観葉植物を一つ取り入れるだけでも素敵な空間に仕上がりますが、住まいの環境やインテリアを一緒に組み合わせることで、より一層雰囲気がよくなります。
実現したいディスプレイも参考になるコーディネートがあればすぐに真似することが可能。
今回は、南国のリゾート感を演出できる観葉植物をコーディネート例と合わせて紹介します。
リゾート感のある雰囲気や植物が好きな方、そもそも植物はどのように選べばいいのかと悩んでいる方などにも相応しい内容となっているので、最後まで読んでいただけたら幸いです。
また、筆者おすすめの南国感のある観葉植物はサンスベリア・ゼラニカです。斑入りのような模様が、南国感を演出するのにぴったりですよ。
南国のリゾート感を演出できる観葉植物の選び方
おすすめの植物を紹介する前に、どんなポイントに着目して選べばよいのかを解説していきます。
ちなみにリゾート感とは、自然にあふれた非日常のライフスタイルのこと。こちらも合わせて覚えておきましょう。
- 耐寒性があるかどうか
- 日陰で管理ができるかどうか
- インテリア性があるかどうか
南国風の植物を選ぶ際には、上記3つのポイントを意識するのがいいです。では、具体的な理由を見ていきます。
耐寒性があるかどうか
南国風のコーディネートを実現したいなら耐寒性を備えているものがおすすめ。観葉植物の多くは暖かい地域で育つため、冬が苦手なものが多いからです。
しかし、中には冬にも強く丈夫な植物があります。 寒さに耐えられず植物が枯れると、南国感のある雰囲気が損なわれてしまいます。なるべく耐寒性があるものを選びましょう。
加えて、屋内での管理であれば「窓際に置かない」「暖房を入れる」などの対応を行うだけでも冬越しができるので、ぜひ試してみてください。
日陰で管理ができるかどうか
耐陰性をもった観葉植物を選ぶのもいいです。耐陰性があれば、置きたい場所の日当たりが多少悪くても上手く適応できます。
たとえば、インテリアと植物のコーディネートを考えるときに、インテリアの都合で植物の置き場所が限定されることはないでしょうか?
「バランスよくコーディネートしたいんだけど、そうなると日当たりがな…」となったときでも、耐陰性がある植物であれば安心です。
鉢物で流通しているものは耐陰性を備えているものが多いですが、中には強い光を浴びないと生育できないものがありますので、あらかじめ確認しておきましょう。
インテリア性があるかどうか
「せっかく飾るならおしゃれな観葉植物を置きたい」といった人もいるのではないでしょうか。植物は種類が豊富でどれも形が異なるので、インテリア性に優れています。
たとえば2つのエバーフレッシュがあったとしても、葉っぱや根っこの育ち方は一緒ではありません。育てる人や環境によっても樹形は変化していくため、植物はある意味一点ものと言えます。
とはいっても「おしゃれの感じ方」は人それぞれなので、まずは自分が「これはかっこいいし、好みだな」と思うものを選んでみましょう。自分の納得感が大切ですよ。
南国風の育てやすい観葉植物3選
「南国感のある観葉植物は欲しいけど、上手に育てられるか不安」といった方は、次に紹介する育てやすい植物がおすすめです。
- アレカヤシ
- オーガスタ
- サンスベリア・ゼラニカ
慣れていない人は、簡単で扱いやすい植物の方が長期的に生長も楽しめるのでいいかもしれません。
①アレカヤシ|清涼感を与える
日当たり | 日当たりのよい置き場所 |
温度 | 10℃以上をキープする |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | 強い |
水やり | 春夏:土の表面が乾いたら 秋冬:土の表面が乾いてから2〜3日後 |
アレカヤシは、放射状に伸びる様が印象的な観葉植物です。なびく姿が見る人に清涼感を与えてくれます。
耐寒性はそこまで高くないですが、関東甲信越の屋内であれば十分に冬越しが可能。ほぼ1年中健康に育てられます。
ただし、窓際は冷気が発せられているのでなるべく近づけないようにしましょう。耐寒性が低いものは窓際の冷気でダメージを受けてしまうからです。
アレカヤシのインテリア性を高めたい方は、黒鉢に植え替えるとグッと引き締まってかっこよくなります。南国の雰囲気にメリハリがほしいときにお勧めです。
[https://andplants.jp/collections/arecapalm] アレカヤシの育て方はこちら②オーガスタ|白い花が咲く
