フィロデンドロン・オキシカルジュームの育て方

植物名	フィロデンドロン・オキシカルジューム
学名	Philodendron oxycardium
英名	Philodendron oxycardium
科目/属性	サトイモ科フィロデンドロン属
原産地	熱帯アメリカ
日当たり	日当たりの良い置き場所
温度	最低10℃以上をキープする
耐寒性	弱い
耐暑性	強い
水やり	春夏：手で土を触って水分を感じなくなったら(鉢の中央部分までしっかり乾いてから) 秋冬：手で土を触って水分を感じなくなったら(鉢の中央部分までしっかり乾いてから)2～3日後
肥料	緩効性肥料、液体肥料
剪定時期	5月～10月

[https://andplants.jp/collections/oxycardium]

フィロデンドロン・オキシカルジュームの特徴

フィロデンドロン・オキシカルジュームは、ポトスに似たハート型の葉が特徴的な植物です。「ヒメカズラ」とも呼ばれており、這うようにツルが伸びて成長します。

鉢からツルが枝垂れるように伸び続けるので、プラントハンガーやプラントスタンドで高さを出して飾るとおしゃれです。棚や窓辺にも飾って、枝垂れる美しい葉を楽しんでください。

フィロデンドロン・オキシカルジュームには耐陰性があるため、植物を初めて迎える方も安心して育てられます。インテリア性も高く、プレゼントにも喜ばれるでしょう。

ただし、斑入りの品種は日当たりの良い環境で育てないとはっきりと葉模様が出ません。1年を通して、暖かく明るい場所で育ててください。

フィロデンドロン・オキシカルジュームの花言葉

フィロデンドロン・オキシカルジュームの花言葉は、「壮大な美」「華やかな明るさ」です。

フィロデンドロン属に共通する花言葉で、「華やかな明るさ」はオキシカルジューム、「壮大な美」はクッカバラの姿が由来とされています。

フィロデンドロン・オキシカルジュームは美しい葉色や模様を持つ品種が多いため、「壮大な美」「華やかな美しさ」の花言葉にぴったりと言えるでしょう。

いずれの花言葉も開店祝いや結婚祝い、パートナーへの誕生日祝いなどに贈ると喜ばれます。ぜひ素敵な花言葉を添えてプレゼントしてみてはいかがですか。

フィロデンドロン・オキシカルジュームの風水

フィロデンドロン・オキシカルジュームは、仕事運や家族運を高める風水効果があるとされています。仕事運を上げたいときにはデスクや書斎に、家族運を上げたいときにはリビングに置くと効果的です。

オキシカルジュームはフィロデンドロン属であるため、風水効果もフィロデンドロンと同様とされています。

「フィロデンドロン」は、ギリシア語のフィロン「愛する」とデンドロン「樹木」の言葉を組み合わせた言葉です。樹木を愛するという語源から、縁結びの風水効果もあるとされています。

気になる方への告白や恋人へのプロポーズにもおすすめです。家族運を高める風水効果があるので、より親密な関係になれるかもしれません。

ただし、植物をお部屋に置くだけでは風水効果は十分に得られません。置いた場所を整理整頓して、オキシカルジュームを元気に育てることで、初めて十分な風水効果を得られるでしょう。

関連記事：観葉植物の風水｜場所と効果別のおすすめ

フィロデンドロン・オキシカルジュームの種類や品種

フィロデンドロンは650種類以上あるとされています。オキシカルジュームの品種数ははっきりとしていませんが、人気のある品種を紹介します。

フィロデンドロン・オキシカルジュームは葉色や斑入り模様でイメージに異なるので、飾る場所に合った種類を育ててください。プレゼントの場合は、相手の好みやイメージに合わせて贈ると喜ばれるでしょう。

フィロデンドロン・オキシカルジュームの育て方

フィロデンドロン・オキシカルジュームは、初めて植物をお部屋に迎える方にも育てやすいですが、育て方にはポイントがあります。

ここでは、フィロデンドロン・オキシカルジュームの育て方について解説します。育て方のポイントを押さえて、適切に育てることができれば、美しい姿で元気に育ち続けるでしょう。

置き場所と日当たり

フィロデンドロン・オキシカルジュームは日当たりと風通しのよい環境を好みます。ただし真夏の直射日光に当たると葉焼けしやすいため、注意が必要です。

耐陰性はありますが、ほとんど日光の光が入らないような暗すぎる場所ではうまく生育できません。徒長した姿になり、斑入り品種は斑模様が入らなくなることもあるため、明るい窓際に置いてください。

