夏の暑さで観葉植物を枯らした経験はありませんか。近年、地球温暖化の影響によって、夏の暑さはより一層厳しいものとなっています。
暑すぎる夏は観葉植物にとっても過ごしにくい季節。暑い夏でも観葉植物を楽しむためには、暑さに強い植物を選ぶことが重要です。
今回は、暑い夏でも楽しめる暑さに強い観葉植物について紹介します。特徴や種類、暑さ対策などについて解説するので、ぜひ参考にして観葉植物を選んだり育てたりしてみてください。
暑さに強い観葉植物の特徴
暑さに強い観葉植物の特徴は以下の4つです。
- 原産地が熱帯・亜熱帯地域
- 乾燥に強い
- 直射日光に強い
- 葉が厚い
それぞれ詳しく解説します。
原産地が熱帯・亜熱帯地域
暑さに強い観葉植物の特徴には、「原産地が熱帯・亜熱帯地域」があります。赤道を中心とした年中温暖な地域で育っている植物は、暑さに耐性を持っていることが多いです。
そのため、日本の暑さにも耐えられ、初心者でも育てやすいでしょう。ただし、原産地が熱帯・亜熱帯地域であっても、35℃を超える暑さには耐えられない場合があります。
特に、熱帯雨林のジャングル奥深くに自生しているような植物は、意外にも暑さに弱い傾向があります。原産地が熱帯・亜熱帯であっても、「どんな場所で自生しているのか」まで調べると、より暑さに強い観葉植物を選べるでしょう。
乾燥に強い
暑さに強い観葉植物は、「乾燥に強い」特徴を持っていることが多いです。土が乾燥しやすい暑い環境に自生している植物は、暑さと乾燥に対して耐性を持つように進化しています。
熱帯のサバナ気候では、乾季と雨季がはっきりしており、乾季では土の乾燥と高温が続きます。そのため、サバナ気候のような地域で自生する植物は、暑さにも乾燥にも強いです。
直射日光に強い
暑さに強い観葉植物は、「直射日光に強い」性質を持ち合わせていることが多いです。強い太陽光をさんさんと浴びて、高温環境下で育っている植物が多いためです。
ただし、35℃を超える暑さが続く夏に、直射日光を当て続けると葉焼けする可能性があります。直射日光に強いとはいえ、暑い夏は日陰に移動させておくと安心です。
葉が厚い
暑さに強い観葉植物の特徴に、「葉が厚い」があります。熱帯や亜熱帯を原産地としている植物は、葉や枝、幹、根などを厚くして、水分を溜め込む特徴を持っていることが多いためです。
葉が薄いと、暑さによって葉から水分が失われやすいです。暑さに強い観葉植物を選びたい場合は、葉の厚さにも注目しましょう。
暑さに強い観葉植物5選
暑さに強いおすすめの観葉植物は以下の5種類です。
- 柱サボテン
- ガジュマル
- オリーブの木
- ユーカリ
- シマトネリコ
それぞれの特徴を紹介します。
柱サボテン
日当たり | 日当たりのよい置き場所 |
温度 | 最低0℃以上をキープする |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 強い |
水やり | 春夏:手で土を触って水分を感じなくなったら(鉢の中央部分までしっかり乾いてから) 秋冬:葉にしわができてから(冬は月に一回程度で十分) |
柱サボテンは、背丈が高く成長する姿から名付けられた多肉植物の一種。茎の内部に水分を蓄えていてお水やりの手間がかからないため、初心者にもピッタリな植物です。
サボテンは種類が非常に豊富ですが、そのほとんどが直射日光下の強い日差しを好みます。暑さ寒さにも強いため、霜雪に当てなければベランダや玄関外でも育てやすいです。
屋内で育てる場合は、日光の確保が大切です。日差しの出る日中は窓際で管理をするなどの工夫をするとよいでしょう。
[https://andplants.jp/collections/peruvianapple]詳しい育て方が気になる方は、「柱サボテンの育て方」の記事で紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
ガジュマル
日当たり | 日当たりのよい置き場所 |
温度 | 最低0℃以上をキープする |
耐寒性 | やや弱い |
耐暑性 | 強い |
水やり | 春夏:土の表面が乾いたら 秋冬:土の表面が乾いてから2〜3日後 |
