植物名 | ミリオンバンブー |
学名 | Dracaena sanderiana |
英名 | Lucky Bamboo |
科目/属性 | キジカクシ科/ドラセナ属 |
原産地 | アフリカ西部など |
日当たり | 日当たりのいい置き場所(室内) |
温度 | 最低10℃以上をキープする |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | 強い |
水やり | 春夏:手で土を触って水分を感じなくなったら(鉢の中央部分までしっかり乾いてから) 秋冬:手で土を触って水分を感じなくなったら(鉢の中央部分までしっかり乾いてから)2〜3日後 |
肥料 | 液体肥料・緩効性肥料 |
剪定時期 | 4〜10月 |
育てやすさ | ★★★☆☆ |
ミリオンバンブーの特徴
ミリオンバンブーは、スタイリッシュな外見と縁起の良さで人気の観葉植物です。
バンブーというと和のイメージですが、幹がくねくねと曲がり柔らかな印象を持つため、意外にも洋室にも合う、洗練された佇まいがあります。
最近では、柔らかな幹の性質を利用して、いくつかの苗を編み込んで仕立てたタイプもおしゃれで人気を集めています。
竹のような見た目ですがドラセナ科に属し、竹と違って成長は緩やかでお手入れも簡単なため、安心して育てることができます。
ミリオンバンブーの花言葉
ミリオンバンブーの花言葉は、「開運」と「長寿」です。
竹のように生命力たくましく、上へ上へと宙に背を伸ばす姿は、まさに開運や長寿を彷彿させます。
ミリオンバンブーの風水
ミリオンバンブーは風水上でも強いパワーを持つ植物です。
中国では、開運竹や富貴竹という別名があり、仕事運や金運、開運の風水効果があるといわれています。
また、ミリオンバンブーのようにまっすぐ伸びていく性質を持つ植物は、強い「陽」の気を持ち、健康運にも効果的です。
ミリオンバンブーの育て方
ミリオンバンブーは、初めて植物をお部屋に迎える方にも育てやすい植物ですが、育て方にはポイントがあります。
ここでは、ミリオンバンブーの育て方について解説します。育て方のポイントを押さえて、適切に育てることができれば、美しい姿で元気に育ち続けるでしょう。
日当たり(耐陰性)
耐陰性があるため、置き場所を選ばず育てやすい品種ですが、明るい場所の方が元気に育ちます。
暖かい国が原産の植物ですが、直射日光を嫌うため、日当たりのいい場所ではレースのカーテンなどで遮光してあげましょう。
置き場所(耐寒性と耐暑性)
寒さに弱く、暑さには比較的強い品種です。
冬場は温度管理に気を付けて、温かい室内で育てるようにしましょう。
エアコンの風は植物を乾燥させてしまうので、風が直接当たらない場所に置いてください。
夏は直射日光が当たらない屋外でも管理できますが、基本的に紫外線量に変化を起こさない方が良いので、室内に置きっぱなしが良いでしょう。
温度
ミリオンバンブーは、寒さに弱い観葉植物です。
置き場所の温度は、10℃以上になるように管理しましょう。
それ以下の気温の低い場所に置くと、弱りやすくなるため注意が必要です。
水やりの頻度
気温が15℃以上ある春から秋にかけては、手で土を触って水分を感じなくなったら(鉢の中央部分までしっかり乾いてから)水をたっぷりあげてください。
15℃以下になると成長スピードが緩やかになるので、水やりの間隔を空けます。
冬は土が乾いて2、3日してから、水をあげるようにしましょう。また、お水やりの面倒な手間を省きたい方は、下記のお水やりチェッカーもおすすめです。
[https://andplants.jp/products/watering_checker_sustee_large_single]肥料
肥料は、成長が緩やかになる冬場に与えると、根を傷めてしまうことがあるので(肥料焼け)、春から秋の生育期に与えるようにしましょう。
肥料の種類は、薄めた液体肥料を月1~2回程度与えるようにします。
[https://andplants.jp/products/evo_solid_fertilizer_for_green]剪定方法
風通しを良くし生育を促すためには、古くなった葉や長くなりすぎた茎は、思い切って剪定しましょう。
また、大きくなりすぎた場合や、成長を緩やかにしたい場合は、葉っぱを根本からカットし幹は切らないようにしてください。
樹形がコンパクトになり、節目から新芽を促すことができます。
