植物名 | エアプランツ(チランジア) |
学名 | Tillandsia |
英名 | Tillandsia、Airplants |
科目/属名 | ブロメリア科/チランジア属 |
原産地 | 中南米 |
日当たり | 風通しの良い日陰 |
温度 | 最低5℃以上をキープ |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | 弱い |
水やり | 霧吹き:1週間に1~2回(夕方から夜) ソーキング:月に1回程度 |
肥料 | 液体肥料 |
剪定時期 | 5~10月 |
育てやすさ | ★★★★☆ |
エアプランツを今すぐ見たい方は下記よりご覧になってみてください。数に限りがありますので、お早めにどうぞ。
[https://andplants.jp/collections/tillandsia]エアプランツの特徴
エアプランツは土が不要で、空気中の水分を葉上で結露させて取り込み育つインテリア性の高い植物です。土を必要としないので、そのまま飾ったり流木にくっつけたりとさまざまなディスプレイを楽しむことができます。
ホームセンターや園芸店では、学名通りに「チランジア」と呼ばれ販売されていることも多いです。エアプランツのことであり、近年では、様々な姿形やユニークで美しい花を咲かせる品種も手に入りやすくなってきています。
ディスプレイの自由度が高いエアプランツは、お部屋に気軽に取り入れられるインテリアグリーンとして人気の植物です。
原産地の中南米との気候の違いから、日本では空気中の水分だけでは生育できない点に注意してください。水分を好む植物なので、しっかりと霧吹きで水やりすることが重要です。
種類
エアプランツは園芸品種も含めると、2,000以上の種類があるとされてます。一般的によく見られるエアプランツの代表的な種類は、以下の5つです。
エアプランツには多くの種類がありますが、大まかに「銀葉タイプ」「緑葉タイプ」の2つの種類に大きく分けることができます。
「銀葉タイプ」は葉色がシルバーがかっており、水分を吸収する力が強く、比較的乾燥に強いことが特徴。「緑葉タイプ」は葉色が緑がかっており、成長が早く銀葉タイプよりも蒸れに強いです。
筆者も数多くのエアプランツを育ててきましたが、銀葉タイプは乾燥に強いので、普段が忙しくて水やりを忘れがちな方におすすめだと感じています。また、水やりしすぎて蒸らしてしまう方は、緑葉タイプだと失敗しにくいです。
それぞれの特徴とライフスタイル、自身の育て方を考えて、好みのエアプランツを育ててみてください。
エアプランツの育て方
エアプランツは、初めて植物をお部屋に迎える方にも育てやすい植物ですが、育て方にはポイントがあります。
ここでは、エアプランツの育て方のポイントを6つ解説します。
- 置き場所と日当たり|風通しがよい屋内がおすすめ
- 水やりの頻度|霧吹き・ソーキング
- 温度
- 肥料
- 剪定方法
- 冬の育て方
それぞれ詳しく見ていきましょう。
エアプランツの育て方を動画でご覧になりたい方は、植物バイヤーが下記にてわかりやすく解説しているので、参考にしてみてください。
置き場所と日当たり|風通しがよい屋内がおすすめ

エアプランツは風通しの良い日陰を好みます。ただし、日陰と言っても暗い日陰ではなく、木漏れ日が差し込むような明るい日陰です。
室内ではレースカーテン越しくらいの明るさがある場所で育ててください。屋外では、直射日光が当たらない明るい日陰で育てましょう。
風通しがよい屋内で管理すると、美しい葉を維持できるので、より顔が美しい姿になりやすいです。屋外では、葉焼けや害虫のリスクがありますが、力強いガッチリとした株姿になる傾向にあります。
強い直射日光は枯れる原因になるので、屋外で育てる場合は注意が必要です。室内では、置き場所の風通しに気を付けてください。
エアプランツの水やり後に風がなく蒸れが続いてしまうと、根元の葉が黒くなり枯れてしまうことも。風通しの良い場所を確保できない場合は、サーキュレーターの使用がおすすめです。
水やりの頻度|霧吹き・ソーキング

- 霧吹き|1日に1回(夕方から夜)
- ソーキング|月に1回程度
エアプランツは水を好む植物なので、生育期は霧吹きを毎日、夕方から夜にかけて行うことが重要。日が沈んで暗くなることで、酸素や水分を吸収する「気孔(きこう)」と呼ばれる穴が開くためです。
明るい日中に水やりをしても気孔が開いていないので、水をあまり吸収できません。そのため、水は葉の隙間に留まり続けて、根腐れの原因になりやすいです。
梅雨時期と冬を除いて、月に一回程度バケツなどに溜めた水に4~6時間ほど浸す「ソーキング」を行うと効率よく吸水して葉が元気になります。
ソーキングでは、吸水後の乾燥の仕方によっては、葉の隙間に水が溜まりやすいです。そのため、腐って枯れる心配がある場合は、生育期は1日1回霧吹きで吸水させるとよいでしょう。
ソーキングとは

ソーキングとは、バケツや深皿などに溜めた水にエアプランツを完全に浸す水やり方法です。
