水やり管理に悩む方は、ぜひ使ってみてください。
[https://andplants.jp/products/watering_checker_sustee_large_single]肥料

サクラには、肥料を与えるタイミングが3回あります。
- 蕾が動き始める2~3月|寒肥
- 花が咲き終わる5月|お礼肥え
- 葉の茂る7~8月|追肥
サクラは落葉樹であるため、冬は休眠しています。休眠が解けて蕾が動き出すタイミングで、ゆっくり効く緩効性肥料を与えると、根っこの伸長に合わせてより効果的に肥料が効きます。
花が咲き終わった後は、体力を回復させてあげましょう。花が咲き終わったタイミングで、速効性肥料である液肥を2週間に1回のペースで水やりすると安心です。
葉が茂る7~8月に肥料を与えることで、サクラはしっかりした株姿になります。生育期に栄養を効率的に吸収して大きくなることで、冬の寒さに耐えられます。
2~3カ月間効果のある固形の肥料を与えるのがおすすめです。落葉するタイミングで、肥料が切れるため、初めてサクラを育てる方も管理がしやすいと思います。
詳しくは、下記ページより確認できます。
[https://andplants.jp/products/evo_solid_fertilizer_for_green]剪定方法

サクラの剪定時期は11~2月です。冬芽を残すように剪定します。
冬芽の付いた枝を全て切り落とすと、春に花が咲かないためです。冬の落葉後の枝には、春に花が咲く膨らんだ冬芽があります。
春にサクラを楽しむためにも、剪定し過ぎには注意してください。
また、サクラは他の樹木よりデリケートなので、落葉してしっかり休眠している時期に剪定することも重要です。新芽が動き出す2月頃も剪定時期ではありますが、基本的には12~1月の最も寒い時期に剪定します。
サクラの太い枝や幹は剪定後に病原菌が入りやすいです。剪定後はトップジンMペーストのような殺菌保護剤を塗ると、安心して育てられます。
小さいサクラは、将来的な樹形をイメージしながら剪定してあげましょう。幹や枝が太くなるほど、剪定後に枯れるリスクが大きくなります。
大株のサクラの場合、なるべく太い幹や枝を剪定することは避けてください。しわや凹凸のある木質化(もくしつか)した枝や幹からは新芽が出にくいため、特に注意します。
[https://andplants.jp/products/sakagen-flower-shears]植え替え方法

サクラの植え替え時期は、12~2月の冬の休眠期です。鉢植えでサクラを育てている方は、2~3年に1度の頻度で植え替えをしてください。
鉢植えのサクラは、植え替えをせずに育て続けると、生育が衰えるだけでなく、立ち枯れによって急に枯れることがあります。
植え替えは、なるべく根を崩さず行ってください。サクラの根は繊細なので、根を崩しすぎると、植え替え後の生育が悪くなったり枯れたりする原因になります。
筆者は、通常の観葉植物と同じように根をほぐして植え替えた後に、急に枯れ始めた経験があります。特に、根はデリケートな部分なため、慎重に植え替えを行なっていきましょう。
地植えの場合は、植えつける場所の植栽計画をしっかり考えて植えつけてください。
また、基本的に植え替えのタイミングで、根に触れるように肥料は与えないようにします。根が繊細であるため、肥料が根に直接触れると、根傷みしやすいです。
植え替えして肥料を与えたい場合は、土の上に置く固形肥料がおすすめです。
サクラのよくあるトラブルと対処法

ここではサクラにトラブルが起きたときの対処法を解説します。あらかじめ対処法を知っておけば、いざ何かあっても安心です。
主なトラブルは以下の3つです。
- 根腐れ
- 根詰まり
- 葉焼け
それぞれ詳しく見ていきましょう。
根腐れ
根腐れでは、以下の症状が見られます。
- 水をあげても元気にならない
- 土がなかなか乾かない
- 葉が落ちやすい
- 葉が茶色・黄色に変色している
- 幹や幹の根元が柔らかい
- 土から腐敗臭がする
- 土の表面にカビが生えている
- 根黒く変色している
根腐れは、土の中の酸素濃度が低下して土中の細菌叢が変化し、有機物の腐敗が進むことで有害なアンモニアが発生し、土壌環境が悪くなることで発症します。
