植物名 | パールアカシア |
学名 | Acacia podalyriifolia |
英名 | Pearl acasia |
科目/属性 | マメ科アカシア属 |
原産地 | オーストラリア |
日当たり | 直射日光の当たる屋外 |
温度 | 最低‐5℃以上をキープする |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 強い |
水やり | 春夏:土の表面が乾いてから 秋冬:土の表面が乾いてから2~3日後 |
肥料 | 緩効性肥料、液体肥料 |
剪定時期 | 4~5月 |
育てやすさ | ★★★☆☆ |
パールアカシアの特徴
パールアカシアは真珠葉アカシアとも呼ばれ、丸く美しい葉が特徴的な植物です。春には比較的大きな球状の黄色い花を可愛らしく咲かせます。
まとまりやすい樹形で剪定の必要があまりなく、初めての植物を迎える方でも育てやすいアカシアです。ただし、乾燥に敏感で簡単に葉を落とすので、水切れには注意してください。
常緑樹のシンボルツリーとしても人気があり、寒さに強いため屋外のインテリアに最適です。幹が細く根が深くまで伸びないため、強風によって倒れやすいです。
植え替え・植え付け後は、添え木をすると育てやすいでしょう。
パールアカシアの花言葉
パールアカシアの花言葉は「愛情」「友情」「秘密の恋」です。さまざまな品種がありますが、アカシア属には共通して「友情」の花言葉があります。
小さな葉が枝に密集して付く姿が友情を表しているのでしょう。「愛情」の花言葉は丸く可愛らしい葉と美しい花が由来です。
また、「秘密の恋」の花言葉は、オーストラリアの先住民アボリジニが、アカシアの花を愛の告白に使っているため名付けられています。
パールアカシアはポジティブな花言葉なので、誕生日などのプレゼントにおすすめです。メッセージカードを添えて、花言葉を伝えると喜ばれるかもしれません。
パールアカシアの風水
「仕事運」「金運」を上げる風水効果があります。
花言葉に「友情」とあるように、人と人の縁を繋げて仕事運を上げる植物です。また、風水では丸い葉と黄色の花は金運を上げる効果があります。
パールアカシアは丸い葉を茂らせ黄色い花を咲かせるため、金運に効果的です。気の入り口である玄関やベランダなどの日当たりのよい場所に置くと、さらに金運に恵まれるでしょう。
就職祝いや開店祝い、新築祝いなどにおすすめです。これから仕事を頑張る方にプレゼントすると喜ばれます。
ただし、植物を置くだけでは十分な風水効果は得られません。置く場所は整理整頓して、しっかり手入れをすることが重要です。
関連記事:観葉植物の風水|場所と効果別のおすすめ
パールアカシアの育て方
パールアカシアは、屋外で育てやすい植物ですが、育て方にはポイントがあります。
ここでは、パールアカシアの育て方について解説します。育て方のポイントを押さえて、適切に育てることができれば、美しい姿で元気に育ち続けるでしょう。
置き場所と日当たり
パールアカシアは直射日光の当たる環境を好みます。地植え・鉢植えどちらも、しっかりと日差しの当たる場所で管理しましょう。
日当たりが悪い環境では、枝葉が徒長して美しく育ちません。また、強風が当たると幹が倒れやすいので、風が当たらない場所に置いたり支柱を立てたりする工夫をしてください。
最低温度が‐5℃ほどまでは耐えられますが、霜や雪が降りるようなら鉢植えは室内に移動させると安心です。
温度
パールアカシアは寒さに強い植物です。最低‐5℃以上をキープして育ててください。
最低温度が‐5℃以下になる場合、鉢植えは玄関先など室内に移動させましょう。明るく暖かい室内に置き、暖房の風に当たらないように気を付けてください。
暖房の風が当たると急激な乾燥によって葉が傷みます。地植えのパールアカシアには、寒さで根が傷まないように根元を腐葉土や敷き藁などをマルチングをすると安心です。
雪が積もる場合は、枝を縛ってビニールを被せるとよいかもしれません。急な寒波以外で、常に冬の気温が‐5℃になる環境では地植えではなく鉢植えで育ててください。
水やりの頻度
- 春夏:土の表面が乾いてから