[https://andplants.jp/products/sakagen-flower-shears]ミリオンバンブーのよくあるトラブルと対処法
インテリアグリーンとして人気のあるミリオンバンブーですが、トラブルも存在します。
ここではトラブルが起きたときの対処法を解説していきます。あらかじめ対処法を知っておけば、いざ何かあっても安心です。
根腐れ
根腐れでは、以下の症状が見られます。
- 水をあげても元気にならない
- 土がなかなか乾かない
- 葉が落ちやすい
- 葉が茶色・黄色に変色している
- 幹や幹の根元が柔らかい
- 土から腐敗臭がする
- 土の表面にカビが生えている
- 根黒く変色している
根腐れは、土の中の酸素濃度が低下して土中の細菌叢が変化し、有機物の腐敗が進むことで有害なアンモニアが発生し、土壌環境が悪くなることで発症します。
また、常に土が湿っている状況では根が呼吸することができず、細胞が死んでしまいます。
これが原因で、根から水を吸い上げることができなくなり、植物体に水を供給することができなくなることで死んでしまう現象です。
根腐れの対処法は以下の通りです。
- 鉢から植物を抜き、悪い土を落として水はけのよい土に交換する
- 根の傷んでいる部分、腐っている部分をカットする
- 少量の水を与え、風通しがよく明るい日陰で管理する
※1週間を目安に水が乾くコンディションで管理する - 発根剤を与えてみる
- 傷んだ葉を取り除く
- 枯れた枝を切り取る
根腐れが起こった場合は、鉢を入れ替えて土の環境を変えることが大切です。傷んでしまった根は取り除き、健康な状態が取り戻せるような環境を与えてあげましょう。
赤玉土・ゼオライトなどを用土に混ぜ込むことで、水はけと根腐れを防止することができます。
枝先がダメになっている場合は、生きている部分までカットし、新しい葉を出すことで回復させます。
根元から腐っている場合は、無事な部分で切り取り、挿し木にして発根させて回復させましょう。
根腐れが起こると枝が垂れ、新芽を残すために古い葉を落とす現象が見られます。重度の根腐れの場合は、新芽や枝の先から枯れることがあるので注意が必要です。
関連記事:観葉植物の根腐れ|対処法や見分け方の紹介
根詰まり
根詰まりとは、鉢の中で根がいっぱいになることで起きる症状。根詰まりの症状は以下の通りです。
- 水が浸透しづらくなる
- 底から根が出てくる
- 葉が黄色くなる
- 鉢にヒビが入る
特に春夏の成長期で一気に伸びてしまうと上記のような症状が起きてしまいます。すぐに枯れる要因にはなりませんが、放置してしまうとミリオンバンブーに悪影響です。
対処法はミリオンバンブーの植え替えをすること。
現在の鉢より1つ上の大きい鉢に植え替えることで、上記の症状はほとんど解消されるでしょう。植え替えを行う時期も春夏の成長期が最も適しています。
関連記事:観葉植物の根詰まり|症状や対処法について
葉焼け
葉焼けでは、以下の症状が起きます。
- 葉の色素が抜けて白くなっている
- 葉の一部が茶色く枯れている
強い日差しを浴びすぎると葉が傷んで「葉焼け」というトラブルが発生します。
葉焼けの症状に気がついたら、早めに置き場所を検討し直すことが必要です。
対処法は以下の通りです。
- 直射日光が当たっている場合はカーテンなどで遮光する
- 葉焼けした部分はカットする
葉焼けが起こるということは、日光が当たりすぎている可能性が高いため、直射日光に当てないような措置を取りましょう。
また、一度焼けてしまった葉は二度と元に戻りません。傷んだ葉はカットし、新しい健康な葉が生えてくるのを待ちましょう。
関連記事:観葉植物の葉焼け|原因や対処法の紹介
ミリオンバンブーの害虫トラブルと対処法
風水にも人気のミリオンバンブーには害虫トラブルも存在します。
害虫によるトラブルが発生したときの対処法を解説していきます。あらかじめ対処法を知っておけば、いざ何かあっても安心です。
ハダニ
ハダニの症状は以下の通りです。
- 葉にクモの巣のような糸がついている
- 葉の裏に小さな虫がついている
- 葉に斑点や傷がある
- 葉の色が薄くなり枯れている
ハダニは繁殖力の強さと、薬剤耐性を持つとても厄介な害虫です。
放っておくと糸を張って大量発生する危険性もあるので、早めに対処を行いましょう。
対処法は以下の通りです。
- 傷んだ葉はカットする