また、土が常に湿っていると根が呼吸できず細胞が死に、結果として根から水を吸い上げられなくなり、植物全体が枯れてしまいます。
サクラは水を好む植物ですが、受け皿に水を溜めていると、常に土が湿りすぎて根腐れしやすいです。鉢植えで受け皿をしている場合は、こまめに溜まった水を捨ててください。
根腐れの対処法は以下の通りです。
- 鉢から植物を抜き、悪い土を落として水はけのよい土に交換する
- 根の傷んでいる部分、腐っている部分をカットする
- 殺菌剤に浸す
- 発根剤を与えてみる
- 傷んだ葉を取り除く
- 枯れた枝や葉を切り取る
根腐れが起こった場合は、鉢植えの土を入れ替えて環境を変えることが大切です。傷んでしまった根は取り除き、健康な状態が取り戻せるような環境を与えてあげましょう。
赤玉土・ゼオライトなどを用土に混ぜ込むことで、水はけと根腐れを防止することができます。
地植えの場合、極端に水はけの悪い土でなければ、根腐れは起こりません。もし地植えで根腐れの症状が起きた場合は、水はけが良くなるように小粒の軽石や腐葉土などで土壌改良をしっかり行ってください。
根腐れの影響で枝先がダメになっている場合は、生きている部分までカットし、新しい葉を出すことで回復させます。根元から腐っている場合は、無事な部分で切り取り、挿し木にして発根させましょう。
根詰まり
根詰まりとは、鉢の中で根がいっぱいになることで起きる症状。根詰まりの症状は以下の通りです。
- 水が浸透しづらくなる
- 底から根が出てくる
- 葉が黄色くなる
- 下葉が枯れやすくなる
長年植え替えていない場合に、上記のような症状が現れます。サクラは根詰まりすると、立ち枯れ病を引き起こしやすいので、注意してください。
立ち枯れ病は急にサクラが枯れる原因です。立ち枯れを起こさないための根詰まりの対処法は、サクラを2~3年おきに植え替えをすること。
サクラを現在の鉢より1つ上の大きい鉢に植え替えることで、上記の症状はほとんど解消されるでしょう。
植え替えを行う時期は、落葉した12~1月の冬が適しています。生育期の春~秋には植え替えないでください。
根腐れ同様に、地植えでは根詰まりは起こりにくいトラブルです。ただし、土が踏み固められているような場合は、根が伸びにくく根詰まりする可能性があります。
もし地植えのサクラで根詰まりの症状が現れる場合は、根の周囲の土を耕してほぐしたり腐葉土を入れたりするとよいでしょう。
葉焼け
葉焼けでは、以下の症状が起きます。
- 葉の色素が抜けて白くなっている
- 葉の一部が茶色~黒色に枯れている
真夏の直射日光を浴びすぎると葉が傷んで「葉焼け」というトラブルが発生します。
サクラは日当たりを好む植物ですが、真夏の強い日差しに当たると葉焼けすることもあります。
葉焼けの症状に気がついたら、早めに置き場所を移動させましょう。対処法は以下の通りです。
- 真夏の直射日光が当たっている場合は、明るい日陰に移動する
- 葉焼けした部分はカットする
葉焼けが起こる場合は、日光が当たりすぎている可能性が高いため、直射日光に当てないような措置を取りましょう。
また、一度焼けてしまった葉は二度と元に戻りません。傷んだ葉はカットし、新しい健康な葉が生えてくるのを待ちましょう。
葉焼けは、暗い場所から急に直射日光が当たる場所へ移動させた際にも起こるトラブルです。サクラの葉焼けの多くは、室内に置いていた鉢植えを急に屋外の直射日光下に移動させた際に起こります。
普段から日当たりの良い屋外で管理して、日光に慣れさせておきましょう。真夏の強い日差しが心配な場合は、明るい日陰に移動させておくと安心です。
サクラの害虫トラブルと対処法

美しい花や新緑を楽しめるサクラには害虫トラブルは存在します。
発生しやすい害虫トラブルは、以下の5つです。
- ケムシ
- ハダニ
- アブラムシ
- カイガラムシ
- コバエ
害虫によるトラブルが発生したときの対処法を解説していきます。あらかじめ対処法を知っておけば、いざ何かあっても安心です。
ケムシ
ケムシの症状は以下の通りです。
- 花や葉が食べられる
- 見た目が悪くなる
サクラの葉は柔らかいので、さまざまなケムシによる被害に合いやすいです。ケムシの種類によっては、毒を持っていたり葉を一斉に食べきったりします。
見た目が悪くなるだけでなく、サクラの成長にも悪影響を与えるので、見つけ次第早めに対処しましょう。
