パキラ・ミルキーウェイの育て方

植物名	パキラ・ミルキーウェイ
学名	Pachira glabra 'Milky Way'
英名	Guiana Chestnut
科目/属性	アオイ科/パキラ属
原産地	中南米
日当たり	日当たりのよい置き場所（室内）
温度	最低10℃以上をキープする
耐寒性	弱い
耐暑性	強い
水やり	春夏：手で土を触って水分を感じなくなったら（鉢の中央部分までしっかり乾いてから） 秋冬：手で土を触って水分を感じなくなって（鉢の中央部分までしっかり乾いてから）一週間程度あけた後
肥料	緩効性肥料、液肥
剪定時期	5～9月

パキラ・ミルキーウェイの特徴

パキラ・ミルキーウェイは、斑入りの葉が美しいパキラです。名前の通り、輝く天の川のように葉に白斑が入ります。

流通量が少なく希少な品種です。さらに、流通しているミルキーウェイの多くは通常のパキラに接ぎ木されたもの。

種から育てられた実生(みしょう)のパキラ・ミルキーウェイは、さらに流通量が少ないです。美しい斑入り葉は、インテリアグリーンに人気があります。

日当たりのよい場所で育てることで、美しい斑入りを維持できます。寒さには弱いので、冬は暖かい室内で管理してください。

パキラ・ミルキーウェイの花言葉

パキラ・ミルキーウェイの花言葉は「快活」「勝利」です。

パキラ共通の花言葉であり、乾燥や日陰でも育つほどの生命力から「快活」が、パキラを育てて貧困に打ち勝った話から「勝利」が名付けられています。

花言葉「快活」「勝利」は、就職祝いや開店祝い、新築祝いなどのプレゼントにおすすめです。見た目にも爽やかなので、インテリアグリーンとしても喜ばれるでしょう。

ぜひ花言葉も添えてプレゼントしてみてください。

パキラ・ミルキーウェイの風水

パキラ・ミルキーウェイには「金運」を高める風水効果があるとされています。

パキラは「Money Tree(発財樹)」とも呼ばれているためです。また、花言葉「勝利」の由来となった話から仕事運にもよい影響を与えるとされています。

金運を高めたい場合は、お金に関係する方角「西・北・北東」にパキラ・ミルキーウェイを置くと効果的。仕事運を高めたい場合は、書斎や仕事場に飾るとよいでしょう。

ただし、風水効果は植物を置くだけでは不十分です。十分な風水効果を得るためには、置く場所は整理整頓してパキラ・ミルキーウェイを元気に育ててください。

関連記事：パキラの風水効果 | 運気を良くする置き場所や方角、注意点を解説 

パキラ・ミルキーウェイの育て方

パキラ・ミルキーウェイは、初めて植物をお部屋に迎える方にも育てやすいですが、育て方にはポイントがあります。

ここでは、パキラ・ミルキーウェイの育て方について解説します。育て方のポイントを押さえて、適切に育てることができれば、美しい姿で元気に育ち続けるでしょう。

置き場所と日当たり

パキラ・ミルキーウェイは日当たりと風通しがよい場所を好みます。ただし、真夏の直射日光に当たると葉焼けする可能性があるので注意が必要です。

ほとんど日光が入らないような暗すぎる場所ではうまく生育できません。葉が黄色くなってぽろぽろ落ちたり、白斑が入らなくなったりするので、日当たりの良い場所に置いてください。

パキラは葉が柔らかいので、直射日光で葉焼けしやすいです。レースカーテン越しの柔らかい光が当たる環境で管理しましょう。

温度

パキラ・ミルキーウェイは、寒さに弱い植物です。最低10℃以上をキープして育ててください。

10℃以下の寒さに当たり続けると、葉が黄色くなったり幹が柔らかくなったりして枯れる恐れがあります。冬の窓際は屋外と変わらないくらいに冷え込むので、窓から離れた明るい場所に置いてください。

ただし、暖房の風が当たると急激な乾燥によって葉が傷みやすいです。暖房の風が当たらず、窓から離れた暖かい場所で管理しましょう。

水やりの頻度

春夏の生育期には、手で土を触って水分を感じなくなったら(鉢の中央部分までしっかり乾いてから)鉢底から水が流れるくらいに、しっかり水やりしてください。ただし、水のやりすぎや受け皿の溜め水は根腐れの原因になります。

