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胡蝶蘭はほったらかしでも育つのか|初心者でもできる育て方

胡蝶蘭はほったらかしでも育つのか|初心者でもできる育て方

美しい花が1ヶ月以上も長持ちする胡蝶蘭。長い間楽しめることから、オフィスのお祝いや記念などにも人気のフラワーギフトです。

胡蝶蘭は乾燥にも強いため水やりの頻度も少なく、こまめにお手入れできないシーンにとても喜ばれます。開業祝いや開店祝いなどに並ぶ胡蝶蘭たちは、しばらく水やりができていなくても綺麗に花を咲かせています。

胡蝶蘭のような花がそのままほったらかしで育てば嬉しいですが、実際はどうなのでしょうか。胡蝶蘭はほったらかしでも育つのか、初心者でも簡単にできる栽培方法はあるのかを解説します。

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胡蝶蘭をほったらかし|枯れる可能性がある

結論から言うと、もらった胡蝶蘭をそのままほったらかしにしておけばいずれ枯れてしまいます。

乾燥に強いとは言え、水やりは10日前後に一度はしなければ水不足を起こす可能性があります。置き場所が悪ければ、病気が発生して枯れてしまうことも。

しかし、胡蝶蘭を適切な場所に置いて水やりのコツをつかめば、栽培は難しくありません。こまめに水やりをしなくて良いため、環境が合えば少ないお世話で育てられます。

胡蝶蘭栽培のトラブルで多いのは、水のあげすぎによる根腐れ。胡蝶蘭はほかの植物よりも少ない水分で育つため、水やりの頻度が多すぎるとすぐに根が腐ってしまいます。

ほったらかしにした胡蝶蘭によくある症状と対策

贈答にもらった胡蝶蘭をオフィスや自宅に置きっぱなしにしておいたら、知らないうちに枯れそうになっていた…という人も多いのではないでしょうか。

しかし胡蝶蘭は、実は丈夫な植物。調子が悪くなっても、少し手をかけてあげれば復活するケースも多くみられます。完全に枯れていなければ、もう一度元気に育てられるかもしれません。

胡蝶蘭をほったらかしにした時に出やすい症状は以下の4つです。

  • 水不足
  • 葉焼け
  • 低温障害
  • 下葉が黄色くなり、シワシワになる|病気ではない

ではひとつずつ説明してみましょう。

水不足

ほったらかしにした胡蝶蘭に起きる症状の多くは、水不足によるものです。

葉のハリがなくなって、しわしわになる・ふにゃふにゃと柔らかくなる・垂れ下がるなどの症状は水不足が原因です。葉が黄色く変色してくることもあります。

変色した葉は取り除いて、水をあげましょう。霧吹きで葉に水をかける葉水も効果的です。水不足だけが原因であれば、しばらくすると復活します。

葉焼け

胡蝶蘭は明るい場所を好みますが、直射日光は苦手です。日光の当たる窓際など、直射日光が当たる場所では葉焼けを起こします。

葉の生えている場所にかかわらず、茶色や黄色に変色してきた・乾いて白っぽくなってきた・黒く焦げたようなスポットができたなどの症状は葉焼けが原因です。

葉焼けの症状は広がりやすいので、見つけたらすぐに置き場所を移し、傷んだ葉を取り除きます。

低温障害

気温が低い季節には、寒さで弱ることもあります。オフィスや窓際など、夜間に気温が下がる場所では注意が必要です。

水やりをしているのに花がすべてしおれてしまった・葉が水っぽくぶよぶよになったなどの症状が出たら、低温障害を疑いましょう。

しおれた花は摘み、傷んだ葉を取り除いて、10℃以下にならない部屋で管理します。夜だけ窓際から離す、夜は段ボールを被せるなどの対策も有効です。水やりはしばらく控えましょう。

ただし、根まで凍傷が及んでいたら復活は難しいかもしれません。

下葉が黄色くなり、シワシワになる|病気ではない

葉が黄色くなる・シワシワになる症状は、胡蝶蘭の調子が悪いときによく出る症状でもありますが、問題のないケースもあります。

それは、世代交代のために古い葉を落とす、自然現象の場合です。

適切な水やりと環境で育てているのに葉が黄色くなってきた・根に近い葉が1枚だけ黄色や茶色に変色している・変色とともにシワシワになってきた場合は、自然現象によるものかもしれません。放っておいても自然に葉が落ちるので、しばらく様子を見てみましょう。