ケムシの対処法は以下の通りです。
- ケムシを直接取り除く
- ケムシのいる枝葉を切り取る
- ケムシに効果のある液体を噴霧する(殺虫剤のほか、2倍に薄めた牛乳、重曹と水を混ぜたもの、濃いコーヒー、10倍に薄めた酢でも一定の効果あり)
- お庭管理サービスをしてくれる専門業者に任せる
ケムシの種類によっては、毒を持っている場合があります。強力な毒針毛を持つケムシもサクラの葉に付きやすいので、手袋をしましょう。
地植えしている大きなサクラの場合は、長袖長ズボンやマスクでなるべく肌を覆っておくと安心です。筆者はサクラにも付きやすいイラガの毒針毛に触れたことが何度もあります。
時間が経つにつれて、肌に細い針を刺すような痛みが強くなり、数日間痛みが続きます。そのため、肌を出した状態でケムシに触れることがないようにしてください。
殺虫剤を撒く場合は、サクラから離れた風上から散布します。風下の場合、ケムシの毒針毛が風で飛んでくることがあるためです。
大きなサクラには毛虫が大量に発生する場合があります。その場合は、殺虫剤散布を行ってくれるお庭サービスのあるお花屋さんや庭管理専門業者に任せると安心です。
ハダニ
ハダニの症状は以下の通りです。
- 葉にクモの巣のような糸がついている
- 葉の裏に小さな虫がついている
- 葉に斑点や傷がある
- 葉の色がかすれたように薄くなり枯れている
ハダニは繁殖力の強さと、薬剤耐性を持つ非常に厄介な害虫です。
放っておくと糸を張って大量発生する危険性もあるので、早めに対処を行いましょう。
ハダニの対処法は以下の通りです。
- 傷んだ葉はカットする
- 葉の表裏、付け根や茎も水で洗浄する
- ハダニに効果のある液体を噴霧する(殺虫剤のほか、2倍に薄めた牛乳、重曹と水を混ぜたもの、濃いコーヒー、10倍に薄めた酢でも一定の効果あり)
ハダニは乾燥した環境で発生しやすい害虫です。土や空気を乾燥気味に育てると、発生しやすいので、注意してください。
ハダニが湧いてしまったら、市販の殺虫剤(ベニカXファインスプレー・オルトラン)の使用が効果的です。ただし、薬剤散布は使用回数を守らないと、葉に黒点が付いたり株が弱ったりするため、注意してください。
2倍に薄めた牛乳などの液体を噴霧する対処法もありますが、匂いが気になる方には水で洗い流す方法もおすすめです。
ハダニは、こまめな霧吹き・葉をふき取りきれいにすることをしっかり行えば、発生しにくい害虫です。蕾が開きそうなサクラの植木鉢を、冬に室内に置いている場合は、こまめに霧吹きをするようにしましょう。
葉を常にきれいな状態を保つために、霧吹きによる葉水は必須と言えます。ハダニが発生した場合は、シャワーで優しく洗い流すなどの管理も必要です。
詳しくは、下記ページより確認できます。
[https://andplants.jp/products/groriapro5]アブラムシ
アブラムシの症状は以下の通りです。
- 新芽が萎縮している
- 葉が縮れている
- 新芽に虫が付いている
- 葉や幹がベタベタしている
アブラムシは繁殖力が強いため短期間で増え、ウイルスを媒介する厄介な害虫です。
アブラムシの対処法は以下の通りです。
- 縮れた葉はカットする
- アブラムシを取り除く
- 伸びすぎている茎は剪定して短くする
- アブラムシに効果のある液体を噴霧する(殺虫剤のほか、2倍に薄めた牛乳、重曹と水を混ぜたもの、濃いコーヒー、10倍に薄めた酢でも一定の効果あり)
アブラムシが湧いてしまったら、市販の殺虫剤(ベニカXファインスプレー・オルトラン)を使用すると効果があります。ただし、薬剤散布は使用回数を守らないと、葉に黒点が付いたり株が弱ったりするため、注意してください。
2倍に薄めた牛乳などの液体を噴霧する対処法もありますが、匂いが気になる方には水で洗い流す方法もおすすめです。
アブラムシは柔らかい新芽に集まりやすいため、サクラの新葉が出始めた際は気を付けておきましょう。
カイガラムシ
カイガラムシの症状は以下の通りです。
- 貝殻のような殻を被ったり、粉状の物質で覆われたりしている虫が葉の付け根や幹についている
- 黒いカビ(すす病)が発生している
- 葉や幹がベタベタしている
カイガラムシは繁殖力の強さと薬剤耐性のある厄介な害虫です。
放っておくとサクラの生育が弱まり枯れる恐れもあるので、早めに対処を行いましょう。
