シェフレラ・チェンマイの育て方

植物名	シェフレラ・チェンマイ
学名	Schefflera arboricola‘Chieng Mai’
英名	Schefflera arboricola‘Chieng Mai’
科目/属性	ウコギ科シェフレラ属
原産地	熱帯アジア
日当たり	日当たりの良い場所
温度	最低10℃以上をキープする
耐寒性	弱い
耐暑性	強い
水やり	春夏：手で土を触って水分を感じなくなったら(鉢の中央部分までしっかり乾いてから) 秋冬：土が乾いてから 2～3日後
肥料	緩効性肥料、液体肥料
剪定時期	5月～10月

シェフレラ・チェンマイの特徴

シェフレラ・チェンマイは、葉先が尖っている細長い葉が特徴的な植物です。葉一枚一枚が大きく、掌状に広がる姿は見ごたえがあります。

熱帯アジア原産のシェフレラですが、寒さに比較的強く耐陰性もあるので、初めて植物を迎える方にも育てやすいです。チェンマイは流通量が少ない貴重なシェフレラであるため、プレゼントにおすすめ。

シェフレラは「カポック」「ホンコンカポック」とも呼ばれますが、本来のカポックはアオイ科セイバ属の植物「パンヤ」のこと。

シェフレラとパンヤの葉が似ているため、混同されてカポック、またはホンコンカポックと呼ばれ続けています。

現在では、流通名として「シェフレラ・カポック」など表記されることがありますが、多くはシェフレラのことです。

シェフレラ・チェンマイの花言葉

シェフレラ・チェンマイの花言葉は「誠実」「正直」「実直」です。シェフレラ共通の花言葉であり、絶えず美しい葉を付けることから名付けられています。

いずれの花言葉も、仕事や勉強などを頑張っている方へのプレゼントにおすすめです。就職祝いや昇進祝い、開店祝いなどに贈ると喜ばれるでしょう。

シェフレラ・チェンマイは葉先が尖っているシャープな植物です。葉先が丸いシェフレラとは、違った印象を与えてくれます。

希少価値も高いため、珍しいものが好きな方にプレゼントしてみると喜ばれるかもしれません。

シェフレラ・チェンマイの風水

シェフレラ・チェンマイには、「金運」を高める風水効果があるとされています。

風水では手のひらの形をした葉を持つ植物は、お金を包み込むとされ、金運に効果的です。金運を高めたい方は、書斎や仕事場のデスクの近くに置くとよいでしょう。

また、風水では葉先が尖っている植物は邪気を払うとされています。チェンマイは、他のシェフレラに比べ葉先が尖っているので、運気の入り口である玄関や窓際に置くと効果的です。

運が悪かったりお金が貯まらなかったりと悩んでいる方は育ててみるとよいかもしれません。開業祝いや開店祝い、移転祝いに贈る観葉植物としてもおすすめです。

ただし風水効果を得るには、観葉植物を置くだけでは不十分です。置いた場所を常に整理整頓して、シェフレラ・チェンマイを元気に育てることを心がけてください。

関連記事：観葉植物の風水｜場所と効果別のおすすめ

シェフレラ・チェンマイの育て方

シェフレラ・チェンマイは、初めて植物をお部屋に迎える方にも育てやすいですが、育て方にはポイントがあります。

ここでは、シェフレラ・チェンマイの育て方について解説します。育て方のポイントを押さえて、適切に育てることができれば、美しい姿で元気に育ち続けるでしょう。

置き場所と日当たり

シェフレラ・チェンマイは日当たりと風通しがよい環境を好みます。ただし、真夏の直射日光や西日に当たると、葉焼けする可能性があるので注意が必要です。

耐陰性はありますが、ほとんど日光が入らないような暗すぎる場所ではうまく生育できません。葉がポロポロと落ちたり、徒長したりするため、明るい窓際に置いてください。

直射日光が差し込む場合は、レースカーテン越しの柔らかい光にしてあげましょう。特に夏の直射日光には当たらないように育ててください。

温度

シェフレラ・チェンマイは、寒さに弱い植物です。最低10℃以上をキープして育ててください。

10℃以下の寒さに当たり続けると、葉が黒ずんだり葉がポロポロと落ちたりする原因になります。なるべく暖かい場所で管理することが重要です。

比較的、寒さに順応しやすい植物なので、霜の降らない暖かい地域であれば屋外でも越冬しやすいでしょう。しかし、葉が傷んでしまうので、美しい姿を維持したい場合は室内で管理した方が安心です。

