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サンスベリア・サムライドワーフの育て方

サンスベリア・サムライドワーフの育て方

植物名 サンスベリア・サムライドワーフ
学名 Sansevieria ehrenbergii ‘Samurai Dwarf’
英名 Snake plant
科目/属性 キジカクシ科/サンスベリア属
原産地 アフリカ、南アジア乾燥地帯
日当たり 室内の直射日光を避けた明るい場所
温度 最低10℃以上をキープする
耐寒性 やや弱い
耐暑性 強い
水やり 春夏:手で土を触って水分を感じなくなったら(鉢の中央部分までしっかり乾いてから)
秋冬:葉の表面にしわが寄ってから(12月〜2月はほぼ断水でもよい)
肥料 緩効性肥料、液体肥料
剪定時期 5~9月
育てやすさ ★★★★★
この記事を監修した人佐藤桃子
ハウスメーカーで造園・観葉植物などに携わったのち、観葉植物専門店の店長としてトータルでプロデュースを手掛ける。2022年よりAND PLANTSに所属。著書に 『選び方・育て方のコツがわかる!観葉植物の教科書』 『INTERIOR GREEN 観葉植物と日常』(ブティック社)。他、監修本多数。
[https://andplants.jp/collections/sansevieriafernwood]

サンスベリア・サムライドワーフの特徴

サンスベリア・サムライドワーフは、肉厚な葉がロゼッタ状に広がる植物です。人気の観葉植物であるサンスベリアの品種であり、刀のようなフォルムの葉に魅力があります。

サンスベリアは、多肉植物のように水やりの頻度は少なくてお世話が簡単なので、初心者にもおすすめです。幅を取らずに狭い場所で管理ができるため、観葉植物を置くスペースがないとお困りの方にも良いかもしれません。

また、サムライドワーフは葉の縁が赤茶色をしているため、個性的なインテリアグリーンとしても人気があります。育てるのに手間もかからないので、植物を初めて育てる方への贈り物にも最適です。

サンスベリア・サムライドワーフの花言葉

サンスベリア・サムライドワーフの花言葉は「永久」「不滅」「幸福」「開運」です。いずれもサンスベリアが持つ花言葉と同様であり、「永久」「不滅」の花言葉は、少ない水でも育つことのできる生命力の強さが由来となっています。

サンスベリアは気温や温度など一定の環境が整わないと、花が咲きません。そのため、花が咲くことは珍しく、開花することで「幸福」「開運」が訪れるとされています。

これらの花言葉を持つサンスベリア・サムライドワーフは、さまざまなお祝いでのプレゼントにおすすめです。「永久」「不滅」という花言葉と一緒に、花を咲かせることで「幸福」「開運」という花言葉も生まれることを伝えると贈る相手に喜ばれます。

サンスベリア・サムライドワーフの風水

サンスベリア・サムライドワーフには、「幸運」「健康運」「邪気払い」などの風水効果があるとされています。花が咲くことが珍しいため、開花を見ることができたら幸運も一緒に舞い込むと信じられているためです。

また、環境が合えば10~20年と長く生きることのできるサンスベリアは、風水として健康運に影響します。さらに、葉先が尖っていることから悪い気を払ってくれる風水効果も。

多くの風水効果のあるサンスベリア・サムライドワーフは、誕生日祝いや新築祝いなど様々なお祝いに活躍するでしょう。

関連記事:サンスベリアの風水|置き場所と方角について

サンスベリア・サムライドワーフの育て方

サンスベリア・ドワーフの育て方

サンスベリア・サムライドワーフは、初めて植物をお部屋に迎える方にも育てやすい植物ですが、育て方にはポイントがあります。

ここでは、サンスベリア・サムライドワーフの育て方について解説します。育て方のポイントを押さえて、適切に育てることができれば、美しい姿で元気に育ち続けるでしょう。

置き場所と日当たり

サンスベリア・サムライドワーフは、風通しのよい明るい環境を好みます。室内の直射日光の当たらない明るい場所に置いてください。

室内の窓際で直射日光が当たる場合は、レースカーテンをして光を和らげることが重要です。直射日光や西日などの強い日差しが当たると葉焼けする恐れがあります。

耐陰性もありますが、あまりにも暗い場所では葉が徒長して軟弱に育つので注意してください。日陰でも太陽の薄日が4時間以上入り、電気がついている時間が長い部屋であれば問題なく育ちます。

温度

サンスベリア・サムライドワーフは寒さにやや弱い植物です。生育温度は15~25℃であるため、最低でも10℃以上をキープれば安心ですが、断水すると耐寒性が上がるため、5℃ほどでも育ちます。暖房の風が当たると急激な乾燥によって葉が傷むため、暖房の風が当たらないように気を付けましょう。

