アンスリウム・ダコタの育て方

植物名	アンスリウム・ダコタ
学名	Anthurium Dakota
英名	Tailflower
科目/属性	サトイモ科ベニウチワ属
原産地	熱帯アメリカ、西インド諸島など
日当たり	日当たりの良い場所
温度	最低10℃以上をキープする
耐寒性	弱い
耐暑性	強い
水やり	春夏：手で土を触って水分を感じなくなったら(鉢の中央部分までしっかり乾いてから) 秋冬：手で土を触って水分を感じなくなったら(鉢の中央部分までしっかり乾いてから) 2～３日後
肥料	緩効性肥料、液体肥料
剪定時期	4月～10月
育てやすさ	★★★☆☆

アンスリウム・ダコタの特徴

アンスリウム・ダコタは、真っ赤なハート型の仏炎苞(ぶつえんほう)が特徴的な観葉植物です。

花のように見える部分は「仏炎苞」と呼ばれ、葉の一種です。仏炎苞から伸びる棒状の「肉穂花序(にくすいかじょ)」が、アンスリウムの花とされています。

正確には、肉穂花序は小花の集合体なので、一つ一つがアンスリウム・ダコタの花です。個性的な花をしていますが、真っ赤な仏炎苞はお部屋に彩りを加えてくれるため、ギフトにも人気があります。

花が咲かない時期でも艶のある葉を楽しめるので、インテリアグリーンとしてもおすすめです。寒さには弱いため、冬はなるべく暖かい場所で育ててください。

アンスリウム・ダコタの花言葉

アンスリウム・ダコタの花言葉は「恋にもだえる心」「煩悩」です。ハート型の仏炎苞から名付けられています。

花言葉「恋にもだえる心」は、片思いをしている方にぴったり。思いを寄せている相手にプレゼントしてみるのもよいかもしれません。

ハート型の仏炎苞は、結婚祝いとしても喜ばれるでしょう。育てやすい植物なので、植物を育てたことがない方でも安心して育てられます。

アンスリウム・ダコタの風水

アンスリウム・ダコタには、「恋愛運」「仕事運」を高める風水効果があるとされています。

風水ではハートの形は、恋愛運を上げる効果があるとされているためです。気になっている方やパートナーへのプレゼントにいかがでしょうか。

真っ赤で情熱的な印象を与えるアンスリウム・ダコタは、仕事を成功に導く力を持っているとされています。就職祝いや栄転祝い、昇進祝いにおすすめです。

ただし、風水効果を得るためには、植物を置くだけでは不十分です。整理整頓してアンスリウム・ダコタを元気に育てることで、良い風水効果が得られます。

関連記事：観葉植物の風水｜場所と効果別のおすすめ

アンスリウム・ダコタの育て方

アンスリウム・ダコタは、初めて植物をお部屋に迎える方にも育てやすいですが、育て方にはポイントがあります。

ここでは、アンスリウム・ダコタの育て方について解説します。育て方のポイントを押さえて、適切に育てることができれば、美しい姿で元気に育ち続けるでしょう。

置き場所と日当たり

アンスリウム・ダコタは日当たりと風通しがよい環境を好みます。ただし、真夏の直射日光や西日に当たると、葉焼けする可能性があるので注意が必要です。

耐陰性はありますが、ほとんど日光が入らないような暗すぎる場所ではうまく生育できません。葉が黄色くなったり徒長してひょろひょろになったり、花が咲かなかったりするので、明るい窓際に置いてください。

直射日光が差し込む場合は、レースカーテン越しの柔らかい光にしてあげましょう。特に夏の直射日光には当たらないように育ててください。

温度

アンスリウム・ダコタは、寒さに弱い植物です。最低10℃以上をキープして育ててください。

10℃以下の寒さに当たり続けると、葉が黒ずんだり葉が枯れたりする原因になります。なるべく暖かい場所で管理することが重要です。

冬の窓際は屋外と変わらないくらいに冷え込むので、窓から離れた明るい場所に置いてください。ただし、暖房の風が当たると急激な乾燥によって葉が傷みやすいです。

暖房の風が当たらず、窓から離れた暖かい場所で管理しましょう。

水やりの頻度

春夏の生育期には、手で土を触って水分を感じなくなったら(鉢の中央部分までしっかり乾いてから)鉢底から水が流れるくらいに、しっかり水やりしてください。ただし、水のやりすぎや受け皿の溜め水は根腐れの原因になります。