冬は窓から離れた明るい場所に置いてください。ただし、暖房の風が当たると急激な乾燥によって葉が傷みやすいです。

暖房の風が当たらず、窓から離れた暖かい場所で管理しましょう。

水やりの頻度

春夏の生育期には、手で土を触って水分を感じなくなったら(鉢の中央部分までしっかり乾いてから)鉢底から水が流れるくらいに、しっかり水やりしてください。ただし、水のやりすぎや受け皿の溜め水は根腐れの原因になります。

水やり後は、受け皿に溜まった水は小まめに捨てることが重要です。気温の下がる秋からは土の渇き具合を見ながら、徐々に水やりを控えましょう。

冬の水やりは、土が乾いてから2～3日後に与えてください。この時期は空気が乾燥するので、水やりと一緒に葉水も与えるとイキイキとした元気な葉を維持しやすいです。

水やりや葉水は、室温が十分に上がったタイミングで与えてください。気温が低い時間帯に水を与えると、根や葉が傷む可能性があるので注意します。

もし、水やりの頻度に困ったときは、水やりチェッカーの利用がおすすめです。

肥料

シェフレラ・チェンマイには、生育期の5～10月に2か月に1度置き肥を置くか、水に薄めた液肥を2週間に1度のペースで水やり代わりに与えてください。冬は生育が緩慢な時期なので、肥料は与えません。

シェフレラ・チェンマイは、生育期に新しい枝葉を多く出す植物です。美しい葉を茂らせたい場合は、土に混ぜ込んだ元肥以外にチッソを多く含んだ追肥をしましょう。

チッソは葉の栄養素であるため、効果的に葉の枚数や色つやを改善してくれます。ただし、肥料の与えすぎは根を傷めるため、与えるペースや時期はしっかり守ってください。

剪定方法

シェフレラ・チェンマイの剪定時期は5～10月です。傷んだり茂りすぎたりした枝葉を剪定します。

葉が出ている場所であれば、どこから切っても問題ありません。切り口の下の節目から新芽を出すので、理想の株姿をイメージして風通しよく剪定すると良いでしょう。

シェフレラは、生育期の5～10月に新芽を多く出したり枝を伸ばしたりするので形が崩れやすい植物です。美しい姿を維持するためにも、剪定はこまめに行うことをおすすめします。

シェフレラ・チェンマイのよくあるトラブルと対処法

尖った葉先が特徴的なシェフレラ・チェンマイですが、トラブルも存在します。

ここではトラブルが起きたときの対処法を解説していきます。あらかじめ対処法を知っておけば、いざ何かあっても安心です。

関連記事：観葉植物のトラブル｜主な症状と対処法まとめ

根腐れ

根腐れでは、以下の症状が見られます。

根腐れは、土の中の酸素濃度が低下して土中の細菌叢が変化し、有機物の腐敗が進むことで有害なアンモニアが発生し、土壌環境が悪くなることで発症します。

また、常に土が湿っている状況では根が呼吸できず、細胞が死んでしまいます。

これが原因で、根から水を吸い上げることができなくなり、植物体に水を供給できなくなることで死んでしまう現象です。

根腐れの対処法は以下の通りです。

根腐れが起こった場合は、鉢を入れ替えて土の環境を変えることが大切です。傷んでしまった根は取り除き、健康な状態が取り戻せるような環境を与えてあげましょう。

赤玉土・ゼオライトなどを用土に混ぜ込むことで、水はけと根腐れを防止できます。

葉先がダメになっている場合は、生きている部分までカットし、新芽を出すことで回復させます。

根元から腐っている場合は、無事な部分で切り取り、挿し木にして発根させて回復させましょう。

根腐れが起こると枝が垂れ、新芽を残すために古い葉を落とす現象が見られます。重度の根腐れの場合は、新芽や枝の先から枯れることがあるので注意が必要です。

関連記事：観葉植物の根腐れ｜対処法や見分け方の紹介

根詰まり

根詰まりとは、鉢の中で根がいっぱいになることで起きる症状。根詰まりの症状は以下の通りです。

特に春夏の成長期で一気に伸びてしまうと上記のような症状が起きてしまいます。すぐに枯れる要因にはなりませんが、放置してしまうとシェフレラ・チェンマイに悪影響です。

対処法はシェフレラ・チェンマイの植え替えをすることです。

シェフレラ・チェンマイを現在の鉢より1つ上の大きい鉢に植え替えることで、上記の症状はほとんど解消されるでしょう。植え替えを行う時期も春夏の成長期が最も適しています。