水やりの頻度

  1. 春夏:手で土を触って水分を感じなくなったら(鉢の中央部分までしっかり乾いてから)
  2. 秋冬:葉の表面にしわが寄ってから(12月〜2月はほぼ断水でもよい)

春夏の生育期には、手で土を触って水分を感じなくなったら鉢底から水が流れるくらいに、しっかりと水やりしてください。ただし、水のやりすぎや受け皿の溜め水は根腐れの原因になります。

そのため、サンスベリア・サムライドワーフの水やり後は、受け皿に溜まった水はこまめに捨てることが重要です。 気温の低い12月〜2月は断水でも問題ありません。

もし暖房で常に15℃以上ある場合は、葉の表面にしわが寄ってから水やりしてください。冬場に水やりする場合は月に一回程度で十分です。

もし、鉢植えの水やり頻度に困ったときは、水やりチェッカーの利用もおすすめです。

肥料

植え替えの時に長期間ゆっくりと効く緩効性肥料を土に混ぜ込んでおくだけで十分です。もし、植え替え時に土に肥料を混ぜ込んでいない場合は、土の上に置き肥をしたり液肥を与えたりします。

5~9月の生育期に2か月に1度置き肥、または2週間に1度水やり代わりに薄めた液肥を与えてください。10月以降は水やりを控えると同時に施肥も止めます。

土の上の置き肥は取り除き、液肥も与えません。冬に肥料を与えることは根を傷める原因になるので注意が必要です。

剪定方法

サンスベリア・サムライドワーフの剪定時期は5~9月です。冬に傷んだ葉や枯葉を剪定しますが、サムライドワーフは生育がゆっくりであるため、そのほかの剪定はほとんど必要ありません。

生育期には、地下茎がよく成長して子株が出てくるでしょう。1つの鉢に子株が多く出てくると込み合って、風通しが悪くなります。

その場合は、全体のバランスを見ながら子株に根が付くように地下茎を剪定して、株分けしてください。一つ一つの株の見栄えと風通しが良くなります。

サンスベリア・サムライドワーフのよくあるトラブルと対処法

サンスベリア・ゼラニカのよくあるトラブルと対処法

刀のようなフォルムの葉姿がかっこいいサンスベリア・サムライドワーフですが、トラブルも存在します。

ここではトラブルが起きたときの対処法を解説していきます。あらかじめ対処法を知っておけば、いざ何かあっても安心です。

関連記事:観葉植物のトラブル|主な症状と対処法まとめ

根腐れ

根腐れでは、以下の症状が見られます。

  1. 水をあげても元気にならない
  2. 土がなかなか乾かない
  3. 葉が落ちやすい
  4. 葉が茶色・黄色に変色している
  5. 幹や幹の根元が柔らかい
  6. 土から腐敗臭がする
  7. 土の表面にカビが生えている
  8. 根黒く変色している

根腐れは、土の中の酸素濃度が低下して土中の細菌叢が変化し、有機物の腐敗が進むことで有害なアンモニアが発生し、土壌環境が悪くなることで発症します。

また、常に土が湿っている状況では根が呼吸することができず、細胞が死んでしまいます。これが原因で、根から水を吸い上げることができなくなり、植物体に水を供給することができなくなることで死んでしまう現象です。

根腐れの対処法は以下の通りです。

  1. 鉢から植物を抜き、悪い土を落として水はけのよい土に交換する
  2. 根の傷んでいる部分、腐っている部分をカットする
  3. 少量の水を与え、風通しがよく明るい日陰で管理する
    ※1週間を目安に水が乾くコンディションで管理する
  4. 発根剤を与えてみる
  5. 傷んだ葉を取り除く
  6. 枯れた枝を切り取る

根腐れが起こった場合は、鉢を入れ替えて土の環境を変えることが大切です。傷んでしまった根は取り除き、健康な状態が取り戻せるような環境を与えてあげましょう。赤玉土・ゼオライトなどを用土に混ぜ込むことで、水はけと根腐れを防止することができます。

枝先がダメになっている場合は、生きている部分までカットし、新しい葉を出すことで回復させます。根元から腐っている場合は、無事な部分で切り取り、挿し木にして発根させて回復させましょう。