直射日光が差し込む場合は、レースカーテン越しの柔らかい光にしてあげましょう。特に夏の直射日光には当たらないように育ててください。

温度

フィロデンドロン・オキシカルジュームは、寒さに弱い植物です。最低10℃以上をキープして育ててください。

寒さに当たり続けると、葉が次々に枯れていきます。なるべく暖かい場所で管理することが重要です。

冬の窓際は屋外と変わらないくらいに冷え込むので、窓から離れた明るい場所に置いてください。ただし、暖房の風が当たると急激な乾燥によって葉が傷みやすいです。

暖房の風が当たらず、窓から離れた暖かい場所で管理しましょう。

水やりの頻度

春夏の生育期には、手で土を触って水分を感じなくなったら(鉢の中央部分までしっかり乾いてから)鉢底から水が流れるくらいに、しっかり水やりしてください。ただし、水のやりすぎや受け皿の溜め水は根腐れの原因になります。

水やり後は、受け皿に溜まった水は小まめに捨てることが重要です。気温の下がる秋からは土の渇き具合を見ながら、徐々に水やりを控えましょう。

冬は手で土を触って水分を感じなくなったら(鉢の中央部分までしっかり乾いてから)2～3日後に水やりをします。この時期は空気が乾燥するので、水やりと一緒に葉水も与えるとイキイキとした元気な葉を維持しやすいです。

水やりや葉水は、室温が十分に上がったタイミングで与えてください。気温が低い時間帯に水を与えると、根や葉が傷む可能性があるので注意します。

もし、水やりの頻度に困ったときは、水やりチェッカーの利用がおすすめです。

肥料

フィロデンドロン・オキシカルジュームには、生育期の5～10月に2か月に1度置き肥を置くか、水に薄めた液肥を2週間に1度のペースで水やり代わりに与えてください。冬は生育が緩慢な時期なので、肥料は与えません。

フィロデンドロン・オキシカルジュームは肥料が少なくても十分に育ちますが、葉を茂らせたり葉色を濃くしたりしたい場合は土に混ぜ込んだ元肥以外に追肥もしましょう。

ただし、肥料の与えすぎは根を傷めるため、与えるペースや時期はしっかり守ってください。

剪定方法

フィロデンドロン・オキシカルジュームの剪定時期は5～10月です。傷んだり茂りすぎたりしたツルや葉を剪定します。

葉が出ている場所であれば、どこから切っても問題ありません。切り口の下から新しい茎を出すので、理想の株姿をイメージして剪定すると良いでしょう。

フィロデンドロンはサトイモ科の植物のため、樹液に毒性のあるシュウ酸カルシウムが含まれます。剪定するときは、触れないように気を付けてください。

体質によってかぶれる恐れがあるため、剪定するときは手袋をすると安心です。もし触ってしまった場合は、流水で丁寧に洗い流してください。

フィロデンドロン・オキシカルジュームのよくあるトラブルと対処法

ハート型の葉が可愛らしいフィロデンドロン・オキシカルジュームですが、トラブルも存在します。

ここではトラブルが起きたときの対処法を解説していきます。あらかじめ対処法を知っておけば、いざ何かあっても安心です。

関連記事：観葉植物のトラブル｜主な症状と対処法まとめ

根腐れ

根腐れでは、以下の症状が見られます。

根腐れは、土の中の酸素濃度が低下して土中の細菌叢が変化し、有機物の腐敗が進むことで有害なアンモニアが発生し、土壌環境が悪くなることで発症します。

また、常に土が湿っている状況では根が呼吸することができず、細胞が死んでしまいます。

これが原因で、根から水を吸い上げることができなくなり、植物体に水を供給することができなくなることで死んでしまう現象です。

根腐れの対処法は以下の通りです。

根腐れが起こった場合は、鉢を入れ替えて土の環境を変えることが大切です。傷んでしまった根は取り除き、健康な状態が取り戻せるような環境を与えてあげましょう。

赤玉土・ゼオライトなどを用土に混ぜ込むことで、水はけと根腐れを防止することができます。

枝先がダメになっている場合は、生きている部分までカットし、新しい葉を出すことで回復させます。

根元から腐っている場合は、無事な部分で切り取り、挿し木にして発根させて回復させましょう。

根腐れが起こると枝が垂れ、新芽を残すために古い葉を落とす現象が見られます。重度の根腐れの場合は、新芽や枝の先から枯れることがあるので注意が必要です。

関連記事：観葉植物の根腐れ｜対処法や見分け方の紹介

根詰まり

根詰まりとは、鉢の中で根がいっぱいになることで起きる症状。根詰まりの症状は以下の通りです。

特に春夏の成長期で一気に伸びてしまうと上記のような症状が起きてしまいます。すぐに枯れる要因にはなりませんが、放置してしまうとフィロデンドロン・オキシカルジュームに悪影響です。