ガジュマルは、たくましい幹をしているユニークな観葉植物。35℃程度までの暑さでも生育する強い観葉植物でもあるので、暑さで植物を枯らした経験がある方にもおすすめです。
ガジュマルは幹の途中から「気根」と呼ばれる根っこを出していて、空気中の水分を吸収して体内に取り込みます。切っても問題ないですが、そのままにしておくとガジュマルのインテリア性を高めてくれるでしょう。
定番ではあるものの幹が独特な形をしているので、おしゃれなインテリアとして飾られることも多いです。
[https://andplants.jp/collections/chinesebanyan]詳しい育て方が気になる方は、「ガジュマル(多幸の木)の育て方」の記事で紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
オリーブの木
日当たり | 日当たりのよい置き屋外 |
温度 | -5℃まで耐えられる |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 強い |
水やり | 春夏:手で土を触って水分を感じなくなったら(鉢の中央部分までしっかり乾いてから) 秋冬:手で土を触って水分を感じなくなったら(鉢の中央部分までしっかり乾いてから)2~3日後 |
オリーブは「平和の象徴」とも呼ばれる幸せを運んでくれる観葉植物です。風水では邪気を払う効果があるとされており、開店祝いや新築祝いなどの贈り物に適しています。
お世話もしやすく、生育温度は15℃~35℃程度と暑さにも強いため、屋外で管理する場合でも特別な注意は不要です。ただし、湿気が続く状態が苦手なので、お水のあげすぎには気をつけるとよいでしょう。
お庭のシンボルツリーを探している方にもおすすめです。スペースが空いているなら、地植えでの管理もよいかもしれません。
[https://andplants.jp/collections/olive]詳しい育て方が気になる方は、「オリーブの木の育て方」の記事で紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
ユーカリ
日当たり | 日当たりのよい置き屋外 |
温度 | 最低-5℃以上をキープする |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 強い |
水やり | 春夏:土の表面が乾いてから 秋冬:土の表面が乾いてから2〜3日後 |
ユーカリは、暑さに強い観葉植物です。生育温度は15~35℃程度と、真夏の暑さにも耐えやすい強さを持っています。
ユーカリの多くは成長スピードが早いので、適宜剪定をする必要があります。自分の背丈を基準にして手入れをすると、管理が行き届きやすいです。
多湿環境に弱いため、乾燥気味で育ててください。土の中をなるべく蒸れさせないようにすると、失敗しづらく健康に成長してくれるでしょう。
[https://andplants.jp/collections/eucalyptus]詳しい育て方が気になる方は、「ユーカリの育て方」の記事で紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
シマトネリコ
日当たり | 日当たりのよい置き屋外 |
温度 | -5℃まで耐えられる |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 強い |
水やり | 春夏:土の表面が乾いたら 秋冬:土の表面が乾いてから2〜3日後 |
シマトネリコは、一年を通して艶やかな葉っぱを付ける観葉植物です。日差しを好むので、基本的には屋外で育ててください。
暑い夏のお庭でも元気に育つので、自宅のシンボルツリーとして飾る方もいるようです。ただし、その場合は大きさによっては10m以上にもなる可能性があるので、適宜剪定をして高さを調整する必要があります。
「高潔」「偉大」「荘厳」といった立派な花言葉もあり、良い運気を運んでくれます。シマトネリコが一つあるだけで、気持ちが整えられるかもしれません。
[https://andplants.jp/collections/shimatonerico]詳しい育て方が気になる方は、「シマトネリコの育て方」の記事で紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