根腐れが起こると、新芽を残すために古い葉を落とす現象が見られます。重度の根腐れの場合は、新芽や枝の先から枯れることがあるので注意が必要です。

関連記事:観葉植物の根腐れ|対処法や見分け方の紹介

根詰まり

根詰まりとは、鉢の中で根がいっぱいになることで起きる症状。根詰まりの症状は以下の通りです。

  1. 水が浸透しづらくなる
  2. 底から根が出てくる
  3. 葉が黄色くなる
  4. 鉢にヒビが入る

特に春夏の成長期で一気に伸びてしまうと上記のような症状が起きてしまいます。すぐに枯れる要因にはなりませんが、放置してしまうと悪影響です。

対処法は植え替えをすること。

サンスベリア・サムライドワーフを現在の鉢より1つ上の大きい鉢に植え替えることで、上記の症状はほとんど解消されるでしょう。植え替えを行う時期も春夏の成長期が最も適しています。

関連記事:観葉植物の根詰まり|症状や対処法について

葉焼け

葉焼けでは、以下の症状が起きます。

  • 葉の色素が抜けて白くなっている
  • 葉の一部が茶色く枯れている

強い日差しを浴びすぎると葉が傷んで「葉焼け」というトラブルが発生します

葉焼けの症状に気がついたら、早めに置き場所を検討し直すことが必要です。

対処法は以下の通りです。

  1. 直射日光が当たっている場合はカーテンなどで遮光する
  2. 葉焼けした部分はカットする

葉焼けが起こるということは、日光が当たりすぎている可能性が高いため、直射日光に当てないような措置を取りましょう。

また、一度焼けてしまった葉は二度と元に戻りません。傷んだ葉はカットし、新しい健康な葉が生えてくるのを待ちましょう。

関連記事:観葉植物の葉焼け|原因や対処法の紹介

ハダニ

ハダニの症状は以下の通りです。

  1. 葉にクモの巣のような糸がついている
  2. 葉の裏に小さな虫がついている
  3. 葉に斑点や傷がある
  4. 葉の色が薄くなり枯れている

ハダニは繁殖力の強さと、薬剤耐性を持つとても厄介な害虫です

放っておくと糸を張って大量発生する危険性もあるので、早めに対処を行いましょう。

対処法は以下の通りです。

  1. 傷んだ葉はカットする
  2. 葉の表裏、付け根や茎も水で洗浄する
  3. ハダニに効果のある液体を噴霧する(殺虫剤のほか、2倍に薄めた牛乳、重曹と水を混ぜたもの、濃いコーヒー、10倍に薄めた酢でも一定の効果あり)

ハダニが湧いてしまったら、市販の殺虫剤(ベニカファインスプレー・オルトラン)を使用するのが効果的です。2倍に薄めた牛乳などの液体を噴霧する対処法もありますが、匂いが気になる方には水で洗い流す方法もおすすめです。

そもそもハダニは、こまめな霧吹き・葉をふき取りきれいにすることを怠らなければ発生しません。

常にきれいな状態を保つために、霧吹きの購入は必須といえます。月に一度はシャワーで洗い流すなどの管理も必要です。

関連記事:観葉植物に発生するハダニ|対処と予防法の紹介

サンスベリア・サムライドワーフのよくある質問

サンスベリア・サムライドワーフのよくある質問

最後にサンスベリア・サムライドワーフのよくある質問とその答えを以下にまとめました。

  1. サンスベリア・サムライドワーフの成長速度は?
  2. サンスベリア・サムライドワーフとサムライの違いは?
  3. サンスベリア・サムライドワーフとロリダの違いは?
  4. 適切な増やし方は?
  5. サンスベリア・サムライドワーフの斑入りは育て方が難しい?
  6. 枯れる原因は?
  7. 冬越し方法は?

それでは具体的に見ていきましょう。

サンスベリア・サムライドワーフの成長速度は?

サンスベリア・サムライドワーフの成長速度は遅いです。そのため、コンパクトな株姿を長く楽しむことができます。

サムライドワーフは矮性品種(草丈が低く小型な種類)であり、最大でも20~30㎝ほどとされています。省スペースでも楽しむことができるので、インテリアグリーンとしても人気です。

成長がゆっくりなので、剪定や水やりなどのお手入れもあまり必要ありません。初めて育てる方でも、サムライドワーフのかっこいい姿を長く楽しめるでしょう。

サンスベリア・サムライドワーフとサムライの違いは?

サンスベリア・サムライドワーフとサムライの違いは、大きさです。サムライドワーフとは、大型のサンスベリア・サムライの矮性品種であるため、姿形は非常に似ています。

サムライは希少なサンスベリアであり、サムライドワーフに比べて流通量が少ないです。刀のように鋭い葉は大きく育ち迫力があります。

サムライドワーフは別名「リトルサムライ」とも呼ばれ、大きさ20㎝程のコンパクトさも人気の理由のひとつ。生育も遅く、株姿も崩れにくいので初心者にも人気があります。

サンスベリア・サムライドワーフとロリダの違いは?