頻度としては、月に1回が目安ですが、乾燥した環境では月に2回程度が理想的です。具体的な手順を以下にまとめました。
- ボウルやシンクに水を張り、エアプランツを完全に浸す
- 4〜6時間ほど浸して、十分に水を吸収させる
- 浸した後は、逆さにして余分な水を切る
- 最後に、風通しの良い場所でしっかり乾す
乾かし方が中途半端だと、根腐れを起こす可能性があります。キセログラフィカのように、タンクタイプのエアプランツは水が溜まりやすいです。
ソーキングで吸水後は、逆さまにして乾かすことを忘れないようにしましょう。サーキュレーターやエアコンを活用して、風通しをよくしてあげるのも効果的です。
温度

エアプランツは中南米原産ではありますが、暑さにはそれほど強くなく寒さにも弱い植物です。生育適温は20~30℃で、10℃以下になると生育が止まり5℃以下になると枯れる恐れがあります。
そのため、夏は風通しの良い涼しい日陰、冬は室内で管理することが重要です。屋外で育てている場合は、最低温度が10℃付近になり始めたら室内に移動させてください。
朝晩の冬の窓際は外気と変わらないくらいに冷え込むので、窓から離して温度変化の少ない部屋の中央に置くと管理しやすいです。
肥料
エアプランツは基本的に、肥料は必要なく水だけで育ちます。
ただし、生育期の春(3~5月)と秋(10~11月)に限り、液体肥料を与えると葉にツヤのある大きな株になりやすいです。規定の2倍以上薄めた液肥を霧吹きやソーキングで吸収させると良いでしょう。
通常の薄め方ではエアプランツにとって液肥が濃いので、液肥を与える場合はさらに薄く作ることが大事なポイントです。濃い液体肥料を噴霧すると、吸収されなかった栄養素が葉に残り、葉がカピカピになります。
見栄えが悪くなるので、肥料を与える場合は、しっかりと薄めてください。
剪定方法
生育期の春と秋のエアプランツは、ゆっくりと新芽を出して大きくなっていきます。それに伴って外側の葉は古くなり枯れていきます。
枯れた葉は、株元から優しく取り除きましょう。そのままにしておくと、風通しが悪くなったり、その隙間に水が溜まり根腐れの原因になったりします。
上手に取り除けない場合は、ピンセットや剪定ハサミで優しく取り除いてください。
あえて、枯れた下葉を取り除かずにワイルドな姿見で育てるのもアリですが、病害虫の発生源になったり、根腐れの原因になったりしやすいです。枯れた下葉を付けたまま育てる場合は、水やりと風通しに注意して育ててください。
[https://andplants.jp/products/sakagen-flower-shears]冬の育て方
エアプランツは寒さに弱い植物です。
冬は室内の風通しを確保した明るい場所で管理してください。冬の水やりは、暖かいお昼の時間帯に霧吹きで与えましょう。
エアプランツは夕方以降に気孔が開くため、夜の水やりがおすすめですが、日本の冬の夜から朝は特に気温が冷え込みます。気温が下がるタイミングで水を与えると根腐れの原因になりやすいので、冬は夜に水やりするのは控えてください。
お昼にしっかり室温が上がったタイミングで、霧吹きで水やりしましょう。ただし、エアコンの暖かい風が当たる場所では管理しないでください。
急激な乾燥によって、水分が失われて枯れる恐れがあります。冬はエアコンの風が当たらない場所で、風通しよく育てることが重要です。
エアプランツを購入した方からのレビュー

AND PLANTSでエアプランツ(チランジア)を購入した方からのレビューを下記にまとめました。
「エアプランツって初心者でも育てられるのかな?」「購入した人の評判はどうなんだろう?」と気になっている方は、ぜひ参考にしてみてください。




土の要らない観葉植物として知られるエアプランツ。植物初心者の方にも大変好評をいただいています。ハンギングで飾ってあげると、エアプランツのよさがさらに際立ちますよ。
エアプランツのよくあるトラブルと対処法
植物の初心者でもおしゃれに楽しめるエアプランツですが、トラブルも存在します。
エアプランツに起こりやすいトラブルは以下の通りです。
- 根腐れ(根元の基部の腐れ)
- 株全体が白くなり、スカスカになる
- 葉焼け
- ハダニ
- 枯れる
ここではトラブルが起きたときの対処法を解説していきます。あらかじめ対処法を知っておけば、いざ何かあっても安心です。
植物や虫のトラブルに対処できるケア用品をまとめました。詳しくは下記のページからご覧になってみてください。
[/collections/caregoods]関連記事:エアプランツ(チランジア)が枯れる原因|対処方法と復活方法
根腐れ(根元の基部の腐れ)
根腐れでは、以下の症状が見られます。
- 水をあげても元気にならない
- 土がなかなか乾かない
- 葉が落ちやすい
- 葉が茶色・黄色に変色している
- 葉の根元が柔らかい
- 株から腐敗臭がする
- 葉にカビが生えている
- 黒く変色している
エアプランツの「根腐れ」とは水のやりすぎや風通しの悪さにより、根元の基部に溜まった水が腐れを引き起こす症状のことです。