暑さに強い観葉植物の育て方
暑さに強い観葉植物を選んでも、適切な育て方をしていない場合は暑さによって枯れるかもしれません。暑さに強い観葉植物の育て方のポイントを5つに絞って解説します。
- 置き場所と日当たり
- 温度
- 水やり
- 肥料
- 剪定
関連記事:観葉植物の育て方|コツや管理法について
置き場所と日当たり
暑さに強い観葉植物は日当たりと風通しの良い環境を好みます。ただし、35℃を超える真夏の直射日光に当たると葉焼けしやすいため、注意が必要です。
ほとんど日光の光が入らないような暗すぎる場所では、うまく生育できません。徒長した姿になったり葉色が薄くなったりします。
屋外向きの植物以外は、日当たりと風通しの良い窓際で管理してください。真夏の直射日光が差し込む場合は、レースカーテン越しの柔らかい光にしてあげましょう。
暑さや日差しに強い屋外向きの観葉植物であっても、真夏は風通しの良い日陰に移動させておくと安心です。
温度
暑さに強い観葉植物の多くは、寒さには弱いです。目安として、最低10℃以上をキープして育ててください。品種によっては、15℃以上の温度が必要な場合もあります。
暑さに強い観葉植物であっても、40℃以下の環境で育てることが重要です。日本は湿度も高いため、40℃を超える温度では、暑さや蒸れで枯れる恐れもあります。
35℃程度の暑さであれば、暑さに強い植物は生育可能です。寒さ暑さともに強いオリーブの木やユーカリなどは、冬も屋外で過ごせます。
水やり
- 春夏:手で土を触って水分を感じなくなったら(鉢の中央部分までしっかり乾いてから)
- 秋冬:手で土を触って水分を感じなくなったら(鉢の中央部分までしっかり乾いてから) 2~3日後
春夏の生育期には、手で土を触って水分を感じなくなったら(鉢の中央部分までしっかり乾いてから)鉢底から水が流れるくらいに、しっかり水やりしてください。ただし、水のやりすぎや受け皿の溜め水は根腐れの原因になります。
水やり後は、受け皿に溜まった水はこまめに捨てることが重要です。気温の下がる秋からは土の渇き具合を見ながら、徐々に水やりを控えましょう。
もし、一年を通して水やりの頻度に困ったときは、水やりチェッカーの利用もおすすめです。暑い夏は水切れしやすいので、水管理に注意してください。
暑い夏に屋外で管理している場合は、朝と夕方の涼しい時間帯に1日2回たっぷりと水やりしてあげると安心です。
肥料
暑さに強い観葉植物には、生育期の5~10月に2か月に1度置き肥を置くか、水に薄めた液肥を2週間に1度のペースで水やり代わりに与えてください。冬は生育が緩慢な時期なので、肥料は与えません。
肥料が少なくても十分に育ちますが、葉の量を増やして光合成効率を高めたい場合は土に混ぜ込んだ元肥以外に追肥もしましょう。ただし、肥料の与えすぎは根を傷めるため、与えるペースや時期はしっかり守ってください。
[https://andplants.jp/products/evo_solid_fertilizer_for_green]剪定
暑さに強い観葉植物の剪定時期は、生育期の5~9月です。枯れた葉や茂りすぎた枝葉を剪定します。
生育期に枝葉が増えて茂りすぎた場合は、葉と葉が重なり合って風通しが悪くなりやすいです。風通しが悪くなると、水やり後に暑さで枝葉や鉢内の根が蒸れやすいので注意してください。
[https://andplants.jp/products/sakagen-flower-shears]暑さに強い観葉植物でも重要な真夏対策
暑さに強い観葉植物であっても、真夏の暑さ対策は必要です。真夏の暑さに対して、3つの対策を紹介します。
- 二重鉢にする
- プラントスタンドで高さを出す
- ウォーターディスペンサーを使う
鉢植えで育てている場合は、地面に根が張っているわけではないので、水切れをしやすく、根が温められやすいです。暑さによる影響で、観葉植物が枯れないように紹介した対策をしてあげましょう。
二重鉢にする
暑さ対策として、二重鉢が効果的です。観葉植物の鉢を、さらに大きな鉢の中に入れるだけで、断熱効果があります。