日当たり | 日当たりのよい置き場所(直射日光は避ける) |
温度 | 最低5℃以上をキープする |
耐寒性 | やや弱い |
耐暑性 | 強い |
水やり | 春夏:土の表面が乾いたら 秋冬:土の中が乾いてから3〜4日後 |
オーガスタは、リゾート感たっぷりの雰囲気がある観葉植物です。トロピカルな葉っぱが存在感を放っているので、南国のコーディネートをつくる際にも適しています。
春夏の時期に日当たりの良いところに置き、1〜2ヶ月に一度固形の肥料を与えると白い花を咲かせることも。花の姿が「極楽鳥」という鳥に似ていることから「極楽鳥花」とも呼ばれています。おしゃれな雰囲気をより一層高めてくれるでしょう。
また、秋冬の気温が下がる時期では生長スピードが緩やかになります。寒くなる時期に合わせてお水やりの頻度を減らしていきましょう。乾燥に強いので、特に秋冬はそこまで水を求めなくなるからです。
メリハリをつけて管理をすれば育てるのは難しくないので、初心者の方にも適しています。
[https://andplants.jp/collections/birdofparadisetree] オーガスタの育て方はこちら③サンスベリア・ゼラニカ|乾燥に強い
日当たり | 明るい日陰 |
温度 | 最低10℃以上をキープする |
耐寒性 | やや強い |
耐暑性 | 強い |
水やり | 春夏:土の表面が乾いてから2〜3日後 秋冬:葉の表面にしわが寄ってから(10月以降はほぼ断水) |
サンスベリア・ゼラニカは観葉植物ではあるものの、多肉植物のような扱いをされるほど乾燥に強い植物です。
お水やりの頻度は1週間に1回、秋冬なら2週間に1回でもいいかもしれません。手入れが簡単なので、初心者にも適しています。
ゼラニカは幅を取らないので、置き場所に困りません。インテリアを先にディスプレイして最後にゼラニカを組み合わせるのもアリです。リゾート感のあるコーディネートを考えていきましょう。
温かい場所が好きなので、寒いところに置かないのが安全です。特に冬場の窓際は、冷気が発せられているため植物にダメージを与えてしまいます。窓際からは、なるべく離して管理をしましょう。
[https://andplants.jp/collections/sansevieriazeylanica] サンスベリア・ゼラニカの育て方はこちら南国風の日陰でも管理できる観葉植物
続いては日陰でも管理ができる植物をまとめてみました。
- モンステラ・デリシオーサ
- ケンチャヤシ
- エバーフレッシュ
住まいの環境によっては、必ずしも日当たりのよいところに置けるとは限りませんよね。そういった際は、植物の性質に頼ってみるのも一つの手です。
④モンステラ・デリシオーサ|ハート型の葉をつけている
日当たり | 日当たりのよい置き場所 |
温度 | 最低5℃以上をキープする |
耐寒性 | やや弱い |
耐暑性 | 強い |
水やり | 春夏:土の表面が乾いてから 秋冬:土の中が乾いてから2〜3日後 |
モンステラ・デリシオーサは、葉っぱに切り込みが入った個性的な観葉植物です。ハート型の葉っぱをつけているので、愛らしい植物を置いてみたい方にも適しています。
ハワイでは「希望の光を導く」と言われているそうです。南国風の雰囲気にマッチするでしょう。
日光を好みますが、日陰に対してもある程度耐性をもっているのでお好きなところで鑑賞できます。健康な株に育てたい場合は、1週間に2〜3回ほど外の環境に触れさせるのがおすすめ。
日陰で育てられるとは言っても「日陰が好き」といった意味ではありません。自然の光を浴びられる方がモンステラも喜ぶため、積極的にケアをするといつまでも健康に生長します。
[https://andplants.jp/collections/monstera] モンステラ・デリシオーサの育て方はこちら⑤ケンチャヤシ|リゾート感を演出する
日当たり | 明るい日陰(直射日光は避ける) |
温度 | 最低5℃以上をキープする |
耐寒性 | やや弱い |
耐暑性 | 強い |
水やり | 春夏:土の表面が乾いたら 秋冬:土の中が乾いてから2〜3日後 |
ケンチャヤシはヤシの木の仲間で、南国の雰囲気を思わせるような観葉植物。アレカヤシよりはボリュームが抑えられていてスッキリした印象です。