水やり後は、受け皿に溜まった水は小まめに捨てることが重要です。気温の下がる秋からは土の渇き具合を見ながら、徐々に水やりを控えましょう。

冬の水やりは、手で土を触って水分を感じなくなったら(鉢の中央部分までしっかり乾いてから)2～3日後に与えてください。この時期は空気が乾燥するので、水やりと一緒に葉水も与えるとイキイキとした元気な葉を維持しやすいです。

水やりや葉水は、室温が十分に上がったタイミングで与えてください。気温が低い時間帯に水を与えると、根や葉が傷む可能性があるので注意します。

もし、水やりの頻度に困ったときは、水やりチェッカーの利用がおすすめです。

肥料

アンスリウム・ダコタには、生育期の5～10月に2か月に1度置き肥を置くか、水に薄めた液肥を2週間に1度のペースで水やり代わりに与えてください。冬は生育が緩慢な時期なので、肥料は与えません。

アンスリウム・ダコタは肥料が少なくても十分に育ちますが、花を咲かせたり艶を出したりしたい場合は土に混ぜ込んだ元肥以外に追肥もしましょう。

ただし、肥料の与えすぎは根を傷めるため、与えるペースや時期はしっかり守ってください。

剪定方法

アンスリウム・ダコタの剪定時期は4月～10月です。傷んだり茂りすぎたりした葉や花を剪定します。

葉は葉柄の付け根から綺麗に切り取りましょう。葉柄を残して切ると、アンスリウムの見た目が悪くなるためです。

花が終わった後は仏炎苞と肉穂花序はぽろっと落ちますが、葉柄はそのまま残ります。残った葉柄も根元から綺麗に剪定して取り除いてください。

長年育てたアンスリウムは、茎が伸びてきます。根元の茎を切らないように気を付けて剪定してください。

アンスリウム・ダコタのよくあるトラブルと対処法

真っ赤な仏炎苞が美しいアンスリウム・ダコタですが、トラブルも存在します。

ここではトラブルが起きたときの対処法を解説していきます。あらかじめ対処法を知っておけば、いざ何かあっても安心です。

関連記事：観葉植物のトラブル｜主な症状と対処法まとめ

根腐れ

根腐れでは、以下の症状が見られます。

根腐れは、土の中の酸素濃度が低下して土中の細菌叢が変化し、有機物の腐敗が進むことで有害なアンモニアが発生し、土壌環境が悪くなることで発症します。

また、常に土が湿っている状況では根が呼吸することができず、細胞が死んでしまいます。

これが原因で、根から水を吸い上げることができなくなり、植物体に水を供給することができなくなることで死んでしまう現象です。

根腐れの対処法は以下の通りです。

根腐れが起こった場合は、鉢を入れ替えて土の環境を変えることが大切です。傷んでしまった根は取り除き、健康な状態が取り戻せるような環境を与えてあげましょう。

赤玉土・ゼオライトなどを用土に混ぜ込むことで、水はけと根腐れを防止することができます。

葉先がダメになっている場合は、生きている部分までカットし、新しい葉を出すことで回復させます。

根元から腐っている場合は、無事な部分で切り取り、茎を挿し木にして発根させて回復させましょう。

根腐れが起こると葉や花が垂れ、新芽を残すために古い葉を落とす現象が見られます。重度の根腐れの場合は、新芽や葉先から枯れることがあるので注意が必要です。

関連記事：観葉植物の根腐れ｜対処法や見分け方の紹介

根詰まり

根詰まりとは、鉢の中で根がいっぱいになることで起きる症状。根詰まりの症状は以下の通りです。

特に春夏の成長期で一気に伸びてしまうと上記のような症状が起きてしまいます。すぐに枯れる要因にはなりませんが、放置してしまうとアンスリウム・ダコタに悪影響です。

対処法はアンスリウム・ダコタの植え替えをすること。

アンスリウム・ダコタを現在の鉢より1つ上の大きい鉢に植え替えることで、上記の症状はほとんど解消されるでしょう。植え替えを行う時期も春夏の成長期が最も適しています。