胡蝶蘭の簡単な育て方

胡蝶蘭は、性質に合う置き場所さえあれば、月に1〜3回水やりするだけでOK。意外と手のかからない植物です。

室内で楽しめる観葉植物で、花を咲かせる植物はあまりない中、胡蝶蘭の丈夫さは貴重です。一度花が咲く喜びを味わったら、ハマる人も少なくありません。

よく見る定番の贈答用の化粧鉢から、素焼き鉢や板付栽培に植え替えれば、現代のインテリアによく合います。ぷっくりとツヤのある葉も魅力的です。

胡蝶蘭の基本的な育て方を一緒に確認していきましょう。

置き場所・日当たり

置き場所は、直射日光の当たらない明るい場所を好みます。

レースカーテン越しの窓際が最適です。オフィスなどでは、明るく直射日光の入らない受付などに置くのがおすすめです。

また、風通しの良さも大切。空気の流れが悪い場所では根腐れを起こしたり、花が一気に枯れてしまうことがあります。サーキュレーターなどで部屋の空気を動かすのも効果的です。

ただし、エアコンや扇風機の風が直接当たる場所は避けましょう。

水やり

胡蝶蘭の水やりは、だいたい10日前後に一度が目安です。

植え込み材を指でぐっと押してみて、乾いていたら水やりをしましょう。植え込み材の表面が乾いていても、中は湿っていることもあります。鉢の中が湿った状態が続くと、根腐れを起こして枯れてしまいます。

ついついほかの植物と同じ感覚で水やりをしてしまい、根腐れしてしまうことも少なくありません。ある程度ほったらかしにして、植え込み材がしっかり乾いたら水やりをする感覚を掴むことが大切です。

温度

胡蝶蘭栽培では、昼間は25℃前後、夜は18℃前後の場所がベストです。

冬は10℃以下にならない場所に置きましょう。5℃以下になると一気に低温障害が出ることがあります。

夏はなるべく25℃以上33℃以下の場所が良いでしょう。胡蝶蘭は暖かい場所を好みますが、35℃以上になると弱ってしまいます。

だいたい人間が快適に思う環境に近い場所を好みます。自宅では人が過ごすことの多いリビングが良いでしょう。

肥料

洋ラン専用の肥料を規定通りに薄め、春から秋、水やりの代わりに10日前後に一度あげます。

胡蝶蘭の肥料は、元気な株の成長を促すために使います。弱っている胡蝶蘭を復活させるために肥料を使うと、負担が大きくなって逆に枯れてしまうことがあるのでやめましょう。

また、冬の休眠期に施肥したり、量をあげすぎると根腐れを起こします。4〜10月の暖かい時期に、適切な量をあげるように心がけましょう。寒くなったら肥料はやめます。

植え替え

贈答用の胡蝶蘭は、水苔を使ってポリポットに植えられています。しかし、保水力のある水苔とポリポットの組み合わせは根腐れを起こしやすく、長く栽培するのには向いていません。

胡蝶蘭の植え替えは、冬の休眠期や真夏は避け、春や秋に行いましょう。水苔で植える場合は、通気性の良い素焼き鉢を使います。ほかには、以下の植え込み材の種類があります。

植え込み材×鉢の種類 育て方の特徴
水苔 × 素焼き鉢 保水力が高い
水苔 × 板(板付栽培) 通気性が良い
バークチップ × プラスチック製鉢 排水性が良い
水耕栽培 × コップや花瓶 根腐れしにくい 

排水性が良く、根腐れしにくいバークチップや水耕栽培は、こまめな水やりや水交換が必要です。

ほったらかし気味で育てたいなら保水力の高い水苔栽培がおすすめです。

花が終わった後の胡蝶蘭の育て方

胡蝶蘭は、花が終わった後でもまだまだ楽しめます。

胡蝶蘭は過酷な状況でも花芽を伸ばして花を咲かせる、生命力が強い植物。初心者でも花を咲かせるのは意外と難しくありません。

特に、シーズン内にもう一度花を咲かせる二度咲きはとても簡単です。もらった胡蝶蘭をオフィスや自宅にほったらかしにして廃棄してしまう前に、少しだけお世話してもう一度お花を咲かせてみませんか。