関連記事：観葉植物の根詰まり｜症状や対処法について

葉焼け

葉焼けでは、以下の症状が起きます。

強い日差しを浴びすぎると葉が傷んで「葉焼け」というトラブルが発生します。

葉焼けの症状に気がついたら、早めに置き場所を検討し直す必要があります。

対処法は以下の通りです。

葉焼けが起こるということは、日光が当たりすぎている可能性が高いため、直射日光に当てないような措置を取りましょう。

また、一度焼けてしまった葉は二度と元に戻りません。傷んだ葉はカットし、新しい健康な葉が生えてくるのを待ちましょう。

関連記事：観葉植物の葉焼け｜原因や対処法の紹介

シェフレラ・チェンマイの害虫トラブルと対処法

耐陰性を持ち育てやすいシェフレラ・チェンマイにも害虫トラブルは存在します。

害虫によるトラブルが発生したときの対処法を解説していきます。あらかじめ対処法を知っておけば、いざ何かあっても安心です。

ハダニ

ハダニの症状は以下の通りです。

ハダニは繁殖力の強さと、薬剤耐性を持つとても厄介な害虫です。

放っておくと糸を張って大量発生する危険性もあるので、早めに対処を行いましょう。

対処法は以下の通りです。

ハダニが湧いてしまったら、市販の殺虫剤（ベニカXファインスプレー・オルトラン）を使用するのが効果的です。

2倍に薄めた牛乳などの液体を噴霧する対処法もありますが、匂いが気になる方には水で洗い流す方法もおすすめです。

そもそもハダニは、こまめな霧吹き・葉をふき取りきれいにすることを怠らなければ発生しません。

常にきれいな状態を保つために、霧吹きの購入は必須といえます。月に一度はシャワーで洗い流すなどの管理も必要です。

関連記事：観葉植物に発生するハダニ｜対処と予防法の紹介

アブラムシ

アブラムシの症状は以下の通りです。

アブラムシは繁殖力が強いため短期間で増え、ウイルスを媒介する厄介な害虫です。

放っておくとシェフレラ・チェンマイの生育が弱まり枯れる恐れもあるので、早めに対処を行いましょう。

対処法は以下の通りです。

アブラムシが湧いてしまったら、市販の殺虫剤（ベニカXファインスプレー・オルトラン）を使用すると効果があります。

2倍に薄めた牛乳などの液体を噴霧する対処法もありますが、匂いが気になる方には水で洗い流す方法もおすすめです。

関連記事：観葉植物に発生するアブラムシ｜原因や対処・予防法

カイガラムシ

カイガラムシの症状は以下の通りです。

カイガラムシは繁殖力の強さと薬剤耐性のある厄介な害虫です。

放っておくとシェフレラ・チェンマイの生育が弱まり枯れる恐れもあるので、早めに対処を行いましょう。

対処法は以下の通りです。

カイガラムシが発生したら、市販の殺虫剤（ベニカXファインスプレー・オルトラン・スミチオンなど）を使用するのが効果的。

カイガラムシの成虫には殺虫剤が効きにくいので、幼虫の時期である5～7月に使用するとよいでしょう。

既に貝殻をかぶっている成虫は、柔らかいブラシや布で擦り取ってください。

2倍に薄めた牛乳などの液体を噴霧する対処法もありますが、匂いが気になる方には水で洗い流す方法もおすすめです。

関連記事：観葉植物の白い綿はコナカイガラムシ｜対処法と予防法を紹介

コバエ

コバエの症状は以下の通りです。

コバエ自体は植物に無害ですが、観葉植物を育てるうえでの不快害虫です。

放っておくとコバエは増えていくので、早めに対処を行いましょう。

対処法は以下の通りです。

コバエが発生したら、市販の殺虫剤（ベニカXファインスプレー・オルトラン・スミチオンなど）を使用するのが効果的です。

コバエのトラップは食器用洗剤やお酢、めんつゆなどで作れます。植物の近くに置いておくと、簡単にコバエを捕殺できるでしょう。

コバエは、発酵不十分な腐葉土やバーク堆肥、有機質肥料の匂いに引き寄せられます。

そのため、有機質肥料を取り除いたり土の表面に赤玉土や鹿沼土など3～5㎝程度敷き詰めたりするとコバエ発生を防ぐことが可能です。

