植物名 | エバーフレッシュ |
学名 | Calliandra eriophylla |
英名 | Calliandra eriophylla |
科目/属性 | マメ科/カリアンドラ属 |
原産地 | ブラジル、ボリビアなど |
エバーフレッシュの特徴
エバーフレッシュは、優雅で清涼感のある観葉植物。ねむの木の仲間として流通しており、つい触ってしまいがちですがエバーフレッシュは触れても葉は閉じません。
その代わり面白い特徴を備えており、夜暗くなるにつれて葉が閉じる行動をとります。これは睡眠運動と呼ばれており、諸説ありますが水分の蒸発を防ぐためのものとされています。エバーフレッシュ特有のユニークな性質で、植物が生物であることを今一度実感させてくれますよね。
他には春から夏ごろにかけて黄色い花を咲かせることがあり、開花後は赤い実を付けます。赤い実を付けることから和名では「アカサヤネムノキ」とも呼ばれています。
また、エバーフレッシュの赤い実から種を取り出して土に植えると、種から育てられるので興味がある方はチャレンジしてみるといいかもしれません。 種から育てるとまた違った感じで愛着が湧いて楽しめるでしょう。
エバーフレッシュの花言葉
エバーフレッシュの花言葉は「胸のときめき」「歓喜」といった2つの意味合いがあります。 2つの花言葉は、古い中国の言い伝えが由来。
とある昔、中国で暮らす家族にいつも不機嫌な父親がいました。その父親がたまたまエバーフレッシュの入ったお酒を飲むとたちまち機嫌がよくなり、家族は大喜びしたそうです。この大喜びをきっかけに「歓喜」といった花言葉が与えられました。
このエピソードで登場した家族は時に「夫婦」とも置き換えられることがあり、大喜びをしたことで夫婦円満の象徴ともされています。これが「胸のときめき」という花言葉の由来です。
まさにエバーフレッシュは、家庭に幸運をもたらしてくれる植物でもあるのですね。
エバーフレッシュの風水
風水効果は「出会い運」「恋愛運」があります。エバーフレッシュの人間関係を良好にしてくれる効果が発展して、風水の効果として作用しています。
たとえば玄関に置くと良縁を引き寄せることが可能です。これは玄関の嫌な邪気を追い払い、いい気を運んでくれるからです。会社のオフィスにもいいかもしれませんね。
他には寝室に置けばリラックス効果が働き、夫婦の関係を整えてくれます。一人暮らしであれば、日頃の疲れを取り除き新しいエネルギーを与えてくれるでしょう。
エバーフレッシュ自体は、環境に対する適応力が高いので場所を選びません。どのような場所でも身の回りに良好な気を運んでくれる頼もしい観葉植物です。
エバーフレッシュの育て方
日当たり | 日当たりのいい置き場所 |
温度 | 最低10℃以上をキープする |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | 強い |
水やり | 春夏:土の表面が乾いたら 秋冬:土の中が乾いてから2〜3日後 |
肥料 | 液体肥料・緩効性肥料 |
剪定時期 | 4〜10月 |
置き場所と日当たり
エバーフレッシュは耐陰性が高いので置き場所を選びません。しかし日当たりがよければグングン伸びるので、大きくしたい人は日光を確保しましょう。
4〜10月であれば屋外でも管理ができるので、紫外線をたっぷり浴びせるとなおよいです。春頃から慣らしておけば、真夏の直射日光で葉焼けする可能性は低くなります。
屋内で管理する場合は、日当たりの良し悪しにかかわらず置き場所を固定させるといいです。置き場所を転々とさせてしまうと、エバーフレッシュが馴染めずにストレスになるからです。環境に適応させるためには一つの場所に固定させると上手くいきます。
温度
エバーフレッシュは10℃を下回るようになったら、暖かい置き場所や室内に移動させましょう。というのも、屋外での冬越しができないからです。 屋内でも冷気が発せられる窓際は、なるべく避けるようにすると健康に育ちます。
最近の日本の住宅であれば密閉性が高いので、暖房などを使えば窓際でも問題ないです。しかし、日中と朝夜の寒暖差が激しいのであまりおすすめはできません。
エバーフレッシュがストレスにならないように、温度差が少ない場所で管理するようにしましょう。
水やりの頻度
水やりの頻度は春夏と秋冬で変化をつけるといいです。以下をご覧ください。
- 春夏:土の表面が乾いたらたっぷりとお水をあげる
- 秋冬:土の中が乾いてから2〜3日後にお水をあげる
エバーフレッシュにとって春夏の時期は成長期にあたるので、水分を欲している状態。土も乾きやすいので表面を触って乾燥していたら、お水をたっぷりとあげてしまって大丈夫です。
一方で秋冬の時期は休眠期にあたるので、土の乾き具合もゆっくりです。それに合わせてお水やりの頻度もゆっくりにする必要があります。具体的には、土の中が乾いてから2〜3日後にあげればいいでしょう。