カイガラムシの対処法は以下の通りです。
- 柔らかい布やブラシで擦り取り除く
- 茂り過ぎている枝葉は剪定して風通しをよくする
- カイガラムシに効果のある液体を噴霧する(殺虫剤のほか、2倍に薄めた牛乳、重曹と水を混ぜたもの、濃いコーヒー、10倍に薄めた酢でも一定の効果あり)
カイガラムシが発生したら、市販の殺虫剤(ベニカXファインスプレー・オルトラン・スミチオンなど)を使用するのが効果的です。ただし、薬剤散布は使用回数を守らないと、葉に黒点が付いたり株が弱ったりするため、注意してください。
カイガラムシの成虫には殺虫剤が効きにくいので、幼虫の時期である5~7月に使用するとよいでしょう。
既に貝殻をかぶっている成虫は、柔らかいブラシや布で擦り取ってください。
コバエ
コバエの症状は以下の通りです。
- 土に虫が湧く
- コバエが植物の周囲を飛んでいる
コバエ自体は植物に無害ですが、観葉植物を育てるうえでは不快害虫です。
放っておくとコバエは増えていくので、早めに対処を行いましょう。
コバエの対処法は以下の通りです。
- 発酵不十分な堆肥や有機質肥料を与えることをやめる
- 土上2~3㎝を取り除き、新しい土に植え替える
- 土の表面に無機質な素材(赤玉土・鹿沼土・砂利など)を敷く
- トラップを仕掛ける
- コバエに効果のある殺虫剤を噴霧する
水はけが悪い土でサクラを育てている方は、土が乾燥しにくくコバエが発生しやすいので注意してください。
コバエが発生したら、市販の殺虫剤(ベニカXファインスプレー・オルトラン・スミチオンなど)を使用するのが効果的です。ただし、薬剤散布は使用回数を守らないと、美しい葉に黒点が付いたり株が弱ったりするため、注意してください。
コバエのトラップは食器用洗剤やお酢、めんつゆなどで作ることができます。植物の近くに置いておくと、簡単にコバエを捕殺できるでしょう。
コバエは、発酵不十分な腐葉土やバーク堆肥、有機質肥料の匂いに引き寄せられます。
そのため、有機質肥料を取り除いたり土の表面に赤玉土や鹿沼土など3~5㎝程度敷き詰めたりするとコバエ発生を防ぐことが可能です。
サクラの育て方に関してよくある質問

最後にサクラの育て方に関してよくある質問とその答えを以下にまとめました。
- サクラの寿命は?
- サクラの冬の管理方法は?
それでは具体的に見ていきましょう。
サクラの寿命は?
サクラの寿命は、品種によって異なります。
- ソメイヨシノ|60~80年
- ヤマザクラ|100~300年
- エドヒガン|1000年以上
一般的に、園芸品種のサクラは、100年前後の寿命とされています。原種のサクラは100年以上の寿命があり、特に寿命が長いエドヒガンは1000年以上です。
日本三大桜の一つである、エドヒガンの山高神代桜は推定樹齢が2000年とされています。
寿命が長いサクラであっても、育て方や環境によっては、寿命が短くなることもあります。一生のパートナーとして楽しめる植物なので、ぜひ大事に育ててください。
サクラの冬の管理方法は?
サクラの冬の管理方法は、日当たりの良い屋外で水切れさせないことです。
サクラは屋外で楽しむ樹木なので、基本的に屋外で管理してください。落葉していても、しっかり日光を当てることで、春に花をより楽しめます。
ただし、蕾や花付きのサクラを冬に購入した場合は、暖房の入っていない明るい部屋で管理した方が安心です。冬に流通している鉢植えのサクラは温室で育っている可能性があります。
暖かい環境で管理されたサクラを、急に寒い屋外に置くと株が傷むかもしれません。屋外に置く場合は、暖房の付いていない明るい部屋で慣らしてから、移動させましょう。
サクラのまとめ
サクラは日当たりと風通しの良い屋外であれば、簡単に育てることができます。コンパクトなサクラであれば、ベランダでも気軽に育てられるでしょう。
花が咲き始めた時のみであれば、室内に移動させて楽しむこともできます。春の訪れを楽しめる花木としてのプレゼントにもおすすめです。
サクラは上手に育てれば、一生のパートナーになりやすい植物。ぜひ素敵なサクラを選んで、毎年春に可愛い花を楽しんでください。
詳しくは、下記ページより確認できます。
[https://andplants.jp/collections/cherryblossom]