対処法はフィロデンドロン・オキシカルジュームの植え替えをすること。

フィロデンドロン・オキシカルジュームを現在の鉢より1つ上の大きい鉢に植え替えることで、上記の症状はほとんど解消されるでしょう。植え替えを行う時期も春夏の成長期が最も適しています。

関連記事：観葉植物の根詰まり｜症状や対処法について

葉焼け

葉焼けでは、以下の症状が起きます。

強い日差しを浴びすぎると葉が傷んで「葉焼け」というトラブルが発生します。

葉焼けの症状に気がついたら、早めに置き場所を検討し直すことが必要です。

対処法は以下の通りです。

葉焼けが起こるということは、日光が当たりすぎている可能性が高いため、直射日光に当てないような措置を取りましょう。

また、一度焼けてしまった葉は二度と元に戻りません。傷んだ葉はカットし、新しい健康な葉が生えてくるのを待ちましょう。

関連記事：観葉植物の葉焼け｜原因や対処法の紹介

フィロデンドロン・オキシカルジュームの害虫トラブルと対処法

育てやすいフィロデンドロン・オキシカルジュームにも害虫トラブルは存在します。

害虫によるトラブルが発生したときの対処法を解説していきます。あらかじめ対処法を知っておけば、いざ何かあっても安心です。

ハダニ

ハダニの症状は以下の通りです。

ハダニは繁殖力の強さと、薬剤耐性を持つとても厄介な害虫です。

放っておくと糸を張って大量発生する危険性もあるので、早めに対処を行いましょう。

対処法は以下の通りです。

ハダニが湧いてしまったら、市販の殺虫剤（ベニカXファインスプレー・オルトラン）を使用するのが効果的です。

2倍に薄めた牛乳などの液体を噴霧する対処法もありますが、匂いが気になる方には水で洗い流す方法もおすすめです。

そもそもハダニは、こまめな霧吹き・葉をふき取りきれいにすることを怠らなければ発生しません。

常にきれいな状態を保つために、霧吹きの購入は必須といえます。月に一度はシャワーで洗い流すなどの管理も必要です。

関連記事：観葉植物に発生するハダニ｜対処と予防法の紹介

アブラムシ

アブラムシの症状は以下の通りです。

アブラムシは繁殖力が強いため短期間で増え、ウイルスを媒介する厄介な害虫です。

放っておくとフィロデンドロン・オキシカルジュームの生育が弱まり枯れる恐れもあるので、早めに対処を行いましょう。

対処法は以下の通りです。

アブラムシが湧いてしまったら、市販の殺虫剤（ベニカXファインスプレー・オルトラン）を使用すると効果があります。

2倍に薄めた牛乳などの液体を噴霧する対処法もありますが、匂いが気になる方には水で洗い流す方法もおすすめです。

関連記事：観葉植物に発生するアブラムシ｜原因や対処・予防法

カイガラムシ

カイガラムシの症状は以下の通りです。

カイガラムシは繁殖力の強さと薬剤耐性のある厄介な害虫です。

放っておくとフィロデンドロン・オキシカルジュームの生育が弱まり枯れる恐れもあるので、早めに対処を行いましょう。

対処法は以下の通りです。

カイガラムシが発生したら、市販の殺虫剤（ベニカXファインスプレー・オルトラン・スミチオンなど）を使用するのが効果的。

カイガラムシの成虫には殺虫剤が効きにくいので、幼虫の時期である5～7月に使用するとよいでしょう。

既に貝殻をかぶっている成虫は、柔らかいブラシや布で擦り取ってください。

2倍に薄めた牛乳などの液体を噴霧する対処法もありますが、匂いが気になる方には水で洗い流す方法もおすすめです。

関連記事：観葉植物の白い綿はコナカイガラムシ｜対処法と予防法を紹介

コバエ

コバエの症状は以下の通りです。

コバエ自体は植物に無害ですが、観葉植物を育てるうえでの不快害虫です。

放っておくとコバエは増えていくので、早めに対処を行いましょう。

対処法は以下の通りです。

コバエが発生したら、市販の殺虫剤（ベニカXファインスプレー・オルトラン・スミチオンなど）を使用するのが効果的です。

コバエのトラップは食器用洗剤やお酢、めんつゆなどで作ることができます。植物の近くに置いておくと、簡単にコバエを捕殺できるでしょう。