ただし屋内で管理する際に暖房などを効かせていると、秋冬でも土が乾きやすいです。その場合は、秋冬でも春夏と頻度があまり変わりません。気温と乾き具合を様子見しながら、各々で調整してみてくださいね。
肥料
エバーフレッシュは肥料がなくても管理ができますが、大きく葉っぱにボリュームをもたせたいなら与えるといいです。 具体的には、4〜10月の期間に緩効性肥料という固形肥料を土に混ぜます。
普段のお水やりで徐々に溶け出し、次第に浸透していく仕組みです。メーカーにもよりますがだいたい1ヶ月前後は効果が続きます。 春夏の成長期は肥料を与えると大きくなるので、1ヶ月に1回ずつ記載の用量を守って与えましょう。
剪定方法
春夏の成長期または4〜10月の時期に剪定するといいです。剪定行為はエバーフレッシュにとってもダメージになりますが、成長期であれば回復スピードも早いので影響は出ません。
剪定をすれば直線に伸びるのを防ぐことができるので、背丈を求めていないなら行うといいでしょう。ただし、脇から新芽が成長するのでボリューム度合いは増す可能性があります。
剪定できる時期は限られているので、年単位で楽しみながら行ってみるのもいいかもしれませんね。
エバーフレッシュのよくあるトラブルと対処法
植物の初心者でも気軽に育てることができるエバーフレッシュですが、トラブルも存在します。
ここではトラブルが起きたときの対処法を解説していきます。あらかじめ対処法を知っておけば、いざ何かあっても安心ですよね。
根腐れ
根腐れでは、以下の症状が起きます。
- 水をあげても元気にならない
- 土がなかなか乾かない
- 葉が落ちやすい
- 葉が茶色・黄色に変色している
- 幹や根元が柔らかい
- 土から腐敗臭がする
- 土の表面にカビが生えている
- 根黒く変色している
「根腐れ」は、土の中の酸素濃度が低下することでアンモニアが発生し、有害なアンモニアが土の中の微生物菌叢を悪化させることで引き起こります。
根がふやけてしまうことで細胞が死んでしまい、水が吸い上げられずに植物全体に水分が行き渡らなくなってしまうのです。
根腐れの対処法は以下。
- 鉢から植物を抜き、土を落として鉢を入れ替える
- 根の傷んでいる部分、腐っている部分をカットする
- 一時水やりを控え、風通しがよく明るい日陰に置く
- 活力剤を与えてみる
根腐れが起こった場合は、鉢を入れ替えて土の環境を変えることが大切です。
傷んでしまった根は取り除き、健康な状態が取り戻せるような環境を与えてあげましょう。
根詰まり
根詰まりとは、鉢の中で根がいっぱいになることで起きる症状です。根詰まりの症状は以下の通り。
- 水が浸透しづらくなる
- 底から根が出てくる
- 葉が黄色くなる
- 鉢にヒビが入る
特に春夏の成長期で一気に伸びてしまうと上記のような症状が起きてしまいます。すぐに枯れる要因にはなりませんが、放置してしまうとエバーフレッシュに悪影響です。
対処法はエバーフレッシュの植え替えをすること。
エバーフレッシュを現在の鉢より1つ上の大きい鉢に植え替えることで、上記の症状はほとんど解消されるでしょう。植え替えを行う時期も春夏の成長期が最も適しています。
葉焼け
葉焼けでは、以下の症状が起きます。
- 葉の色素が抜けて白くなっている
- 葉の一部が茶色く枯れている
強い日差しを浴びすぎると葉が傷んで「葉焼け」というトラブルが発生します。
葉焼けの症状に気がついたら、早めに置き場所を検討し直すことが必要です。
対処法は以下。
- 日照時間を短くする
- 直射日光が当たっている場合はカーテンなどで遮光する
- 葉焼けした部分はカットする
葉焼けが起こるということは、日光が当たりすぎている可能性が高いため、日照時間が短くなるような措置をとりましょう。
また、一度焼けてしまった葉は二度と元に戻りません。傷んだ葉はカットし、新しい健康な葉が生えてくるのを待ちましょう。
ハダニ
- 葉にクモの巣のような糸がついている
- 葉の裏に小さな虫がついている
- 葉に斑点や傷がある
- 葉の色が薄くなり枯れている
ハダニは繁殖力の強さと、薬剤耐性を持つとても厄介な害虫です。
放っておくと糸を張って大量発生する危険性もあるので、早めに対処を行いましょう。
対処法は以下。
- 傷んだ葉はカットする
- 葉の表裏、付け根や茎も水で洗浄する
- ハダニに効果のある液体を噴霧する(2倍に薄めた牛乳、重曹と水を混ぜたもの、濃いコーヒー、10倍に薄めた酢、殺虫剤)
症状に気がついたらすぐにハダニを駆除することが大切です。
水で洗浄して糸やハダニを取り除き、ハダニに効果的な液体をまいて確実に殺虫しましょう。
エバーフレッシュのよくある質問
最後にエバーフレッシュのよくある質問とその答えを以下にまとめました。
- 冬越しの注意点は?