- 秋冬:土の表面が乾いてから2~3日後
春夏の生育期には、土の表面が乾いたら鉢底から水が流れるくらいに、しっかり水やりしてください。パールアカシアは土が乾燥しすぎると葉を落とすので、水やりや葉水は綺麗に育てるために重要なポイントです。
ただし、水のやりすぎや受け皿の溜め水は根腐れの原因になります。水やり後は、受け皿に溜まった水は小まめに捨ててください。
冬は土の表面が乾いてから2~3日後に水やりをします。ただし、寒い時間帯に行うと逆効果のため、暖かい時間帯に水やりをしてください。
地植えのパールアカシアは根付くと水やりは心配いりませんが、雨が降らない時期や気温の高い真夏は土の乾燥が続くようなら株元にたっぷり与えます。
もし、鉢植えの水やり頻度に困ったときは、水やりチェッカーの利用もおすすめです。
肥料
パールアカシアには、生育期の3~10月に2か月に1度置き肥を置くか、水に薄めた液肥を2週間に1度のペースで水やり代わりに与えてください。冬は生育が緩慢な時期なので、肥料は与えません。
パールアカシアは肥料が少なくても十分に育ちますが、葉を茂らせたり艶を出したりしたい場合は土に混ぜ込んだ元肥以外に追肥もしましょう。ただし、肥料の与えすぎは根を傷めるため、与えるペースや時期はしっかり守ってください。
アカシアはマメ科植物なので、根粒菌と共生関係にあります。根粒菌からチッソを得るため、カリやリン酸を中心に与えてください。
花が咲く早春は、花の栄養素であるリン酸を多く含んだ肥料を与えると効果的です。
剪定方法
パールアカシアの剪定時期は4~5月です。花後の花がらや茂りすぎた枝葉を剪定します。
アカシアは7月以降の夏に来年の花芽を作るので、花後すぐに剪定してください。剪定が遅れると来年の花が咲かない原因になります。
葉が出ている枝であれば、どこから切っても問題ありません。節から新芽を出すので、理想の株姿をイメージして剪定するとよいでしょう。
パールアカシアは樹形が自然とまとまるので、剪定に苦労しない樹木です。しかし、大きくしたくない場合は、ある程度の高さで幹の先端を切って芯止めしてください。
ただし、樹木の肌のように木質化(もくしつか)した枝や幹からは新芽が出にくいです。緑色の枝葉を風通しよく剪定して、樹形を整えてください。
パールアカシアのよくあるトラブルと対処法
可愛い丸葉と花が人気のパールアカシアですが、トラブルも存在します。
ここではトラブルが起きたときの対処法を解説していきます。あらかじめ対処法を知っておけば、いざ何かあっても安心です。
根腐れ
根腐れでは、以下の症状が見られます。
- 水をあげても元気にならない
- 土がなかなか乾かない
- 葉が落ちやすい
- 葉が茶色・黄色に変色している
- 幹や幹の根元が柔らかい
- 土から腐敗臭がする
- 土の表面にカビが生えている
- 根黒く変色している
根腐れは、土の中の酸素濃度が低下して土中の細菌叢が変化し、有機物の腐敗が進むことで有害なアンモニアが発生し、土壌環境が悪くなることで発症します。
また、常に土が湿っている状況では根が呼吸することができず、細胞が死んでしまいます。これが原因で、根から水を吸い上げることができなくなり、植物体に水を供給することができなくなることで死んでしまう現象です。
根腐れの対処法は以下の通り。
- 鉢や地面から植物を抜き、悪い土を落として水はけのよい土に交換する
- 根の傷んでいる部分、腐っている部分をカットする
- 少量の水を与え、風通しがよく明るい日陰で管理する
※1週間を目安に水が乾くコンディションで管理する - 発根剤を与えてみる
- 傷んだ葉を取り除く
- 枯れた枝を切り取る
根腐れが起こった場合は、土を入れ替えて環境を変えることが大切です。傷んでしまった根は取り除き、健康な状態が取り戻せるような環境を与えてあげましょう。赤玉土・ゼオライトなどを用土に混ぜ込むことで、水はけと根腐れを防止することができます。
枝先がダメになっている場合は、生きている部分までカットし、新しい葉を出すことで回復させます。根元から腐っている場合は、無事な部分で切り取り、挿し木にして発根させて回復させましょう。