根元の基部がふやけてしまうことで細胞が死んでしまい、根元から葉がボロボロと落ちてきてしまいます。水をためっぱなしにしないように、風通しの良い場所においてしっかりと乾燥させる事が大事です。
根腐れの対処法は以下の通りです。
- 風通しの良い場所に明るい日陰に移動する
- サーキュレーターで根腐れした部分を乾かす
- 傷んでいる部分、腐っている部分をカットする
- 一時水やりを控える
根腐れが起こった場合は、より風通しの良い場所に移動させることが大切です。傷んでしまった葉や根元を取り除き、健康な状態が取り戻せるような環境で管理しましょう。
エアプランツは、根元の基部が完全にグズグズに根腐れすると、復活は難しいです。そのため、根腐れさせないように水やり後の管理には、注意してください。
株全体が白くなり、スカスカになる
株全体が白くなり、スカスカになる症状の原因は水切れです。
水切れの症状は以下の通りです。
- 葉が薄くなる
- 葉が内側に丸まる
- 葉先が枯れる
- 葉の張りがなくなる
特に春から秋の生育期で水不足になると、上記のような症状が起きてしまいます。すぐに枯れる要因にはなりませんが、放置してしまうとエアプランツの株全体が白くなり始めて、スカスカの状態になっていきます。
対処法は、エアプランツをソーキングすることです。
エアプランツを水を溜めたバケツなどに夕方から夜にかけて4~6時間浸けておくことで、効率的に吸水して上記の症状はほとんど解消されるでしょう。流木や石にくっつけてあるものは、そのまま水に浸してください。
エアプランツは「水やりが必要ない」とよく勘違いされます。エアプランツは水を好む植物なので、水やりをしっかり行うことが重要です。
夕方から夜にかけてたっぷりと霧吹きを行い、風通しの良い環境で乾かしてください。
水切れの症状から回復しない場合は、月に1回程度ソーキングを行うと改善されやすいです。ソーキングは、春から秋の生育期に行ってください。
葉焼け
葉焼けでは、以下の症状が起きます。
- 葉の色素が抜けて白くなっている
- 葉の一部が茶色く枯れている
強い日差しを浴びすぎると葉が傷んで「葉焼け」というトラブルが発生します。生育期に屋外でエアプランツを育てている場合は、日光の当たり方によって葉焼けしやすいです。
葉焼けの症状に気がついたら、早めに置き場所を移動させましょう。
場所を移動させる以外の対処法は、以下の通りです。
- 直射日光が当たっている場合はカーテンや寒冷紗などで遮光する
- 葉焼けした部分はカットする
葉焼けが起こるということは、日光が当たりすぎている可能性が高いため、直射日光に当てないような措置を取ってください。
また、一度焼けてしまった葉は二度と元に戻りません。傷んだ葉はカットし、新葉が茂るのを待ちます。
関連記事:観葉植物の葉焼け|原因や対処法の紹介
ハダニ
ハダニの症状は以下の4点です。
- 葉にクモの巣のような糸がついている
- 葉の裏に小さな虫がついている
- 葉に斑点や傷がある
- 葉の色がカスリ状に薄くなり枯れている
ハダニは繁殖力の強さと、薬剤耐性を持つとても厄介な害虫です。
放っておくと糸を張って大量発生する危険性もあるので、早めに対処を行いましょう。
対処法は以下の通りです。
- 傷んだ葉はカットする
- 葉の表裏、付け根や茎も水で洗浄する
- ハダニに効果のある液体を噴霧する(2倍に薄めた牛乳、重曹と水を混ぜたもの、濃いコーヒー、10倍に薄めた酢、殺虫剤)
ハダニが湧いてしまったら、市販の殺虫剤(ベニカファインスプレー・オルトラン)を使用するのが効果的です。2倍に薄めた牛乳などの液体を噴霧する対処法もありますが、匂いが気になる方には水で洗い流す方法もおすすめです。
そもそもハダニは、霧吹きやソーキングを定期的に行うエアプランツには、発生しにくい害虫です。エアプランツでハダニが発生する場合は、水やりを行えてない可能性があります。
エアプランツの水管理を見直しましょう。
枯れる
エアプランツが枯れる原因は、以下の2点です。
- 水のやりすぎ
- 風通しの悪さ
エアプランツは水と風通しを好みます。水やり後はサラッとすぐに乾く環境での管理が重要です。
エアプランツの枯れを防ぐための対処法は、以下の通りです。
- こまめな霧吹き
- 定期的なソーキング
- サーキュレータによる風通しの改善
エアプランツは、土に根を張る植物でないため、水不足かどうか確認しにくいかもしれません。エアプランツは水不足になると、葉が細くなったり葉先がカールしたりします。
また、水不足が進行すると、根元の基部がフカフカになります。吸水後の状態をしっかり確認しておくと、水不足のサインに気づきやすいでしょう。
枯れる原因として、風通しの悪さがあります。水やり後は風通しの良い環境で乾かしてください。葉の隙間に水が溜まるようなエアプランツは、逆さまにしておくことがポイントです。
風通しが確保できない場合は、室内全体の空気を動かすようにサーキュレーターを利用して、乾かしましょう。
エアプランツのよくある質問
最後にエアプランツのよくある質問とその答えを以下にまとめました。
- エアプランツの寿命はどのくらい?