- 葉の表裏、付け根や茎も水で洗浄する
- ハダニに効果のある液体を噴霧する(殺虫剤のほか、2倍に薄めた牛乳、重曹と水を混ぜたもの、濃いコーヒー、10倍に薄めた酢でも一定の効果あり)
ハダニが湧いてしまったら、市販の殺虫剤(ベニカXファインスプレー・オルトラン)を使用するのが効果的です。
2倍に薄めた牛乳などの液体を噴霧する対処法もありますが、匂いが気になる方には水で洗い流す方法もおすすめです。
そもそもハダニは、こまめな霧吹き・葉をふき取りきれいにすることを怠らなければ発生しません。
常にきれいな状態を保つために、霧吹きの購入は必須といえます。月に一度はシャワーで洗い流すなどの管理も必要です。
アブラムシ
アブラムシの症状は以下の通りです。
- 新芽が萎縮している
- 葉が縮れている
- 新芽に虫が付いている
- 葉や幹がベタベタしている
アブラムシは繁殖力が強いため短期間で増え、ウイルスを媒介する厄介な害虫です。
放っておくとミリオンバンブーの生育が弱まり枯れる恐れもあるので、早めに対処を行いましょう。
対処法は以下の通りです。
- 縮れた葉はカットする
- アブラムシを取り除く
- 茂り過ぎている枝葉は剪定して風通しをよくする
- アブラムシに効果のある液体を噴霧する(殺虫剤のほか、2倍に薄めた牛乳、重曹と水を混ぜたもの、濃いコーヒー、10倍に薄めた酢でも一定の効果あり)
アブラムシが湧いてしまったら、市販の殺虫剤(ベニカXファインスプレー・オルトラン)を使用すると効果があります。
2倍に薄めた牛乳などの液体を噴霧する対処法もありますが、匂いが気になる方には水で洗い流す方法もおすすめです。
カイガラムシ
カイガラムシの症状は以下の通りです。
- 貝殻のような殻を被ったり、粉状の物質で覆われたりしている虫が枝葉についている
- 黒いカビ(すす病)が発生している
- 葉や幹がベタベタしている
カイガラムシは繁殖力の強さと薬剤耐性のある厄介な害虫です。
放っておくとミリオンバンブーの生育が弱まり枯れる恐れもあるので、早めに対処を行いましょう。
対処法は以下の通りです。
- 柔らかい布やブラシで擦り取り除く
- 茂り過ぎている枝葉は剪定して風通しをよくする
- カイガラムシに効果のある液体を噴霧する(殺虫剤のほか、2倍に薄めた牛乳、重曹と水を混ぜたもの、濃いコーヒー、10倍に薄めた酢でも一定の効果あり)
カイガラムシが発生したら、市販の殺虫剤(ベニカXファインスプレー・オルトラン・スミチオンなど)を使用するのが効果的。
カイガラムシの成虫には殺虫剤が効きにくいので、幼虫の時期である5~7月に使用するとよいでしょう。
既に貝殻をかぶっている成虫は、柔らかいブラシや布で擦り取ってください。
2倍に薄めた牛乳などの液体を噴霧する対処法もありますが、匂いが気になる方には水で洗い流す方法もおすすめです。
関連記事:観葉植物の白い綿はコナカイガラムシ|対処法と予防法を紹介
コバエ
コバエの症状は以下の通りです。
- 土に虫が湧く
- コバエが植物の周囲を飛んでいる
コバエ自体は植物に無害ですが、観葉植物を育てるうえでの不快害虫です。
放っておくとコバエは増えていくので、早めに対処を行いましょう。
対処法は以下の通りです。
- 発酵不十分な堆肥や有機質肥料を与えることをやめる
- 新しい土に植え替える
- 土の表面に無機質な素材(赤玉土・鹿沼土・砂利など)を敷く
- トラップを仕掛ける
- コバエに効果のある殺虫剤を噴霧する
コバエが発生したら、市販の殺虫剤(ベニカXファインスプレー・オルトラン・スミチオンなど)を使用するのが効果的です。
コバエのトラップは食器用洗剤やお酢、めんつゆなどで作ることができます。植物の近くに置いておくと、簡単にコバエを捕殺できるでしょう。
コバエは、発酵不十分な腐葉土やバーク堆肥、有機質肥料の匂いに引き寄せられます。
そのため、有機質肥料を取り除いたり土の表面に赤玉土や鹿沼土など3~5㎝程度敷き詰めたりするとコバエ発生を防ぐことが可能です。
そもそもコバエは、完熟たい肥を使用した質のよい土であれば発生しません。また、土が常に湿っている状況を避ければ、発生する可能性は低いです。
コバエを発生させないためには、適切な土と水やり管理で育ててください。
ミリオンバンブーの育て方に関するよくある質問
最後にミリオンバンブーの育て方に関するよくある質問とその答えをまとめました。
- 挿し木で増やせる?