- 枯れる原因は?
- 葉が落ちる原因は?チリチリになった場合はどうすればいい?
- 幹を太くするにはどうすればいいの?
- 挿し木で増やすにはどうすればいい?
- 花って咲くの?
特にエバーフレッシュは環境の変化や気温差による影響が葉に出やすいので、心配になる方も多いかもしれません。一つひとつ疑問点を整理していきましょう。
冬越しの注意点は?
10〜3月ごろまでは、屋内での管理をおすすめします。というのも、目安として10℃以下になるとエバーフレッシュは葉を落とす傾向にあるからです。 寒い場所が苦手なので、気温が低くなると葉を落とします。
そのまま放置すると枝についている葉が全て落ちてしまい、春まで新芽が出ません。最悪の場合、枯れてしまうことも。 そのため、気温が低くなる前に屋内に戻すと上手く冬越しできます。
一年中屋内で育てている方は、冷気が漂う窓際での管理は避けるようにするといいでしょう。とにかく冬越しのポイントは、寒さに近づけないことです。
枯れる原因は?
エバーフレッシュが枯れる原因は、冬越しが上手くできなかった場合が多いです。気温が低くなると環境が変化するので、適応するまでに時間を要します。暖かい置き場所に移動してしばらく固定させれば安心です。
しかし、性質を理解していないと「この置き場所がよくないのかも」と配置替えを行い、かえってストレスをかけてしまうのです。
大切なのは、屋内に移動させて1〜2週間は同じ場所で様子見をすること。そうすれば、次第に元気になって成長してくれます。
葉が落ちる原因は?チリチリになった場合はどうすればいい?
葉が落ちる原因も同じく、環境変化によるストレスです。実は、購入場所からこれから置く場所の環境変化でも葉は落ちてしまうんですね。 この時も焦らず「この場所に置こう」と一度決めたら、しばらくは固定しましょう。日陰でも徐々に慣れていきます。
葉がチリチリになった原因は、乾燥の可能性が高いです。エアコンや扇風機に直接当たると、乾燥のスピードが通常より増すので水分が蒸発します。風が当たらない置き場所で管理するとよくなります。
また、定期的に葉水を行うと乾燥の予防になるので、普段のお水やりと合わせて行いましょう。
幹を太くするにはどうすればいいの?
エバーフレッシュの幹を太くするには次の3つのことを年単位で繰り返していきます。
- 4〜10月は屋外で管理をする
- 肥料を与え続ける
- 秋口に剪定をする
この3つです。
「エバーフレッシュは気温差が苦手なんじゃないの?」と思われるかもしれませんが、4〜10月の気候であれば屋外にずっと出しっぱなしで大丈夫です。紫外線をたっぷりと浴びせるのがコツ。 その期間は、肥料をしっかり与えるようにするといいです。
緩効性肥料を1ヶ月に1回与えていきます。そうすることで特に葉っぱが非常にわさわさしてくるでしょう。 気温が下がってきた秋口に思いっきり剪定をします。これを年単位で繰り返すと、幹が太くなってボリュームのあるエバーフレッシュに仕立てることが可能です。
少し手間はかかってしまうのですが、時間をかければたくましい姿になるのでぜひ試してみてくださいね。
挿し木で増やすにはどうすればいい?
エバーフレッシュは剪定した枝を使用すると、挿し木で増やすことができます。具体的な手順は以下の通り。
- 枝を10〜15cmほどの適当な長さで剪定をする
- 先端の葉3〜5枚残して、他の葉は切る
- 剪定した枝を30〜1時間ほど水を入れたコップに浸す
- 市販の観葉植物の土と底石を詰めた鉢を用意する
- 鉢に棒で穴を空けてから、先程の剪定した枝を挿す
- 植え替えた鉢にたっぷりとお水を与える
上記6つの手順で挿し木は完成。
あとは、水切れを起こさないように明るい日陰で管理をします。上手くいけば、3〜4ヶ月で根が出てくるのでしばらくは様子見をしてみましょう。
花が咲くの?
エバーフレッシュは春夏に黄色い花を咲かせます。生花のような見た目ではなく、柔らかいタンポポのような雰囲気です。簡単に落ちてしまうので、もしかしたら気づかない人もいるかもしれません。
日当たりがよほど悪い環境だと紫外線不足で花を付けないことがあります。しかし、屋内の日陰でも十分に花を咲かすことができます。日当たりのいい環境に移動させたりよく観察したりして、エバーフレッシュの花を鑑賞してみてくださいね。
エバーフレッシュのまとめ
エバーフレッシュは環境変化に敏感な観葉植物ですが、特性を理解しておけば心配することはありません。春夏と秋冬の時期は場所の移動がありますが、それ以外はそのままでいいので初心者でも管理が楽です。
育てるコツさえ押さえてしまえば、毎年優雅な清涼感のある葉を楽しむことができます。風水での効果も非常にいいものなので、自宅や職場のシンボルツリーとしても活躍してくれるでしょう。