コバエは、発酵不十分な腐葉土やバーク堆肥、有機質肥料の匂いに引き寄せられます。

そのため、有機質肥料を取り除いたり土の表面に赤玉土や鹿沼土など3～5㎝程度敷き詰めたりするとコバエ発生を防ぐことが可能です。

そもそもコバエは、完熟たい肥を使用した質のよい土であれば発生しません。また、土が常に湿っている状況を避ければ、発生する可能性は低いです。

コバエを発生させないためには、適切な土と水やり管理で育ててください。

関連記事：観葉植物に発生するコバエ｜対策と原因について

フィロデンドロン・オキシカルジュームのよくある質問

最後にフィロデンドロン・オキシカルジュームのよくある質問とその答えを以下にまとめました。

それでは具体的に見ていきましょう。

フィロデンドロン・オキシカルジュームとポトスの違いは？

フィロデンドロン・オキシカルジュームとポトスの違いは、「葉の厚さ」「ツルの細さ」です。オキシカルジュームはポトスに比べ、葉が薄くてツルが細い点が異なります。

ツルが細いので枝垂れやすく、ふんわりと立ち上がるツルが少ないです。そのため、ややポトスに比べてボリュームが少なく感じるかもしれません。

しかし葉が繊細なため、「優しさ」「可憐さ」はポトスよりも強く感じます。お部屋での飾り方や好みに合わせて、選ぶとよいでしょう。

どちらもサトイモ科の植物ですが、オキシカルジュームはフィロデンドロン属。ポトスはエピプレムヌム属と分類としても違いがあります。

フィロデンドロン・オキシカルジュームが枯れる原因は？

フィロデンドロン・オキシカルジュームが枯れる原因は、「根傷み」「水不足」「寒さ」が考えられます。

水のやりすぎ(やらなすぎ)や根詰まりによって根が傷むと、葉先が茶色くなって次第に枯れることがあります。水やりや植え替えは適切に行って育ててください。

水のやらなすぎで枯れる時は、葉が黄色くなり次第に茶色くなってきます。腰水などでたっぷりと水を与えましょう。

寒さに弱いので、冬は最低10℃以上をキープした暖かい室内での管理が重要です。

フィロデンドロン・オキシカルジュームは水栽培(ハイドロカルチャー)できる？

フィロデンドロン・オキシカルジュームは水耕栽培(ハイドロカルチャー)できます。剪定したツルを水を入れたガラスやコップに入れておくと、簡単に根が出てきます。

そのまま育てることもできますが、水中には根から出る老廃物を分解する微生物がいません。そのため、根が腐りやすい点に気を付けて下さい。

毎日水を入れ替えて、イキイキとしたオキシカルジュームを育てましょう。また、固形の焼土であるハイドロボールやセラミスなどを使用した水栽培も、同様に楽しむことができます。

フィロデンドロン・オキシカルジュームの適切な増やし方は？

「挿し木」で増やすことができます。生育期の5～10月に行いますが、暖かく湿度の高い5～7月に行うと成功率が高いです。

挿し木は、伸びたツルを10～15㎝に切り葉を2～3枚だけ残して土に優しく植えます。葉が大きい場合は、半分ほどに切ると葉からの蒸散を抑えて発根を促進することが可能です。

直射日光に当たらない明るい日陰で、土が乾かないように2～3週間管理すると発根して新芽が出てくるでしょう。

挿し木は、水挿し(土に植えずに容器に溜めた水に挿しておく方法)でも簡単に増やすことができます。水挿しで発根させた場合は、そのまま育てることも可能です。

フィロデンドロン・オキシカルジュームのまとめ

フィロデンドロン・オキシカルジュームは日当たりと風通しがよい室内であれば、一年を通して簡単に育てることができます。可愛らしいハート型の葉は、おしゃれなインテリアグリーンとして活躍するでしょう。

花言葉「壮大な美」「華やかな明るさ」は、開店祝いや新築祝い以外にも恋人やパートナーへの誕生日や記念日を祝うプレゼントなどに最適です。仕事運や家族運を上げるとされている風水効果は、多くの方に喜んでもらえます。

ぜひ、枝垂れるインテリアグリーンとして育ててみてはいかがですか。