花言葉は、お花にメッセージを込めて大切な人に贈り合う風習から生まれた文化です。
花言葉が世界に広まるきっかけとなった18世紀のヨーロッパでは、お花と花言葉をラブレターのように贈る方法が流行しました。そのため、花言葉には恋愛に関する花言葉が多くつけられています。
今回はそんな数ある花言葉の中でも、片思いに関する花言葉を集めてみました。
恋が始まるドキドキ感が詰まったものや、少し切ない片思いの気持ちを表したものなど、恋する気持ちにぴったりのお花と花言葉をピックアップします。
意中の人に気持ちを伝えたい時や片思いをしている友人を応援したい時、プレゼントしてみてはいかがでしょうか。
片思いのときめきが詰まった花言葉
まずは、相手を想う気持ちに気付いた時のワクワク感や、片思いのキュンキュンする幸せな気持ちを表すような花言葉を集めてみました。
- ベゴニア|「片思い」「幸福な日々」
- ペペロミア|「片思い」「かわいらしさ」
- 5本のバラ|「出会えてよかった」
- ポピー|「恋の予感」
- チューリップ|「恋の宣言」
相手が好きでたまらない時、おうちに飾れば気分を高めてくれるかもしれません。片思い中の友人に贈る励ましのプレゼントにもおすすめです。
ぜひ参考にしてみてください。
ベゴニア|「片思い」「幸福な日々」
「片思い」の花言葉は、ベゴニアのハート型の葉が左右非対称であることからついた花言葉です。ハート型のお花から連想して「幸福な日々」の花言葉もつけられています。
またベゴニアはたくさんの種類があり、種類ごとにも花言葉があります。
代表的な品種センパフローレンスは「あなたは親切」、バラ咲きの豪華なエラチオール・ベゴニアは「高貴」、木立性ベゴニアは「愛の告白」、葉が美しいレックス・ベゴニアは「愛される喜び」です。
どれもポジティブな花言葉で、愛する人へのプレゼントにぴったりですね。
恋心を育むように、ベゴニアを自宅で育ててみるのもいいかもしれません。
初心者には育てやすい木立性ベゴニアやレックス・ベゴニアがおすすめです。個性的なハート型の葉は、観葉植物としてインテリアのアクセントになってくれるでしょう。
[https://andplants.jp/collections/begoniamaculata]ペペロミア|「片思い」「かわいらしさ」
丸っぽい形の葉がかわいらしいペペロミアの花言葉は、「片思い」「かわいらしさ」です。
葉がハート型をした品種が多いことから、恋を連想して「片思い」の花言葉がつきました。「かわいらしさ」は、小さい葉がかわいらしく見えることが由来です。
ペペロミアは種類が豊富で、品種によって葉の印象もさまざまです。中には多肉質の葉を持つペペロミアもあり、揃えたくなるかわいらしさがあります。
スイカのような模様をしているペペロミア・サンデルシーは、数あるペペロミアの中でも個性的な印象の品種です。大きくなりにくいので、室内で楽しむテーブルグリーンとして人気があります。かわいい葉はどんなインテリアにも馴染みやすいでしょう。
育てやすく、プレゼントにもおすすめです。片思いの相手にさりげなく贈るのもいいですね。
関連記事:ペペロミアの育て方
[https://andplants.jp/collections/peperomiaargyreia]5本のバラ|「出会えてよかった」
愛の象徴であるバラはたくさんの花言葉がつけられており、本数別にも花言葉があります。
中でも片思いの気持ちにぴったりなのは、5本の「出会えてよかった」です。
バラはロマンティックな雰囲気を演出してくれるため、告白する際にふさわしいギフトと言えます。色別の花言葉もあるので、色の花言葉と組み合わせて贈ってもいいですね。
主な色の花言葉を以下にまとめてみました。
- ピンク色|「感謝」「かわいらしさ」
- 赤色|「愛情」「美」
- 白色|「深い尊敬」「相思相愛」
- 黄色|「友情」
- オレンジ色|「絆」「信頼」
- 青色|「奇跡」
特にピンク色や赤色は恋心を象徴する色であり、片思いの気持ちを表したい時におすすめです。なお黄色のバラには「嫉妬」「妬み」の花言葉もついているので、贈る時には気をつけましょう。