根腐れが起こると、新芽を残すために古い葉を落とす現象が見られます。重度の根腐れの場合は、新芽や枝の先から枯れることがあるので注意が必要です。
関連記事:観葉植物の根腐れ|対処法や見分け方の紹介
根詰まり
根詰まりとは、鉢の中で根がいっぱいになることで起きる症状です。根詰まりの症状は以下の通り。
- 水が浸透しづらくなる
- 底から根が出てくる
- 葉が黄色くなる
- 鉢にヒビが入る
特に春夏の成長期で一気に伸びてしまうと上記のような症状が起きてしまいます。すぐに枯れる要因にはなりませんが、放置してしまうとパールアカシアに悪影響です。
対処法はパールアカシアの植え替えをすること。
パールアカシアを現在の鉢より1つ上の大きい鉢に植え替えることで、上記の症状はほとんど解消されるでしょう。植え替えを行う時期も春夏の成長期が最も適しています。
関連記事:観葉植物の根詰まり|症状や対処法について
葉焼け
葉焼けでは、以下の症状が起きます。
- 葉の色素が抜けて白くなっている
- 葉の一部が茶色く枯れている
強い日差しを浴びすぎると葉が傷んで「葉焼け」というトラブルが発生します。
葉焼けの症状に気がついたら、早めに置き場所を検討し直すことが必要です。
対処法は以下の通り。
- 明るい日陰にならして直射日光に当てる
- 葉焼けした部分はカットする
葉焼けが起こるということは、日光が当たりすぎている可能性が高いため、直射日光に当てないような措置を取りましょう。
また、一度焼けてしまった葉は二度と元に戻りません。傷んだ葉はカットし、新しい健康な葉が生えてくるのを待ちましょう。
関連記事:観葉植物の葉焼け|原因や対処法の紹介
ハダニ
ハダニの症状は以下の通りです。
- 葉にクモの巣のような糸がついている
- 葉の裏に小さな虫がついている
- 葉に斑点や傷がある
- 葉の色が薄くなり枯れている
ハダニは繁殖力の強さと、薬剤耐性を持つとても厄介な害虫です。
放っておくと糸を張って大量発生する危険性もあるので、早めに対処を行いましょう。
対処法は以下の通りです。
- 傷んだ葉はカットする
- 葉の表裏、付け根や茎も水で洗浄する
- ハダニに効果のある液体を噴霧する(殺虫剤のほか、2倍に薄めた牛乳、重曹と水を混ぜたもの、濃いコーヒー、10倍に薄めた酢でも一定の効果あり)
ハダニが湧いてしまったら、市販の殺虫剤(ベニカファインスプレー・オルトラン)を使用するのが効果的です。2倍に薄めた牛乳などの液体を噴霧する対処法もありますが、匂いが気になる方には水で洗い流す方法もおすすめです。
そもそもハダニは、こまめな霧吹き・葉をふき取りきれいにすることを怠らなければ発生しません。
常にきれいな状態を保つために、霧吹きの購入は必須といえます。月に一度はシャワーで洗い流すなどの管理も必要です。
パールアカシアのよくある質問
最後にパールアカシアのよくある質問とその答えを以下にまとめました。
- パールアカシアの冬の育て方は?
- パールアカシアに強剪定は必要?
- パールアカシアの花が咲かない原因は?
- パールアカシアの葉が落ちるのはどうして?
- パールアカシアは地植えと鉢植えどっちがいい?
- パールアカシアの花には香りがある?
- パールアカシアはシンボルツリーとして育てやすい?
それでは具体的に見ていきましょう。
パールアカシアの冬の育て方は?
パールアカシアの冬越し方法は、最低気温がマイナスになるなら室内に入れることです。ただし、寒さに強く‐5℃まで耐えることができるので、温暖地では屋外でもそれほど心配はいりません。
寒冷地では、最低温度が0℃程度になり始めたら室内に入れてください。窓際は屋外と変わらないほど冷え込むため、窓から離れた明るい場所に置きます。
冬の室内は、空気が乾燥して葉が傷みやすいため、水やりと一緒に葉水を行うと葉がきれいな状態を維持できます。
冬に葉水をする際は日中に行い、室温を十分に上げてから霧吹きしてください。
また、屋外を好むアカシアは、室内は風通りが少なく生育が悪くなります。サーキュレーターを使い空気を流すように心がけましょう。
パールアカシアに強剪定は必要?