- ペット(犬・猫)にとって毒性はない?
- 虫が発生することもある??
- 葉が落ちる場合はどうしたらいいの?
- 屋外に置ける?
- 冬の管理方法は?
- 水栽培できる?
- 切り口の処理ってどうしたらいい?
それでは具体的に見ていきましょう。
挿し木で増やせる?
ミリオンバンブーは、挿し木で増やすことができます。
葉が付いた状態で茎を切り取り、半日ほど吸水させ、土に挿しておくと根が出てきます。
また、水耕栽培にも適しているので、水につけておくだけでも発根します。
ペット(犬・猫)にとって毒性はない?
サポニンという成分が含まれているため、ペットには有害になります。
犬や猫を飼っている方は注意しましょう。
枯れた場合どうすればいい?
枯れる原因としては、水枯れ・根腐れ・葉焼けの3つが考えられます。それぞれの対処法は以下のとおりです。
- 水枯れ:土の表面が乾いたら水やりする
- 根腐れ:水はけのいい土に交換する
- はやけ:遮光して管理する
一見枯れたように見えても、根が生きていれば復活する可能性があります。早急に対処することで助かる可能性は高くなるので、まずは植物が傷んだ原因を確かめ早めに対応しましょう。
ダメになった葉っぱはすべて取り除き、原因を改善したあとは発根剤を使って管理すると、根や新芽の伸長を促し回復を早めることができます。
虫が発生することもある?
カイガラムシやアブラムシなどの害虫が付く可能性があります。
風通しの良い場所に置き、霧吹きなどで葉に水をかけてあげることで(葉水)、予防になります。
培養土の中に入って産卵する習性があるコバエの発生を防ぐには、土の表面に赤玉土を厚めに載せてカバー・麻布で覆うなど物理的にカバーすると効果的です。
それでも発生した場合は、オルトランを土に撒いて殺虫スプレーで対処します。
葉が落ちる場合はどうしたらいい?
ミリオンバンブーは葉を落とさない性質なので、成長の段階では、基本的に葉を落とすことはありません。
葉がかさかさになって落ちるようなら、水不足が考えられます。
葉っぱが変色して落ちはじめた場合は、逆に水やりのしすぎや葉焼けが原因かもしれません。
屋外に置ける?
ミリオンバンブーは温かい場所を好むため、春から秋にかけては屋外に置くこともできますが、基本的に紫外線量に変化を起こさない方が良いので、室内に置きっぱなしが良いでしょう。
冬の管理方法は?
ほかの時期と同様に室内での管理が基本ですが、エアコンの風が直接当たらないよう置き場所には注意が必要です。
冬場でも霧吹きなどで葉に水をかけてあげるときれいな状態を保てますが、低温多湿にならないように、葉水は室温を上げた上で日中に済ませましょう。
水栽培できる?
土栽培したものは、基本的に水耕栽培はできません。
水耕栽培にしたい場合は、根を全部切り、新しい水耕栽培用の根を出す必要があります。
水耕栽培は、ガラスの容器などに飾って、壁掛けやハンギングにしても、おしゃれなインテリアになるのでおすすめです。
土を使わず、ハイドロボール(人工石)や専用のスポンジを使うことで、害虫のリスクも減らせるメリットもあります。
切り口の処理ってどうしたらいい?
ミリオンバンブーを剪定したときの切り口は、細菌やカビが入りやすい状態になっています。
園芸店などで購入できるトップジンペーストなどで、切り口を保護しておくと安心です。
また、剪定ハサミもきれいに消毒したものを使いましょう。
ミリオンバンブーのまとめ
ミリオンバンブーは、スタイリッシュな外見でインテリアアイテムとしても人気の観葉植物です。
育て方のコツは、直射日光が苦手なので日陰で管理することと、寒さに弱いため冬場も10℃以上の温かい場所で管理することです。
その点に気を付ければ、特別なお手入れも必要ありませんので、初心者の方にもおすすめできる観葉植物です。