膨らんだ株元や太い幹が印象的なパキラ。小さな株から育てている方は「パキラが太くならない」と悩んでいませんか。
パキラにはさまざまなサイズ感があるので、小さな株から株元や幹が太い株に育てようと考えている方も多いでしょう。そこで、今回はパキラを太くする方法について詳しく紹介します。
パキラの株元や幹を太くするには、ポイントを押さえて育てる必要があります。ぜひ紹介する方法を参考に、パキラを太く育ててみてください。
パキラを太くするには株選びが重要
パキラは、株の種類によって株元や幹の太りやすさが異なります。そのため、育てていたり購入を考えたりしているパキラが、「どのような種類なのか」が重要です。
流通しているパキラの株には、以下の3種類があります。
- 実生(みしょう)株
- 挿し木株
- 接ぎ木株
いずれも、じっくり育てることで株元や幹は太くなりますが、太くなるスピードが異なるので、注意してください。それでは、それぞれの株について紹介します。
実生株
実生株とは、種から育った株のこと。実生株は、その植物本来の特徴を強く現しやすいです。
つまり、パキラの実生株であれば、株元や幹が太りやすい性質を持っています。パキラの株元や幹をより太くしたい方は、実生株のパキラを選んで育てるとよいでしょう。
ただし、種から育てて大きくするには時間がかかるため、実生株は流通量が少なく高価です。インターネットを利用して種を直接購入することも可能ですが、生育環境によっては発芽しなかったり、発芽しても幼苗管理に失敗して枯れたりする恐れもあります。
そのため、実生株のパキラを選ぶ場合は、少なくとも3~4号(直径9~12㎝)以上の鉢に植えられているものを選ぶと安心です。発芽直後から周囲の環境に順応しながら育つ実生株は、非常に強健になりやすい特徴もあります。
[https://andplants.jp/collections/pachiraseeds]挿し木株
挿し木株とは、葉や茎、枝などを土や水に挿して増やした株のことです。パキラの場合は、枝を土に挿して増やすことができます。
パキラの挿し木株は、幹に当たる部分が枝であるため、実生株と比べて太りにくいです。まったく太らないわけではありませんが、株元がぷっくり膨らみ幹が力強く太くなるまでには時間がかかります。
簡単に増やすことができる点はメリットですが、パキラ本来の太い幹を目指して育てる方は注意してください。
パキラの挿し木が気になる方は、「パキラの挿し木」の記事も確認してみてください。
接ぎ木株
接ぎ木株とは、異なる植物の茎や枝を繋ぎ合わせた株のことです。パキラの場合、主に斑入り品種を、通常の実生株または挿し木株のパキラに接ぎ木していることがあります。
斑入りパキラは、生育が遅く性質も弱いため、強健なパキラに接ぎ木されることが多いです。実生の斑入りパキラも、ごくわずかに流通しますが、非常に希少であり高価。
斑入りパキラを早く太くしたい方は、「実生のパキラに接ぎ木しているか」「斑入りパキラが実生株であるか」を確認しましょう。挿し木して増やしたパキラに接ぎ木している場合は、挿し木株と同様に太くなるまでに時間がかかります。
斑入りパキラはそもそも光合成能力が低いので、実生であっても太く大きくするには時間がかかる点には注意してください。
パキラの幹を太くする方法
株の種類に関係なく、パキラの幹や株元を太くする方法は以下の通りです。
- 日当たりの良い場所で育てる
- 適切な水やりをする
- 肥料を与える
- 毎年剪定する
- 定期的な植え替えをする
- 有機質用土で育てる
それぞれ、詳しく見ていきましょう。パキラの育て方も気になる方は、「パキラの育て方」の記事も参考にしてください。
日当たりの良い場所で育てる
パキラの幹や株元を太くするには、日当たりの良い場所で育ててください。パキラは日当たりを好む植物であるため、しっかりと光合成するほど栄養を作り出し、幹にため込みます。
日当たりの少ない場所では、光合成が十分にできずに、幹を太くするほどの栄養を作り出すことができません。とはいえ、真夏の日差しに当てると、葉焼けしやすいので、季節に合った日当たり管理が重要です。