関連記事：観葉植物の根詰まり｜症状や対処法について

葉焼け

葉焼けでは、以下の症状が起きます。

強い日差しを浴びすぎると葉が傷んで「葉焼け」というトラブルが発生します。

葉焼けの症状に気がついたら、早めに置き場所を検討し直すことが必要です。

対処法は以下の通りです。

葉焼けが起こるということは、日光が当たりすぎている可能性が高いため、直射日光に当てないような措置を取りましょう。

また、一度焼けてしまった葉は二度と元に戻りません。傷んだ葉はカットし、新しい健康な葉が生えてくるのを待ちましょう。

関連記事：観葉植物の葉焼け｜原因や対処法の紹介

アンスリウム・ダコタの害虫トラブルと対処法

育てやすいアンスリウム・ダコタにも害虫トラブルは存在します。

害虫によるトラブルが発生したときの対処法を解説していきます。あらかじめ対処法を知っておけば、いざ何かあっても安心です。

ハダニ

ハダニの症状は以下の通りです。

ハダニは繁殖力の強さと、薬剤耐性を持つとても厄介な害虫です。

放っておくと糸を張って大量発生する危険性もあるので、早めに対処を行いましょう。

対処法は以下の通りです。

ハダニが湧いてしまったら、市販の殺虫剤（ベニカXファインスプレー・オルトラン）を使用するのが効果的です。

2倍に薄めた牛乳などの液体を噴霧する対処法もありますが、匂いが気になる方には水で洗い流す方法もおすすめです。

そもそもハダニは、こまめな霧吹き・葉をふき取りきれいにすることを怠らなければ発生しません。

常にきれいな状態を保つために、霧吹きの購入は必須といえます。月に一度はシャワーで洗い流すなどの管理も必要です。

関連記事：観葉植物に発生するハダニ｜対処と予防法の紹介

アブラムシ

アブラムシの症状は以下の通りです。

アブラムシは繁殖力が強いため短期間で増え、ウイルスを媒介する厄介な害虫です。

放っておくとアンスリウム・ダコタの生育が弱まり枯れる恐れもあるので、早めに対処を行いましょう。

対処法は以下の通りです。

アブラムシが湧いてしまったら、市販の殺虫剤（ベニカXファインスプレー・オルトラン）を使用すると効果があります。

2倍に薄めた牛乳などの液体を噴霧する対処法もありますが、匂いが気になる方には水で洗い流す方法もおすすめです。

関連記事：観葉植物に発生するアブラムシ｜原因や対処・予防法

カイガラムシ

カイガラムシの症状は以下の通りです。

カイガラムシは繁殖力の強さと薬剤耐性のある厄介な害虫です。

放っておくとアンスリウム・ダコタの生育が弱まり枯れる恐れもあるので、早めに対処を行いましょう。

対処法は以下の通りです。

カイガラムシが発生したら、市販の殺虫剤（ベニカXファインスプレー・オルトラン・スミチオンなど）を使用するのが効果的。

カイガラムシの成虫には殺虫剤が効きにくいので、幼虫の時期である5～7月に使用するとよいでしょう。

既に貝殻をかぶっている成虫は、柔らかいブラシや布で擦り取ってください。

2倍に薄めた牛乳などの液体を噴霧する対処法もありますが、匂いが気になる方には水で洗い流す方法もおすすめです。

関連記事：観葉植物の白い綿はコナカイガラムシ｜対処法と予防法を紹介

コバエ

コバエの症状は以下の通りです。

コバエ自体は植物に無害ですが、観葉植物を育てるうえでの不快害虫です。

放っておくとコバエは増えていくので、早めに対処を行いましょう。

対処法は以下の通りです。

コバエが発生したら、市販の殺虫剤（ベニカXファインスプレー・オルトラン・スミチオンなど）を使用するのが効果的です。

コバエのトラップは食器用洗剤やお酢、めんつゆなどで作ることができます。植物の近くに置いておくと、簡単にコバエを捕殺できるでしょう。

コバエは、発酵不十分な腐葉土やバーク堆肥、有機質肥料の匂いに引き寄せられます。

そのため、有機質肥料を取り除いたり土の表面に赤玉土や鹿沼土など3～5㎝程度敷き詰めたりするとコバエ発生を防ぐことが可能です。

そもそもコバエは、完熟たい肥を使用した質のよい土であれば発生しません。また、土が常に湿っている状況を避ければ、発生する可能性は低いです。

コバエを発生させないためには、適切な土と水やり管理で育ててください。

関連記事：観葉植物に発生するコバエ｜対策と原因について