- エアプランツは室内と屋外どちらを好むの?
- エアプランツは花が咲くの?その咲かせ方は?
- エアプランツのおしゃれな飾り方は?
それでは具体的に見ていきましょう。
エアプランツの寿命はどのくらい?
エアプランツは花が咲くと、半年~1年ほどで枯れてしまいます。
しかし花が咲くことで子株が出てくるので、そのまま子株を大きく育て株分けすれば、同様に楽しむことができるでしょう。
子株が小さすぎるときに株分けすると育てるのが難しいので、少し大きくなってから株分けすることがポイントです。
子株を株分けして育てることを繰り返すことで、もしかしたら数年~数十年と楽しめるかもしれませんよ。
エアプランツは室内と屋外どちらを好むの?
エアプランツは風通しのある明るい日陰を好むので、屋内の風通しの良い日陰の環境が適しています。ただし、見た目を美しく育てたい方は、室内管理の方が綺麗に育ちます。
屋外では、葉焼けや害虫被害による葉傷みが発生する可能性があるためです。また、寒さには強くないので、最低温度が10℃付近になり始めたら暖かい場所に移動させてください。
1年を通して室内で育てる場合は、直射日光の当たらない風通しの良い環境で育ててください。窓を開けるなどの風通しが確保できない場合は、サーキュレーターなどで空気を動かすことが室内で上手に育てるポイントです。
エアプランツは花が咲くの?花の咲かせ方は?
エアプランツは美しい個性的な花が咲きます。ただし、花が咲いた株は、ゆっくりと枯れていく点には注意してください。
花が咲いたら、その株は枯れますが、株の周囲に子株ができ始めて増えるので、完全に枯れるわけではありません。そのため、花を咲かせても問題ありませんので、安心してください。
株が充実していないと花は咲きませんので、株分けしたばかりのエアプランツなど小さいものは花が咲くまで時間がかかります。花を咲かせるためには、春と秋の生育期に日光に当てながら、薄めの液肥を与えて育てると効果的です。
株が大きくなると、花が咲いてくるので楽しみにしていてくださいね。
エアプランツのおしゃれな飾り方は?
エアプランツはシンプルに置くだけでもおしゃれですが、道具を使うと飾り方に幅ができて、もっとおしゃれに楽しめます。
エアプランツのおしゃれな飾り方として、以下の3つが人気です。
- ハンギングで吊るす
- 壁掛けで飾る
- ガラスポットで飾る
飾り方には正解はありませんので、思い思いの好きな飾り方でエアプランツをおしゃれに楽しみましょう。
エアプランツのまとめ
エアプランツは風通しのよい明るい日陰であれば、植物を初めて育てる方でも簡単におしゃれに育てることができます。ハンギングで吊るしたり、ガラスポットと合わせたりすることで、よりおしゃれになるエアプランツは、お部屋のインテリアグリーンに最適です。
エアプランツを上手に育てるポイントは、「水やり」「風通し」です。しっかり管理すれば、ぐんぐん大きくなり、花も咲かせてくれます。
土を使わず育てられるので、初めての方でも挑戦しやすいでしょう。机や棚にインテリアと合わせて置いたり、窓際に吊るしたりしておしゃれに楽しんでください。
ぜひ、素敵なインテリアグリーンとして育ててみてはいかがですか。
[https://andplants.jp/collections/tillandsia]