日本海側の地域では冬は曇天になりやすいため、日光不足に注意してください。幹を早く太くしたい方は、日光不足になりやすい冬は、植物用LEDで補光して育てると良いでしょう。
パキラの日当たりについて気になる方は、「パキラの日光管理」の記事もチェックしてみてください。
適切な水やりをする
パキラの幹や株元を太くしたい方は、季節に合った適切な水やりをしてください。季節ごとの水やりの目安は以下の通りです。
- 春|新芽が出てきたらたっぷり与える
- 夏|土の乾燥に注意して与える
- 秋|徐々に頻度を下げて与える
- 冬|気温に注意して与える
パキラは、乾燥気味を好む植物なので、水のやりすぎに注意します。スパルタ気味の方がよく育ちます。
水のやりすぎや受け皿に水を溜める行為は、根腐れを引き起こす原因です。せっかく幹が太くなり始めても、根腐れで枯れてしまっては意味がありません。
健康的に太く大きく育てるためにも、日頃から土の乾燥具合を確認しながら水やりしましょう。もし、水やり加減に悩む場合は、「パキラの水やり」の記事を参考にしてみてください。
土の乾燥具合が、パッと一目でわかる水やりチェッカーの使用もおすすめです。
[https://andplants.jp/products/watering_checker_sustee_large_single]肥料を与える
パキラの幹を太くするためには肥料を与えることも効果的です。吸収された肥料はパキラの幹や葉、根の成長を促します。
ただし、肥料を与えすぎると、吸収されなかった肥料分が根を傷めたり土の状態を悪くしたりするので、注意してください。肥料の種類によって量や回数も異なるため、適切に与えることがポイントです。
肥料を与える際は、活力剤も併用すると、より大きな肥料効果を期待できます。パキラの肥料の与え方が気になる方は「パキラの肥料」の記事を参考にしてみてください。
AND PLANTSが取り扱っている「evo みどりがより鮮やかになる肥料」は、窒素・リン酸・カリの他に、葉緑素生成の効果のあるマグネシウムを含んでいます。パキラの光合成能力を高めて、幹を太くしたい方は、ぜひ与えてみてください。
[https://andplants.jp/products/evo_solid_fertilizer_for_green]毎年剪定する
パキラの株元や幹を太くするには、毎年剪定をしましょう。伸びたり込み合ったりした枝葉を幹付近まで短く剪定することで、幹に栄養が溜まりやすくなるためです。
植物には頂芽優勢(ちょうがゆうせい)と呼ばれる性質があります。植物の茎や枝、幹の先端にある頂芽が優先的に育つ性質です。
頂芽優勢によって、植物は植物の上部に枝葉を茂らせることができます。しかし、剪定をせずに茎や枝を伸ばし続けると、先端の頂芽に優先して栄養を送るため、幹に栄養が溜まりません。
その結果、ひょろひょろの株姿になります。パキラの株元や幹を太くしたい場合は、新芽が出やすい梅雨前に、伸びた枝を思い切って幹の近くまで剪定してください。
パキラの頂芽の位置を低くするだけで、幹にも栄養が溜まり太くなるでしょう。パキラの株元や幹を、特に太くしたい方は梅雨前に毎年幹付近まで枝を短く切ると、年々太くなりやすいです。
パキラの剪定方法が気になる方は、「パキラの剪定」の記事を参考にしてみてください。剪定には、切れ味の良い剪定ばさみを使用すると、パキラを傷つけずに育てられます。
[https://andplants.jp/products/sakagen-flower-shears]定期的な植え替えをする
パキラの株元や幹を太くしたい方は、植えっぱなしにせずに定期的な植え替えをしてください。成長具合にもよりますが、早く太くしたい方は1~2年おきに植え替えをすると良いでしょう。
鉢にパキラを植えっぱなしにすると、根詰まりを起こしたり土が劣化したりして生育に悪影響を与えます。定期的な植え替えによって、安定した土壌環境を維持して根を伸ばせば、枝葉がぐんぐん増えます。