こちらもリゾート感たっぷりな雰囲気を演出してくれます。
日当たりのある置き場所の方が健康に生長しますが、実は耐陰性にも優れているので育てるのが簡単です。日光が確保できない方、植物初心者の方にもよいのではないでしょうか。
ケンチャヤシも耐寒性が低いため、冬場の管理には気をつけてください。窓際に置かなければ上手に冬越しできます。
[https://andplants.jp/collections/catpalm] ケンチャヤシの育て方はこちら⑥エバーフレッシュ|優れた耐陰性がある
日当たり | 日当たりのよい置き場所 |
温度 | 最低10℃以上をキープする |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | 強い |
水やり | 春夏:土の表面が乾いたら 秋冬:土の中が乾いてから2〜3日後 |
エバーフレッシュは、涼しげな葉姿が特徴的な観葉植物です。環境に適応する能力が高いので、日当たりのよい置き場所はもちろん日陰でも生長します。置き場所を固定させるのがポイント。
日中は葉っぱが開いて夜は閉じる「睡眠運動」をおこなうユニークな特徴をもっています。諸説ありますが、余分な水分の蒸発を防ぐためにあるそうです。
1日を通してエバーフレッシュの動きを見られるので、あらためて観葉植物が「生き物」であるのを実感できるでしょう。
ボリュームのある樹形ですが、こまかい葉っぱが涼しげな雰囲気をつくってくれます。ゆったりとした空間にはピッタリではないでしょうか。
[https://andplants.jp/collections/pithecellobiumconfertum] エバーフレッシュの育て方はこちら観葉植物が合う南国のインテリアコーディネート例
南国のリゾート感を演出する観葉植物と相性のいいインテリア例をまとめました。全部を参考にするのは難しいかもしれませんので、真似できそうな部分を取り入れてみましょう。
- ナチュラル感のあるリラックスコーディネート
- 自然光をふんだんに取り入れたモダンコーディネート
- リビングに大きい観葉植物をディスプレイしたコーディネート
自分なりの新しいスタイルを試してみるのもアリですよね。
ナチュラル感のあるリラックスコーディネート
ホワイト・ベージュ・ブラウンのカラーリングで統一されたコーディネート。色合いと素材を意識するだけで、南国風のディスプレイが実現できるのでおすすめです。家具以外にも鉢カバーを揃えることで、より洗練されていきます。
また、ナチュラルカラーは「目に優しい色」とも言われているので、心理的にも安定するそうです。のんびりとリラックスした空間には、まさにうってつけの配色と言えるでしょう。
色の彩度によっても感じ方は異なるので、心が安らぐ色を選んでみてください。 心身の疲労を回復させたい方にもおすすめのインテリアコーディネートです。
自然光をふんだんに取り入れたモダンコーディネート
大きな窓から自然光を取り入れたモダンスタイルもとても素敵です。室内に光がたくさん入ってくるだけで癒しや安らぎを感じます。窓際にディスプレイされた青鉢のパキラが美しいです。
現代では在宅ワークをする方も増えているので、グリーンと一緒に過ごすのもおすすめ。南国色はあまり強くないですが、今っぽい雰囲気を上手く組み合わせた一例です。
リゾート感と聞くと「自然が見える環境」「パソコンなどとは無縁」と思われる方もいるかもしれませんが、アレンジをして構いません。
自分なりの「南国のリゾート感」を目指していきましょう。
リビングに大きい観葉植物をディスプレイしたコーディネート
最後に紹介するのが大型の観葉植物を組み合わせたコーディネート例です。植物をたくさん置くのではなく、大型のものをいくつか配置します。存在感があるので量を必要としません。
置きたい植物を決めてしまえばすぐに実現できるので、人によっては取り入れやすいでしょう。今回の記事で紹介したエバーフレッシュやアレカヤシはいかがでしょうか。
注意点としては、大型のものだと移動させるのが少々大変。「やっぱりこっちに置きたい」「日光にも当てたいな」と思っても簡単にはいきません。
最近ではキャスター付きの鉢カバーが販売されているので、大型の観葉植物を置く際にあるとケアがしやすいです。
南国風の観葉植物を枯らさないポイント
以下3つのポイントを意識して管理ができると、枯らさずに育てることが可能です。