屋外で観葉植物を育てている場合、鉢に太陽光が直接当たると鉢内の温度が上がり、土の中で根が茹で上がり枯れる恐れがあります。二重鉢にすることで、観葉植物が植えられている鉢が温められにくくなるので、暑さで枯れる心配も少ないです。
また、鉢と鉢の隙間に軽石を敷き詰めて、一緒に水やりをすると、気化熱で鉢内温度を下げて、土の乾燥を防ぐこともできます。
[https://andplants.jp/collections/pots]プラントスタンドで高さを出す
プラントスタンドで高さを出すことも、真夏の暑さ対策のポイントです。屋外のベランダやテラスで観葉植物を育てている場合は、太陽光の反射熱やコンクリートで温められた熱で観葉植物が傷む可能性があります。
プラントスタンドで高さを出すことによって、反射熱や温められた熱に当たる心配が少なくなります。また、鉢下に空間ができて風通しがよくなるため、蒸れの心配も少なくなるでしょう。
[https://andplants.jp/products/plant-stand-wood-l]ウォーターディスペンサーを使う
夏の暑さ対策には、土を乾燥させすぎないことが重要です。暑さに強い植物であっても、土が乾燥し続けていると枯れてしまいます。
ウォーターディスペンサーを使うと、土の乾燥し過ぎを防げます。土壌中の水分が不足した場合に、自動で水が排出されるためです。
AND PLANTSでは、ガラス製のおしゃれな「TWO TONE WATER DISPENSER」を取り扱っています。毎日が忙しくて、暑い夏に何度も水やりができない方は、ぜひ利用してみてください。
[https://andplants.jp/products/twotonewaterdispenser-l-by-1]暑さに強い観葉植物によくある質問
最後に暑さに強い観葉植物によくある質問とその答えを以下にまとめました。
- 暑さに強い観葉植物は何度まで耐えられますか?
- 暑さに強い・寒さに強い・日陰にも強い観葉植物はありますか?
- 暑さに強い観葉植物なら屋外でほったらかしでも大丈夫?
それでは具体的に見ていきましょう。
暑さに強い観葉植物は何度まで耐えられますか?
暑さに強い観葉植物であれば、40℃程度は耐えられるかもしれません。風通しや日当たり、湿度などの影響もあるため、一概には言えない点には注意してください。
特に、日本は暑さに強い観葉植物の原産地よりも湿度が高い傾向にあります。さらに、気温が35~40℃であっても周囲がコンクリートだったり近くに室外機があったりすると、さらに空気が温められて、より高温の環境になりやすいです。
暑さに強い植物であっても、なるべく35℃以下の環境になるように注意して育ててください。
暑さに強い・寒さに強い・日陰にも強い観葉植物はありますか?
基本的に、すべての条件に当てはまる観葉植物はないと思ってください。暑さ寒さに強い植物にはオリーブの木やユーカリ、サボテン類などがありますが、いずれも暗い場所では生育不良になります。
また、日陰に強いシダ類の観葉植物は、暑さに強くても寒さには弱いです。観葉植物は生き物なので、もともと自生している環境に近い場所で管理することが元気に育てるコツです。
人間の都合に合わせた場所で育てるのではなく、観葉植物の性質に合った場所で育ててください。
暑さに強い観葉植物なら屋外でほったらかしでも大丈夫?
地植えであれば、屋外でほったらかしでも育ちます。鉢植えの場合は、頻繁に土が乾くため、水やりが必要です。
地植えでも、植えつけたばかりや植えた観葉植物が小さければ、根が地中深くまで張っていない可能性があります。その場合は、表面の土が乾燥して水切れを起こすので、しっかりと水やりしてください。
ただし、暑さに強くても寒さに強いとは限らないです。寒さに弱い観葉植物は、地植えしても冬に枯れる可能性が高いため、注意が必要です。
まとめ
暑さに強い観葉植物について紹介させていただきました。近年、夏はより一層暑くなっており、観葉植物にとっても過ごしにくい季節となっています。
夏に観葉植物を育てるには、暑さに強い観葉植物を選ぶことが重要です。原産地が熱帯・亜熱帯地域の暑い地域出身の植物であれば、暑い夏でも育てやすいでしょう。
また、育てている観葉植物が暑さで観葉植物が枯れないように、夏の暑さ対策をしておくと安心です。ぜひ暑さに強い観葉植物で、夏を元気に乗り越えてください。