生育が順調であれば、パキラはより太くなりやすいです。パキラの植え替え時期や手順が気になる方は、「パキラの植え替え方法」の記事を参考にしてください。
有機質用土で育てる
パキラの株元や幹を太くする方法として、「有機質用土で育てる」もおすすめです。腐葉土やたい肥が入った土は、根が伸びやすく栄養面でも無機質用土より優れています。
ただし、発酵不十分な有機質が含まれていると、特有の匂いが気になったりコバエが発生しやすくなったりする点には注意が必要です。有機質配合の観葉植物の土を使う場合は、含まれている有機質にも注目すると良いでしょう。
オリジナルでパキラの土を作る方は、使用する有機質は完熟発酵したものを使ってください。パキラを含めた観葉植物の土の選び方や作り方が気になる方は、「観葉植物の土」の記事もおすすめです。
AND PLANTSでは、ピートモスや焼赤玉土、鹿沼土、焼軽石、くんたん、ココハスク ダークピートなどを配合して作ったこだわりの土を扱っています。初めてパキラを育てる方にもおすすめなので、ぜひ使ってみてください。
[https://andplants.jp/products/andplantssoil-25l]パキラの幹を編み込んで太くするのもアリ
パキラの幹を太くするのに、複数の幹を編み込むのもアリです。複数のパキラを一鉢に寄せ植えして幹を編み込むと、1株のパキラのように見えます。
実際には複数のパキラの幹を編み込んでいる形ですが、しっかりと編み込めば遠くから見ると1株のパキラに見えるでしょう。
細い幹を太くするには時間がかかるので、すぐに見栄えの良い太い幹にしたい場合は、同じ細さの幹のパキラを用意して編み込んでみてはいかがでしょうか。
編み込む具体的な方法は、「パキラの編み込み方法」の記事を参考にしてください。
パキラを太くする方法によくある質問
最後に、パキラを太くする方法によくある質問とその答えを以下にまとめました。
- 枝や茎を太くする方法は?
- 100均一のヒョロヒョロのパキラも太くすることができる?
- 水耕栽培(ハイドロカルチャー)でパキラを太くする方法は?
それでは具体的に見ていきましょう。
枝や茎を太くする方法は?
パキラの枝や茎を太くする方法は、太い幹や茎を剪定することです。幹を太くするための剪定と同様で、まず剪定することが重要なポイント。
伸ばし続けると、枝や茎は太くなりません。剪定をして、栄養が太い枝や茎の根元に集まるようにしましょう。
太い枝は細い枝から出てきません。「太い枝を剪定して、その根元に栄養が溜まり太って、さらに太い枝が出る」の繰り返しを行ってください。
100円均一のヒョロヒョロのパキラも太くすることができる?
100均一のヒョロヒョロのパキラも太くすることができます。時間はかかりますが、生育環境を整えて肥料や剪定を効果的に行うと、すくすくと太く大きくなるでしょう。
100円均一で購入するパキラは、土や管理が悪い場合が多く弱っていることもあります。なるべく状態の良いパキラを選んで、太く育ててください。
水耕栽培(ハイドロカルチャー)でパキラを太くする方法は?
パキラは水耕栽培(ハイドロカルチャー)で太くするのは難しいです。そもそも、パキラは乾燥を好む植物であり、水耕栽培に向いていません。
水が容器の中に溜まる水耕栽培では、パキラは根腐れしやすいためです。容器の中に水が溜まっており、幹が湿り続けるとカビが生えて腐ることもあります。
水耕栽培のパキラを太くしたい場合は、土に植え替えて育てましょう。
まとめ
パキラを太くする方法をお話させていただきました。パキラの株元や幹を太くするには、まずは太くしたいパキラが実生株なのかそうでないのかを確認しましょう。
挿し木株でも太くなりますが、非常に時間がかかります。実生株であれば、パキラの基本的な育て方を守り、こまめな剪定を繰り返すと株元や幹はすくすくと太りやすいです。
筆者は斑入りパキラを育てていますが、非常に生育がゆっくりなので、気長に幹を太くしていこうと考えています。株元や幹を早く太くしたい方は、実生株のパキラを選んで、この記事で紹介した幹を太くする方法を、ぜひ試してみてください。