水やり後は、受け皿に溜まった水は小まめに捨てることが重要です。気温の下がる秋からは土の渇き具合を見ながら、徐々に水やりを控えましょう。

冬は手で土を触って水分を感じなくなったら(鉢の中央部分までしっかり乾いてから)一週間後に水やりします。空気が乾燥しやすい冬は、水やりと一緒に葉水も与えるとイキイキとした元気な葉を維持しやすいです。

ただし、水やりや葉水は室温が十分に上がったタイミングで与えてください。気温が低い時間帯に水を与えると、根や葉が傷む可能性があるので注意します。

もし、水やりの頻度に困ったときは、水やりチェッカーの利用がおすすめです。

肥料

パキラ・ミルキーウェイには、生育期の5～10月に2か月に1度置き肥を置くか、水に薄めた液肥を2週間に1度のペースで水やり代わりに与えてください。冬は生育が緩慢な時期なので、肥料は与えません。

パキラ・ミルキーウェイは肥料が少なくても十分に育てますが、葉を茂らせたり艶を出したりしたい場合は土に混ぜ込んだ元肥以外に追肥もしましょう。

肥料の与えすぎは根を傷めるため、与えるペースや時期はしっかり守りましょう。

剪定方法

パキラ・ミルキーウェイの剪定時期は5～10月です。傷んだり茂りすぎたりした枝葉を剪定します。

葉の先端が傷んだ場合は、剪定ハサミで傷んだ部分だけをカットしてください。葉先が尖るように剪定すると、見栄えが自然です。

手のひらのように広がった葉のうち、1枚だけが枯れた場合は葉の付け根を優しく取り除きます。残りの葉まで切り取らないように気を付けましょう。

多くのミルキーウェイは接ぎ木されています。接ぎ木されている部分より下で剪定してしまうと、新芽は通常のパキラになるので注意してください。

接ぎ木されている部分は接ぎ目が膨らんでいることが多いです。剪定する際はよく観察して剪定してください。

パキラ・ミルキーウェイのよくあるトラブルと対処法

美しい斑入り葉が特徴的なパキラ・ミルキーウェイですが、トラブルも存在します。

ここではトラブルが起きたときの対処法を解説していきます。あらかじめ対処法を知っておけば、いざ何かあっても安心です。

関連記事：観葉植物のトラブル｜主な症状と対処法まとめ

根腐れ

根腐れでは、以下の症状が見られます。

根腐れは、土の中の酸素濃度が低下して土中の細菌叢が変化し、有機物の腐敗が進むことで有害なアンモニアが発生し、土壌環境が悪くなることで発症します。

また、常に土が湿っている状況では根が呼吸できず、細胞が死んでしまいます。

これが原因で、根から水を吸い上げることができなくなり、植物体に水を供給できなくなることで死んでしまう現象です。

根腐れの対処法は以下の通りです。

根腐れが起こった場合は、鉢を入れ替えて土の環境を変えることが大切です。傷んでしまった根は取り除き、健康な状態が取り戻せるような環境を与えてあげましょう。

赤玉土・ゼオライトなどを用土に混ぜ込むことで、水はけと根腐れを防止できます。

葉先がダメになっている場合は、生きている部分までカットし、新しい葉を出すことで回復させます。

根元から腐っている場合は、無事な部分で切り取り、挿し木にして発根させて回復させましょう。

根腐れが起こると枝が垂れ、新芽を残すために古い葉を落とす現象が見られます。重度の根腐れの場合は、新芽や枝の先から枯れることがあるので注意が必要です。

関連記事：観葉植物の根腐れ｜対処法や見分け方の紹介

根詰まり

根詰まりとは、鉢の中で根がいっぱいになることで起きる症状。根詰まりの症状は以下の通りです。

特に春夏の成長期で一気に伸びてしまうと上記のような症状が起きてしまいます。すぐに枯れる要因にはなりませんが、放置してしまうとパキラ・ミルキーウェイに悪影響です。

対処法はパキラ・ミルキーウェイの植え替えをすること。

パキラ・ミルキーウェイを現在の鉢より1つ上の大きい鉢に植え替えることで、上記の症状はほとんど解消されるでしょう。植え替えを行う時期も春夏の成長期が最も適しています。