サンスベリア・サムライドワーフとロリダの違いは、葉の展開の仕方です。

サムライドワーフは、株姿が扇型とロゼットタイプに分かれます。しかし、扇形であってもその後はゆっくりと葉が旋回するように広がる特徴があります。

一方、ロリダは扇型のまま、葉が展開する個性的なフォルムが特徴です。どちらの品種にも葉の縁に赤茶色のラインが入るため、扇型のサムライドワーフの場合はロリダとの違いがはっきりしないこともあります。

ロリダの方が、葉先がやや下に向く点に注目するとよいでしょう。どちらも素晴らしい品種ですが、間違えて購入することがないように気を付けてください。

サンスベリア・サムライドワーフの適切な増やし方は?

5~9月に「挿し木」「株分け」で簡単に増やすことができます。 

挿し木の場合は、まず剪定した葉の断面を3日ほど乾燥させます。肉厚なサムライドワーフは切断面が広くなりやすいので、しっかり乾かしてください。

その後、挿し木さし芽用の土に乾燥させた断面を下に植えておくだけです。水やりはせずに明るい日陰に置いておくと、新芽と根が出てきます。

株分けの場合は、サムライドワーフの子株が出てきたら行います。子株を植え替えのタイミングで根付きの状態で切り分けてください。

この方法であれば、簡単に増やすことができます。ただし、サムライドワーフは生育がゆっくりであるため、子株も出にくいです。

ゆっくり育てながら、上手に株分けしてください。

サンスベリア・サムライドワーフの斑入りは育て方が難しい?

サンスベリア・サムライドワーフの斑入りは、通常のサムライドワーフに比べると育て方は難しいです。斑の入り方にもよりますが、通常の葉より葉緑素が少なく光合成効率が低いためです。

直射日光に当てると葉焼けする可能性も高いので、気を付けて育てる必要があります。基本的には、サムライドワーフと同じ育て方ですが、暗すぎない環境で育てることがポイントです。

また、販売される斑入りサムライドワーフは輸入品であることが多いため、日本の環境に適応していないこともあります。湿度が高い環境や寒さに気を付けてください。

枯れる原因は?

サンスベリア・サムライドワーフが枯れる原因は、「日当たり不足」「水のやりすぎ」「寒さ」が多いです。

耐陰性があるとはいえ、日差しが入らないような暗すぎる場所では枯れる恐れがあります。直射日光の当たらない明るい場所で育ててください。

水をやりすぎて、土が常に湿っている場合は根腐れを引き起こす恐れがあります。水やりは適切に行い、特に生育が緩慢な冬は断水気味に育ててください。根腐れした場合は、状態の悪い根を取り除いて早めに植え替えることが重要です。

サンスベリア・サムライドワーフは寒さに弱い植物です。屋外で育てている場合、気温の下がる秋からは室内で育ててください。冬は10℃以上をキープして冷え込む窓から離して管理しましょう。

サンスベリア・サムライドワーフの冬越し方法は?

サンスベリア・サムライドワーフの冬越し方法は、最低10℃以上をキープして管理することです。

冬の窓際は屋外と変わらないくらいに冷え込むので、窓から離れて管理してください。また、暖房が直接当たると葉の乾燥が進み、サンスベリア・サムライドワーフの生育が悪くなります。

10℃以下の低温に当たり続けると葉が黒くなり、枯れる可能性があるので注意が必要です。冬は空気が乾燥して葉が傷みやすいため、葉水を行うと葉がきれいな状態を維持できます。

ただし、低温状態で葉水をすると逆効果です。冬に葉水をする際は、室温を十分に上げてから霧吹きしてください。

サンスベリア・サムライドワーフのまとめ

サンスベリア・サムライドワーフのまとめ

サンスベリア・サムライドワーフは、風通しがよい明るい環境であれば、一年を通して簡単に育てることができます。刀のような葉姿は、かっこいいインテリアグリーンとして楽しめるでしょう。

「永久」「幸福」などの花言葉は縁起が良く、開店祝いや誕生日のお祝いなどにおすすめです。邪気を払い幸運を招くとされる風水効果は、どのようなお祝いにも喜ばれます。

ぜひ、素敵なインテリアグリーンとして育ててみてはいかがですか。

[https://andplants.jp/collections/sansevieriafernwood]