ほかにも告白に合う花言葉を探している人は、「告白」に使える花言葉一覧をチェックしてみてくださいね。
[https://andplants.jp/products/5-red-rose-series-bouquet]ポピー|「恋の予感」
「恋の予感」は、ポピーの柔らかい花びらが開くイメージからついた花言葉です。
ほかにも「思いやり」「いたわり」「陽気でやさしい」の花言葉がついています。しかし「慰め」の花言葉もあるので、片思いをしている人にプレゼントする際は気をつけましょう。
切り花として出回るのはアイスランドポピーが主流です。12月から4月頃、つぼみの状態で店頭に並びます。
アイスランドポピーはつぼみでも開花することが多く、花びらが開くところまで楽しめます。小さなつぼみから大きな花びらをふわっと開かせる姿はかわいらしく、「恋の予感」を感じさせてくれるかもしれません。
またポピーは発芽しやすいので、タネから育てる楽しさも味わえます。3月から5月頃に咲くアイスランドポピーのほかに、5月から6月頃に開花するオリエンタルポピーも人気です。
チューリップ|「恋の宣言」
チューリップには「恋の宣言」「愛の告白」「思いやり」「博愛」などの花言葉がついています。
チューリップの愛に関する花言葉は、オランダのある少女の伝説が由来です。
3人の騎士から求愛された美しく優しい少女は、1人に決めることができませんでした。悩んだ末、花の女神フローラに「私をお花に変えてください」とお願いします。
すると、騎士からそれぞれプレゼントされた王冠を花に、剣は葉に、黄金は球根となって、チューリップが生まれました。
チューリップには色別の花言葉もついています。片思いの気持ちにぴったりなのは、ピンク色の「誠実な愛」、紫色の「無償の愛」です。赤色の「愛の告白」も、告白したい時にふさわしいでしょう。
一方、白色は「失恋」、黄色は「報われぬ恋」の花言葉がついており、片思い中の人にとってはやや縁起が悪く感じられるかもしれません。贈る時には色に注意しましょう。
関連記事:チューリップの花言葉|色別の花言葉や誕生花、名前の由来
片思いの振り向いてほしい心情を表現した花言葉
次は、片思いをしている相手に気持ちを気付いてほしい時にぴったりのお花と花言葉をご紹介します。
- パンジー|「片思い」「私を思って」
- リナリア|「この恋に気づいて」
- ヒマワリ|「あなただけを見つめる」
- ローズマリー|「私を思って」
- クジャクサボテン|「一途な恋」
さりげなく片思いの気持ちを伝えたい時に贈ってみてはいかがでしょうか。
ではひとつずつ由来を見ていきましょう。
パンジー|「片思い」「私を思って」
顔のような模様のお花がうつむいて咲く様子が、物思いにふけっている姿に見えることから「私を思って」「もの思い」などの花言葉がつきました。恋に悩むようにも見えたので、「片思い」の花言葉がついたと言われています。
パンジーはヨーロッパではバレンタインに贈る定番ギフトのひとつであり、恋心を象徴するお花です。紫色のパンジーには英語で「You occupy my thoughts(あなたのことで頭がいっぱい)」の花言葉もついています。片思いの心情を表してくれているようですね。
パンジーは11月頃から4月頃まで花苗で出回っています。
あまり手がかからずにたくさんお花をつけるので、初心者も育てやすいお花です。かわいい植木鉢に植えてプレゼントしてみてはいかがでしょうか。
関連記事:パンジーの花言葉|色別の花言葉や誕生花、名前の由来
リナリア|「この恋に気づいて」
リナリアは、繊細なお花の姿から連想して「この恋に気付いて」の花言葉がつきました。群生したお花が風に揺れる様子から「乱れる乙女心」の花言葉もついています。
柔らかい印象のリナリアは、片思い中の少女のようにも見えます。片思いの相手にさりげなく気持ちをアピールしたい時に贈ってみてはいかがでしょうか。
リナリアはヒメキンギョソウとも呼ばれ、主にタネや苗で出回っています。