関連記事：観葉植物の根詰まり｜症状や対処法について

葉焼け

葉焼けでは、以下の症状が起きます。

強い日差しを浴びすぎると葉が傷んで「葉焼け」というトラブルが発生します。

葉焼けの症状に気がついたら、早めに置き場所を検討し直すことが必要です。

対処法は以下の通りです。

葉焼けが起こるということは、日光が当たりすぎている可能性が高いため、直射日光に当てないような措置を取りましょう。

また、一度焼けてしまった葉は二度と元に戻りません。傷んだ葉はカットし、新しい健康な葉が生えてくるのを待ちましょう。

関連記事：観葉植物の葉焼け｜原因や対処法の紹介

パキラ・ミルキーウェイの害虫トラブルと対処法

育てやすいパキラ・ミルキーウェイにも、害虫トラブルは存在します。

害虫によるトラブルが発生したときの対処法を解説していきます。あらかじめ対処法を知っておけば、いざ何かあっても安心です。

ハダニ

ハダニの症状は以下の通りです。

ハダニは繁殖力の強さと、薬剤耐性を持つとても厄介な害虫です。

放っておくと糸を張って大量発生する危険性もあるので、早めに対処を行いましょう。

対処法は以下の通りです。

ハダニが湧いてしまったら、市販の殺虫剤（ベニカXファインスプレー・オルトラン）を使用するのが効果的です。

2倍に薄めた牛乳などの液体を噴霧する対処法もありますが、匂いが気になる方には水で洗い流す方法もおすすめです。

そもそもハダニは、こまめな霧吹き・葉をふき取りきれいにすることを怠らなければ発生しません。

常にきれいな状態を保つために、霧吹きの購入は必須といえます。月に一度はシャワーで洗い流すなどの管理も必要です。

関連記事：観葉植物に発生するハダニ｜対処と予防法の紹介

アブラムシ

アブラムシの症状は以下の通りです。

アブラムシは繁殖力が強いため短期間で増え、ウイルスを媒介する厄介な害虫です。

放っておくとパキラ・ミルキーウェイの生育が弱まり枯れる恐れもあるので、早めに対処を行いましょう。

対処法は以下の通りです。

アブラムシが湧いてしまったら、市販の殺虫剤（ベニカXファインスプレー・オルトラン）を使用すると効果があります。

2倍に薄めた牛乳などの液体を噴霧する対処法もありますが、匂いが気になる方には水で洗い流す方法もおすすめです。

関連記事：観葉植物に発生するアブラムシ｜原因や対処・予防法

カイガラムシ

カイガラムシの症状は以下の通りです。

カイガラムシは繁殖力の強さと薬剤耐性のある厄介な害虫です。

放っておくとパキラ・ミルキーウェイの生育が弱まり枯れる恐れもあるので、早めに対処を行いましょう。

対処法は以下の通りです。

カイガラムシが発生したら、市販の殺虫剤（ベニカXファインスプレー・オルトラン・スミチオンなど）を使用するのが効果的。

カイガラムシの成虫には殺虫剤が効きにくいので、幼虫の時期である5～7月に使用するとよいでしょう。

既に貝殻をかぶっている成虫は、柔らかいブラシや布で擦り取ってください。

2倍に薄めた牛乳などの液体を噴霧する対処法もありますが、匂いが気になる方には水で洗い流す方法もおすすめです。

関連記事：観葉植物の白い綿はコナカイガラムシ｜対処法と予防法を紹介

コバエ

コバエの症状は以下の通りです。

コバエ自体は植物に無害ですが、観葉植物を育てるうえでの不快害虫です。

放っておくとコバエは増えていくので、早めに対処を行いましょう。

対処法は以下の通りです。

コバエが発生したら、市販の殺虫剤（ベニカXファインスプレー・オルトラン・スミチオンなど）を使用するのが効果的です。

コバエのトラップは食器用洗剤やお酢、めんつゆなどで作れます。植物の近くに置いておくと、簡単にコバエを捕殺できるでしょう。

コバエは、発酵不十分な腐葉土やバーク堆肥、有機質肥料の匂いに引き寄せられます。

そのため、有機質肥料を取り除いたり土の表面に赤玉土や鹿沼土など3～5㎝程度敷き詰めたりするとコバエ発生を防ぐことが可能です。

そもそもコバエは、完熟たい肥を使用した質のよい土であれば発生しません。また、土が常に湿っている状況を避ければ、発生する可能性は低いです。

コバエを発生させないためには、適切な土と水やり管理で育ててください。

関連記事：観葉植物に発生するコバエ｜対策と原因について

パキラ・ミルキーウェイのよくある質問

最後にパキラ・ミルキーウェイのよくある質問とその答えを以下にまとめました。

それでは具体的に見ていきましょう。