- いきなり直射日光に当てない
- 霜や冷気が漂う場所で管理をしない
- 屋外で管理をする際は水切れに注意をする
ここでポイントを抑えられると、他の観葉植物を育てる際にも応用できるのでぜひ覚えておくのをおすすめします。
いきなり直射日光に当てない
観葉植物をいきなり屋外などの直射日光に当てると、葉焼けを起こす可能性があるので注意が必要です。
葉焼けとは、葉っぱが焼けたような跡がつく現象のこと。葉焼けが起きた葉っぱは次第に枯れていきますが、株がダメになるわけではありません。
とはいっても、植物にとってストレスであるのは変わりないので避けるのが無難です。
屋内の環境から日光に当てる際は、はじめの1週間はカーテン越しの弱い光、次に窓越しの光、そして直射日光に当てるといった段階を踏んでいくのをおすすめします。
そうすれば、葉焼けを起こさずスムーズに適応できるでしょう。
霜や冷気が漂う場所で管理をしない
観葉植物のほとんどが暖かい地域で育ったものなので、寒い場所での耐性がなく、冬の時期に枯れる可能性があります。
対策としては、真夏を過ぎて涼しくなった頃から屋内に取り込むのがいいです。
また、日中の晴れている日は植物を日光に当てて、夜は窓際から離して管理をしましょう。冬場の窓際から漂う冷気は外気温に近いので、植物がダメージを受けてしまうからです。
霜が漂う地域は、室内でも冷える可能性があります。ダンボールで植物を囲んで温度を下げない方法もあるので、積極的に活用してみてください。
屋外で管理をする際は水切れに注意をする
屋外に観葉植物を置く方もいるとは思いますが、その場合は水切れに注意が必要です。屋内と比べて風が吹いているので、土がよく乾きます。
特に春夏の時期は気温も高くなるので、毎日お水やりしても大丈夫です。水はけのよい土を使用していたら、1日2回必要なときもあります。土の状態をよく確かめておきましょう。
秋冬は気温も下がるので頻度は下がりますが、土が完全に乾いていたらお水をあげるのがおすすめ。また、屋外は根腐れがあまり起きないので、あげ過ぎても失敗する可能性が低いのが安心です。
南国風の観葉植物に関するよくある質問
最後に南国風の観葉植物に関するよくある質問とその答えをまとめました。
- 屋外で育てられるおすすめの観葉植物はある?
- フェイクや造花で南国感を演出できるものはどれ?
それでは具体的に見ていきましょう。
屋外で育てられるおすすめの観葉植物はある?
屋外でおすすめなのがフェニックス・ロベレニーです。
葉っぱが放射状に伸びていて存在感もあるため、自宅やお店のシンボルツリーにも適しています。 夏場は毎日お水やりが必要ですが、秋冬は生長が止まるので1週間〜10日に1回でも大丈夫です。
生命力が強いので、初心者の方でも簡単に育てられるでしょう。
また、フェニックス・ロベレニーは「躍動感」といったポジティブな花言葉があるので、心強い味方となってくれます。南国ムードかつエネルギーにあふれた植物を探しているならピッタリです。
[https://andplants.jp/products/roebelenpalm-l]フェイクや造花で南国感を演出できるものはどれ?
今回紹介した6つの観葉植物もフェイクとして販売されています。自宅に置けそうなサイズ感のものを選んでみてください。日当たりを確保しなくていいですしお水やりも不要なため、お好きなところで鑑賞できます。
造花であれば「プルメリアの花」がおすすめです。バリ島で多く見られる花で、レストランやホテルなど至るところに飾られています。こちらも生花ではないので、日当たりやお水やりは気にしなくて大丈夫です。
一本挿しからリーフだけのタイプもあるので花瓶やお皿を活かして、ディスプレイしてみるのもいいかもしれません。いろいろ組み合わせてみて、自分だけの南国感を演出してみましょう。
まとめ
観葉植物とインテリアを上手く組み合わせれば、南国感のある雰囲気も演出できます。現地に行かなくても、その場の雰囲気をご自宅などで味わえるのは嬉しいですよね。
現地の雰囲気を実際に再現してもいいですし、自分なりの新しい解釈でオリジナルのコーディネートを演出するのもアリです。「自分だけの正解」を見つけてみるのもいいと思います。
また、南国感のある観葉植物を選びきれないなら、サンスベリア・ゼラニカはいかがでしょうか。南国感のある特徴をしているだけではなく、乾燥に強く、初心者にも育てやすいですよ。