一年草と多年草があり種類も豊富で、毎年こぼれ種で増えます。非常に育てやすく、庭に植えるとイングリッシュガーデンのような自然らしい雰囲気が出るでしょう。
開花時期は3月から7月頃までです。品種によっては12月から苗が出回っていることがあり、長くお花を楽しめます。
切り花ではほとんど出回りませんが、庭で咲いたリナリアを自分で花束にして贈るのも素敵です。
ヒマワリ|「あなただけを見つめる」
「あなただけを見つめる」は、ヒマワリのお花が太陽に向かって咲く習性を表した花言葉です。
ヒマワリが太陽に恋をしているように見えることから、「あなたは素晴らしい」「あこがれ」「熱愛」などの花言葉もついています。片思いの気持ちを伝えられるだけでなく、相手を褒める花言葉も含まれているところが素敵ですね。
ヒマワリの切り花は一年中出回っていますが、特に6月から9月頃によく店頭に並びます。
中でも筆者のおすすめギフトは、さまざまな品種を束ねたヒマワリだけの花束です。ヒマワリは品種が豊富で、大輪や小輪、八重咲きなど咲き方によって趣も異なります。「これもヒマワリ?」と相手を驚かせるような、遊び心のあるプレゼントにしてくれます。
ロマンティックな花言葉と明るいヒマワリが、きっと印象深い夏の思い出を作ってくれるでしょう。
ローズマリー|「私を思って」
ローズマリーには記憶力を高める効果があることから「私を思って」「記憶」「思い出」など記憶に関する花言葉がつけられました。
また香りが長続きすることや結婚式によく使われていたことから、「変わらぬ愛」の花言葉もついています。
ローズマリーは切り花や苗で一年中出回っています。見た目や香りを楽しめ、料理にも使えるので一鉢あると便利な植物です。取り扱うお店が多く、手に入りやすい点も魅力です。
花束にしたり、素敵な植木鉢に植えたりすると、相手に合わせてプレゼントしやすいでしょう。きれいにドライフラワーになるので、プレゼントのラッピングに添えても素敵ですね。
ローズマリーが香るボディクリームやハンドクリームも人気があります。片思いの気持ちを香りでアピールしてみるのもいいかもしれません。
クジャクサボテン|「一途な恋」
大きく鮮やかなお花を咲かせるサボテン科のクジャクサボテン。
短時間でしぼんでしまうお花を懸命に咲かせる姿から連想して「一途な恋」の花言葉がついたと言われています。ほかにも「幸せをつかむ」「幸せ者」「陽気」の花言葉がついています。
お花の命は短く、2日ほどでしぼんでしまうのが特徴です。クジャクサボテンの仲間には、一晩だけお花を咲かせるゲッカビジンがよく知られています。
クジャクサボテンは、鉢植えで出回っています。垂れ下がる性質があるので、ハンギングにするといいでしょう。日光によく当てるとお花が咲きやすいですが、室内でも観葉植物として育てられます。
カラフルで豪華なお花を咲かせられたら、告白する勇気がわいてくるかもしれません。自宅に飾って育ててみてはいかがでしょうか。
中には葉の形がかっこいい種類もあり、男性にも人気の植物です。片思いの一途な気持ちを込めてプレゼントするのもいいですね。
片思いの切ない気持ちにぴったりの花言葉
最後は、片思いに悩む心情を表したお花と花言葉をご紹介します。
- スイセン|「片思い」「報われぬ恋」
- シュウカイドウ|「片思い」「恋の悩み」
- ユズ|「恋のため息」
- アネモネ|「儚い恋」
- エリンジウム|「秘密の恋」
優しい印象のお花たちが、切ない気持ちにそっと寄り添ってくれるでしょう。
花言葉の由来をひとつずつ詳しく解説していきます。
スイセン|「片思い」「報われぬ恋」
スイセンの花言葉は、ギリシャ神話に登場する美少年ナルキッソスが由来です。
森の妖精エコーはナルキッソスに恋をしますが、相手にしてもらえない悲しみから痩せ細って声だけの存在になってしまいました。女神ネメシスはエコーを憐れみ、ナルキッソスに自分しか愛せなくなる呪いをかけます。
するとナルキッソスは泉の水面に映る自分に恋をし、報われぬ恋に苦しんだ末スイセンに姿を変えてしまいました。「片思い」「報われぬ恋」は、ナルキッソスやエコーの心情を表した花言葉です。