そもそもコバエは、完熟たい肥を使用した質のよい土であれば発生しません。また、土が常に湿っている状況を避ければ、発生する可能性は低いです。

コバエを発生させないためには、適切な土と水やり管理で育ててください。

関連記事：観葉植物に発生するコバエ｜対策と原因について

シェフレラ・チェンマイのよくある質問

最後にシェフレラ・チェンマイのよくある質問とその答えを以下にまとめました。

それでは具体的に見ていきましょう。

シェフレラ・チェンマイは室内屋外どちらを好む？

シェフレラ・チェンマイは日当たりと風通しのよい室内を好みます。ただし、真夏の直射日光は葉焼けの原因になるので注意が必要です。

屋外の日陰でも育てることはできますが、室内と屋外を入れたり出したりすると紫外線量が変化して生育によくありません。5℃程度であれば寒さに順応しやすいですが、基本的には寒さに弱い植物であるため、冬は室内で育てた方が安心です。

明るい室内で置く場所を決めたら、屋外へは移動させずに育てたほうがよいでしょう。

シェフレラ・チェンマイの冬越し方法は？

シェフレラ・チェンマイは寒さに弱い植物です。最低10℃以上をキープして育てます。

冬の窓際は屋外と変わらないくらいに冷え込むので、窓から離して管理してください。また、暖房の風に当たると乾燥によって葉がポロポロ落ちる原因になります。

そのため、窓から離して暖房が当たらない場所に置くことが重要です。さらに、冬は空気が乾燥しやすいので、水やりだけでなく葉水も行うと葉を元気に維持できます。

水やりや葉水は、温度がしっかりと上がった時間帯に行ってください。寒い時間帯に行うと、逆効果になるので気を付けましょう。

シェフレラ・チェンマイの葉が落ちる原因は？

葉が落ちるのは、「日当たり不足」「寒さ」「水のやりすぎ(やらなすぎ)」が原因として考えられます。

シェフレラは日当たりがよい環境を好むため、日差しが入らないほど暗い場所では葉を落としやすいです。暗い場所に置いていて葉が落ちる場合は、明るい窓際に移動してください。

また寒さに弱いので、10℃以下の環境では葉がポロポロと落ちてきます。適応力が高いので5℃程度まで耐えますが、なるべく暖かい場所で管理することが重要です。

水のやりすぎ(やらなすぎ)によって、根腐れや根傷みを引き起こすと葉がポロポロと落ちてきます。植え替えをして傷んだ根を取り除き、適切に育てて回復させてあげましょう。

シェフレラ・チェンマイが伸びすぎた時の対処法は？

シェフレラ・チェンマイが伸びすぎた時は、「剪定」をしましょう。

シェフレラは生育旺盛な植物であるため、5月～10月に葉を茂らせながら伸びます。定期的に剪定をしないと、見栄えや風通しが悪くなる原因に。

風通しが悪くなると病害虫発生にもつながるので、伸びすぎた時は風通しがよくなるように好みの高さで剪定してください。新芽は剪定した枝や幹の下の節目から出てきます。

剪定後の姿をイメージしながら剪定すると、形よく剪定できるかもしれません。

シェフレラ・チェンマイの適切な増やし方は？

シェフレラ・チェンマイは「挿し木」で簡単に増やすことができます。生育期の5～10月に行いますが、徐々に気温が上がる5～7月に行うと成功率が高いです。

挿し木は伸びた枝を10～15㎝に切り、葉を2～3枚だけ残して土に優しく植えます。直射日光が当たらない明るい日陰で、土が乾かないように2～3週間管理すると新芽が出てくるでしょう。

また、水挿し(土に植えずに容器に溜めた水に挿しておく方法)でも簡単に増やすことができます。水挿しで発根させた場合は、そのまま育てることも可能です。

シェフレラ・チェンマイのまとめ

シェフレラ・チェンマイは日当たりと風通しがよい室内であれば、一年を通して簡単に育てることができます。葉先が尖っている姿は、おしゃれなインテリアグリーンとして活躍するでしょう。

花言葉「誠実」「実直」などは、進学祝いや就職祝い、昇進祝いなどのプレゼントに最適です。金運を上げるとされている風水効果は、多くの方に喜んでもらえます。

ぜひ、流通量が少ない貴重なインテリアグリーンとして育ててみてはいかがですか。