大きくなりすぎた場合は強剪定が必要です。
剪定時期は開花後の4~5月。樹形が自然にまとまるパールアカシアは、花が咲いた部分を切り戻すだけで形がよくなります。
しかし、大きくなりすぎて困る場合は、枝を深く切ったり主幹を切ったりしてください。パールアカシアは夏に来年の花芽を付けるので、夏以降に剪定すると花が咲かなくなるので注意しましょう。
可愛い葉だけを楽しむのであれば、3~9月にこまめに切って樹形を維持することも可能です。
パールアカシアの花が咲かない原因は?
パールアカシアの花が咲かない原因は、「日当たり不足」「剪定」が多いです。
日光が当たる環境を好むので、室内では花が咲きにくいでしょう。日当たりのよい屋外で育ててください。
アカシアは夏に来年の花芽を付ける植物です。夏以降に剪定した場合は、花芽のついた枝を落とすことになるため、花が咲かなくなります。
花をまんべんなく咲かせたい場合は、早春の開花後4~5月に剪定してください。その後は、風通しを確保する程度の剪定に留めると翌春に綺麗に花が咲きます。
パールアカシアの葉が落ちるのはどうして?
葉が落ちる原因は「日当たり不足」「水のやりすぎ(やらなすぎ)」です。
パールアカシアは、日光が差し込まない暗い場所では軟弱に育ち、葉も落ちやすくなります。基本的に室内ではなく直射日光の当たる屋外で育ててください。
水をやりすぎると根腐れを引き起こし、葉が落ちることもあります。土が常に湿っており調子がよくない場合は、新しい土に植え替えをしてください。
パールアカシアは土の乾燥に敏感な植物であるため、土が乾燥しすぎるとボロボロと葉が落ちてしまいます。葉の先端が黄色くなったり、株全体の葉色が薄くなったりしたときは要注意です。適切な水やりをしてください。
パールアカシアは地植えと鉢植えどっちがいい?
育てる環境によって、鉢植え・地植えを選んで育てましょう。冬の最低温度が‐5℃を下回るほど寒くなければ、地植えの方が簡単に大きく育ちます。
ただし、パールアカシアは成長が早く5mほど大きくなる植物。地植えする場合は、あらかじめ大きくなっても問題ないスペースを確保し、剪定しながら育てましょう。
省スペースで楽しみたい場合は、鉢植えで育てると地植えよりも生育がゆっくりになります。寒冷地など冬の気温が低い場合は、地植えができないため鉢植えがおすすめです。
パールアカシアの花には香りがある?
パールアカシアの花には、甘い香りがあります。強い香りではないので、匂いに敏感な方にも安心です。
早春の花として、ベランダや花壇で黄色い花と香りを楽しんでください。切り花として室内で飾ったり、リースとして飾り付けたりするとおしゃれです。
美しい黄色の花と甘い香りが、春の訪れを感じさせてくれるでしょう。
パールアカシアはシンボルツリーとして育てやすい?
パールアカシアはシンボルツリーとして育てやすい植物です。暑さ寒さに強く、樹形もまとまりやすいので人気があります。
ただし、大きくなりやすく根もあまり深くまで伸びないので、強風で倒れやすいです。シンボルツリーとして育てる場合は、強風を避けられる場所に植えたり支柱をしたりすると安心です。
植え付けた直後は、根の張りが十分ではないので倒れないようにしてください。土の乾燥に敏感なので、雨が降らない時期や真夏の高温時期は地植えでも水やりをしましょう。
パールアカシアのまとめ
パールアカシアは直射日光の当たる屋外であれば、一年を通して簡単に育てることができます。丸い葉と黄色い花は可愛らしく、お庭のシンボルツリーとして活躍するでしょう。
「愛情」「友情」などの花言葉は、愛の告白や友人への誕生日プレゼントにも最適です。仕事運や金運効果があるとされているため、開店祝いや新築祝いなど多くの方に喜んでもらえます。
ぜひ、屋外で楽しむグリーンとして育ててみてはいかがですか。