スイセンは12月から5月頃にお花を咲かせます。切り花や苗で出回っており、品種によって形や色はさまざまです。数本飾るだけで、お部屋に甘い香りを漂わせます。
香りや色が春らしい希望を感じさせるお花ですが、花言葉を知ると少し切なく感じられるかもしれませんね。
関連記事:スイセンの花言葉|色別の花言葉や誕生花、名前の由来
シュウカイドウ|「片思い」「恋の悩み」
「片思い」の花言葉は、ハート型の葉が左右非対称であることや、小さなハート型のつぼみがたくさんつく様子からつけられました。
「恋の悩み」は、お花がうなだれるように咲く姿から連想してついた花言葉です。
シュウカイドウはベゴニアの仲間で、日本に自生している秋の山野草のひとつです。
豪華なベゴニアよりも素朴なかわいらしさがあり、奥ゆかしい印象を受けます。片思い中の切なさに寄り添ってくれるような、優しいお花です。
日本の暑さや寒さに強く、屋外でも簡単に育てられます。耐陰性もあるため、日の当たりにくい場所でも育てやすいでしょう。
また、日本の各地にシュウカイドウが群生しているスポットもあります。秋のドライブに観に行ってみてはいかがでしょうか。
ユズ|「恋のため息」
ユズは、香りの印象から「恋のため息」の花言葉がつきました。果実の甘酸っぱい香りやお花の甘い香りが、恋に悩む心情を連想させたようです。
ほかにも、青々とした緑の葉に真っ白なお花を咲かせる様子から「汚れなき人」「健康美」の花言葉もついています。
ユズは柑橘類の中では寒さに強く、初心者でも育てやすい果樹のひとつです。鉢植えでも育てられるので、ベランダガーデンにもおすすめです。収穫した果実は料理にしたり、お風呂に入れたりするなど、さまざまな方法で楽しめます。
片思いに悩む人には、バスソルトやハンドクリームなどユズの香りグッズを贈ってみてはいかがでしょうか。爽やかな香りと切ない花言葉が、恋心に寄り添ってくれるかもしれません。
アネモネ|「儚い恋」
アネモネの「儚い恋」は、ギリシャ神話からつけられた花言葉です。
美の女神アフロディーテはある時キューピッドの矢が胸に当たり、青年アドニスに恋してしまいます。しかしアドニスは、狩りで命を落としてしまいました。悲しんだアフロディーテの涙から、アネモネが生まれたと言われています。
ほかに「あなたを愛します」「あなたを信じて待つ」「期待」「見放された」の花言葉もついています。
アネモネは、切り花や鉢植えが1月から3月頃に出回る春のお花です。
お気に入りの花瓶に生ければ、お部屋が春らしい印象になるでしょう。片思いの切ない恋心も、少し明るい気持ちにしてくれるかもしれません。
エリンジウム|「秘密の恋」
エリンジウムのトゲトゲしたお花や葉が、なにか秘密を隠している姿を連想させたことから「秘密の恋」の花言葉がつきました。
また、上向きに葉をつける性質から「光を求める」「愛を求める」「無言の愛」の花言葉もついています。
エリンジウムはシルバーブルーの色合いが美しく、独特な形状が男女ともに人気のお花です。
開花時期は6月から8月頃で、切り花では一年中出回っています。
クールでかっこいい印象があり、花束やアレンジメントに入れるとアクセントになるでしょう。花瓶に飾っておくだけでそのままドライフラワーになり、切り花でも長い間楽しめます。
人に言えない片思いの苦しさをエリンジウムに託してみてはいかがでしょうか。
[https://andplants.jp/products/eryngium]まとめ
「片思い」に関する花言葉は、片思いのワクワクを盛り上げてくれたり、切ない気持ちに寄り添ってくれたりするでしょう。
おうちに飾ったり育てたりすれば、片思いの相手に想いを打ち明ける勇気を分けてくれるかもしれません。美しい見た目や香りが、きっと背中を押してくれるはずです。
今回ご紹介したお花は、お花屋さんで手に入りやすい種類を中心に選んでいます。
あなたの恋する気持ちにぴったりのお花と花言葉をぜひ探してみてくださいね。
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