アンスリウム・ダコタのよくある質問

最後にアンスリウム・ダコタのよくある質問とその答えを以下にまとめました。

それでは具体的に見ていきましょう。

アンスリウム・ダコタは初心者に育てやすい？

アンスリウム・ダコタは初心者にも育てやすい植物です。

耐陰性もあるので、明るい室内であれば安心して育てられます。水やりは、手で土を触って水分を感じなくなったら(鉢の中央部分までしっかり乾いてから)与えてください。

寒さには弱いので、10℃以上をキープした暖かい環境での管理がポイントです。寒さに気を付ければ、アンスリウム・ダコタは初心者でも長く育てられます。

アンスリウム・ダコタは室内屋外どちらを好む？

アンスリウム・ダコタは室内の日当たりの良い環境を好みます。ただし、真夏の直射日光は葉焼けの原因になるので注意が必要です。

屋外の日陰でも育てることはできますが、室内と屋外を入れたり出したりすると紫外線量が変化して生育によくありません。また、寒さに弱いため、冬は室内で育てる必要があります。

そのため、明るい室内で置く場所を決めたら、動かさずに育てたほうが良いでしょう。

アンスリウム・ダコタの花が咲かないのはどうして？

アンスリウム・ダコタの花が咲かない原因は、「日当たり不足」「窒素肥料の与えすぎ」が考えられます。

日当たりの良い環境を好む植物なので、日差しも入らない暗い環境では花は咲きません。明るい窓際で育てましょう。

また窒素分の多い肥料を与えると、葉っぱばかり茂ります。窒素は葉の栄養素であるためです。

花を咲かせたい場合は、リン酸の多い肥料を生育期に適量与えることが重要です。

アンスリウム・ダコタの花や葉が小さいままの理由は？

アンスリウム・ダコタの花や葉が小さいままの理由は、「根詰まり」「土の劣化」が考えられます。

2年以上植え替えをしていない場合は、鉢の中で根詰まりを起こしているかもしれません。また、土も劣化して状態が良くない可能性もあります。

根詰まりしたり土が劣化したりすると、アンスリウム・ダコタは十分な栄養を吸収できません。その結果、葉や花が大きくなれず小さいままであることも。

一回り大きな鉢に新しい土で植え替えをしてください。根詰まりで根鉢が固まっている場合は、丁寧にほぐしましょう。

アンスリウム・ダコタが冬に枯れる原因は？

アンスリウム・ダコタが冬に枯れる原因は、「寒さ」「水のやりすぎ」が考えられます。

寒さに弱い植物なので、最低10℃以上をキープした暖かい室内で管理してください。また、冬の寒い時期は生育が緩慢なため、あまり水を必要としません。

冬に水をやりすぎると根腐れして枯れる恐れがあるので、土の乾燥具合を確認しながら室内の温度がしっかり上がっているタイミングで水やりしましょう。受け皿に溜まった水もこまめに捨ててください。

アンスリウム・ダコタの植え替えに適した土は？

アンスリウム・ダコタの植え替えに適した土は、水はけのよい土です。「evo 緑が鮮やかになる土」や「INLIVING 観葉植物の土」だと育てやすいでしょう。

どちらも水はけ・通気性が良く、植え替え後も元気に育てることができます。虫を嫌う方は有機物無配合の「INLIVING 観葉植物の土」がおすすめです。

アンスリウム・ダコタの適切な増やし方は？

アンスリウム・ダコタの適切な増やし方は、「株分け」「挿し木」です。生育期の5～7月に行います。

挿し木の増やし方は、長く伸びた茎を10～15㎝ほどの長さで切り取り、葉を1～2枚にして土に挿します。その後は、明るい日陰で土が乾燥しないように水やりをしながら管理すると、1か月ほどで発根するでしょう。

株分けの増やし方は、株元から出てきた子株を、根が付くように優しく分けて植え替えます。アンスリウムの茎は長年育てないと伸びないため、株分けで増やす方法がおすすめです。

アンスリウム・ダコタのまとめ

アンスリウム・ダコタは日当たりと風通しがよい室内であれば、一年を通して簡単に育てることができます。美しい赤色の仏炎苞は、おしゃれなインテリアグリーンとして活躍するでしょう。

花言葉「恋にもだえる心」は、愛の告白やバレンタイン、結婚祝いなどのプレゼントに最適です。恋愛運と仕事運を上げるとされている風水効果は、多くの方に喜んでもらえます。

ぜひ、赤色が映えるインテリアグリーンとして育ててみてはいかがですか。