パキラ・ミルキーウェイは育てるのが難しいですか？

パキラ・ミルキーウェイを育てることは難しくありません。基本的な育て方はパキラと同様であるため、初心者にも育てやすいでしょう。

ただし、斑入り葉であるため、真夏の直射日光に当たると葉焼けする危険が高いです。とはいえ、暗すぎる場所で育てると白斑が入らなくなります。

レース越しの柔らかい光が入る場所で育ててください。通常のパキラに比べ、生育や新芽の展開がゆっくりなので、焦らずに気長に育てることがポイントです。

パキラ・ミルキーウェイの斑がなくなる原因は？

斑がなくなる原因は、「日当たり」「剪定」が考えられます。

日当たりを好む植物であるため、暗い場所に置くと徐々に斑が少なくなるので注意してください。斑の部分は光合成に必要な葉緑素を持っていません。

パキラ自身が、暗い場所で適応するために葉緑素を増やすために起こる現象です。ミルキーウェイは、明るい場所で管理してください。

接ぎ木のミルキーウェイの場合は、剪定によって斑がなくなることもあります。接ぎ木している部分より下の枝や幹を切ってしまうと、土台になっていたパキラの新芽が出てくるためです。

接ぎ目に注意して剪定しましょう。ミルキーウェイに限らず、斑入りの植物は稀に「先祖返り」をします。

斑入りの枝やツルから、原種の葉が出てくる現象です。そのままにしていると、緑色の葉ばかりになるので、早めに剪定して取り除いてください。

パキラ・ミルキーウェイは実生の方が育てやすい？

パキラ・ミルキーウェイは実生でも接ぎ木でも育てやすさは、あまり変わりません。

「実生」とは、種から育てた株のことです。種から育てられたミルキーウェイは、接ぎ木された株と異なり、どの部分を剪定しても斑入りの新芽が出てきます。

しかし、生育がゆっくりで新芽の展開も遅いので、見ごたえのある姿に成長するまで時間がかかります。早く大きくしたい方は挿し木された株を育てた方がよいでしょう。

斑入りのミルキーウェイは通常のパキラに比べ、やや葉焼けしやすい傾向にありますが、育てやすさにはあまり変わりません。もし実生のミルキーウェイを手に入れた場合は、大事に育ててください。

パキラ・ミルキーウェイは接ぎ木できる？

パキラ・ミルキーウェイは接ぎ木できます。

流通しているミルキーウェイは、接ぎ木されているパキラです。通常のパキラの枝部分を切り、ミルキーウェイの枝を重なるようにくっつけます。

その後、ずれないように接ぎ木用テープで固定してください。順調に育つと、接ぎ木したミルキーウエイから新芽が出てきます。

接ぎ木は初めて行う方には難しい作業です。しかし、生育環境や温度に注意して行うと成功しやすいので、ぜひチャレンジしてみてください。

パキラ・ミルキーウェイが枯れる原因は？

パキラ・ミルキーウェイが枯れる原因は、「根傷み」「寒さ」が考えられます。

水のやりすぎ(やらなすぎ)や根詰まりによって根が傷むと、葉が黄色くなり次第に茶色くなって枯れることがあります。水やりや植え替えは適切に行って育ててください。

パキラは乾燥を好む植物なので、水をやりすぎると根腐れで枯れてしまいやすいです。水やりはメリハリを持って与えることがポイント。

また寒さに弱いので、冬は最低10℃以上をキープした暖かい室内での管理が重要です。

パキラ・ミルキーウェイの冬越し方法は？

パキラ・ミルキーウェイは寒さに弱い植物です。最低10℃以上をキープして育てます。

冬の窓際は屋外と変わらないくらいに冷え込むので、窓から離れた明るい場所で管理してください。また、暖房の風に当たると乾燥によって葉が枯れる原因になります。

そのため、窓から離して暖房が当たらない場所に置くことが重要です。さらに、冬は空気が乾燥しやすいので、水やりだけでなく葉水も行うと葉を元気に維持できます。

水やりや葉水は、温度がしっかりと上がった時間帯に行ってください。寒い時間帯に行うと、逆効果になるので気を付けましょう。

パキラ・ミルキーウェイのまとめ

パキラ・ミルキーウェイは日当たりと風通しがよい場所であれば、一年を通して簡単に育てられます。満天の星空のような美しい葉は、おしゃれなインテリアグリーンとして活躍するでしょう。

花言葉「快活」「勝利」は、就職祝いや開店祝い、新築祝いに贈るプレゼントに最適です。金運や仕事運を上げるとされている風水効果は、多くの方に喜んでもらえます。

ぜひ、希少なパキラ・ミルキーウェイを素敵なインテリアグリーンとして育ててみてはいかがですか。