二度咲きさせる

胡蝶蘭の二度咲きは、ハサミで花茎をカットするだけ。花が終わりかけでも葉にツヤがあって株が元気なら、二度咲きに挑戦してみましょう。

花が咲き終わりそうな茎を、根本から節を4〜5つ残した位置でカットします。ハサミは使用する前に火で炙るなどして消毒しましょう。

株の体力を残すためにも、すべての花が咲き終わる前に早めに切るのがおすすめです。植え替えはしない方が成功率が上がります。

カットした後の水やりは15日前後に一度くらい、少し乾燥気味に育てます。すると、カットしてから1〜2ヶ月ほどで新しい花芽が出てきます。

関連記事:胡蝶蘭の花が終わった後の育て方|剪定方法や二度咲きのコツ

来年の花に備える

花が終わる時期が気温の低い冬だった場合や、葉にツヤがなく元気がないようなら、体力を温存させて来年の花に備えましょう。

花の終わった花茎は、消毒したハサミで根元から切り取ります。

ポリポットに入ったままなら、まずは植え替えましょう。冬であれば、春まで待ってから植え替えます。

なお、葉にツヤがないときは、根腐れなどを起こしている場合があります。一度根を確認して、黒く変色している根は切除してすぐに植え替えます。

胡蝶蘭についてよくある質問

胡蝶蘭についてよくある質問と答えをご紹介します。

  • 枯れた胡蝶蘭を復活させる方法はあるの?
  • 根だけになった胡蝶蘭は復活する?

ではひとつずつ見ていきましょう。

枯れた胡蝶蘭を復活させる方法はあるの?

一見枯れたように見える胡蝶蘭でも、葉や根が残っていれば復活できるかもしれません。

しかし、水をあげたのに葉がシワシワになったり、花が一気に枯れたりするなどの症状が出た時は、根腐れを疑いましょう。

根腐れを起こすとほとんどの根がなくなりますが、胡蝶蘭は復活する可能性があります。

水苔の植え込み材を丁寧に除去し、腐った根を切ります。残っている根の先を、メネデール液につけて様子を見ましょう。根が数本出てきたら、鉢に植えて育てます。

根だけになった胡蝶蘭は復活する?

葉がなくなり根だけになった胡蝶蘭の復活は難しいですが、元気な根が残っていて、茎が硬く手応えがあれば可能性はあります。

植え替えを行うと株が弱りやすいので、なるべく根のままで様子をみましょう。元気がないからといって肥料を与えると、状態が悪化する可能性があります。そのため、肥料も控えてください。

また、水やりは控えめにして、植え込み材が中まで乾いてから行います。特に、冬の間は水やりをやめて、春頃暖かくなってから徐々に再開しましょう。

もし、株の体力が残っていれば、新芽を出してくれます。

まとめ

胡蝶蘭は完全にほったらかしでは育ちませんが、お世話をしすぎないほうがうまく育てられることもあります。

一方で、こまめにお水をあげ、肥料や植え替えを頻繁にしていると逆に枯れてしまうことも。感覚的にお世話をするのではなく、まずは胡蝶蘭の正しい育て方を把握してください。

ただし、ほったらかし気味で育てるには、胡蝶蘭に合った置き場所を見つけることがとても大切です。暖かく、気温の変化が少ない場所を見つけてあげましょう。

ほどよくほったらかしにして、胡蝶蘭の綺麗な花を楽しんでみてくださいね。

[https://andplants.jp/collections/phalaenopsis]
西山藍子(nishiyama ranko)
植物好きの母が育てる植物たちに囲まれて育ちました。 大学で美術を学んだ後、毎日植物に囲まれたくて花屋に勤務。 主にブライダルフラワーを担当し、ひとりひとりに似合うお花を見つけるお手伝いをしてきました。 その後ガーデニングショップに勤務して庭づくりを学び、現在は田舎で育児をしながら、花や植物に関する記事を書いています。 さまざまなライフスタイルに合う植物との暮らしを提案していけたらと思います。

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